平成29年度狛江市外部評価委員会提言書

  

■委員会活動内容

開催回 開催日時 主な議題
第1回 5月16日 午後7時 評価対象事業等の選定について
第2回 6月20日 午後7時 評価対象事業に係る資料の確認について
第3回 7月18日 午後7時 評価対象事業担当課へのヒアリング①【子育て分野,交通分野】
第4回 7月25日 午後7時 評価対象事業担当課へのヒアリング②【地域振興分野,生涯学習分野】
第5回 8月1日 午後7時 評価対象事業担当課へのヒアリング③【防災・防犯分野,地域福祉分野】
第6回 8月23日 午後7時 平成29年度狛江市外部評価委員会提言書(案)について
第7回 9月14日 午後7時 平成29年度狛江市外部評価委員会提言書(案)について

 

■評価対象分野及び事業の選定

  今年度の外部評価委員会では,狛江市において実施した全21分野※1 314の事務事業※2 の中から,以下の6分野6事業を評価対象として選定した。

評価対象分野 評価対象事業 評価対象事業
防災・防犯

災害対策関係費

(防災訓練・避難所運営協議会)

安心安全課
地域振興 こまえ元気わくわく事業 地域活性課
地域福祉 民間施設ユニバーサルデザイン推進事業 地域福祉課
子育て 病児・病後児保育 子育て支援課
交通 自転車整理関係費 道路交通課
生涯学習 子ども読書啓発事業
(ブックスタート事業・セカンドブック事業・サードブック事業)
図書館

※1 平成25年3月に市が策定した「狛江市後期基本計画」において,市が取り組む施策を体系的に網羅・整理し,「まちづくり,交通,市民交流,市民文化,地域振興,生涯学習,防災・防犯,平和・人権,子育て,青少年,学校教育,地域福祉,高齢者福祉,障がい者福祉,生活福祉,保健・医療,自然環境,循環型社会,環境保全,市民参加・市民協働,行財政改革」の21の分野により構成されている。
※2 平成28年12月に市が策定した「平成28年度内部評価結果報告書(平成27年度実施事業評価)」に記載のある事業であり,再掲を含む事業数となる。
 

 

●選定にあたっての主な考え方

①市民アンケートにおける市民の関心度・満足度の調査結果を参考とした選定

 外部評価委員会の評価方法におけるポイントの一つに「市民目線の重視」が掲げられている点を踏まえ,市民アンケート※3 の結果を参考として,概ね以下の視点から評価対象分野及び事業を選定することとした。

  • 市民の関心度が高く,かつ満足度が十分でない分野
  • 本来多くの市民に関心をもってもらいたい分野
  • 他分野と比較して、関心度または満足度が低い分野

 また,関心度及び満足度を分布図として整理し,分析を行った結果,概ね3つのグループで構成されていることが確認できた。(13ページ 参考資料「市民アンケート調査結果」参照)
 そのため,各グループのバランスを考慮し,関心度が高いグループからのみ選定するのではなく,関心度が低いグループからも選定することでバランスを図った。

 

 

グループ

評価対象事業

関心度が最も高いグループ

2 交通

関心度が2番目に高いグループ

5 地域振興,6 生涯学習,7 防災・防犯,9 子育て

関心度が3番目に高いグループ

(関心度が最も低いグループ)

12 地域福祉

※3 市において,毎年4月に市民の各分野における関心度及び市の取組みに対する満足度を調査するアンケート(11ページ 参考資料「市民アンケート調査概要」参照)

 

②市で実施した内部評価結果※4 を参考とした選定

 平成28年12月に市が策定した「平成28年度内部評価結果報告書(平成27年度実施事業評価)」を参考に,概ね以下の視点から評価対象分野及び事業を選定した。 

  • A~Dの4段階評価において,CまたはD評価の事業(平成28年度内部評価結果報告書においてはD評価の事業はなかった。)
  • 事業に設定されている指標が目指すべき方向に沿っていない事業
  • 事業に設定されている指標が横ばいにもかかわらず,決算額が増加している事業
  • 委員会の提言に対し,市において次年度の予算編成で対応しづらい事業を除く(ハード面の事業,広域連携の事業等)

 

※4 市において,毎年度,行政内部で前年度に実施した事業を評価・検証する「内部評価」を実施し,その結果を報告書としてとりまとめている。

 

③平成26~28年度の外部評価実績を参考とした選定

 

評価対象分野について,全21ある分野の中で特定の分野に評価が集中しないよう,これまでの評価実績を参考とし,評価対象分野及び事業を選定した。

■平成26・27年度外部評価対象分野

年度 評価対象分野 評価対象事業
26 青少年 青少年育成委員会、青少年問題協議会、青少年活動推進事業、子ども議会体験事業、青少年会議
高齢者福祉 敬老金、高齢者福祉週間行事、入浴券
循環型社会 ごみ減量・リサイクル等の啓発、資源物集団回収事業奨励金、生ごみ処理堆肥化容器等購入費補助金・集合住宅生ごみ処理協力負担金
27 交通 コミュニティバス事業、交通安全対策事業
市民交流 コミュニティ活動活性化事業
子育て 子育て支援事業
障がい者福祉 障がい者相談事業
環境保全 環境学習関連事業、地球温暖化対策住宅用設備設置助成事業
28 地域振興 商工振興補助、中小企業者事業資金融資あっ旋等関係費、市民農園関係費
学校教育 情報教育推進費(中学校)、学校安全対策費
保健・医療 健康診査 特定健診・特定保健指導、母子保健事業関係費

 

●選定理由

事業名 概要
災害対策関係費
(防災訓練・避難所運営協議会)
・東日本大震災から年月が経過し,防災に関する意識が風化していることが懸念されること,市において「顔と顔の見える関係の構築」を柱とする「日本一安心で安全なまちづくり」を掲げていること,また避難所運営協議会の人手不足から実際に災害があった時に不安があるという意見があったため選定した。
・「B 関心度が2番目に高いグループ」に該当し,21分野中6位の関心度である。
・満足度は21分野中6位となっている。
・過去3年間,評価対象分野に選定されていない。
こまえ元気わくわく事業 ・本事業が重点プロジェクトに位置づけられていること,内部評価において「コンテストを一過性のものにせず,終了後においても商業振興に繋がるような工夫が必要である。」と記載されているが,その課題に対して今後どのように事業を検討し進めていくかを確認するため選定した。
・「B 関心度が2番目に高いグループ」に該当し,21分野中4位の関心度である。
・満足度は21分野中12位となっている。
民間施設ユニバーサルデザイン推進事業 ・本事業が重点プロジェクトに位置づけられているにもかかわらず,昨年度に引き続きC評価となっていること,また内部評価の指標に掲げている補助件数が過去3年間で0件であることから,実績がない原因が制度自体にあるのか,周知方法等が問題なのかを確認するため選定した。
・「C 関心度が3番目に高いグループ(関心度が低いグループ)」に該当し,21分野中21位の関心度である。
・満足度は21分野中10位となっている。
・過去3年間,評価対象分野に選定されていない。
病児・病後児保育 ・保育関係の話題は最近ニュースでも多く取り上げられていること,子どもが病気を患ったときに保育園に預けられないが会社を休むこともできないという悩みがある中で,狛江市が子育てしやすいまちになってほしいという思いとともに,その取組み内容を確認するため選定した。
・「B 関心度が2番目に高いグループ」に該当し,21分野中7位の関心度である。
・満足度は21分野中20位となっている。
自転車整理関係費 ・他の分野と比較して市民の関心度が突出して高く,昨年度の市民アンケートにおいても関心度が最も高いこと,内部評価結果において毎年度同額程度の決算額だが,駅前の放置自転車に関しては市民の生活にも直結しており,一工夫加えることで放置自転車台数を減らす方策が考えられるのではないかということから,その取組み内容を確認するため選定した。
・「A 関心度が最も高いグループ」に該当し,21分野中1位の関心度である。
・満足度は21分野中21位となっている。
子ども読書啓発事業
(ブックスタート事業・セカンドブック事業・サードブック事業)
・内部評価において,課題として贈呈するまでの時間短縮と対象者の利便性の向上が記載されているが,渡した後に子どもたちが本に対して興味を持ったか,図書館を利用するようになったか等,事業による効果を確認し,これまで以上に子どもたちが読書の楽しさを知るきっかけをつくり,自発的な読書活動につなげる事業にしていただくために選定した。
・「B 関心度が2番目に高いグループ」に該当し,21分野中5位の関心度である。
・満足度は21分野中14位となっている。
・過去3年間,評価対象分野に選定されていない。

 

■提言内容

 提言の内容は,以下のとおりです。

 

事業名 主な提言
災害対策関係費
(防災訓練・避難所運営協議会)
▼災害が発生し避難所を開設する必要が生じた際,地域住民が中心となって避難所を開設・運営する組織として避難所運営協議会が存在するが,現在,会員の高齢化が顕著となり,訓練の参加者が固定化されている状況である。より多くの市民に情報が伝わるように,市のツイッターやフェイスブック等を活用し,町会・自治会未加入者や単身世帯,小中学生への啓発等,避難所運営協議会と協力して情報発信をしていただきたい。
その際は様々な人に避難所運営協議会に参加してもらえるよう,避難所運営協議会の必要性を訴えるとともに,「災害が発生した際に自分たちの身は自分たちで守らなくてはならない」,「自分たちで避難所を開設・運営しなくてはならない」というような,市民の防災に対する「自助」「共助」の意識の醸成を目的とした広報を効果的・継続的に行っていただきたい。あわせて市としても,災害時に避難所運営協議会と職員が一体となって円滑な連携がとれるよう,研修等を通じて訓練に参加する職員のスキルアップを図っていただきたい。

 

▼現在,市内には12か所の避難所運営協議会の会長で構成されている連絡会等を活用し,協議会同士の横の連携を深めている。協議会同士が,お互いの良い点やうまくいっている点,課題等を共有し,相互に災害対応能力を高められるよう,さらに促進していただきたい。

こまえ元気わくわく事業  ▼平成20年度から全5回のコンテストを実施し,これまで企画や運営等をほぼ全て市単独で行っているが,事業の企画や実施を段階的に市から他の団体等に移管することも視野に入れていただきたい。
また,コンテストのテーマを選定する際は一般公募や他の団体と協力する等,広くアイデアを募っていただきたい。あわせてメディアと連携する等,事業の周知方法を工夫し,コンテストへの参加者アップにつなげていただきたい。

 

▼コンテスト終了後のフォローについて,コンテスト参加店のモチベーションの向上や,今後のコンテストへの参加者・参加店の増のため,最優秀作品賞等を受賞した参加店に対し,人目につきやすく話題性のある宣伝方法を検討していただきたい。

民間施設ユニバーサルデザイン推進事業 ▼福祉のまちづくりを推進するうえで良い目的の事業であるが,平成26年度から28年度までの3年間での補助実績は1件であり,ほとんど利用されていない現状がある。補助実績が伸び悩んでいる原因について,事前相談の際やアンケート等を実施することで課題を把握・検証していただきたい。

 

▼事前相談の件数についても,3年間で4件と伸び悩んでいる。事前相談の件数を増加させることで課題の把握にもつながるので,そのための方策として,以下の3点を参考に周知方法を工夫していただきたい。
 ・これまでの補助実績をモデルケースとする等,補助制度を市民に分かりやすく示すこと
 ・例えばマンションの管理組合や商工会,工務店,金融機関や市役所の関連部署の窓口等,改修を検討する人が利用する可能性がある場所にリーフレット等を設置すること
 ・併用する可能性がある補助金等の制度の担当部署とも連携すること

病児・病後児保育 ▼すこやか病児保育室について,今後も共働き家庭の増加等により,需要が高まることが想定される。また,子どもの病気時の対応は仕事を持つ親にとって切実な課題である。担当課において,今年度からキャンセル件数や受け入れを断った件数を記録し,実態の把握に努めていただいている点は評価できるが,それに加えて,利用者に対するアンケート等を行うとともに,現在は利用していない人の声も収集し,利用者の増加に向けて現状を把握したうえで,課題等について整理・検証していただきたい。

 

▼ファミリー・サポート・センターの病後児預りについて,すこやか病児保育室を中心とした市の病児・病後児保育体制を形成する重要な取組みである。しかし,事業開始以降ほとんど利用されていない現状があるため,以下の2点を踏まえたうえで,利用者の増加に向けて対応していただきたい。
・どうしたら利用してもらえるかといった声をアンケート等により収集するとともに,同様の事業で成功している自治体の事例を参考にすることで課題を把握し,整理・検証すること
・病後児を安心して預けることができる制度なのか,子どもを預ける親が不安に思っている可能性があるため,子どもを「安心・安全」に預けることができる制度であることを分かりやすく伝える等,事業の効果的な周知方法等について検討すること
 また,対応後一定期間経過しても利用状況に変化が見られない場合は,仕組みの見直しや事業のあり方について検討していただきたい。

自転車整理関係費 ▼駅近くの駐輪場は満車に近い状態が多く,駐輪したくても駐輪できないという状況にあり,放置自転車が発生する要因となっていると推察される。駐輪場の設置については本来,鉄道会社や店舗等の責任で相当数を確保することが望ましい。そのため,現状を把握したうえで,必要に応じて市と事業者で協議の場を設け,駅近くの駐輪場に関する情報交換や現状の課題を共有し,駐輪場の確保に努めていただきたい。

 

▼駅近くの駐輪場は満車に近い状態が多いが,駅から少し離れた駐輪場は比較的空きスペースがある場合がある。さらに,自転車等放置禁止区域外には市で無料駐輪場を設置している。これらの駐輪スペースを有効活用するため,比較的空きスペースがある駐輪場を周知することで,駅近くの駐輪場利用者の分散化に取り組んでいただきたい。あわせて,自転車利用者に対するモラルやルールの徹底を訴えかけるような啓発やキャンペーン活動等,ソフト面の取組みも検討していただきたい。

子ども読書啓発事業
(ブックスタート事業・セカンドブック事業・サードブック事業)
▼セカンドブック事業とサードブック事業について,子どもたちに直接本を手に取って選んでもらい,その場で本を渡すという方法は,一冊の本を読もうと思うきっかけづくりとして有効と考える。その一方,限られた対象本から選んでもらっていることから,例えば本の贈呈の工夫等により対象本を拡大することや,市民の意見や図書館の貸出し実績等の客観的なデータを踏まえた多様な視点から本を選定することで,これまで以上に読書の楽しさを知るきっかけづくりや今後の図書館利用につなげていただきたい。特にサードブック事業については,対象本に本の選定理由や感想を添える等,子どもたちが読みたいと思うような仕掛けを検討していただきたい。

 

▼サードブック事業は事業初年度であり,本を受け取った子どもたちがどのように感じたのか,市として期待していた効果があったのか等について,利用しなかった子どもも含めたアンケートの実施等により把握し,活動指標ではなく,成果指標を今後の事業の検証に使用していただきたい。

 

■平成28年度外部評価委員会委員(順不同・敬称略)

  氏名 所属等 選出区分
委員長 都築 完   公募市民
副委員長 福島 康仁 日本大学法学部公共政策学科 教授 有識者
委員 藤井 誠一郎 大東文化大学法学部政治学科 専任講師 有識者
委員 尾花 尚弥 株式会社三菱総合研究所 次世代インフラ事業本部
インフラマネジメントグループ グループリーダー
有識者
委員 五十嵐 秀司   公募市民
委員 栗山 修一   公募市民
委員 猿谷 享子   公募市民
委員 志村 博之   公募市民
委員 田中 友紀   公募市民
委員 谷田部 武晴   公募市民
委員 髙橋 良典 狛江市企画財政部長 市職員