多摩川慕情 狛江の四季

万葉歌碑 再建に尽力 渋沢栄一の遺徳

 狛江市をやさしく包むように多摩川が流れる。
 川からほど近い中和泉四丁目。住宅街の一角に「玉川碑」が建つ。高さ2.7m。万葉集にある東歌の名歌が伊豆石に刻まれており、「万葉歌碑」と呼ばれる。
 多麻河泊爾左良須(たまがわにさらす)
 弓豆久利佐良左良(てづくりさらさら)
 爾奈仁曽許能児能(になにそこのこの)
 己許太可奈之伎(ここだかなしき)
「多摩川にさらす手作りの布のように、どうしてこの娘がこんなに可愛いのだろう」という意味だ。
 川で手織りの布をさらしている乙女の姿に、いとおしさを募らせるロマンあふれる恋歌である。
 ふと、藤沢周平の名作「蝉しぐれ」の冒頭部が浮かんだ。主人公の少年藩士が、川べりで蛇に指をかまれた隣家の少女を救う場面である。互いに恋心を抱くが、世継ぎをめぐる派閥争いに巻き込まれる。再会、そして別れ。終幕は甘く切ない。
 玉川碑は、江戸末期に旧猪方村の多摩川沿いに建立された。碑文をしたためたのは、名筆とうたわれた元老中の松平定信である。その後、洪水で流出。大正12(1923)年、旧碑の拓本をもとに現在地に再建された。
 立役者は、新一万円札の新しい「顔」になる渋沢栄一。NHKの大河ドラマ「青天を衝け」で、波乱万丈の生涯に注目が集まる実業家だ。
 1枚の写真がある。定信に心酔していた渋沢が碑の再建を目指す団体の顧問に就任し、大正11(1922)年9月に現地を訪れた時の姿だ。当時82歳。帽子を被りコートを羽織って列の先頭をさっそうと歩いている。当日は玉川碑と定信について講演。その後、自ら再建費用の半額近くを出し、勧進帳を財界人や村の有力者らに回して寄付を集め、碑を完成させた。
 城山三郎は渋沢の伝記小説「雄気堂々」で、真摯な生き方に敬意を込めてこうつづっている。
 「社会事業や公共事業に募金を求められるとき、栄一は自分ひとりで出してしまわず……趣意書をつくって実業家仲間に廻してやり……実の伴う募金を実行してやまなかった」
 碑とその敷地は、市民グループ「万葉名歌 玉川碑に集う会」が20年近く手入れしてきたが、メンバーの高齢化に伴い2年前にやむなく解散した。現在は、市が下草を刈ったり樹木の剪定をしたりして管理している。
 今、碑の周りには「青天を衝く」秋色が広がり、万葉の世界に誘う。
 佐藤清孝(元新聞記者)

 今号から市のシンボル・多摩川をめぐる四季折々の情景を紹介します。筆者の佐藤さんは今年3月まで朝日新聞に勤務。平成19年から平成23年まで武蔵野支局で狛江市を担当しました。

「市民総合相談」を開催します身近な悩みについて相談したい

 日常生活でのトラブルや悩みごとなど、専門の相談員が秘密厳守で1人当たり30分間の相談をお受けします。また、通訳者(つうやくしゃ)英語(Engrish)中国語(Chinese)韓国語等(Korean, etc.))がお手伝(てつだ)いしますので、外国人(がいこくじん)(かた)気軽(きがる)にご相談(そうだん)ください(10(がつ)(にち)金曜日(きんようび))までに、要予約(ようよやく))。
 なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため予約制とし、規模を縮小しての開催となります。
〔日程〕10月15日(金曜日)午後1時~4時10分(消費生活相談は3時まで)
〔会場〕中央公民館
〔対象〕市内在住・在学・在勤の方
〔定員〕各相談10人(法律相談、税務相談は各15人)
※要予約(消費生活相談を除く)
〔申し込み・問い合わせ〕10月14日(木曜日)午後4時までに、秘書広報室へ。

相談名  相談内容  相談員等
■相談内容一覧
法律相談 相続・債権債務・借地借家など、民事・刑事を問わず、あらゆる法律に関する相談 弁護士
相続相談 相続全般、分割協議書、内容証明や日常生活に関する書類作成に関する相談 東京都行政書士会調布支部
不動産取引相談 土地・建物の売買、アパートの賃貸契約などに関する相談 東京都宅地建物取引業協会調布狛江支部
登記相談 相続・贈与・売買などの登記手続きや裁判所に提出する書類作成に関する相談  東京司法書士会調布支部
税務相談 所得税・相続税・贈与税をはじめ、税務全般に関する相談 東京税理士会武蔵府中支部
消費生活相談 訪問販売やクレジット利用など、契約に関するトラブルの相談 市消費生活相談員

10月18日~24日は「行政相談週間」です

 行政相談は社会福祉、医療保険や年金、道路や公共施設、役所の手続き等、身近なことについて相談を受け付けています。相談は電話やインターネットでも行うことができます。
〔行政苦情110番〕 電話0570(090)110、FAX(5331)1761
〔問い合わせ〕東京行政評価事務所 電話(3363)1100


総務省ホームページ

10月の市民相談

相談名 開催日・時間 相談員  申し込み等
法律相談  毎週月・木曜日 午前9時~午後0時10分 弁護士  事前予約制(相談日の1週間前から秘書広報室で受け付け)
交通事故相談  19日(火曜日) 午前9時30分~正午 弁護士 事前予約制
(1日(金曜日)から秘書広報室で受け付け。
空きがあれば当日も受け付けます)

※夜間相談は相談当日の午後4時まで受け付け。

※通訳を希望する方はご相談ください。

※15日(金曜日)の市民総合相談の詳細は上段をご覧ください。
 

不動産取引相談  15日(金曜日)の市民総合相談で別途実施
午後1時~4時10分
宅地建物
取引業協会
相続相談  5日(火曜日)・19日(火曜日) 午後1時~4時10分 行政書士会
調布支部 
 夜間相談 12日(火曜日) 午後6時~7時50分  
カウンセリング・
心の相談 
6日(水曜日)・20日(水曜日) 午前9時~正午 カウンセラー 
女性のための
カウンセリング 
13日(水曜日)・27日(水曜日) 午前9時~正午 カウンセラー 
登記相談  11日(月曜日) 午後1時~4時10分 司法書士会
調布支部 
夜間相談 25日(月曜日) 午後6時~7時50分  
税務相談  15日(金曜日)の市民総合相談で別途実施
午後1時~4時10分
東京税理士会武蔵府中支部

※会場は東京税理士会武蔵府中支部
毎週木曜日 午前10時~正午
                午後1時~4時

 事前予約制
会場は同支部
電話042(488)5550
消費生活相談

 月~金曜日 午前9時~正午
                午後1時~4時

消費生活相談員 地域活性課へ(午後3時まで受け付け)
更生保護相談  26日(火曜日) 午前10時~正午
                         午後1時~3時
保護司 第1市民相談室へ
難病者相談  22日(金曜日) 午後1時~4時  難病相談員 福祉総合相談窓口へ
手話通訳相談  毎週水曜日 午前9時~正午 手話通訳登録者 
介護保険
苦情相談 
7日(木曜日)・21日(木曜日) 午後1時~4時  介護保険
苦情相談員
生活困窮の相談  月~金曜日 午前8時30分~
                午後5時 
生活困窮者
自立支援相談員
福祉総合相談窓口
こまYELLへ
こころの
健康相談室
28日(木曜日) 午後1時30分~4時30分   精神科医師 事前予約制(福祉相談課で受け付け)
ひとり親相談  月~金曜日 午前8時30分~正午
                午後1時~5時 
ひとり親家庭等専門相談員、
母子・父子
自立支援員
事前予約制(子ども政策課で受け付け)
婦人相談  婦人相談員
教育相談  月~金曜日 午前9時30分~午後5時 教育相談員 教育支援センター
電話(3430)1311へ
健康相談 14日(木曜日) 午前10時~正午 保健師、栄養士 直接2階フロアーへ
年金相談  毎週月・水・金曜日 午前9時~正午
                            午後1時~4時 
社会保険労務士 保険年金課へ(午後3時30分まで受け付け)
シルバー人材センター入会相談 11日(月曜日) 午後1時~4時30分  狛江市シルバー人材センター
電話(3488)6735※電話予約制