「統計こまえ」から見た平成時代

 狛江市の人口は昭和59年に7万218人になって以後、平成28年に8万8人になるまで8万人を超えることがなかった。しかしその間14歳以下の年少人口は平成13年の8,202人を最低に平成31年には9,666人と増加しているが、65歳以上の老年人口は平成元年の6,125人に対し平成31年には1万9,785人と大幅に増え、市内全人口の24%を占めるようになった。町丁別に見て50%を超えているところもある。また学齢期の人口の減少から平成13年に狛江第四小学校と狛江第八小学校、平成17年には狛江第二小学校と狛江第七小学校が併合した。中学校は校数は減らないが学級数は4校合計で平成元年の67学級2,311人から平成18年には38学級1,172人を最低に、その後は小・中学校とも増加傾向をたどっている。
 世帯数は平成元年の2万9,726世帯から平成31年には4万2,157世帯になり、1.4倍に増加したが、1世帯平均の人数は2.46人から平成31年の1.96人と減少している。
 狛江市の人口動態の特徴は、出生・死亡より転入・転出が多いことにある。平成時代30年間の出生数の平均は628人、死亡数の平均は508人であるが、転入数の平均は5,888人で、その間平均5,726人の転出者を送り出している。その原因は、狛江市は都心に近く日常生活に便利、自然が豊かなことなどと、企業が移転した跡地や、市役所周辺および狛江団地付近に工場があって準工業地帯に指定されていたこと、その後の都市計画道路等の整備により、比較的規模の大きな建築物を建てやすくなったこともあろう。高層建築の数も年々増え、平成元年に4階建て以上は227棟だったが、平成30年には413棟に、特に6階から9階建てが24棟から80棟、10階以上が10棟から17棟になっている。
 宅地が増えれば農地が減る。水田は平成6年で完全になくなり、畑は平成元年の8,301アールから平成30年には3,765アールと半分以下になった。
 昼間人口も夜間人口より少なく平成27年には73.8%で、勤め人の多い町といえよう。
 だから面積は6.39㎢と多摩26市中最小だが、人口密度は平成31年で1㎢当たり1万2,908人と武蔵野市の1万3,333人に次いで2番目に高い。特に和泉本町1丁目は2万6,110人と市内で最も高い。
 たばこの販売店は平成元年に85店、販売数1億4,055万8,000本が平成29年には30店、販売数も6,546万4000本と減ったが、たばこによる税収は平成元年の2億7,973万円から平成29年には3億3,943万3,000円になっている。平成23年10月から税率が上がったのである。

 井上 孝
 (狛江市文化財専門委員)