市長対談コーナー

第4回 冨永 松弘さん(狛江市消防団長)

 市内の各分野においてご活躍されている方(躍動人)に、市長がお話を伺うコーナーです。
 今回の躍動人は、狛江市消防団長の冨永松弘さんです。消防団は市民自らが狛江市を守っている大変頼もしい存在です。冨永団長から消防団の役割や仕事内容についてお話を伺いました。

キャッチコピーは「我々のまちは我々で守る」

市長 いつも狛江市民の生命、身体、財産をお守りいただきましてありがとうございます。まず、消防署と消防団の違いを教えていただけますか。
団長 狛江市を管轄している狛江消防署員は東京消防庁の職員です。消防団は、日本全国の各自治体の下に付いていて、自分の仕事を持ちながら第二種の地方公務員として、非常時に活動しています。
市長 仕事を持ちながら、市の安心・安全のために活動されているということですね。
団長 日本全国の消防団員の中では、「我々のまちは我々で守る」とよく言っています。
市長 いい言葉です。では、消防署との連携で気を付けていることはどのようなことでしょう。
団長 消火活動では、4方向で消火栓ないし防火水槽を率先して取るようにしています。裏の細かいところで動くのが私たちの強みでもあります。
市長 地元の地理などを知っているからこそできることですね。
団長 歴代の団長から、「団長はとにかく現場に着いたら一回り見て、どこが足りないかを消防署の大隊長に伝え、そこに団が入っていいのかなどを確認してから動け」と教えられてきました。
市長 なるほど。ところで、消防団に入っている方はどんな方が多いのでしょう。
団長 私は今24年目になるのですが、入った当時は7~8割は自営業で、市内にいつもいる方が多かったですが、今は団員の約6割は会社勤めの方で、周りから勧められるよりも本人の意志で入団してくれています。
市長 そうなんですね。昨年行われた東京都消防操法大会で第3分団が第3位という素晴らしい成績を収めました。野川分団に続いての受賞とのことで、おめでとうございます。
団長 ありがとうございます。大体1年と少しくらいの間で、最低でも100回は訓練をすることを目標にしていないと、技術なりタイムなり、それ相応のものが身に付かないだろうと言われています。
市長 訓練は仕事が終わった後やお休みの時ですので苦労があったと思います。今回の大会を拝見しましたけど、本当にきびきびしていました。あれは日頃ちゃんと訓練している成果だと思います。さらに素晴らしいのは、団長も含めて本部の方、退団された先輩方、地区消防隊の方など、皆さんが激励に来ていて、消防団の団結力に驚かされました。
団長 見に来てくださると大変励みになります。

災害対応を経験して~市民の命を守る~

市長 昨年の台風第19号の対応も大変だったと思います。
団長 台風は来るのが事前に分かっていたので、80人越えの団員が集まってくれました。でも地震は怖いですよね。その場にいる人たちだけで対応することになるので。
市長 消防団員の皆さんには的確な活動をしていただきました。それは普段の訓練のたまものだと思います。でも今回の台風では命の危険を感じた時があったと思います。
団長 車を移動させながら吸水・排水作業を繰り返しましたが、今までにないような雨の量でした。現場に行き、川岸に上がって上から見たら、もうすぐそこまで来ていました。
市長 団長と一緒に現地に行った時に、団長は冷静でしたよね。やはりトップに立つ人の冷静な行動が大切だと思いました。それは日頃の訓練や、今までの現場確認が生かされていると感じました。
団長 参集時に、万が一のためにすぐボートを出せるよう準備を指示しました。実際に災害時にボートを出すのは初めてでしたが、できる限りの活動はできたのかなと思っています。実は、都内の消防団でボートを保有しているところは5市あるのですが、狛江は唯一、手こぎではなくエンジン付きのボートを保有しています。また、団員の約半数が小型船舶免許を取得していて、操縦できる人員が揃っているのが私たちの強みだと思っています。
市長 本当に心強いです。

消防団の今後について

市長 消防団の今後についてはいかがですか。
団長 消防団に入りたいという人がもっと増えてほしいですね。自分たちが被災者になる可能性はもちろん大きいですが、その中でみんなが協力し合えれば、もっと処理できる能力や速度も速くなりますし、狛江の安全のためには一番なのかなと思います。
市長 やはり若い方に入っていただきたいですよね。「自分たちのまちは自分たちで守る」という気持ちのある方に手を挙げていただきたいです。これからも安心・安全なまちづくりのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
団長 こちらこそよろしくお願いいたします。