平成28年度第1回総合教育会議会議録

日 時  平成28年11月18日(金)午後3時~4時1分

場 所  狛江市議会第一委員会室

出席者   会長 高橋 都彦(市長)

     委員 佐藤 正志,熊谷 勝仁,千葉 眞理,鈴木 晃子,有馬 守一(教育委員会)

事務局  高橋 良典(企画財政部長),田部井 則人(政策室長)

     平林 浩一(教育部長),柏原 聖子(教育部理事兼指導室長),宗像 秀樹(学校教育課長)

参考人  松坂 誠(福祉保健部長)

欠席者  なし

傍聴者  1名

議 事  ○議事説明  資料1 [40KB pdfファイル] 

     ○協議・調整事項

      1.平成29年度予算に係る教育委員会の重点事項について  資料2 [72KB pdfファイル] 

      2.「健康マイレージ」を通じた健康づくりの推進について  資料3 [88KB pdfファイル] 

     ○その他

-発言要旨-

○会  長

 これより,平成28年度第2回狛江市総合教育会議を開会します。
 議事に入る前に,本日の総合教育会議の議事の概要を事務局から説明させます。

 

○事 務 局

 それでは,事務局から本日の議事の概要を説明します。
 まず,「協議・調整事項1.平成29年度予算に係る教育委員会の重点事項について」につきましては,平成29年度予算の編成にあたり,教育委員会が所管する事業のうち,特に重点事項として捉えている教育広報と不登校対策の2件について,教育部長よりその概要を説明し,協議・意見交換を行うものです。
 また,「協議・調整事項2.「健康マイレージ」を通じた健康づくりの推進について」につきましては,狛江市における健康づくりの推進にあたり,福祉保健部において検討・調整を進めている健康マイレージ制度に関して,まず,冒頭に,高橋市長より,この健康マイレージのねらいを中心にご発言いただき,そのうえで,参考人としてご出席いただいている松坂福祉保健部長より,現在,企画・立案している狛江市における健康マイレージ制度のポイントや,制度開始までのスケジュール,この制度の導入にあたっての議論しておくべき論点をご説明いただきます。そして,この説明の後,市長と教育委員の皆さまの間で協議・意見交換を行い,事業の全体像を共有して,今後の事業の推進に繋げるものです。
 なお,本日は,事務局として,市企画財政部から,高橋企画財政部長と田部井政策室長が,教育委員会教育部から平林教育部長,柏原教育部理事兼指導室長と学校教育課長のわたくし宗像以下,学校教育課職員2名が出席しているほか,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4第5項及び狛江市総合教育会議の設置及び運営に関する条例第8条の規定に基づく議事の参考人として,市福祉保健部から松坂福祉保健部長に出席いただいております。
 事務局からの説明は,以上です。

 

○会  長

 事務局の説明が終わりましたので,議事を進めます。
 まず,『協議・調整事項(1)平成29年度予算に係る教育委員会の重点事項について』,事務局から説明をお願いします。

 

○事 務 局

 それでは,私から「協議・調整事項1.平成29年度予算に係る教育委員会の重点事項について」説明いたします。
 まず,平成29年度予算につきましては,先に予算要求が締め切られ,今後,市長以下,企画財政部を中心に予算編成がなされていくところですが,その予算編成作業にあたり,教育委員会が重点事項と捉える教育広報の充実と不登校対策の推進の2件について,ご説明します。
 まず,教育広報の充実です。こちらは,本年6月に決定した狛江市教育委員会広報基本方針に基づき,紙媒体である教育広報紙と,ウェブ媒体である教育委員会のホームページをあわせて抜本的に見直し,狛江市の教育に関する情報の発信をトータルで考え,コーディネートしようとするものです。
まず,このうち,紙媒体の教育広報紙につきましては,今回のリニューアルにあわせてタイトルを,学校と地域を繋ぐという思いを込めて,「ガク☆チキ」に変更するとともに,「企画型で参加型の広報紙」をコンセプトとして,心を動かす記事や紙面構成に読売新聞社の全面協力を得て,作っていきたいと考えています。第1号は「食」をテーマにして,12月に発行する予定です。
 次に,ウェブ媒体となる教育委員会サイトの再構築です。現在,狛江市の教育に関する情報は,教育用のウェブサイトを保有しているにも関わらず,そのウェブサイトを使用せず,市のホームページの枠内での発信に留まっておりましたが,この休眠中の教育用のウェブサイトを改めて構成し直したうえで,運用を行っていきたいと考えています。この教育用のウェブサイトでは,ウェブの特性を生かした機能,例えば,動画再生,インターネットを通じた申請などを最大限活用するとともに,これからリニューアルする教育広報紙との連動,例えば「続きはウェブで…」といったような形で,QRコードを用いて教育のWebサイトに誘導したり,更新情報を自動で拾ってくるRSS機能を用いて,同じドメインにある各小・中学校のホームページとリアルタイムで連動させるなどして,このサイトが持っている機能とその柔軟性を最大限に活用しながら,紙媒体の広報紙のリニューアルともあわせて,教育情報の広報,情報発信を全体から再構築していきたいと考えています。
 次に,不登校対策の推進です。従前より,不登校の児童生徒への支援として,教育研究所の適応指導教室「ゆうゆう教室」に適応指導員4人とスクールソーシャルワーカー2人を配置し,関係機関と連携して組織的に対応するとともに保護者のニーズに応じて,訪問指導やゆうあいフレンドの派遣を行ってきました。また,この間,不登校にならないための方策も,あわせて模索しながら取り組んできましたが,不登校の児童生徒の解消には至っていない現状があります。そこで,特に学校の努力だけでは解消できない課題に対しては,ともに適応指導教室での教育活動の中に,人と関わったり,自然や文化に触れる体験的な教育活動を取り入れることが必要であると考え,平成28年度から,文部科学省の「フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業」の指定を受けて,小菅村留学体験事業を立ち上げ,9月に1泊2日の宿泊体験,10月に日帰りの校外学習をそれぞれ行いました。また,不登校の児童生徒の支援を行っている専門家や行政職員,学校長により構成する不登校対策連絡協議会を立ち上げ,医療や療育などの専門的な視点と教育的な視点の両面から,それらを融合させた支援を行おうとしているところです。また,これ以外にも,芸術家による音楽鑑賞教室や技術専門員の指導のもと,都立工業高校の生徒とゆうゆうの生徒がともに環境を整備する事業に取り組んだり,フリースクールKOPPIEの支援や連携などによる個別の取組みの積み重ねを行ってところです。今後は,小菅村の樹齢100年の檜を使用した学習机と椅子を使用して,ゆうゆう教室と小菅村の関わりを進めていく予定です。
 次に,4ページ,来年度の取組みとしては,従前の取組みと,今年度の取組をブラッシュアップした小菅村体験事業に加え,ゆうあいフレンドの拡充と人との関わりを重視した体験活動を充実させるための学生有償ボランティアの配置をともに行うことで,相談員による心理的な面からの支援と,学習や体験活動などにおける直接的な支援を不登校の児童生徒の支援の両輪と捉え,行っていきたいと考えています。また,29年度予算としての要求は行っていませんが,文科省のモデル事業は引き続き継続する方向で検討していると伺っていますので,来年度も,再度,文部科学省モデル事業に応募し,フリースクールの活動を支援していきたいと考えています。
 説明は,以上です。

 

○会  長

 それでは,この資料をもとに,質疑・意見交換を行います。

 

○千葉委員

 「不登校対策の推進」にある「ゆうあいフレンド」は,どのような形を想定しているのでしょうか。また,狛江市内にあるフリースクールは現状としてどのくらいの規模,どのような生徒がいてどのような活動をしているのでしょうか。

 

○事 務 局

 まず,「ゆうあいフレンド」の派遣事業の内容と対象の児童・生徒について説明します。活動内容としては不登校や特別な支援を必要とする児童・生徒に対して,比較的年齢の近い心理学に長けた相談員が家庭訪問や学校訪問を行い,話し相手や遊び相手をするといった支援を行っていくものです。狛江市の学校で行っている巡回相談の対象の子どもたちもこの事業の対象です。子どもたちの気持ちに寄り添いながら気持ちを和らげ,主体的な活動ができる自立性向を導いていく第一歩という部分で,人を派遣する事業です。対象の児童は,不登校状態にあり,かつゆうゆう教室への通級が困難であったり,生活指導上特別な支援が必要であり,巡回指導の対象となっている児童・生徒です。フリースクールは,狛江市内にKOPPIEという施設があります。完全な引きこもりではないけれども,現在の社会の枠組みの中ではなかなか生活がしにくかったり,学校に行きづらかったりする子どもが,通学の日数や登下校の時間,過ごし方,服装などが自由な状態で,まず社会の人と関わる場所として提供されたところです。今,自分ができることの中で,生活リズムや食事を取る,人と話をするところから始めている自由な空間,居場所です。

 

○千葉委員

 「ゆうあいフレンド」として訪ねて行く方は専門家でしょうか。

 

○事 務 局

 「ゆうあいフレンド」事業で派遣する人を相談員と呼んでいますが,資格としては,大学院で心理学を学んでいる者,学校教育相談の経験を有した者,学校教育に対して熱意と理解があり目的に沿って専門性を発揮できる者,のいずれかを満たした人になります。

 

○佐藤委員

 相談員には,私も校長時代に非常に助けられました。子どもが少しずつ学校に登校できるようになった状況がありました。相談員により上手くいった事例の情報を話していただいて,市長にご理解をいただき,この事業の重要性をアピールしていただければと思います。

 

○事 務 局

 かなり個人情報が含まれてきますので,この場で詳細をお伝えできないところはありますが,現在も「ゆうあいフレンド」を派遣しています。なかなか外出できないコンディションの子どもに対して寄り添っているというのが現状です。

 

○佐藤委員

 私が小学校で不登校の児童を抱えていた時に,ある程度専門性を持っていた大学院生に家庭を訪問していただき,子どもと保護者にコンタクトを取って,少しずつ改善していった事例があります。とても大事な事業だと感じていますのでぜひ市長にもご理解いただきたいと思います。

 

○会  長

 この事業の重要性は,私としても理解しているところです。
 ところで,先日,小菅村に視察に行かれたと伺っていますが,小菅村はいかがでしたか。

 

○鈴木委員

 天気も良く,紅葉も綺麗で,とても良い時期に訪問させていただきました。1クラスに子どもが3~4人という中で,小菅村の子どもたちはそれが当たり前に過ごしているようでした。校長先生にお話を伺ったところ,不登校もなければいじめもない,不審者情報もほとんどないという状況です。集団で生活している私たちが日頃抱えている問題はどこに大きな原因があるのだろう,ということを非常に考えさせられました。狛江市教育委員会がでは,不登校の生徒たちに日々きめ細かく接していただいています。子どもたちが小菅村の自然の中で体験学習をすることは非常に貴重なことだと感じました。不登校の子どもがいないことが一番望ましいですが,もし不登校の子どもがいる場合には,手を差し伸べてほしいと思います。多摩川が小菅村から狛江に流れてきているという大きな繋がりがありますので,小菅村とは今後とも教育面でも大事な付き合いをしていけたら良いと思いました。

 

○会  長

 ごく普通に活動している児童を拝見されたのですね。

 

○有馬委員

 児童・生徒数は僅かですが,その半分近くが狛江市の不登校の子どもと同じような問題を抱えて他府県から転居してきたようです。ゆうゆう教室に通う子どもたちからすると,自分たちの存在の延長線上にいるような思いをしたのではないかと思います。小菅村のクラスは小規模で,ゆうゆう教室とあまり変わらない教室風景であり,その点では馴染み深いのではないかと思います。思い切って子どもと一緒に移住された保護者が子どもを通わせています。狛江市の保護者の皆さんにも,一つの道として広く認知していただけたらありがたいと思いました。

 

○会  長

 小菅村の人口は少しずつ回復傾向にあります。この人口増は,子どものためばかりではなく,親の意思で転入されているところもありますが,小菅村の自然の中でのびのびと育てていくことは,子どもにとっても良いことだと思います。小菅村と住民交流友好都市となってから今年で10周年にあたります。私としては,今後,普通学級の子どもたちも狛江市と小菅村でお互いにホームステイし合うような事業を検討できないか,ということを先日の政策調整会議で教育部と話しました。

 

○千葉委員

 小菅村は狛江市と少し似ていると感じました。狛江市の良さをもっと際立てたところのようです。子どもたちが素直で大人を信頼している,穏やかで落ち着いているといった様子で,狛江の子どもたちもそのような良さがあると思います。狛江市にも多摩川があり畑や自然もありますが,小菅村に行くと,体の自律神経,体内時計が正されるような自然を感じました。私の子どもは,皆小さい時から小菅村には良く行っていました。自然の中で,自然の気持ち良さを感じることはとても大切なことです。都会にいると,人が造った物の中で暮らしていることが当たり前な感覚ですが,自然の中に行くと,人は自然の中で生かされてもらっているという感覚を覚えますし,そのようなことを子どもたちにも味わってもらいたいと思います。源流体験のように何か珍しいものがある訳ではないけれども,自然の中で自然を感じ取る経験をさせたいと思いながら,施設を見学しました。例えば,学校のクラス単位で行く場合にはどのような場所で何をするかなども考えながら見てきました。具体的な取組みを考え,進めていっていただきたいと思います。

 

○熊谷委員

 小菅村は本当に良い所です。冬は寒さや雪が厳しいですが,夏は涼しく,秋は特に紅葉等が素晴らしいところです。以前,狛江第一小学校の子どもたちを連れて行ったことがありますが,当時は施設面があまり充実していませんでした。ですから,施設面もこれからどんどん伸ばしていっていただきたいと思います。
       
○佐藤委員

 教育広報の充実についてです。広報誌のコンセプトに企画型・参加型とありますが,具体的にはどのようなことなのでしょうか。

 

○事 務 局

 昨年度,26市の市長会の補助事業を活用して,狛江市を含めた6市で教育広報のあり方を研究しました。その中では,各市で発行している教育の広報紙をなかなか読んでいただけないことをとり上げ,現状の広報紙の問題点として,市から伝えたいことを漫然と並べているだけで,読む人を具体的に想定していないことが見えてきましたので,この研究の成果として,まずターゲットを絞り,何を伝えるかということが大事であると分かりました。今年度,この研究結果を踏まえ,教育委員会の新しい広報は「学校と地域を繋ぐこと」を最終的な目的として,そのために地域の方々をターゲットに,まず学校を知ってもらい,学校に親しみを持ってもらいたいと考えています。そこで,現在編集作業を進めている創刊号では,学校教育で力をいれている「給食」や「食」について特集する予定です。昨年7月に中学校給食が始まりましたが,過去の反省を踏まえて衛生管理もしっかりと行っています。食材の選定から調理・配送までとても丁寧に行っていますが,過去の異物混入の噂がまだ消えていなかったり,給食が美味しくないという噂も一部では囁かれていたりしているようですので,そうではないということを伝えていくために,給食がどのような取り組みをしているのかを詳しく掘り下げたものを創刊号の特集として考えています。また,これまでは,学校教育課の庶務担当だけで広報誌の編集業務を行ってきましたが,これからは教育部職員の人材育成の一環として,各課の職員を企画・編集に携われるような方法で進めていきます。

 

○佐藤委員

 このたび,狛江第五小学校で始まった学校支援地域本部事業も,今後ぜひ取り上げていただき,地域と学校が繋がっていくための一つのPRの手段となると良いと思います。

 

○会  長

 市長会で,この補助事業の研究成果発表があり,教育部の職員が発表を行っていました。私は,この研究成果を擁護する立場で発言しましたが,隣に座っていた小平市長からは「市長部局の広報で十分ではないか,誰が読むのか。」といったような発言もありました。形を改めても内容に引き付けられるものがなければ,結局,誰も読んでくれないのではないか,無駄ではないかと言っていました。要は内容の問題とその場では反論しましたが,そのようなことにならないように,市民の皆さんに興味を持って読まれるような内容に工夫してもらいたいと思います。

 

○事 務 局

 企画型と参加型について少し補足します。これからは,単に情報を集めて記載するのではなく,教育委員会が地域の住民に伝えたいことは何か,そのためには何をどのような切り口で伝えると,住民に伝わり,教育委員会と住民双方の関係が良くなるのか,を考えて作成します。そこで,まず企画型ですが,これまでの教育広報紙との最大の違いは,教育委員会が何を伝えたいのかを明確にして,企画を先に考え,それに沿って取材をして記事をつくります。例えば,今回は「食」の話を扱いますが,ここで給食の試食会も行いましたので,そこではどのような感想が多いのかということで試食した方のインタビューを行うなど,先にこちらがある程度伝えたいことを明確にした上で,そのための情報を集め,発信していく,というのが企画型の意図です。また,参加型についても,これまではあくまでも発信のみの一方通行であったところを,本来,発信と受信が両方あって初めてコミュニケーションが成立するわけで,それをどんどん重ねることで,両者の関係が良くなり,信頼関係ができることで,またこちらからのメッセージも相手に伝わりやすくなります。こちらが伝えたい情報と相手が知りたい情報が一致していることはあまりありませんので,読みたいと思われる記事を載せて,読み手との信頼関係を作り上げていきつつ,こちらが伝えたい情報も少しずつ出していく,というようなことを意識して双方向でコミュニケーションをとっていく,というのが参加型の意図です。

 

○千葉委員

 私は,研究会のメンバーが一般市民向けに行った発表を見に行きましたが,とても良い発表だったと感心しました。例えば,これまでの狛江の教育には,必要なことだけが記載されていて,私も自分に関連する記事を見て終わりでしたが,先ほど,事務局に新しい広報誌のサンプルを見せていただいたところ,これまでとは全く違い,新しい読み物という印象で,情報を知るというよりも,深く読むことができ,表紙も雑誌のように思わず手にとって見るような形になっていました。とても同じ広報とは思えないくらい印象が良い方向に変わりました。職員の皆さんの頑張りで,狛江の教育がこんなにも変わったということが伝わればといいと思います。また,教育委員会のホームページも見ている市民は多いと思います。学校のホームページは頑張っているのに,教育委員会のホームページは見ても分からないことがあったり,内容がつまらないといったような意見も聞いています。学校のホームページは,各校がそれぞれ行っていて,学校によっては日々の様子が詳しく書かれていたりしています。特に,小学校に上がる前の保護者がよく見ているようですので,教育委員会の頑張りもこのようなところから身近に感じるようになっていただきたいと思います。

 

○会  長

 「ガク☆チキ」とはどのような意味ですか。

 

○事 務 局

 学校と地域を繋ぐ広報誌,という思いを込めて,学校の「ガク」と,地域の「チ」と「キ」をとって,「ガク☆チキ」です。

 

○会  長

 私は先ほど編集中のサンプルを見ましたが,「ガク☆チキ」の意味の解説がないと,「ガク☆チキ」って何だろう,と思う人もいると思います。

 

○鈴木委員

 「狛江の教育」のリニューアル版ということを理解するまで,これまでの紙面をご存知の方は手に取ってから少し時間がかかるかもしれません。以前,広報基本方針の段階でお聞きしていた高齢者向けや地域向けのイメージとは少し違いましたが、あらゆる世代に対応できるように、むしろ対象を地域や高齢者に限定しなくても良いのではないかと思います。第1回は「給食」ということですが,確かに誰もが身近に感じる内容だと思います。写真もカラーになって見やすくなり,読売新聞と連携していることもあって,より充実したものになっていくと思います。ウェブの活用については,保護者はウェブサイトも見ていても,更新が少ないとそのうち見なくなって,それがアクセス数にも表れてきます。紙とウェブの広報を併せて充実していくことが地域や保護者の教育への興味の向上につながりますので,ご理解とご配慮をお願いいたします。

 

○佐藤委員

 教育委員会として考えているこれらの方向性をぜひご理解いただき,29年度予算の編成にあたってはご配慮をお願いしたいと思います。

 

○会  長

 他にはいかがでしょうか。本日は,もう1件議題もありますので,本件はいったんここで引き取らせていただき,平成29年度予算に係る教育委員会の重点事項については,予算編成作業の中で総合的に検討することとします。
 次に,『協議・調整事項(2)「健康マイレージ」を通じた健康づくりの推進について』は,まず,私から説明します。
 近年,日本人の平均寿命が非常に延びてきています。また,その平均寿命から男性は10年,女性は13年引いたものが,いわゆる健康寿命と言われています。この10年と13年というのはどのようなものかというと,いわゆる寝たきりになっている状況ですが,この期間はどうしても生活の質は低くなってしまいます。市民の皆さんの健康づくりに対して何らかのインセンティブを付与して,健康寿命の延伸に取り組んでいくことが老後の生活の質の向上に繋がるのではないか,ということがこの健康マイレージの趣旨です。また,もう一つが医療保険における公会計の支出が膨らんできつつありますので,その意味で,健康でできるだけ医者に掛からずに済むような生活をすることもあわせて健康マイレージのねらいとしています。このようなことを下敷きとしていただきながら,今回,この協議を行っていければと思っています。
 それでは,この件に関する協議を行う前に,所管の福祉保健部に制度の概要を検討させていますので,現段階での検討内容を報告させます。

 

○福祉保健部長

 それでは,私から,資料3についてご説明します。
 まず,健康マイレージ制度ですが,この制度は,健康寿命の伸長や医療保険給付の総額を抑えることを目的に,運動をはじめとした参加者の健康増進活動にインセンティブを与え,市民の健康増進活動を促す,というものです。日本国内では,既にさいたま市や横浜市などの政令指定都市や,総務省のモデルケース都市としてシステム導入を進めている千葉県浦安市や静岡県藤枝市,関西では兵庫県尼崎市などが著名な事例として知られていますが,このうち,例えば横浜市のように,希望する市民に専用の万歩計を配布して協力店舗等に設置されるリーダーでその歩数を管理して,歩数に応じて抽選で商品券が当たるものや,千葉県浦安市のように獲得したポイントが商品券のほかPontaカードに自動的に加算されるものなど,それぞれの自治体の状況に応じた制度のもとに,様々な形で運用がなされています。ただ,どのような制度設計にすれば参加者が増え,また大きなインセンティブを与えられるのかについては,今のところ標準的な戦略は確立されておらず,どの自治体も手探りで事業を行っているところです。
 次に狛江市において,この健康マイレージ制度を創設するにあたり,確実に踏まえておく必要があるポイントです。まず「①当面個人ごとのマイレージ(ポイント)管理は行わないこと。ただし,マイレージ(ポイント)は数値以外に商品なども可能」とします。次に「②マイレージ(ポイント)付与事業に参加した場合に,参加券(台紙)の配布または参加印(ポイントカード)を押すこと」。最後に「③マイレージ(ポイント)付与事業は,福祉保健部の事業に限定することなく,他の部の事業と連携すること。」です。
 次に,制度開始までのスケジュールです。まず,平成29年度は先進事例の調査と制度設計の検討と並行して,庁内各課との間でマイレージ(ポイント)付与対象事業の洗い出しを実施したいと考えています。次に,平成30年度に,マイレージ(ポイント)を付与するための対象事業を選定して,健康マイレージ制度の試行実験を行い,この試行実験の結果から判明した問題点を修正して,平成31年度の健康マイレージ制度の本格施行へと繋げたいと考えています。
最後に,狛江市におけるこの健康マイレージ制度の導入にあたって検討すべき2つの論点です。まず,1点目「何に対してマイレージ(ポイント)を付与するか。」ということです。この論点に対する選択肢としては2つあり,1つは「①決められた量を達成した場合にマイレージ(ポイント)を付与する」というもので,もう1つは「②目標を達成した場合にマイレージ(ポイント)を付与する」というものです。このうち,まず①は健診,イベント,講演会などに参加した場合にポイントが貯まるもので,こちらは参加者にとっては,参加すれば必ずポイントがもらえるということで,参加者がポイントを獲得する確実性が高いと言えます。一方,②は,特定健診の測定結果が前年度より改善した場合など,何らかの目標を達成した場合にポイントが貯まるもので,こちらはある意味で成功報酬というような形になるため,①よりもポイント獲得の不確実性が高く,この2つを比較すると,①の方が参加者を集めやすいことになります。ただし,当初の事業目的に鑑みて,参加者が集めづらいからといって,②の事業をすべて敬遠するというわけにもいかないため,①と②の間に,ある程度のポイント差を設けることにより,参加者のインセンティブを変化させることができると考えています。
 次に,「論点2. マイレージ(ポイント)をどのように景品と交換するか。」です。この論点に対しても選択肢は2つあり,1つは「①すべての人がマイレージ(ポイント)を景品と交換できる。」ようにすること。もう1つは「②マイレージ(ポイント)は、景品と交換するための申し込みの権利」として,抽選などにより,景品の贈呈者の数をいわば制限するものです。この2つの選択肢を比較すると,①は達成した参加者全員にポイントを付与するため,参加者にとって景品を得る確実性は高い反面,市にとっては,理論上,予算が青天井で膨らんでいくおそれが発生するため,予算建てがしにくくなります。一方,②は景品の贈呈者数に一定の制限をかけるため,参加者にとって景品を得る確実性は低くなりますが,市にとって予算建ては比較的容易ということになります。
この2つの論点の選択肢とメリット・デメリットを整理したものが8ページの図表です。それぞれの選択肢の組み合わせで「A」から「D」の領域を設定し,比較・検討した結果,現段階では「A」の領域,つまり「参加型のイベントをポイント付与の対象事業としつつ,一定のポイントを貯めた場合は景品を獲得する権利を得る。具体的には抽選権などを得る」というものが,参加者にとっても参加しやすく,ある程度モチベーションも維持しやすい。また,行政にとっても一定の見通しが立つということで,最も望ましい選択となると考えていますので,担当部としましては,今後は,この「A」の考え方をベースにして,必要な検討と調整を進めていきたいと考えています。
 説明は,以上です。

 

○会  長

 それでは,福祉保健部がまとめたこのたたき台を見ながら,質疑・意見交換を行います。
 先ほどの説明の中で「Pontaカード」とありましたが,これはローソンのポイントカードのことでしょうか。

 

○福祉保健部長

 そのとおりです。

 

○熊谷委員

 財政的なことも含めて,主として対象は高齢者になると思いますが,健康を維持することにより長く好ましい生活が続けられるようにという面では,教育委員会として考えられることはおそらくスポーツ系のことかと思います。どこまでこの事業をバックアップできるのか,ということは教育委員会としても議論していく必要があると思いますし,総論としては賛成ですので,市長部局と教育委員会の事務局の間で横の連携を取って進めていただきたいと思います。

 

○佐藤委員

 基本的な考えは熊谷委員が仰ったとおりですが,最初の説明では,対象は高齢者のイメージになっていたように思いますが,この対象となる年齢層などはどのように考えていくのでしょうか。

 

○福祉保健部長

 今のところ,高齢者に限定するということではなく,健康づくりということで一般市民も参加できるようにしたいと考えています。スポーツや健康づくり,スポーツ教室に参加した場合もポイント付与の対象にすると良いのではないかと思っています。

 

○会  長

 最終的に目指す形としてはそれで良いと思いますが,一方で,財政負担が見えない中では,最初は試行的に高齢者に限って行うなどの配慮はする必要があると思います。裕福な財政ではありませんので,長続きする制度にしていくためにも,小さく生んで大きく育てるといった方法にしておかないといけないと思っています。

 

○福祉保健部長

 来年度の調査・研究の中で準備していきます。

 

○千葉委員

 一般市民の自分の感覚では,PontaカードやTポイントカードのようなもので確実にポイントをもらえると楽しく,参加しやすいと思います。教育委員会として社会教育から考えていくと,色々なものをすべて採り入れて行うことは予算や管理も大変ですので,例えば,イベントを年に何度か行い,それに参加するとポイントがもらえたり,これからは東京オリンピックも控えていますので,「障がい者のスポーツ教室を年齢関係なく一緒に体験してみよう」などのイベントや親子体操の教室を行うなどのイベントを企画して,その中にポイントを付与できるものがあるなどがあると良いと思います。また,体育館などの施設を利用するとポイントがもらえるなどは分かりやすいと思います。

 

○鈴木委員

 再来年度から検討するようですが,期間を決めて目標を達成するということでしょうか。

 

○福祉保健部長

 1年間でどのくらいのポイントを貯められるか,ということになると思います。

 

○会  長

 最初は試行的に行う必要があると思いますが,公約のイメージでは教育委員会の社会教育課と,市長部局の商店街振興を所管している地域活性課をメインにして,試行的にいくつかの事業を行ってみたらどうかと思います。できれば来年度にでも。

 

○有馬委員

 スポーツで実際に体を動かすことはもちろん該当すると思いますが,例えば歩いて文化財巡りをするような間接的な体力づくりもあります。公民館では健康な生活のための食生活の講座を行っていますが,これはどちらかと言うと知的な部分の事業です。その辺りの事業の対象はどのように設定されているのでしょうか。それにより教育委員会が協力できる度合いも変わってくると思いますので,検討していただきたいと思います。

 

○事 務 局

 教育部としては,チャレンジデーはこの健康マイレージにぴったりの事業だと思います。また,先日行われた45人リレーも,参加した方に3ポイントくらいあげたい気持ちになります。既存の事業であってもポイントの付与は十分可能だと思いますので,ぜひ来年から始めてみてはどうかと思います。

 

○会  長

 どこの自治体もまだ手探り状態なのですが,他市では先進的な事例もありますので,それを参考にしながら進めていくことも必要だと思います。制度設計は必要なことですが,あまり細かくこだわり過ぎると,1年があっという間に過ぎてしまうこともありますので,その点はよく考えてもらいたいと思います。

 

○佐藤委員

 社会教育課をはじめ教育部局で行う事業のポスターを掲示する際に「ポイント対象事業」と記載して周知することも必要です。市民に周知されないと意味がありません。

 

 

○会  長

 先ほどの市長部局と教育委員会との連携は,様々な分野で必要になります。フリースクールに関しても最初は福祉部門しか関わっておらず,後から教育部門がついてきたという感じもありました。現在は両者が上手く連携しながら取り組みが進められていると思います。この問題についても,それぞれ関係部局が緊密に連絡を取り,付随する部署も加わっていかないと上手くいかない仕事だと思います。狛江市役所の中で,横の連携がスムーズにいくための土壌はできつつありますので,その点についてはあまり心配する必要はないと思います。いずれにしても,試行錯誤を重ねながら,最終的に目標とするのは健康寿命の延伸です。また,これからは医療保険会計にも出来る限り負担をかけない社会づくりをすることが必要になると思います。

 

 

○佐藤委員

 市長の思いを受け止め,教育委員会としても,市民の健康づくりに協力していきたいと思います。

 

○会  長

 それでは,そのような形でお願いすることとし,本件は,これで終了します。
 最後に,「その他」です。事務局から今後の予定を説明してください。

 

○事 務 局

 それでは,事務局から,総合教育会議に関する今後の予定についてご案内します。
 次回の総合教育会議は,年明け2月頃の開催を予定しています。開催にあたり,日程その他必要な事項は,改めて個別に調整をさせていただきますので,よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。

 

○会  長

 それでは,次回は年明けの2月ごろ,開催するということです。
 本日は他にないようですので,これで平成28年度第2回狛江市総合教育会議を閉会します。