新春座談会

プロフィール

狛江高校ダンス部
 昭和48年創部。結果を出すことを目標として練習に励みながら、楽しく踊ることも忘れずに活動。地域貢献活動にも積極的に参加している。令和3年「第14回日本高校ダンス部選手権DANCE STADIUM」において、スモールクラス優秀賞・ビッグクラス審査員特別賞をそれぞれ受賞するなど、数多くの大会で実績を残している。

狛江高校箏曲部
 昭和53年創部。常に最高の演奏を目指して取り組んでおり、市議会議場コンサートや友好都市小菅村・源流まつり等の各種地域イベントにも積極的に出演。令和元年「第28回中央大会」で優秀賞を受賞し「第44回全国高等学校総合文化祭高知大会」に出場するなど、全国大会出場の常連となっている(通算21回出場)。

 

狛江高校ダンス部

ダンス部の活動

市長 あけましておめでとうございます。本日は今年創立50周年を迎える狛江高校か ら、ダンス部と箏曲部の2年生をゲストとしてお招きして、お話を伺います。まずは、ダンス部から部長の吽野絵梨さん、副部長の香取海沙さん、伊東ひかりさんにお越しいただいています。昨年はダンス部の皆さんにとって、どのような一年でしたか。
吽野 ダンス部では、毎年夏の大会に向けてすごく熱を入れていますが、なかなか緊急事態宣言が明けない中で、オンラインで部活を続けて、みんな一人一人工夫を重ねながら頑張った一年でした。
市長 その努力の成果が、昨年の全国大会で優秀賞と審査員特別賞の受賞という素晴らしい成績につながったということですね。オンラインですと、部内をまとめていくのも大変だったのではないでしょうか。
香取 オンラインだと、やはりお互いのコミュニケーションが取りにくいという大きな課題をずっと感じていました。オンラインの中でもできるだけ部員同士の会話を積極的にするようにして、ダンスの上達につなげられるようにしました。
吽野 現在は対面での部活動を再開しましたが、感染症対策でマスクを着けた状態で練習しているので、息がすごく上がりますし、部員の表情も見えないので、踊りを合わせるのがすごく難しくて大変です。
伊東 でも、メンバーと直接一緒に踊っている時間は本当に楽しいですし、学校生活の中でも、一番嬉しいと感じる瞬間です。
市長 ダンス部の皆さんは、昨年狛江市民まつりのステージに出演されましたが、とても生き生きとした表情で楽しくパフォーマンスをされている様子が伝わってきました。私も皆さんからエネルギーをたくさんいただきました。
吽野 目の前にいる方を少しでも笑顔にしたいと思いながら踊っているので、そう仰っていただけると凄く嬉しいです。
香取 観客の方に楽しんでいただくためには、まず私たちが一番楽しまなければいけないと思っています。私たち自身が一番楽しみつつ、観客からはどう見えたら楽しめるのか、表情や振り付けを考えながら練習しています。
市長 ダンスも一曲ごと、一つの作品と言えると思いますが、それぞれの作品ごとに物語があるのではないでしょうか。
伊東 はい。一曲の中に構成があり、ストーリーもあります。昨年、狛江市民まつりで踊った曲は、「雷」をテーマにしています。今の社会状況に当てはめて、最初は、新型コロナウイルスに対する不安な気持ちをずっと抱えながら、それでも最後には社会が変わりつつあるこの状況を受け入れて、自分たちなりに前を向いて進んでいこうという思いを込めました。
香取 表情や表現については、作品のストーリーに沿って、皆で何度も話し合いながら擦り合わせていきます。
市長 何となくさらっと見てしまう人もいるかと思いますが、顔の表情から細かい所作まで一曲ごとにしっかりと表現をされているので、見る人にはじっくりと堪能してほしいですね。
伊東 高校生の今だから届けられるエネルギーを、ぜひ多くの方に届けて、笑顔になっていただきたいです。狛江市民まつりでは、小さいお子さんもたくさんいたので、その子たちが自分もダンスをやってみたいって少しでも思ってもらえたら本当に嬉しいです。

今年の抱負

市長 今年、3年生になると皆さんは18歳を迎えることになりますが、令和4年4月1日から、成年年齢が18歳に引き下げられます。つまり、皆さんは次の誕生日を迎えると、法律上は成人として扱われることになります。今年は3年生という最上級生にもなり、責任を感じる場面が増えてくるのではないかと思います。
香取 高校生のうちに成人となるということが、やはり信じ難い気持ちです。今までそんなことを考えたこともなかったのですが、改めて大人としての自覚を持ち始めなければいけないと感じています。
吽野 日々の学校生活の中で将来のことを考えたり向き合うことが増えてきていますが、もっと地域に貢献できるような大人になりたいと考えています。そのための準備として、今のうちから自分自身と向き合っていきたいと思います。
伊東 18歳になったら、一人の大人として自立できるように今からいろいろなことを考えながら生活していきたいと思います。私たちは先輩にたくさん助けてもらってきたので、次は私たちが最上級生として後輩たちをリードしていけるよう、責任と自覚を持ちながら部活も学校生活も励んでいきたいです。
吽野 せっかくの機会なので、市長にお聞きしたいことがあります。私たちは大人数のなかで前に立って、みんなを引っ張っていく役割です。市長がリーダーとして大切にしていることは何ですか。
市長 ちなみに部員は何人いらっしゃるんですか。
香取 現在在籍している1・2年生は73人います。男子が3人で、それ以外は全員女子です。
伊東 引退した3年生も入れると111人で、狛江高校の女子生徒の約5人に1人がダンス部という状況です。
市長 それだけの大人数の部活をまとめるということは、やはりさまざまな苦労があるのではないかと思います。私が一番大切しているのは、コミュニケーションと褒めること。皆さんもそうだと思いますが、頭ごなしに怒られるのは嫌ですよね。だから、他のメンバーが頑張って出来上がったものや努力したことは尊重して、ぜひ褒めてあげてください。お互いの関係性を構築しながら良いものを作り上げていくことが、より良い循環につながっていくと思いますよ。
吽野 ありがとうございます。とても勉強になります。ダンス部のみんなはすごく明るい子が多いので、積極的にコミュニケーションを取って、良い関係性を築きながら、これからも一緒に高め合える仲間になっていきたいと思います。
市長 今年はどんな一年にしていきたいですか。将来の夢があれば、併せてお聞きできればと思います。
吽野 今年は私たちが3年生になって、夏の一番大きな大会に出場することになります。その大きな大会で、たくさんの方たちに自分たちが満足のいくパフォーマンスを見ていただきながら、全国優勝を目指して頑張っていきます。
香取 個人的な夢の話になりますが、私は映像表現の仕事を将来の職業にできたらと思っています。可能であればダンスに関係するような、ダンサーのカメラマンだったり、ダンスをしている方の映像を撮ったり…。大会は大会としてメンバーと一緒に全力で頑張りながら、自分の夢に向かっても努力をしていきたいです。
伊東 後で振り返った際に、この狛江高校の3年間が一番濃くなるのではないかと感じるぐらい、今のメンバーとは深い絆や関係性を築くことができています。高校卒業後はそれぞれ別の道を歩むことになってしまいますが、だからこそ、この貴重な一年間を悔いが残らないように精一杯全力で走り切りたいと思います。
市長 皆さんが築き上げてきた絆は、何ものにも代え難い大切な財産になるはずです。また、先ほどお話もありましたが、自分自身でダンスを楽しみながら、パフォーマンスを見ていただくことはとても大事なことです。まずは自分自身が精一杯楽しむこと。これはダンスに限らず、学校生活、人生全般に対しても言えることだと思います。楽しむことを第一に、ぜひこれからも頑張ってください。ダンス部の活躍を期待しています。

狛江高校箏曲部

箏曲部の活動

市長 それでは、続いて箏曲部から、部長の中村紬さん、副部長の磯貝まことさん、キャプテンの竹内凜さんにお越しいただいています。改めまして、あけましておめでとうございます。昨年もコロナ禍の影響で、皆さんも部活や授業でいろいろと制限を受けてきたのではないかと思います。入学当初から大変な思いをされてきたのではないでしょうか。
磯貝 私たちは今2年生なので、ちょうど狛江高校に入学する頃から、新型コロナウイルスの影響で社会の混乱が大きく広がり始めた時期でした。入学直後、1年生の最初の2カ月は休校だったので、通学できていません。部活に入部できたのも休校明けの6月頃からでした。
市長 皆さんは狛江高校の箏曲部は素晴らしいということが分かっていて、最初から箏曲部に入ろうと決めていたのでしょうか。
磯貝 いえ、高校に入学してから箏曲部に決めました。最初に仲良くなった友だちが箏曲部に入りたいと話していて、一緒に体験入部に行ってみたら、お箏を弾くことの楽しさに目覚めました。
中村 私は最初ダンス部に入ろうと思っていました。でも、中学生の頃にお箏を少し体験したことがあったので、試しに箏曲部の体験入部に行ってみたら、すごく楽しく感じました。
竹内 私も中学生の時に、音楽の授業でお箏を体験する機会があって、それがとても楽しかった思い出が残っていました。狛江高校に箏曲部があると知って、またやりたいなと思っていました。二人と同じで、私も体験入部がすごく楽しかったので、お箏をきちんとやってみようと入部しました。
市長 入学してみたら素晴らしい箏曲部との出会いがあり、三人とも楽しさにつながったということですね。令和2年の狛江市市制施行50周年の記念式典の際には、会場のエコルマホールで狛江高校箏曲部の皆さんにご出演いただき、式典に花を添えていただきました。小池都知事からも「素晴らしい」とお褒めの言葉をいただきましたが、式典の演奏はいかがでしたか。
中村 私自身は、実はあまり緊張しませんでした。以前ダンスを習っていて、発表会やコンクールに出る機会も多かったので、場慣れをしていることが大きいかもしれません。良いパフォーマンスができれば、自然と音も良くなるので、自信を持って演奏できたと感じています。
市長 舞台以外の屋外で演奏することはあるのでしょうか。
竹内 入学式の日に、高校の昇降口の前で演奏した経験があります。
磯貝 あと、昨年は9月のお月見の時にむいから民家園で演奏をしました。屋外は屋内よりも音が響かないので、普段と感覚が違うのが良い経験になりました。もっと音を出さなければと気持ちが強く入ります。
中村 私たちはその時々のシチュエーションに合った一番良い音を出そうと心掛けています。その場所にいるお客さんの顔も考えながら、今日はちょっと楽しく弾いてみようとか。大会だと間違えられないという緊張感の中で弾くので、そういう心の余裕がなかったりするのですが、むいから民家園のコンサートのような演奏は、自分たちも楽しみながら弾くことができるのがとても心地良いです。
市長 皆さんはそこまで深く考えて、音を奏でていらっしゃるんですね。大変素晴らしいことだと思います。

今年の抱負

市長 4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられることになります。今年皆さんは3年生になると同時に、成人を迎えることにもなります。自覚のようなものはありますか。
磯貝 お恥ずかしい話ですが、実は全くありません。とは言え、法律とは関係なく、18歳くらいから大人になるんだなあ、18歳からは自立して生きていくのかなあ…という漠然とした考えはずっとありました。
市長 18歳になると大人として認められるということになります。少し厳しいお話ですが、それだけ自覚と責任を持つことが求められます。
竹内 今の自分を客観的に見ると、あまり小さい頃から成長していないような気がしています。友だちがいて、先生から教わって、親に助けられながら生きている。すぐに大人として自立できるのか正直不安な気持ちです。
市長 卒業すると実感が湧くかもしれませんね。
中村 はい。高校生だといろいろな人に支えられすぎているので、高校を卒業したら徐々に自覚が芽生えていくんじゃないかと思います。
市長 どこで自覚を持つことができるかというお話ですね。そういった点では成人を迎えることになるこのタイミングを、大人になる責任と自覚、また自分自身を見つめ直すきっかけにしていただければと思います。今年の4月に皆さんは3年生になりますが、皆さんはどういった一年にしていきたいですか。
竹内 まずは新しく入部してくる1年生に対する指導が中心になります。あと、私たちは6月頃には引退することになります。引退まではあっという間なので、しっかりと自分の役割を考えながら、引退まで皆で楽しんでやれたらいいなって思います。
市長 今年はもう皆さんが引退されてしまうということは、今の1年生と新入生が大会に向けて頑張るということになりますよね。
磯貝 今の1年生が中心になって部活を引っ張ってほしいと思っています。そして、優秀賞を目指して、もっと箏曲部を発展させていってほしいという気持ちがあります。今までの伝統を引き継ぐこともとても大事なことですが、それ以上に私たちの代で改善したところも含めて、より良く突き詰めていってほしいです。
市長 箏曲部を通していろいろな貴重な経験をされたことだと思います。将来に向けた夢や目標はありますか。
竹内 具体的にこういう職業に就きたいというのは、まだ決まっていませんが、中学生の頃からずっと、大学に行ったら日本語の勉強をしたいと思っています。私は小さい時から本を読むのがすごく好きだったので、物心ついたときから言葉に興味がありました。日本語が好きで、日本人として、母国語をもっとちゃんと学びたいという思いと自分が学んだことを、周りの他の人にも伝えていけたらと漠然と考えています。
中村 私は経済がどのように動いているかに興味があります。コロナ禍で倒産している会社や苦しい思いをされている会社が多いというお話をテレビ等を通じて聞きますが、いつまた同じような社会状況になるか分からないので、その時のために自分の手に職をつけるような、資格や特技を生かした仕事ができたら良いと思います。
磯貝 私は、まだ今の段階で特定の分野に絞りたくないと思っています。大学では特定の分野を学ぶというよりも、まずはいろいろなことを知ってから自分自身の道を選択していきたいと思っています。
市長 一つのことに集中するのも良いけれども、他のいろいろなことにも興味を持つことはとても大切なことです。世界は広いので、自分に関係することや一見関係ないことを全て知ってもらって、自分自身の幅を持たせる。将来的に一つに絞っていくときに、その全てが役に立ってくると思います。成長するかしないかは自分次第ではありますが、皆さんはまだまだこれから大きく活躍できる可能性をたくさん秘めています。皆さんが大きく羽ばたくことを心から期待しています。箏曲部にとって今年一年が素晴らしい年でありますよう祈念しています。