1 日時

平成27年7月15日(水曜日)午後7時~9時05分

2 会場 エコルマホール6階展示・多目的室
3 調整会請求者 事業者
4 出席者

狛江市まちづくり委員会委員
大方委員長、原副委員長、西田(幸夫)副委員長、久光委員、澤野委員、津田委員、小笠原委員、平野委員

事業者  15人

近隣住民 23人

傍聴者  8人

事務局
小俣都市建設部理事(兼)まちづくり推進課長、遠藤道路交通課長、富永まちづくり推進担当主査、小嶋主任、榊田主任

5 議事内容(要旨)

 

 

委員長 :定刻になったので、(仮称)岩戸北計画の第3回調整会を開催する。開催に先立ち、事務局からいくつか連絡事項がある。

事務局 :第1回調整会の開催前にも説明したが、調整会は秩序ある議事進行のために、不規則発言はご遠慮いただきたい。発言の際は挙手の上、委員長の指名後に発言をお願いしたい。また、発言を正確に議事録に残すために担当者がマイクをお持ちする。発言が終わったら、マイクを戻してほしい。一部の方々でマイクを回しているという意見も市に寄せられている。秩序ある議事進行のため、ご協力をお願いする。

委員長 :正確な議事録を作らなければいけない関係もある。ぜひマイクを持って、ゆっくりと話してほしい。それでは本題に入る。事業者から、今回も改善案が提示された。説明をお願いする。

事業者 :本日資料を3組配布した。A3サイズの資料は、前回住民側から「建物の東側と北側を一部削っているが、それに対する図面が出ていない」と指摘されたので、各階平面図と立面図を用意した。内容の説明は割愛する。次に、A4サイズの資料が2冊ある。1冊が前回挙げられた課題をまとめたものとなる。もう1冊は既存樹木の調査結果を取りまとめたものである。まず、前回の課題をまとめた資料の2ページについて説明する。①プライバシー対策としての、離隔15m未満の目隠し対策について、②その他のプライバシー対策の図面での説明について、③既存樹木について、④風環境のシミュレーション結果の考察について、⑤駐車場出入口の計画案について。この5点について説明する。まずプライバシー対策である。建物北側に共用廊下があり、隣地の建物壁面からの離隔が15m未満の箇所については、基本的に目隠し対策をするようにと指摘をいただいた。前回資料では建物西側の一部が離隔ラインに掛かっていたが、今回は15mの離隔ラインが若干異なっている。これは、近隣の方から、自身の家の位置が違っていると指摘を受けたためである。そのため先日立会いの上、実際に建物との距離を測った。住宅地図と位置が違っていて、実測に基づいて離隔ラインを引き直した。計画建物が離隔ラインにかかってはいるが、前回よりはかかり方が少なくなっている。北東部は、生産緑地があるため、実際に離隔ラインがかからない。共用廊下に関して15mの離隔ラインがかかるのは、北西の一部分である。それ以外の部分については、1.6mの目隠しを設けると説明しているが、離隔ラインがかかった部分については、1.8mの目隠しに変更した。ここからは相談である。離隔15m未満の所に、1.8mの目隠しを設置するという話をしておきながらだが、その間にヒマラヤ杉を3本植えるので、できれば植栽があるので1.6mの目隠しにできないかという思いがある。

委員長 :意図が分からないのだが、目隠しと植樹するヒマラヤ杉の関係は、どのような関係なのであるか。

事業者 :4ページの図には、1.8mの目隠しを描いている。だがもし住民から承認されるなら、1.8mではなく1.6mにできないか、という思いを描いた。

委員長 :いや、高さ10m超のヒマラヤ杉を植えるから、1.6mの目隠しでも良いのではないか、という意味がよく分からない。

事業者 :後ほど立面図を提示するが、目隠し高さの変更はいかがであるか、という相談である。7ページの赤い部分の立面図は、北側の道路側から見た図であるが、薄い青色の所は1.6mの目隠しにしている。実際に離隔ラインに掛かっているのは約6mの幅であるが、スパン割で考えて北西の2スパンの目隠しを1.8mとしている。これが本日の提案である。薄いピンクに塗った窓は、以前説明したが、不透明ガラス+面格子とする。それから、少し濃い赤い部分については、不透明ガラスとする。このように西棟北側のプライバシー対策を行う。前回説明が不十分だったが、北棟中央部の突出した部分は階段室である。階段室は北側から見ると、両側に壁があって、真ん中はルーバーとなっている。隣の白い部分は連結送水管設備の壁である。5ページは、北棟の北面の立面図である。こちらは隣家と15m以上離れているため、1.6mの目隠しとなっている。同じく居室の廊下に面した窓には不透明ガラス+面格子とし、そうでない窓については、基本的に不透明ガラスとしている。6ページは東側の立面図である。東側の窓であるが、バルコニー側のメイン開口部のガラスは、透明ガラスとなる。だが、南棟西側の開口部は、全て不透明ガラスとする。それから4階のルーフバルコニーは、1.6mの目隠しパネルとする。7ページは西側立面図である。西側は基本的に側面については、全て不透明ガラスとする。共用廊下において、1.6mの目隠しの部分と、離隔が15m未満の箇所については1.8mの目隠しになっている。正面からではなく、斜めの部分であるため、このように圧縮された表現となっている。8ページは、先程の繰り返しとなるが共用廊下の目の前にヒマラヤ杉があるので、目隠し高さを1.8mから1.6mにできないだろうかという、ささやかなお願いの提案である。基本的に離隔が15m未満の部分については、1.8mの目隠しということで今日は提案している。もう一つは、ルーフバルコニーであるが、以前2.1mだった手摺の位置を3mまで後退させ、1.6mの高さの目隠しパネルを設置する。1.6mの目隠しがあれば、視線が下に向かないということで、対策できると考えている。9ページが西棟中央部のバルコニーである。ここも前回3.1mの位置で考えていたが、この位置では下に視線が行くので、4.5mまで位置を下げて視線が2階より下に行かないよう対応した。ここは安全性の問題もあるので、手摺を設けており、手摺は1.1mの高さである。次は北棟中央部の3番目である。これも2階より下に視線が行かないように、パラペットの天端と目の位置を結んだ線が、2階から上に行くように、1.6mの所に手摺を設けていたものを、4.2mの位置まで下げた。4番目は、11ページの北棟東側となる。手摺の位置を5.5mまで下げることで、パラペットの天端と目の位置が結ばれ、2階から下には視線が行かない対応をしている。5番目は12ページの東棟北側で、前回2.2mだったが、3mまで下げる。但しここは1.6mの目隠しガラスパネルを設ける。このことで視線が下には行かない対策をしている。13ページの東棟南側だが、同様に3.2mまで下げることで、視線が下には行かない。ここには安全上1.1mの手摺を設ける。最後に14ページの南棟東側であるが、ルーフバルコニーが2箇所ある。6階住戸のルーフバルコニーについては、2.2m下げることで、視線が遮られる。以前5階住戸の外にもルーフバルコニーがあったが、建物を西側に寄せたので、ルーフバルコニーを中止して、サービスバルコニーとした。ここは室外機を置く程度の広さで、メンテナンス以外に、基本的には人の出入りはしないスペースである。上階についても同様に8箇所ほどあるが、それぞれ北側の住民の家の2階から下には視線が行かないように手摺の位置や材質で対応した。

委員長 :全ての説明を聞くと、前半部分が分からなくなる可能性もあるため、取り敢えずここまでで質問を受けつけたい。住民側は大体理解してもらえただろうか。ここで私から質問であるが、ルーフバルコニーは、基本的には個人の専有スペースであるか。それとも誰でも入れる共用スペースか。

事業者 :専有スペースである。

委員長 :それでは、ルーフバルコニーといっても、実際には個別の住宅のバルコニーと同じということとなる。

近隣住民:3ページの離隔距離15mの話がよく分からないので、再度説明してほしい。15mの根拠はあるのか。

委員長 :法的に決まっている訳ではないが、色々な場面での基準として、プライバシーを確保する上では、住宅の窓面と、集合住宅側の廊下やバルコニーとの距離は、最低15m必要であるというのが教科書や裁判での基準になっている。15mの離隔が確保されていれば、対策が必須ではない。逆に15mより近いと、何らかの対策があったほうが良いと言われている。この案で良いかどうかについては、樹木の問題とも絡むので、後ほど議論したい。では次に風の問題についてお願いする。

事業者 :風については、既に皆様にもシミュレーションの結果を提示した。再度説明すると、現在の建物が建って、周辺に植栽する時に、シミュレーションがどうなるかということで、13箇所が全てランク1とランク2に収まっている。ランク2が5箇所あるが、ランク3以上の所は無かったという説明をした。前回も話したが、一般的に、ある一定の高さを超える時もしくは、東京都の総合設計制度等では、風のシミュレーション、風洞実験やアセスメントをしなさいという指導を受ける。例えば高さ100m以上では、風洞実験をしなさいとか、高さ60m以上の場合は、シミュレーションをしなさいとか、そういう指導をされる。そういった中で基本的に、ランク3とランク4は出してはいけないとか、それがもし出ているようであれば改善し、ランク2とランク1に収まるようにしなさいと指導される。我々も今回の計画では、ランク2に収まっているので、受忍いただける範囲だと考えている。次に、ランク2とランク1とは、どういうことか説明する。ランク1の許容される箇所は、非常に風の影響を受けやすい静かな地域である。但し、そういった中でも、頻度の問題であるが、日最大瞬間風速10mの風が、年間37日以下であること、かつ15mの風が3日以下、20mの風が0.3日以下であることが条件で、ランク1と決まる。ランク2は、日最大瞬間風速10mの風が、年間80日以下であること、15mの風が13日以下、20mの風が2日以下という基準である。今回はランク2が5箇所あるが、全ての地点でランク1とランク2に収まっていることから、理解いただきたい。風については以上である。

委員長 :事業者側の説明は理解できたが、どうするかは後ほど議論したい。では次に駐車場の説明をしてほしい。

事業者 :前回駐車場に対して色々な意見をもらった。一つは、北側の4m道路から、駐車場に入ってくると想定されるので、東出入り口の横にポールを立てて右折で入りづらくしたらどうか、という意見をもらった。だが駐車場出入りに対する我々の基本的な考え方は、東入口からの左折入庫、西出入口からの左折出庫である。但し西側の機械式駐車場を利用する一部の方だけは、西側から出入りするということを説明してきた。今回3m幅の緑道的空間を確保するために、機械式駐車場の位置を移動した。本来、車路の幅員は5.5m必要であるが、位置を移動したことによって幅員5.5mが取れなくなり、この部分については幅員5.3mしか取れていない。そのためこの部分については大型車が止められないという制約を受けている。東出入り口の部分についてであるが、左折で入った車がゲートを開けるまでの退避スペースを設け、道路上に滞留しないようにした。ポールについては、北側の4m道路について、検討したが、今回の計画地の住民が北側から来ることは少ないと思うので、交通量もそれほど増えないのではないか。かつ、東入口から右折で入るためには、鋭角に曲がらなければならないので、現状でもかなり入りづらいということで、かなり少ないと思われる。ポールを設置することは可能であるが、ポールが無くてもここではゲートがあるため減速する必要がある。ここのゲート部分の幅員は5.5mではなく5.0mにしている。ゲートはリモコンを操作しないと開かないので、勢い良く入庫することはできない。そういう意味でもポールの設置は必要無いと考えている。

委員長 :駐車場について、何か質問はあるか。これは、前回と変更無しであるか。

事業者 :変更していない。

近隣住民:ゲートは西側出入り口にも付くのか。

事業者 :そうである。続いて、樹木の話に移る。もう一つの資料【③既存樹木について】を見てほしい。2ページだが、まずこの計画地の中でエリア分けをした。青いエリアについては、工事上の支障が無いので、いつでも植樹が可能な場所である。グレーの部分は、建物・駐車場及び窓先空地等があって、植樹ができないエリアである。赤い線で囲った部分は、工事をする上でヤードとして使うので、本体工事が終わるまで植樹できないエリアである。ピンクの部分は、本体工事が終われば植樹ができるエリアとなる。既存樹木はこれから説明するが、青い部分とピンクの部分にどのように割り振るか、保存して移植するかを検討した。3ページは仮設計画図で、工事のヤードを示している。新築工事の施工計画はこれから作成するが、基本的にこのような絵になるということで、我々の考えで作成した。話が逸れるが、新築工事については、既に約束したように、また新築工事の説明会を開催して、色々説明し、皆さんの意見も聞きながら、やっていく。4ページだが、既存樹木が33本ある。但し中央部のバツ印3箇所は、解体工事の時にサクラの木を3本伐採することを、既に皆さんに了解をいただいている。よって残りの木が33本である。この33本について分類した。赤い印の木は、TPM工法にて移植する木である。TPM工法については、後ほど説明するが、赤い木は、移植可能であり、16本ある。緑色の印の木は、5本ある。これは一度場外搬出の上、戻して再移植する木である。それからグレーの印の木は、伐採する木である。どういう形で3分類したのかという理由は、後ほど説明する。今まで、既存樹木の保存は18本と説明してきた。今回建物の東側を削ったこともあり、樹木の専門の会社と協議した中で、何とか3本増やせるだろうということで、21本が今日提案する我々の最終的な回答とする。5ページがTPM工法の説明である。幹の周長が3m以内でないとできないが、写真のような大きい機械を使って、根ごと持ち上げて移設する。本体工事が始まる前にこういった木を先に移植するということで、青いエリアの木は、TPM工法を使って移植する。それから、在来工法は、根回しをして、枝も束ねて外部へ一旦持ち出して移植して、それから戻すことになる。これをピンクの所へ移植するが、高さが10m以上、枝を束ねた幅が3m以上あると、移植はなかなか難しい。よって、以上の理由で木を分類した。6ページと7ページが分類した結果表である。番号が順番どおりになっていないのだが、基本的に我々はヒマラヤ杉とサクラをできるだけTPM工法で青いエリアに移植して、残そうというのが16本である。残り17本の分類であるが、7ページの緑の5本が先ほど言った一旦外に出して、後で中に持って来る木である。ただ実はこの№3・15・28の3本は、葉張りが3.5m以上あり、移植はなかなか難しいと指摘されているのだが、何とか造園業者に頑張ってもらい、一旦外に出して、又戻そうと考えている。残りの12本については、なぜ伐採するのか、理由をグレーに塗ってある。一つ目は高さが10m以上あったり、葉張りが3mを超えていたりして、どうしても場外搬出が不可能である物、もう一つは、あまり樹形や現状の状態が良くない木である。これらの理由で、この12本は伐採するという表である。8ページからは、前回話したように、33本の木を一本ずつ、1ページ毎に、木が今どういう状態にあって、どうなっているのかを表示した。ここに1と描いてあるのは、先ほどの表の1番で、現在西側の敷地の外れの位置にある。そのまま残しても良いのだが、ここにはシダレ桜を移植したいので、TPM工法で若干ずらす予定である。この木の場合は、フェンスから50㎝の所が6mに道路拡幅後の敷地境界であり、現状幹からフェンスまでは170㎝離れているので、120㎝になるのだが、若干ずらすことを考えている。今回3種類に分類した結果について、33本は時間の関係でご容赦願いたいのだが、何本か説明させていただく。2番も同様である。この木も若干ずらす計画をしている。ヒマラヤ杉であり、フェンスから180㎝離れているが、40㎝道路が拡幅されるので、敷地境界から140㎝となるが、できるだけTPM工法でずらす。目的は先程の1番と同様で、ここにシダレ桜の非常に良い木があるので、持って来たいということである。次は10ページの3番の、緑色の印の木を説明する。マテバシイである。この木は、今敷地境界から150㎝の所に木があるが、道路拡幅が約70㎝である。ここはどうしても工事ヤードの関係で、このままでは使えないので、一旦外に出して、戻そうと考えている。葉張りが4mで、移植はかなり厳しいのだが、何とか戻すように努力する。但し戻す場所については、バランスも考えて、北東の方へ戻そうと考えている。13ページの6番は、グレーで塗った、伐採すると言った木である。現在フェンスから160㎝だが、30㎝程道路拡幅で取られることに加え、ヒノキの高さが10mあって、葉張りが3.5mあるため、この木の場外搬出は殆ど不可能である。持ち出しても多分枯れてしまうというのが造園業者の見解である。よって、これについては伐採する。先程の説明で場外搬出が不可能のため伐採する木が何本かあると説明したが、以上の理由によるものとなる。

実は今申し上げた41ページの赤い印の木は、全部で10本ある。これについては、道路幅員が6mに広がり、どうしても木の位置や大きさからして、幹が歩道にかかる形になってしまう。この計画で行くと、ツリーサークルも色々検討して、41ページの図のように、人が歩けるようなしつらえのツリーサークルにしてある。この10本については、若干数字が違うかもしれないが、この木の端から歩道の間は、2mではなくて、有効幅員が約1.2mという形になる可能性もある。これは先程言った青い部分、工事が始まる前に移植すると言ったが、木の幹の太さ等を考えても、どうしても10カ所については、こういう形になってしまう。

委員長 :現地保存では無く、移植するけれども、そうなってしまう理由は何なのであるか。

事業者 :基本的には、建物等にも干渉してくるので、これ以上内側には持ってこられないということである。

委員長 :建物に干渉するのが理由であるのか。それなら建物の位置を修正すれば良い。樹木の都合でそうなるのではない、ということか。それは駄目である。元々有効幅員2mの歩道と1mの緑地帯、合計3m幅の緑道的空間をきちんと設けて、その中で建物を収めるということで、調整会がスタートしているのだから、建物に干渉するから木が歩道にはみ出してしまうと言われても、それは認められない話である。今日はそのような提案をされたということは分かったが、それは通らない話である。説明を続けてほしい。

事業者 :説明は以上である。

委員長 :一本一本と言われた割には、随分簡略だったのではないか。

事業者 :3種類に分類して説明を行っている。説明とは別に一本ずつ資料として提示している。

委員長 :歩道に幹がはみ出してしまうのは、この赤い10本ということになるのか。

事業者 :そうである。

委員長 :それはきちんと直すように前回お願いしたのだから、それなりに対応してくれないと困る。まして有効幅員1.8m位なら何とか許容範囲であるが、有効幅員1.2mでは話にならない。

事業者 :委員長にはそのように指摘されたが、我々としては、このようなスタイルのツリーサークルが、有効幅員1.2mでは狭いから駄目だということになると、はっきり言ってこの10本については、残せない形になるか、あるいは新植でそれに見合う形の小さい木を植えることになる。

委員長 :建物の位置を、動かすというのが、我々の希望である。

事業者 :それは委員長の考えであろうが、申し訳ないが、我々は建物の位置の変更はお断りしたい。

委員長 :それはこれからの交渉である。そのための調整会である。

事業者 :補足したい。先程言った1.2mというのは、余裕を含んだ数字である。現実的には、樹木の芯が敷地境界から1.75mの所にあるという状況であり、それから樹木の直径が60㎝なので30㎝バックするということで、1.45mという値が道路の縁から幹までの距離である。但し、1.45mというのは、一律にならないだろうから、最大幅で1.45mだが、今後樹木が育成していくので、1.2mまで下げた所でツリーサークルの端をとっているというところである。

委員長 :ただ、原則としては、有効幅員2mの歩道を設けるということで、始まった話なので、どうしても現地保存で止むを得ないというのであれば、相談に乗ると言った。だが、移植するのであれば、そこは余程の止むを得ない事情がなければ、有効幅員2mは確保してほしいというのが調整会からの意見である。

事業者 :委員長からの意見としては、多分二転位している。最初の調整会では、ツリーサークルはいかがなものかという意見もあったが、住民からツリーサークル的な物で歩道にはみ出してでも保存すべきでないかという話があった。

委員長 :それは現状保存の場合の話である。現地保存なら歩道にはみ出しても、止むを得ないと言った筈である。住民の方はいかがであるか。

近隣住民:そうである。

委員長 :移植するのであれば、なにもそのように歩道に出っ張る必要は全く何もない。

近隣住民:そうである。

事業者 :我々としては、現実問題として、セットバックもしているし、建築面積も減少させている。

委員長 :ほとんど減少していないではないか。どこをどうセットバックさせたのか、説明してほしい。

委員長 :前回説明した数字を見てほしい。140㎡程度床面積を減らしている。

委員長 :わずか140㎡ではないか。

事業者 :わずかという言い方は、非常に失礼である。

委員長 :失礼ではない。事実である。そこを我々で議論しても仕方ない。一つずつこれから議論したい。特に住民の皆さんからのご意見が重要である。とにかく、構想検討会の結論として、有効幅員2mの歩道と、幅1mの緑地帯を設けてほしいということは、約束した上で調整会が始まっているのだから、それを覆したいというのであれば、ここでじっくりと議論しなければならない。それでは、最初のプライバシーの所から意見をお願いする。また、事前に岩戸北計画を考える会の紙も配られているので、これに基づいて説明があればお願いする。

近隣住民:我々は、この地区の良さを生かしたコミュニティ、そして、良好な住環境を守ってほしい。その象徴としてヒマラヤ杉、シダレ桜等の地区のシンボルツリーを守りたい。これを一貫して主張してきた。樹木について、本当に努力をいただいて、ヒマラヤ杉を中心に残す本数も増やしてくれたということなので、前回の15ページの提案については、概ね了解したいが、樹木医が、TPM工法なら大丈夫だという話だったが、どなたがどのように診断して、保証してくれているのか、提示してほしい。また、新植する所があるが、今回の提案では私の家の周辺と今ヒマラヤ杉が並んでいる所には残すことができず、一旦外に出して戻すか、新植するかということで、マテバシイが並んでいるようだが、我々はなるべく新しい木を植えるのであればヒマラヤ杉を植え、現在の景観に近付けてほしい。我々が、大切にしているこの独特の景観が、また再現されることによって、今後計画されるであろう電中研外周の緑地計画、今後下げていただく所も含めて、良い影響があるのではないかと我々は期待している。今回ヒマラヤ杉でない形で提案されているが、是非ヒマラヤ杉で検討してほしい。

事業者 :今ヒマラヤ杉を希望すると提案されたが、先程指摘された、どうしても歩道が2m取れず、ここには既存のマテバシイを移植すると話したが、移植等全部で15本になるのだが、6mの新植のヒマラヤ杉ということでご理解いただければ、2mの歩道も確保されるし、ヒマラヤ杉を新植することは可能である。皆さんが良ければ、それで検討させてもらえないだろうか。

委員長 :具体的には、どこをヒマラヤ杉にしてほしいのか。

近隣住民:北東側の部分である。ここにヒマラヤ杉を並べてほしい。

委員長 :事業者の案だと、そこに何を植えるのか。

近隣住民:マテバシイとなっている。前回はここにヒマラヤ杉をそのまま残すという提案だったが、今回はオオシマ桜を移植することになっている。我々がお願いした訳ではないが、確認したい。

事業者 :オオシマ桜は事業者側で非常に立派な木であるので、中心に保存したいということで、こちらに移植を考えている。

委員長 :そういう意見であるが、一方で、せっかくあるマデバシイを残したいという意見もあるだろうと思う。

近隣住民:マテバシイの移植先は、駐車場側では駄目なのか。

近隣住民:基本的には現在のヒマラヤ杉を復元させる形が望ましい。住民の集まりでも様々な意見があったが、基本的には、番号で言うと、1番と2番だが、我々はそのまま残すと思ったのだが、幅員2mの歩道の確保が調整会での課題なので、幅員2mを確保しながら移植してもらうのが一番良い。4番と5番は、色々な意見があったが、結論的には、やはり電中研全体の外周が1キロ近くあり、ここにヒマラヤ杉が全体に立っているので、周りの方々にもなるべくその影響を変えないようにしたいという意味で、工事上駄目だと言われるのなら、そこへ6mクラスのヒマラヤ杉を新植していただきたい。9番については、1本だけ変な形でヒマラヤ杉を残されるのは嫌だと言った意見もあったが、できれば全体として、ヒマラヤ杉を今のまま残すか、新しく植えるかにしてほしい。今のまま残すのが良いが、どうしても伐採するなら、全体に揃えて6mのヒマラヤ杉を新植した方が、良いかもしれない。10番は、出入り口になるのだが、これの扱いをどうするのかが残っているが、13番・17番・19番もヒマラヤ杉なので、そこの近くに2mの歩道を必ず設けて、新しい木を植えたらどうか。幅員2mの歩道については、第2回調整会の事業者資料の中にあったし、2階の視線の感覚から言っているだけである。新しい木の方が、良く茂るであろうと言われている中で、20番も出入り口になるのだが、この扱いも検討して欲しい。22番・24番・27番についても、保存が無理なら、全体として6m物のヒマラヤ杉にしていただけたら、周辺全体との調和がとれるのではないか。

委員長 :色々な意見があると思うが、事業者側の構想を確認したい。A3サイズの資料の2ページだが、土地利用計画図兼1階平面図とあるが、この図の駐車場の周りに新植高木という白い丸印がたくさん描いてあるが、これをどんな木にするつもりなのか、樹種や高さを説明してくれないと、全体像が見えてこない。

事業者 :白い丸の樹種と高さは、任意で決める予定である。近隣住民の皆さんがヒマラヤ杉を希望するなら、5-6mクラスになるが、ヒマラヤ杉を新植することは可能である。

委員長 :もう一つ、今駐車場側は新植になっているが、今の提案のようにマテバシイとモチノキは、駐車場側に移植する可能性は無いのか。

事業者 :それは可能である。

委員長 :それで近隣住民の皆さんはむしろ駐車場の周りは、ヒマラヤ杉が好ましいと言っている。あるいは、全部ヒマラヤ杉でも良いと言っている。ただマテバシイとモチノキをどうするかという問題が残るが。近隣住民の皆さんはどこかに残したいのか。やはりなるべくヒマラヤ杉が良いのか。

近隣住民:私は、なるべくヒマラヤ杉にしてほしい。ただ、駐車場の向かい側はヒマラヤ杉だと成長した場合、2mの歩道の確保が難しいのであれば、ここは若干違う樹種でも、私たちが大切にしている景観としての、マテバシイが並んでいる右側の所から、ヒマラヤ杉が連続するようにしてほしい。それから、私は樹木医の意見も尊重したいのだが、なぜ少し動かすような移植をするのか、なるべく生き物はその場にあってそこで保存するのが一番良いと思うのだが、1番や2番を動かすと言われたが、なるべくその場で生かすことが考えられないか。

委員長 :最初に、樹木医の名前を知りたいという意見があったが、それについては、いかがか。

事業者 :樹木医については、いずれ質問が出ると考えていた。きちんと第三者に委託している。我々の関係者では、信用してもらえないと思っていたので、第三者の樹木医に診断してもらった。今日は持参していないが、免許証もあるが、提示することは可能である。

委員長 :この場で提示することに支障があるなら、何らかの方法で報告して欲しい。次に、駐車場の反対側の所だが、ここはヒマラヤ杉にしても、きちんと1mの緑地帯を設けているから、10m位の高さの物なら、植えられるのではないか。

事業者 :駐車場の向かい側に5-6mのヒマラヤ杉を新植することは可能である。マテバシイ等を一度場外に出して、持って来ることも可能である。要望があれば、対応する。

近隣住民:駐車場の部分については、ヒマラヤ杉だけだと樹高が高いので、目隠しにならない懸念がある。ヒマラヤ杉の間に低い目隠しになるような樹木を植えてくれるとありがたい。こちらからも提案だが、今言われたように、歩道状空地は3m幅しかなく、ヒマラヤ杉が大きくなった暁には、道路に対して支障をきたすかもしれないので、ヒマラヤ杉以外の樹木をしっかり植えて、3m以上の緑地がある所に関しては、5-6mの樹高ではあるが、ヒマラヤ杉を中心に計画する、というのはどうか。

近隣住民:住民側の意見を言うと、全体的にヒマラヤ杉が並ぶようなイメージにしてほしい。それに加えて、目隠しが必要な場所には中低木を植えてほしい。

委員長 :例えば、ヒマラヤ杉とマテバシイが交互に並ぶようなイメージであるか。

近隣住民:高い木としてヒマラヤ杉があった時に、中低木が生け垣のように連なっていれば、駐車場側から外が見えない。

委員長 :生け垣は元々作る予定だったのではないか。断面図で説明してほしい。

事業者 :41ページのツリーサークルの資料にある。

委員長 :これだと、フェンスの高さ1.8mに比べて、低木では低すぎて目隠しにならないのではないか。道路を歩いている人や、向かいの家から駐車場が丸見えにならないように、ある程度の高さまで生け垣を作りたいという絵であるか。

事業者 :そうである。

委員長 :事業者側は生け垣を作ると言われたが、この絵の高さだと1m程度しかない。

事業者 :訂正したい。駐車場前は生け垣が入らなくて、目隠し遮光パネルを設置する。

委員長 :パネルが立つと言われたが、いかがか。

事業者 :元々、駐車場のヘッドライトが眩しいのではないかと指摘があったので、それに対応して遮光パネルにした。

近隣住民:了解した。

委員長 :パネルが立つので、目隠しの生け垣は特に要らなくなる。

近隣住民:そうすると、北東部が駐輪場になっているが、駐輪場部分にも目隠しのためにヒマラヤ杉の間に木が植えられると思って良いか。

事業者 :植えることは可能である。その部分にヒマラヤ杉を植えると、ヒマラヤ杉の隙間から見えるおそれがあるため、目隠し対策を考えている。わりと低めの木を植えることもできるし、フェンスにパネルを張ることもできる。

近隣住民:要はヒマラヤ杉を基本に考えて、その間に目隠しで見えないような対策をお願いしたい。

事業者 :こちらについても同様にヒマラヤ杉をある程度植えて、間には目隠しになるように少し小さめの木を植えるということで、計画する。樹種については、この場では即答できないので、持ち帰って検討したい。

委員長 :とにかく近隣住民の要望としては、北東部はヒマラヤ杉にしてほしい、ということである。北西部もできればヒマラヤ杉が良いのであるか。北西部については、フェンスがあるから、生け垣は有っても無くても良いということか。

近隣住民:できれば、生け垣もあった方が好ましい。

委員長 :北東部についても、生け垣はともかく、自転車置き場を見えなくするフェンスが欲しいということか。それともフェンスは要らないのか。

近隣住民:生け垣があれば良い。

委員長 :ただ生け垣では、きっちりと目隠しになるか分からないが、フェンスは要らないのか。

近隣住民:フェンスと生け垣でお願いしたい。

委員長 :ただフェンスだと、道路側に立ててしまうと、生け垣が見えなくなるのではないか。細かい所は、次回決めるということで、いくつか案を持って来てほしい。事業者から色々頑張ってマテバシイを残す案を提示してもらったが、これはもう残さないでいいということになるか。その他にも、移植できないと言われた木が何本かあるが、これについてはいかがか。

事業者 :先程赤く塗りつぶした10本について、41ページの図のように歩道の有効幅員が1.2mになってしまうという説明をしたが、歩道をどうしても幅員2m確保しなければいけないという大前提でいくなら、これについては、既存のヒマラヤ杉ではなく、新植に変更したい。それから北東部と北西部についても、可能な限りヒマラヤ杉を新植して、後はその間を中低木でどういう物を植えるかを検討する。そういう形でやらせてほしい。

委員長 :それはどうであろうか。事業者としては、木が建物にぶつかってしまうという考えなのだろうが、建物を、50㎝とか1m動かせば、何とかなる話でないか。

事業者 :それは対応できない。

委員長 :やればできる筈である。床面積が減ったりして、やりたくないのは分かるが。そこがこの調整会の一番のポイントになる所である。

事業者 :どうしてもそれは受けられない。

委員長 :受けられなくても、そういった勧告が出れば、止むを得ない。

事業者 :近隣住民の方がそういっているのか。

委員長 :であるから、受けられないと事業者が言っても、ご意見としては承るが、決定的なことにはならない。近隣住民の皆さんはどうか。

近隣住民:新植するヒマラヤ杉は、どのような物なのか。

委員長 :どれ位の高さと樹幹であるかで分かると思う。今よりは当然小さい物になるはずである。

事業者 :新植するヒマラヤ杉は、高さが5-6mの物になる。

委員長 :ただそれも、すぐに大きくなる訳である。今保全するとどうしても収まらないと言っているヒマラヤ杉は、高さが何m程度なのか。

事業者 :約10mである。

委員長 :今回6mの木を新植しても、数年後にはすぐに10mになってしまうのではないか。それは大丈夫なのか。

事業者 :枝の剪定等の管理をすれば大丈夫である。

委員長 :既存の木も多少枝を伐採すれば、大丈夫なのではないか。

事業者 :幹の太さが既にかなり太いので、無理である。

委員長 :新植しても、幹は太くなるのではないか。枝を剪定しても、幹は太くなるのではないか。絵のように歩道と緑地帯の境目辺りに木の幹が生えている絵になっているが、もう少し内側にできないか。根の問題があるのかもしれない。要は、最初に提示された案と変化が見えない。一向に誠意を持って工夫した跡が感じられないので、正直言って、やや立腹している。

事業者 :住民の皆さんからは、ヒマラヤ杉を希望するという意見が多いので、多分ヒマラヤ杉自体に思い入れが大きいと推測される。

委員長 :最初は移植ではなくて、今生えているままでやるから、このような格好になります、という話だったように思っている。それならば色々議論しても良いかと思ったのだが、移植するのであれば、もう少しきちんと有効幅員が取れるのではないか。だからなぜこの位置でないと駄目なのか、今日の話では全く理解できない。しかも高さ6mの新植ならOKだという話をされた。だが4-5年経ったら10m位になってしまう筈である。どうするのかという問題もあるので、この辺は持ち帰って検討してほしい。

事業者 :敷地に余裕がある所では、ヒマラヤ杉を植えて、余裕のない所には、別の樹種を提案したい。委員長が指摘したとおり、ヒマラヤ杉は成長も早いし、どんどん大きくなるので、根が歩道や道路を持ち上げるケースもある。であるから、こういった余裕のない所に関しては、こちらから樹種を提案させてほしい。周囲に少し余裕がある所については、ヒマラヤ杉を中心に植えていきたい。

委員長 :具体的に、こういった、という言い方ではなく、ここからここまでは、という言い方で示してほしい。

事業者 :西側については、ヒマラヤ杉よりも重要であると考えているシダレ桜があるのだが、割にまだスペースに余裕があるので、ヒマラヤ杉で問題はない。また、北東の駐輪場部分は、緑地が不整形で、部分的には3m以上の幅があるので、こういった所を上手く使えば、ヒマラヤ杉を植えることができる。

委員長 :駐輪場部分は新植すると言われたのだが。ポイントは、せっかく13本残したというヒマラヤ杉は、どこへ行くのだという話である。新植ならば、当然問題はない。

事業者 :新植で宜しければ、新植を中心に計画させてもらう。

委員長 :だが、新植では駄目で、なるべく既存樹木を保存しろということで、今日の場が設定されている。それでわざわざ解体の時にも切らずに残せということできたのだから、もちろん無理なら仕方ないのだが、そこが議論になるということである。樹木が建物に当たるから駄目だというのは、本来の理由にはならない、ということだけは言っておく。

近隣住民:なぜマテバシイは、戻す事ができて、ヒマラヤ杉は戻せないのか。

事業者 :先程も説明したが、ヒマラヤ杉は10m近くある。葉張りも4-6mある。そうなると、大きなヒマラヤ杉を一旦外に持って行くこと、戻すことができない。

近隣住民:ヒマラヤ杉は、移すにしても、水色のエリアにしか移せないのであるか。

事業者 :工事中は、水色のエリアにしか移せない。ピンクのエリアは、工事が終わった後で、外に持って行った木を戻す場所である。

委員長 :ヒマラヤ杉を敷地境界の東西を中心に植えることにしているが、例えば駐車場前、駐輪場前に植えることはできないのか。そういう話を聞かれている。

事業者 :先程言ったが、木が大きいので、TPM工法を使って、持ち出したとしても、持ち込むことができない。工事が終わった後は、TPM工法の大型重機を入れられないし、ヒマラヤ杉を持って帰る事もできない。ということで、ブルーのエリアに植えようということで、計画している。

委員長 :ブルーのエリアに持って来られるなら、ピンクのエリアにも持って来られそうであるが、なぜ駄目なのか。

事業者 :工事中に、その場所はヤードとして使用するためである。

委員長 :工事が終わった後で良いではないか。

事業者 :工事が終わった後、外部に持ち出した大きな木を持ち込むのが、物理的に難しい。

(説明者交代)

事業者 :先程の、敷地西側の木については、移植したものを駐輪場前に再移植したらどうかということだが、そうなると、一旦敷地の中に移植して、それからまた移植することになる。ヒマラヤ杉は、再移植することが難しい木である。これは樹木医にも確認して、できないため、我々から提案している。マテバシイであれば小さいので一旦外に出して、そしてそれをまた敷地内に戻すことができる。

委員長 :そこもう少し丁寧に説明してもらわないと、なかなか理解が追い付かない。例えば今日配布した既存樹木の資料の4ページだが、東側の3本はTPM工法で移植して東棟の敷地境界に持って来ている。一旦TPM工法で西側に植えておいて、それから東側に持って来るのか。それとも工事の後持って来るのか。

事業者 :本体工事の前に、直接こちらに持って行く。

委員長 :TPM工法で移植すると言うのは、本体工事の着工前に移植するということであるか。

事業者 :そうである。

委員長 :そのように言っていただかないと、なかなか分からなかった。マテバシイならそうではなく、場外に搬出して、本体工事後の外構工事の際に戻すという意味なのであるか。

事業者 :そうである。

委員長 :だが、新植だったら、今よりも小振りな木を植えられるので、ヒマラヤ杉でも植えられる。と言うことである。

近隣住民:樹種の決定は何世帯にも関わるし、町の景観にも関わることなので、今ここで、既存のマテバシイでなく新植のヒマラヤ杉という事を軽々に我々は答えることができない。ただ今マテバシイで提案されている所については、我々は、やはりできれば既存の樹木を希望する。私は素人でよく分からないが、工事ヤードは全体を使うのであろうか。そして工事の関係で、既存樹木の保存が無理だということで、どうしても駄目であるなら、ヒマラヤ杉でお願いしたい。同様の意見が、何度も多くの住民から声が上がっていたと思うので、そこはご配慮いただきたい。細かいデザイン等は、マンションの価値にも関わることで、デザイン性もあると思うので、多分園芸家の方が関与するのであろう。私たちに今どの木だったら良いか聞かれても、即答できない。我々の希望について、もう一度考えさせていただくということで、どうか。

事業者 :これまで、既存の木を既存の位置で残してほしいという要望があったり、既存の木を移植してほしいという要望があったりしたので、それを優先して、検討してきた。工事上あるいは配棟計画上無理があったのが正直な所である。今回近隣住民の皆様から色々なご配慮をいただき、新植でも良いので、やはり樹種はヒマラヤ杉が良いというのであれば、要望を聞いて、例えばここにはヒマラヤ杉を、ここにはサクラを植えて、と言う形で、計画することは充分可能である。今回近隣住民の皆様から提案いただいたように新植で良ければ、ヒマラヤ杉や、他の木で計画して、説明させていただく。

近隣住民:基本的に、住民は現在の景色、風景を見て50年単位の歴史の中で暮らしているので、ヒマラヤ杉も新植にしろ、移植にしろ、今までと変わることのない、景観の形をつくってほしい。会議を何回も重ねてきたので、全体の景観を配慮してほしい。我々の基本的なコンセプトは、電中研の周辺のヒマラヤ杉や桜を我々が見ている風景になるべく近づけてほしいということである。

委員長 :本日は、元々前回の続きで、現に生えている木がどれだけ残せるのか、移植できるのか、ダメなのか、一本ずつ説明してほしいということで、今日説明してくれたということである。ただ、後々物理的には可能かもしれないが、一度外に出して、もう一度持って帰ることが非常に大変で、諦めざるを得ない木がかなりあるという結果だった。そういうことを含めて、少なくとも残す木は、ここに挙がっている、赤く塗ってあるヒマラヤ杉、これは極力残すと、後については、残せなくても止むを得ないと皆さんも納得していただいたということになるので、特にマテバシイについては、諦めても良いという方向である。あるいは今日資料が出て、この場ではすぐに判断が付かないかもしれないので、一度持ち帰ってもらい、住民グループの中で少し検討してもらい、その結果を提示してもらえばよい。次回までに住民側の気持ちを整理していただきたい。一方事業者の方は、マテバシイを残さないと言う前提にした時に、どんな形の植樹のプランになるか、あるいは歩道の所の断面も含めて、もう少しディテールを詰めて何案か提示してほしい。今日も最初に何項目か出たが、委員会としては、前回も歩道と緑地帯の所のディテールをどうするのかについては、再検討して提示してほしいと伝えたつもりだったのだが、今日はそこまでは持って来ていただけないようなので、是非次回までに宜しくお願いしたい。

近隣住民:樹木のディテールの話と関連するのだが、駐車場と駐輪場の部分が、横からどういう風に見られるかについても、一緒に樹木を剪定するに当たって、図面のような物を、例えばパネルだったらどうなり、木を植えるのであればどうなり、外観がこうなるという物を用意してほしい。我々は、今図面を見ないでパネルだったらどうなるのかということを想像しながら話をしていたので、用意してほしい。

委員長 :必ず提示してもらわないと、これで良いかという協議がやりにくいので、お願いする。CGでも手書きでも良いので、イメージが湧くような物をお願いする。今日提示された断面図だけでは、良く分からない。保存樹木については、また次回検討することとして、その他の、プライバシー等についてはいかがであるか。あと、風の問題についてはどうか。

近隣住民:駐車場のことで質問である。私は前回欠席したので、他の方が納得しているのか分からないのだが、東入口は入庫だけ、西出入口は入出庫で、入庫車をどうしても残さなければいけないという時に、今の説明では西出入口そばの機械式駐車場の利用者のためにどうしても入庫をしなければいけないという説明だったが、私も多少運転をするが、なぜ機械式駐車場の方は西側からの入庫をしなければならないのかが分からない。

事業者 :前回説明したが、東入口から入って来て、バックで機械式駐車場に入れるためには、一度車の頭を西出入口から出して、改めてバックしなければならない。そうなると、ゲートの外に頭が出てしまう形になるので、西出入口からの入庫になってしまう、ということで、この機械式駐車場に限っては、西側からの入庫となる。

近隣住民:頭から入庫するのでは駄目なのか。

事業者 :前回も説明したが、現在機械式駐車場で、前向き駐車のタイプは作っていない。寸法が違ったり、機械式駐車場の安全基準が変わったりして、機械式駐車場は全部後ろから入れる形になっている。

委員長 :特注で作れば良いだけであるから、大した理由にはならない。ただ問題は前向きで入れると、非常に幅の広い物にしなければならないと、そういうことではないか。そうすると、ここに収まらないということである。メーカーのカタログには載っていないと言われればそうであろうが、元々建築物は特注で作るのであるから、絶対できないことはないだろう。そこはあまり理由にはならないと思うが、とにかく前向きで入れるのは、色々支障が大きいと言うことであろう。

事業者 :指摘の通り、特注で作れないことは無いのであるが、現状では作っていないし、また、機械の幅が変わってしまう。

委員長 :この問題については、前回も議論したが、この西出入口から車を入れると、周辺住民に非常に迷惑がかかるという風には思えない。敢えてそこをやめさせる理由が無いのではないか。なぜここから車が入ると困ると考えるのか。

近隣住民:出庫車と入庫車のタイミング等で、敷地周辺が混雑する懸念がある。右折入庫車で、敷地前の道の交通量が多くないとはいえ、近辺の住宅地の中では多い方なので、一方通行的に利用すれば良いと、単純に考えた。皆さんが納得されていることを再度質問し、申し訳ない。

委員長 :疑問点は解消しなければならない。ただ今回は、法規上は必要無いのであるが、こちらも現道が幅員6mになるように事業者側も努力している面もある。逆に一方通行的に運用すると、東入口は入る車ばかりで、西出入口は出る車ばかりで、結局車の量は変わらないのだから、敢えて一方通行的に運用するよりは、むしろここは両方向にしても、住宅であるし、それ程問題になるとは思えない。であるからここは事業者の言うやり方にしてもらい、その分植樹等をやってもらう方が良いのではないか。後は前回少し問題になった廊下の目隠しの件であるが、離隔15mの範囲に僅かにかかる所については、高さ1.8mの目隠しを設置するという提案をいただいた。その他は1.6mの目隠しを設置するということだが、それで宜しいか。後は、屋上のルーフバルコニーの件であるが、これも誰でも入れるという屋上ではなくて、専用のバルコニーのようであるので、余り目くじらを立てることも無いだろうと思う。

近隣住民:風の件で確認したい。東棟の側面に19番・20番・22番とヒマラヤ杉を移植してもらえると、風の調査点№12と№13ではランク2の判定が2地点続くのだが、ここはエントランスであり、人が通る所なのだが、3本のヒマラヤ杉によって、風の影響は和らぐと考えて良いのか。

委員長 :シミュレーションの時には、そこの3本の植樹を前提としていなかったのではないか。

事業者 :ヒマラヤ杉のような高木を植えられない幅員だったので、中木のマテバシイをそこに3本植えた状態でシミュレーションしていた。今回ヒマラヤ杉のような高木になると、絶対とは言い難いが、かなりの確度で影響は和らぐ筈である。

委員長 :どの程度か分からないが、必ず和らぐ方向に働くと思う。

事業者 :それと、建物の位置がセットバックしているので、ここについては、風害が緩和されると考えている。

委員長 :セットバックは1.5mで、前回のシミュレーションは、セットバックする前の物か。

事業者 :そうである。

委員長 :いずれにしても、ここの2地点については、ランク2が並んでいるし、壁があって、道路横であるから、ここはきちんと植樹で風を弱めることが是非必要であると思う。それから建物のセットバックで、1.5m下がってもらえたということだが、木との関係もあるし、更に50㎝位下がれるものなら、風の面からも、もっと良いと思う。であるから、この辺は是非再考してほしい。それから更にレベル2なのは№1・№5・№7であるが、この辺も両方から道が合流して、抜けていく所で、確かに風が強くなりそうであるから、駐車場の辺りにしっかりと植樹すれば、幾らか改善されるのではないかと思う。基準の話もあったが、今東京都がアセスメントまでやらせているのは第一種低層住居専用地域等ではなくて、もっと街中の話である。ここは確かに第一種低層住居専用地域ではないが、周囲は第一種低層住居専用地域の戸建住宅であるから、それなりの配慮は、基準通りで良いであろうと言うことでなく、多少ご配慮をいただきたい。植樹で何とか対応できる所でもあるので、ぜひお願いしたい。それでは、今日事業者から出てきた資料の話は一通り済んだように思うが、その他に何かあるか。

近隣住民:一つ確認したい。A3サイズの資料で、我が家の近くにゴミ収集車停車スペースがある。我が家の正面だと困るのだが、分かりやすい図面は無いか。ゴミ置き場にシャッター等があると思うのだが、我が家の正面にゴミ置き場が来るのは気になる。

事業者 :ゴミの集積所とゴミ収集車の位置は北棟の東の端に予定していて、正面は生産緑地となっている。質問者の家は、その西側であるので、正面ではない。

近隣住民:了解した。

委員長 :ちなみに立面図で言うと、今日のA3サイズ資料の最後のページであるか。ただその場所の前は、当然ながら植樹もできないし、しかもこれを拝見すると、ゴミ収集車の停車スペースが若干歩道状空地の部分にも掛かっているようなので、この辺は更に工夫しないと具合が悪いかもしれない。この計画ではこの場所にゴミ収集車を入れて、建物の中のゴミ置き場からポリ袋等を持って来る形であるか。

事業者 :元々ゴミ収集車は、道路に止まってゴミを収集しているのだが、今回のマンションでは、一回敷地内に停車して、そこでゴミを集荷する。ゴミについても、歩道に出さずに、ゴミ置き場があり、集荷日に管理人が出すので、当然道路にゴミが置かれることも無いし、収集車が道路に止まることも無いので、安心してほしい。

委員長 :戸建の住宅地で、道路沿いに朝ゴミ袋が山になって、カラスが袋を突っつくようなことは、今回は当然無いと思うので、あまり酷いことにはならないと思う。ここの管理人は、昼間は常駐であるか。また、ゴミ置き場の整理や掃除も管理人がやるということで宜しいか。

事業者 :そうである。

委員長 :それなら小さなアパートのように管理が疎かにはならないと思われる。

近隣住民:住民が用意した資料で、今回が最後になるかもしれないと想定していたので、今後のことで、ルールを決めて文章に残しておきたい。

委員長 :まちづくり条例上、調整会をやってもやらなくても、最終的に開発に着手するためには、市と事業者とで協定を結ぶことになる。そこで必要な事項は協定書に書き込むので、うやむやになることは無い。逆に言うと、住民の皆さんからこの点を約束してほしいと言うようなことを、明確に申し出てほしい。特に緑の管理等で気になることもあるのではないか。

近隣住民:私は電研東通りに住んでいる。今回この通りは40㎝位道路が広がって、幅員6mになるが、歩道が無いままという説明を受けた。マンションの住民が駅に行く際や、小学生が学校へ行く際に通るのだが、マンションの周りだけ歩道ができ、電中研周囲では急になくなるので、客観的に危ない道路になる可能性がある。それは電中研に言うべきことなのか、市に言うことなのか、私には分からない。是非緑道部分が南の方まで広がるように、これから考える会を作ってほしい。

委員長 :それについて以前説明したかもしれないが、取り敢えず今回は、この開発のために、東側部分の道路幅員は、幅員6mになる。この先、電中研の跡地には、おそらくマンション等が建つであろう。その開発の際には、今回と同じように幅2mの歩道と幅1mの緑地帯を作るように、地区計画を定める方針で進んでいる。5年先か10年先か分からないが、電中研の敷地がどんどん開発されるに従って、歩道ができてくるものと思われる。

近隣住民:多くの人が通るのであるから、開発されるのを待たなければ歩道ができないと言うのは、おかしいと思う。

委員長 :言われたことは分かるが、今のところ電中研の土地であり、実際に使われてもいるので、そこをどうするか。市として、幅3m部分を買収して緑道的空間を作るというお金も多分無いのではないか。地区計画が決まった時点で、何らかの方法でそのような物を整備することもあり得るかもしれないが、とにかく現時点ではこの開発に関してここを先行的に整備することは現実性がないと思う。市の考えは、いかがであるか。

事務局 :今委員長から地区計画の話があったが、皆さんと電中研との合意を取りながら、将来的にどういうまちづくりをしていくかと言うことを検討するので、時間がかかる。完成形をどのようにするかということを念頭に、色々な計画を作っていくことが地区計画である。最終的にはそういうことを理想に、計画を作っていくのであるが、まだこれからであるから、今の段階としてどうなるかと言うことは明確には言えない。ただ、地区整備計画に向けた調査に着手しているという所だけはお伝えしておくので、ご理解願いたい。

近隣住民:電中研との話だと言われたが、既にその道路を40cm拡幅する部分、今フェンスが立っている部分を全部取り壊して、拡幅することになっている。事業者もその合意を電中研としていて、話が進んでいると言われた。その状況で市が関与して、地区計画の話を進めていただきたいのが、住民の意見である。それなら現在計画中だと言わずに、これから工事が始まったら拡張されるのだから、急いで事業計画とか地区計画の話を進めてほしい。

委員長 :地区計画の策定については、私は所管ではないが、急ぐように要望したい。ただ地区計画がまとまっても、そこの部分が実際に歩道状空地になるには、時間差があるのではないか。そこに建物が何も無ければ、それなりにお願いして、今回幅員を6mに広げるにあたって、今ある万年塀は壊すことになるだろうが、樹木があるため、簡単にどうなるか分からない。もしできれば、万年塀を取った後、自由空地のような形で出入りできるような形にするとか、指導ができると良いが、今日の段階では約束はできないであろう。

事務局 :地区計画策定に向けた調査の予算を既に取っていて、これから着手していくので、情報提供しながら、皆さんの意見もいただきながら進めていきたいと思っている。今の段階では着手したばかりで、どうするか言えない所があるが、そういうことも意見として承っておく。今後も目標を見据えて進めていく。

委員長 :役所は、色々な法律や条例に従ってしか動けないので、とにかく今回幅員を6mにして、万年塀も壊すのだから、その内側について、暫くの間だけでも良いので、フェンスをもう少し内側に入れておいて、1mでも良いから歩けるようにしてほしい、と言うような話を、町内会の皆さんが、電中研に直接お願いすると言うこともあり得るのではないか。そのことを事業者側に言ってもかわいそうな気がする。どうせ空いている土地であれば、電中研にお願いしても良いのではないか。だが、建物にかかっていれば仕方ない。また、色々な大きな施設については、塀を取って、敷地の一部を歩道と一体化して、あるいは道路と一体化して、開放して歩けるようにする事業は、色々な自治体で先例がある。民間同士でお願いすると言うことも充分あり得るのではないか。とにかく市としては、着々と地区計画の策定を進めることになる。また、そういう将来的なこの地域全体の骨子も見えてきているので、まだ地区計画はできていないが、是非ここは先行的に電中研に模範を示してほしい。今回の北側敷地で歩道の有効幅員が2mなくても良いなどと緩めると、後々色々と影響があるので、是非ここは、この地域の良いまちづくりの先導役を担ってほしい。

近隣住民:先週の木曜日に解体工事の騒音が大きいので、知人が現場にあるデジタル表示の騒音計を見に行ったら、93㏈であった。そのことが私にメールで送られてきた。私は午後に市役所に用事があり、まちづくり推進課に行ったところ、環境政策課を案内され、担当者にその旨を伝えたら、今日の調整会の前までに、業者に直接伝えに行くと回答された。東急不動産には、解体業者から、そのような事があったと連絡は来ているか。

事業者 :現場と市の双方から、連絡を受けた。市担当者も現場に確認に来ている。

近隣住民:今日それに対して何か回答があると思っていたのだが、東急不動産からは別に何も無いのか。

事業者 :今日この場で回答するようには、市から指摘されていなかった。

近隣住民:そのような場合には、今後どうするのか。それをどこから聞けば良いのか。

事業者 :今日は資料を持参していないが、騒音計が、例えば85㏈という値が、規制値としてある。ただ、音で、瞬間的には85㏈を超える作業が幾つかある。

近隣住民:それは最初に聞いているので分かる。それで、超えた場合には仕方無いのか。

事業者 :瞬間的に超えるものは認められているので、基本的に、上限の5%と下限の5%を除いた残りの90%で数値を取るというのが騒音規制法の計測の仕方である。その基準でデータを処理しているので、85㏈を超えていないというデータが残っている筈である。そのことは、市の環境部署の担当者も確認して帰っている。

近隣住民:だからそういった場合、超えてしまう場合もあるのなら、何のためにデジタル表示をしているのか。

事業者 :基本的に超えることもあるが、一般的にはほとんど超えないで、範囲内に収まっているという表示になっている。瞬間的にはデジタルの数字が出ることもあるが、データとしてはきちんとしたものが取ってあるので、その資料をもとに、違反であるかどうかと言う判断を頂くことになるかと思う。

近隣住民:違反かどうかを指摘しているのではなく、そういう事例があったという話をした。今後も、仕方ないという話にしてしまうのか。

事業者 :仕方無いと言うことでない。今後も同様の事象は起こり得る。ただそれが、85dBを超えて、90dBが恒常的に続くとなれば、それは間違いなく駄目なのであるが、瞬間的に発生することは、作業の内容によって起こる。

近隣住民:85dB以上というのは、時間で決められているのか。

事業者 :時間が何分過ぎたから駄目であるとか、そういった基準ではなかったようである。今日は資料を用意していないので、改めて調べて回答する。基本的に、違反ではないから良いであろうと言っているのではない。確かに85dBを超えている時もある。ただできるだけそのようなことが少なくなるような努力を現場にも指示している。ただ今指摘されたように、私は見ていないが、確かに93dBは大きいであろうが、多分瞬間的な値であると思われる。

近隣住民:瞬間かもしれないが、現場がうるさいから知人は見に行った際、騒音レベル表示が93dBだったという事実はある。騒音発生の時間がどれだけあるという関係なら、我々もそこまで見ていられないので、把握できない。

委員長 :瞬間と言うと、語弊があって、やはり5分-10分とか、全体の5%位の時間は超えても止むを得ないということだとすれば、24時間の5%というと、結構な時間であるので、ただ音の性質上、コンクリートを壊す訳だから、多少音が出ることもあるだろうが、問題は大きな音が出る時間帯である。

近隣住民:朝の9時半からだと言われた。

委員長 :それは早すぎるのではないか。もう少し、昼間の支障の無い時間なら良いのだが、朝から85dBを超えると、一般常識論として、厳しいかと思うので、そこはほとんど業者に任せているのだと思うが。

近隣住民:データがあるなら、9日の木曜日の9時半頃のデータを調べてもらえば、分かると思う。

委員長 :解体工事の件は、ここの話とは別の話である。

事業者 :先ほど言ったように、できるだけ時間とか手順とか、そういった物にも配慮するようには、再度指導していく。

近隣住民:よろしくお願いする。

委員長 :ある程度ここで丁寧にやってもらわないと、次の本体工事の際に、協定とか話し合いに影響するので、是非誠意ある対応をお願いする。

近隣住民:こちらから質問しないと、初めて聞いたような対応をされる。そこを我々は、何だか信用できないと思っている。解体工事のことは、この場での議題ではないと委員長が言われたのに、やはり苦情が届いていたのなら、そしてそれは止むを得ないことであったり、瞬間的だったり、全体の90%だったりして、基準内ではあったとしても、やはり不快で、これは酷いと思い市に行った。我々はそれ程頻繁に文句を言ったり、市まで行ったりはしない。こうやって同じ関係者が集まる場で、「解体工事の時に、うるさいことがあったようで、ご迷惑を掛けた」という言葉から始まるのなら分かるが、別の住民が指摘した時も、「そのことは聞いていた、基準はこうなっているが朝早くからお騒がせした」、という答えだった。高齢者や幼い子どもたちを含めた住民があそこで暮らしている、そういう人達が、こういう話し合いを続けながら、解体については、仕方がないということで了解していた中で、そういう態度を取られるので、我々は立腹しているのである。委員長もそこを指摘したのだと思う。誠意ある対応をしてくれないと、一つひとつに我々は不信感を持ってしまう。それでは良い話し合いができないのではないか。

委員長 :繰り返すが、基準内なら良いということをあまり言わずに、誠意を持って、ここまではやりますと、いうことを話してくれれば、早く結論が得られる。お互いのためである。先々実際の分譲の時にも良い影響があるだろうし、後々住民の方とは近所付き合いしていくのだから、事業者側も売り逃げしたと言われたら困ると思うから、いずれ管理組合等で事業者が面倒を見ていくのであろうし、是非良い物を作っていただけたらと思う。では次回について、残っている点は、実際にどの木をどこに植えて、それからディテールも含めて、緑地帯と歩道の部分をどのように作っていくのか、そこについて、案を事業者側でも作ってきてほしい。一方で住民側は、ここのマテバシイについては保存しなくても良いとか、全体にはこんな樹種が望ましいとか、意見を少し整理して、まとめてほしい。

事業者 :今委員長から指摘されたように、我々もどういう木を植えるか、考えてくる。ただ今日聞いてみて、住民の方にも色々な意見があると思うので、次回の調整会の前に、もし許されるのであれば、住民と我々で、一度我々の案を提示して、皆さんの考えを聞いて、そこでまとめるような形の場は作れないであろうか。

近隣住民:残念ながら、今まで一年間の実績から言って、そういうことはできない。調整会に諮る以外の方法は無い。次回に着地させられるようにするためには、景観も全部書かれて、完全に2m幅の歩道と、1m幅の緑地帯を設ければ、次回すぐに終わるのではないか。

委員長 :ただ調整会の前に、云々と言うよりは、むしろ早い段階で住民側の、どういう樹種が良いかという意見をまとめてもらい、それを聞いて、しかるべき案を用意できれば、事業者側もあまり意味の無い無駄な案をたくさん描くのは、効率的ではないと、そういうことだと思う。であるから、近隣住民には話し合ってもらい、大体こういう方針であるという事を、一枚紙で良いので、可能であれば、早目に伝えてもらい、それを受けて事業者側は、プランを用意して、調整会に臨むということでいかがであるか。

近隣住民:構想検討会の時から私は提案してきたが、調整会に来てから案を見て、前回と違っていて、こちらの意見を言ってとなると、議論が進まない。できれば市を介して書面をお互いに出して、それを交換し合っていけば、話し合いの場がもう少し早く進むと、最初の段階から提案してきた。なので、委員長が言ったように、住民側が要望を、市を介して提示したい。その上で出したら事業者側も当日に資料を用意したではなくて、少なくとも一週間位前には市を介してでも構わないので、どういう案を提案するかを開示していただき、それで会議に臨むという形をとってほしい。

委員長 :私が言うのも変だが、多分今日のようなタイプの資料を事業者が事前に市に回すと、市としてそれをコピーして参加者全員に配るということは多分物理的に難しいので、そこは少々難しいかもしれない。

事業者 :その前に委員長が指摘したように、近隣住民の皆さんで一度考え方を作ってもらい、市を介してもらえれば、それに対して我々もプランを考えて、調整会の前に、市を介して皆さんに提示することは可能である。

委員長 :ただ調整会の一週間前に、事業者から資料をもらい、市が近隣住民に配布するというのは、難しい。

事業者 :我々が配っても良い。

委員長 :それならそれで構わない。

近隣住民:ホームページ等に載せてもらうことはできないか。

委員長 :それはどうであるか。なかなか市の公式のページとなると、色々と手続きがあって、難しいのではないか。

事務局 :やはりなかなか難しい。配布をどういう形で行うか、まずはお互いに情報の提供をすれば、ということなので、それが円滑に進めば、例えば送付していただくとか、もし事業者に渡す物であれば、市が預かって、渡す事も可能である。

委員長 :やはりこの調整会自体が、条例に基づいてそれなりに厳密に運営しないといけないので、市を介すとなると、この文章で本当に間違い無い等、色々な確認が生じる。また、本来どおり調整会という公開の場、議事録に残る場で意見は交換するということにさせてほしい。ただ、調整会と別に、平行して、いわゆる説明会や近隣住民との話し合いは進めてもらって一向に構わない。事前に資料を用意できるのであれば、事業者から近隣住民の方に、あるいは市の方に、配布していただくということであれば、問題ない。

事業者 :先ほどお願いしたように、近隣住民の考えをまとめた案をもらえれば、我々もそれに基づいて、対応を考えやすい。造園業者とも事前に打合せしながら検討できる。また我々がいくつも案を作って皆さんに提示すると、時間がかかるので、できれば先にいただきたい。

近隣住民:繰り返しになるが、住民が配布した資料を見てほしい。我々が結論に達している部分である。基本的に、現在の樹木を活かすこと。伐採するとしても、現在の景観の保全を希望する。提案にある樹木医診断の18本については、基本的には提案どおり、そのままの保全及び移植を受け入れるつもりである。全体として可能な限り、現在のヒマラヤ杉の近くに6m程度の新しいヒマラヤ杉を植えて、今の景観が戻るようにしてほしい。この計画地をヒマラヤ杉で囲むことで、個性的な空間となり、現在ある100本程度の電中研周囲全体の樹木について、将来も温存する緑樹計画に良い影響を与えることを期待する。事業者提案については、①3m以上の緑道的空間については、委員長の指摘のように、2mの平坦な歩道と、1m以上の緑地帯とすること。また、既存樹木移設、既存樹木保存の部分であっても、歩道の幅員2mを確保すること。以上である。

事業者 :指摘は理解した。ただ先ほど出たように、例えばここにヒマラヤ杉と何を植えてほしいとか、こちらにもヒマラヤ杉を全部植えてほしいとか、そういう具体的な話を聞きたい。近隣の方の考え方は理解している。先ほど私がお願いしたのは、次回の調整会の前にその辺をもう少し具体的に話をしてもらえると、我々もそれに見合った形で、ここだったらこういう高さの木が植えられるとか、提案できるので、皆さんの希望を提示してほしい。

近隣住民:分かった。これを基本に、細部を提示するということで宜しいか。

委員長 :ここに書いてある話からしても、例えば「提案にある樹木医診断の18本」と書いてあるが、今日事業者から出た案は、TPMが16本、その他マテバシイ等が5本となっているから、そこからして少し違いがあるので、問題は特に今日出たように、本当にマテバシイはやめて良いのかという話とか、あるいは駐車場の所に、ヒマラヤ杉を植えるのが良いのか、あるいはヒマラヤ杉も既存の大きな木を移植するのが良いのか、少し小さくても新植して良いのか、その辺を今日ここに来ている近隣住民の方々だけでは結論が出そうもないので、持ち帰って、判断をしてきてほしい。住民の中で、意見が二つに割れたりしても困るので、話し合いをしてほしい。どれ位で回答を事業者側に提示できるか。2週間程度あれば提示できるか。

近隣住民:2週間で提示する。

委員長 :では2週間の間にそういった話し合いをして、市を介して意見を提示して、それを受けて、また1か月位後に調整会を開くということで宜しいか。8月に入ると、お盆休み等もあるので、お盆休み明けではどうか。

事業者 :お盆休み前ではいかがであるか。

委員長 :事業者の皆さんはそのように言われるが、近隣住民の皆さんの都合もあるだろう。

事業者 :我々もある程度準備をしてくるので、意見の提出後1週間位もらえれば、回答案を提示できると思う。

近隣住民:どこに提示すれば良いのか。

委員長 :市に提示すれば、市から事業者に送付してもらう。次回については、会場等の都合もあるので、ご相談になるが、お盆休みの直前か直後に開催したい。やはり市民の皆さんに周知する都合もあるので、できれば1か月位間隔をおかなければいけないと思っている。皆さんが納得していれば、2週間後・3週間後でも良いが、今この場では、次回の日程は決められない。本日はこれで終了する。