映画「フラガール」を観ました。昭和40年、エネルギー転換という国策の荒波が直撃する常磐炭鉱が舞台です。炭坑の閉鎖が続く中、企業の存続策として温泉レジャー施設が建設されることになり、そこでハワイアンダンサーをめざす炭坑の娘たちの話です。
 その4年後、私は勤務していた会社の社員旅行で、この「ハワイアンセンター」を訪れています。朝、宿からバスで向かうと、途中から十七、八歳ぐらいの娘さんが次々に乗り込んできました。入館した私たちがショーを観にいくと、その子たちが舞台で華やかに踊っていて驚かされたものです。
 映画では、父親が解雇され他の炭坑で働くことになり、ダンサーの夢が絶たれる娘さんがいました。この行き先が夕張炭坑でしたが、実際、常磐から夕張に移った炭坑の人たちは大勢います。この人が実在していれば、今は60歳間近です。その夕張でも炭坑が閉鎖され、さらに市が昨年財政再建団体の道を選び、高齢者の生活や健康が脅かされている時、映画を超える現実の厳しさに思いを馳せ目頭が熱くなりました。
 中国残留孤児、中南米への移民など、国策による犠牲者は数多くいますが、時代にほんろうされた人びとを「自己責任」として突き放しては、人間を大切にする政治は生まれません。夕張再生にがんばる市民の努力を、国は支援すべきです。
狛江市長 矢野ゆたか