生物多様性とは

地球上には3000万種もの生きものが生息していると言われています。
すべての生きものには違いがあります。様々な生きものが、異なる環境で自分たちの生きる場所を見つけ、互いに違いを活かしながら、つながり調和していることを「生物多様性」といいます。

「生物多様性」にはたくさんの種類の生きものがいるだけではなく、様々な環境があること、そして同じ種類の生きものの中でも様々な遺伝子があることの3つのレベルの多様性があるとしています。

狛江市の生物多様性

多摩川、野川、弁財天特別緑地保全地区や、市内の公園・樹林地など、狛江市にはさまざまな自然環境があります。
平成30年度に実施した基礎調査では、市内に918種もの生きものが確認されました。

平成31年度に狛江市生物多様性地域戦略を策定し、今ある生物多様性を守るために市の目指す環境象の実現に向けて取り組んでいきます。

生物多様性を脅かすもの

生物多様性は、主に4つの危機にさらされているといわれています。

1.開発等、人間活動による危機

開発や乱獲による生息地の減少・分断・消失・質的劣化が世界中で起こっています。
狛江市も例外ではありません。みなさんは昔の狛江市の写真を見たことがありますか?
昔の狛江市には畑以外にも、田んぼや樹林が多くあり、今とは大きくことなる光景が広がっていました。

農地を例に揚げてみると、平成5年の農地の面積は71.8haでしたが、平成29年に実施した「狛江市緑の実態調査」では37.9haであることがわかりました。市街地化が進み生きものが安心して棲める場所が少しずつ減っていくことで、生きものの種類や個体数も少しずつ減ってしまっているかもしれません。

2.自然に対する働きかけの縮小・変化による危機

自然と関わり合いながらうまく活用してき昔の仕事や暮らしから、自然離れが進んでいます。人が適切に管理して活用をしていた場所に暮らす生きものが姿を消しています。

”1の開発の危機”にもつながる内容ですが、昔の狛江には田んぼや雑木林がいくつもありました。自然とどう関わるべきなのか、身近で学べる機会が減ってしまいました。このことによって、自然との関わりや野生の生きものへの関心も失われてきていしまいました。

様々な自然環境を残し、自然との関わり方や活用の仕方を継承していくことが大切です。

3.人間に持ち込まれたものによる危機

外来種など人によって持ち込まれた生きものが、在来の生きものを脅かす存在であることが散見されています。

平成30年度に行った調査でも市内で何種類もの外来種が見付かっています。
生きもの以外では「化学物質」なども生きものの生態に多くの影響を及ぼしています。
はじめに思い浮かぶのは、殺虫剤や洗剤、農薬などではないでしょうか?

一方では、わたしたちの生活を便利にしてくれるものです。使い方によって生ものにも影響が出ることをしっかりと意識して、化学の発展を享受することがあるのではないでしょうか。
薬品のような化学物質のほかに、プラスティックなどの合成された物質も生態系へ大きな影響を与えています。
不適切にプラスティックゴミが捨てられてしまうと、特に自然で分解が進みにくく、川や海に棲む生き物に直接的な負荷を与えています。

例えば、ビニール袋と餌を間違えて食べてしまったり、釣りの網がからまってしまったり…流れ出したゴミがどんな影響を与えるかははかり知れません。
不適切に捨てられたプラスティックゴミは、川を流れるうちに細かくなり「マイクロプラスティック」になります。これは有害物質を吸着しやすい性質を持ち、生物が餌と一緒に飲み込むことで生きものの体内に蓄積し、食物連鎖によって濃縮していきます。
回りまわって、最後には人体にも影響が出ていることが分かっています。

まず、プラスティック商品を買うときは、本当に必要か考えましょう。そして狛江市は多摩川と野川の2河川どちらも簡単に行き来ができる特別な場所です。多摩川統一清掃・野川美化清掃活動など、河川の清掃に参加しましょう。

4.地球温暖化による危機

生きものは季節ごとの太陽の動きや気温の変化を詳細に感じとっています。そのため、微細な気温の変化によって、生きものの棲むことのできる地域が限定されたり、繁殖がうまくいかず、絶滅する恐れがあります。

狛江市でも西日本から東日本へと分布を広げている”ナガサキアゲハ”の生息が確認されています。今後気温が上昇し、さらに地域の植生が変化したり、狛江市の在来種を脅かす生きものの生息が確認される場合もあります。

狛江市では生きものから実感を感じづらいかもしれません。
しかし、将来自分の子ども時代と比べて、生息している生きもの異なる、あるいは大幅に減っていて手遅れになってしまうことを想像してみてください。

地球温暖化の問題は、温室効果ガスが原因です。
温室効果ガスを減らす取り組みを少しずつ生活に取り入れましょう。

生物基礎調査の結果

狛江市における自然環境の現状と課題、特性を把握することを目的として、平成29年8月~平成30年5月にかけて、春・夏・秋・冬季に各1回の動植物調査を行いました(植物・昆虫類・水生生物は冬季に調査をしていません)。

調査対象

植物・鳥類・哺乳類・両生類・爬虫類・昆虫類・水生生物(魚類、甲殻類、貝類)

調査を実施した場所

1.野川(谷戸橋付近)

2.西野川樹林地・野川緑道

3.前原公園

4.中泉樹林地・伊豆美神社

5.西河原公園

6.狛江弁財天池特別緑地保全地区(泉龍寺含む)

7.農地の多い地区

8.岩戸川緑道

9.緑の多い緑地

10.多摩川(狛江水辺の楽校付近)

 

調査結果 

分類ごとの確認種数

分類群

総数

希少種

外来種

植物

500 23 124

哺乳類

1

鳥類

63 24 3

両生類

4 2 1

爬虫類

8 6 1

昆虫類

314 6 20

水生生物

20 5 4

合計

918 67 154
希少種について

確認された918種の動植物のうち、67種が希少種でした。67種もの希少種が生息できる環境がまだ残されているという見方もできますが、これ以上緑地や水辺など生息できる場所が減ってしまうと急激に生きものの種類や数が減少してしまう可能性があるので気を付ける必要があります。

外来種について

外来種が市内に分布・増殖することで、元々生息・生育してい動植物(在来種)が生息・生育する場所を奪われたり、捕食されたりし、生息数が減ることで絶滅する恐れがあります。
市内でもすでに154種と非常に多くの外来種が確認されていますが、野外にペットを離さないなど、狛江市の本来の生態系が失われないように気を付けましょう。

場所ごとの確認種数

調査地点

植物 哺乳類

鳥類

両生類
爬虫類

昆虫類

水生生物

野川(谷戸橋付近

141 4 26 4 135 12 322

西野川樹林地
野川緑道

154 6 17 3 90 - 270

前原公園

166 5 11 6 104 7 299

中泉樹林地
伊豆美神社

117 4

7

1 88 - 217

西河原公園

79 4 17 3 87 - 190

狛江弁財天池特別緑地保全地区

177 6 17 5 111 8 324

農地の多い地区

80 4 13 0 61 - 158

岩戸川緑道

162 3 13 1 93 - 272

緑の多い住宅地

111 2 8 0 39 - 160

多摩川(狛江水辺の楽校付近)

161 7 54 8 199 13 442

総種数

500 9 63 12 314 20 918

 

場所ごとの希少種数

調査地点

植物

乳類

鳥類

両生類
爬虫類

昆虫類

水生生物

野川(谷戸橋付近)

3

1

6 2 0 3

15

西野川樹林地
野川緑道

6 0 5 3 0 -

14

前原公園 7 0 1 2 1 2

13

中泉樹林地
伊豆美神社

1 0 0 1 0 - 2

西河原公園

0 0 4 3 0 - 7

狛江弁財天池特別緑地保全地区

4 0 2 3 1 1 11

農地の多い地区

0 0 2 0 0 - 2

岩戸川緑道

3 0 2 1 1 - 7

緑の多い住宅地

0 0 0 0 0 - 0

多摩川(狛江水辺の楽校付近)

5 1 21 5 4 4 40

総種数

23 1 24 8 6 5 67

 

狛江市は生物多様性の保全に向けて以下の取り組みを行っています

 ※知りたい情報や、参加したい取り組みに合わせてリンク先のページをご覧ください。