市長対談コーナー

第2回 片山 隆司(かたやま たかし)さん(狛江市医師会長)

 市内の各分野においてご活躍されている方(躍動人)に、市長がお話を伺うコーナーです。
 今回の躍動人は、狛江市医師会長の片山隆司さんです。日頃から狛江市民の健康のためにご尽力いただいています。片山会長から意外と知られていない狛江市医師会のお仕事や、狛江市で長く健康に暮らすために大切なことを伺いました。

人生100年時代~長く健康に生きるために~

市長 まず始めに、日頃から狛江市民の健康のためにご尽力いただき、誠にありがとうございます。最近はよく人生100年時代と言いますが、いつまでも健康に生きる秘訣(ひけつ)は何かありますか。
会長 個人ということで考えると、長い人生の中で、ワーク・ライフ・バランスを大切にし、病気と上手に付き合うことです。病気が怖いから見て見ぬふりをするということではなく、病気と向き合うという考えを持っていただくことが重要です。
市長 先生は糖尿病が専門ですよね。糖尿病の予防では何が大切なのでしょうか。
会長 やはり食事と運動ですね。糖尿病はサイレントキラーといって、自覚症状が無いうちに症状が悪化しているということが多いです。ですから糖尿病に限らず生活習慣病予防ということを考えると、医師会の仕事として特定健診の受診率を上げるということが、市民の皆さんの健康管理のために大変重要なことだと思っています。ただ、健診を受けていただいても、そのまま放置している方が非常に多いです。健診結果が正常値でない方には、病気の発症・進展があるというイメージを明確に持っていただくことが健康の第一歩だと思います。我々も健診で指摘があった方に、市から特定保健指導の案内が来たらぜひ参加してくださいと、強く呼び掛けています。

頼れる私のお医者さん~かかりつけ医の重要性~

市長 市民の皆さんの多くはかかりつけ医を持っていると思うのですが、やはり、普段から同じ医師の方に診ていただいた方が、微妙な変化に気付きやすいということが言えると思うのですが。
会長 おっしゃる通りです。全国的なアンケート調査の結果では、医療において一番信頼するものは何ですかという質問に、テレビやインターネット、大きな病院での診療よりも、やはりかかりつけ医という回答が多かったです。我々も身が引き締まる思いです。ただ、我々だけではできないことがたくさんあるので、普段は医師会員の医師が診察を行い、時として基幹病院の専門の先生に診察していただく、循環型の医療連携を実践していければと思っています。

狛江市医師会と市の連携~支える市民の健康~

市長 医師会と行政が協力することはたくさんありますが、市民の皆さんの中には「狛江市医師会」というものがあまり分からないという方もいらっしゃると思います。狛江市医師会は市民の健康のためにこういうことをやっているんですよということを、市民の皆さんにお伝えできたらと思いますが。
会長 身近な所では、健康診断、予防接種、休日診療や市民健康相談、医療に関する市民講座などは医師会員の医師が行っている重要な業務です。また、市内に基幹病院が1カ所しかないので、基幹病院の先生も疲弊してしまいますし、いざという時の受け皿も少ないです。そういった医療環境の中で日々の健康相談ができて困ったときに駆け込める医療機関として、我々医師会員の診療所を利用していただければありがたいです。
市長 これからさまざまな感染症が増えてくる季節だと思いますが、医師会として大変なことはどんなことでしょう。
会長 昨シーズンはインフルエンザが大流行しました。医師会員の診療所にも患者さんが殺到しました。同じ時期に健診や予防接種で来ていらっしゃる方と感染症の患者さんがぶつかってしまい、インフルエンザの患者さんがいる中で待っていただかなければならないことも起こり得ます。その対策として、流行が予想される時期と健診の期間をずらしたり、予防接種のやり方を少し変えたりしながら、市民の皆さんにご負担を掛けないような受診勧奨をしています。市の担当者と相談しながら、期間の問題などさまざまなことを考え、毎年工夫し対応しています。
市長 医師会と行政、この2つの連携があることによって、市民の皆さんが住み慣れた狛江の地でずっと住み続けられるということになりますよね。
会長 そうですね。これからも市民の皆さんの健康を守るため、狛江市医師会もますます発展していければと思います。一緒に頑張りましょう。