1 日時

 平成27年6月1日(月曜日)午後7時~9時20分

2 会場  狛江市役所 防災センター 401・402・403会議室
3 調整会請求者  事業者
4 出席者

狛江市まちづくり委員会委員
大方委員長、原副委員長、西田(幸夫)副委員長、西田(幸介)委員、筑紫委員、久光委員、澤野委員、津田委員、小笠原委員、平野委員、原田委員

事業者  13人

近隣住民 26人

傍聴者  6人

事務局
石森参与(兼)都市建設部長、小俣都市建設部理事(兼)まちづくり推進課長、遠藤道路交通課長、佐藤交通対策係長、富永まちづくり推進担当主査、榊田主任、小嶋主任、松野主任、岡本主事

5 議事内容(要旨)

 

事務局 :(仮称)岩戸北計画に係る調整会に先立ち、事務局であるまちづくり推進課より案内事項について説明する。本日の会場は都合により、午後9時を目処に調整会を終了する形となる。本調整会は狛江市まちづくり条例第42条第1項に基づき、狛江市まちづくり委員会により開催されている。調整会の進行に関する注意事項等について事務局から連絡事項が4点ある。1点目は、調整会の開催請求書は、平成27年4月28日に提出されている。当請求に基づき、当調整会が開催されている。調整会開催請求書を提出していないと意見を述べることができないのではないかとの懸念を持っている方もいると思うが、本調整会は口頭審理のため、近隣住民の方は、調整会開催請求書を提出していなくても意見を述べることができる。また、傍聴者の方でも、議事の進行に応じて委員長が必要と認めた場合には意見を述べることができる。2点目は、調整会開催請求書に記載されていない請求理由や意見について、当事業計画に関連する内容であれば、発言によって本調整会の議題にすることもある。よって、新たに調整会開催請求書を提出していただく必要はない。3点目は、調整会の議事録については、事務局で作成し、約1か月後を目途に狛江市のホームページ上に公開させていただく。4点目は、調整会は秩序ある議事進行のために、不規則発言はご遠慮いただき、発言の際は、挙手の上、委員長の指名後に発言をお願いしたい。また、発言を正確に議事録に残すために担当者がマイクをお持ちするので、マイクを受け取ってからの発言をお願いしたい。それでは、本日の参加者についてご紹介する。
(狛江市まちづくり委員会委員紹介)
続いて事業者の方をご紹介する。
(事業者紹介)
最後に市職員の紹介をする。
(市職員紹介)

委員長 :では調整会を始める。この件はまれなケースであるが、事業者側から調整会開催請求が出されている。まず、事業者側から請求理由について説明いただく。
事業者 :大規模開発等事業の構想検討会を、2回開催した。その結果、大枠はまとまってきた。引き続き開発等事業の手続きに入り、4月10日にまちづくり条例に基づく近隣説明会を実施した。それ以前及び説明会の中で近隣住民から、事業者と近隣住民だけの調整の場ではなく、条例に基づく調整会の場で話し合い、色々な物事を決めて行きたいという意見を頂いた。我々としてもまだ合意していない部分について、調整会の場で説明し、協議したいと考えて、調整会の開催を請求した。
委員長 :説明会を近隣住民及び事業者だけで開催するよりは、委員も含めて広く公開の場で説明し協議した方がお互い良いだろう、という主旨である。その点近隣住民もよろしいか。それでは事業の説明いただく。
事業者 :4月10日の説明会で住民に説明した内容が大半である。だがその際に説明していない資料等も用意している。まちづくり委員会の皆様には、今日初めて見てもらう資料となる。前面の画像と配布資料は同じ物である。先程説明したように、大規模開発等事業の構想検討会を昨年10月と12月の2度開催した。その中で採用された合意事項は4点あった。1点目は、外周道路の幅員が6mになるように整備すること。2点目は、原則として2m幅以上の歩道状空地及び1m幅以上の緑地帯が一体となった「緑道的空間」を整備すること。3点目は、まちづくり指導基準に基づく公園緑地の整備、場合によっては緑のまちづくり協力金での対応。4点目は、天空率を利用した斜線制限の緩和規定を使用しないこと。以上4点が構想検討会での合意事項である。また、近隣説明会で、意見や要望を頂いた点の内、大きい物を7点書いてある。1点目は既存樹木の保存。2点目は駐車場の安全性、騒音。3点目は駐輪場の安全性。4点目は歩行者の安全性。5点目はプライバシー対策。6点目は日影の影響。7点目は風環境の変化。以上の7点が、近隣住民との調整会での争点であると認識している。それから大規模開発等事業の手続きの中で、狛江市の各課との協議を行った。基本的に継続的に話し合うことや、了解したと回答した物も有るが、8項目挙げている。1点目は外周道路である。これは構想検討会の中で、事業敷地の東側から電中研敷地の東側の部分までを6m幅にすると話をしていたが、残りの北西側についても6m幅確保するようにと指導され、敷地に面している部分については全て6m幅とする計画に変更した。2点目は緑道的空間である。図中の黄色い部分である。ここを歩道状空地として2m幅を全外周部に確保した。1m幅以上の緑地帯については、構想検討会でも話をしたが、できるだけ設けるようにするが、駐車場出入口と建物のエントランス部分については設けられない。もう一つは、機械式駐車場が建物側にあるのだが、車路の幅員が5.5mで、最低限必要な幅員しかないため、この部分は緑道や緑地帯を設けることができない。その他の緑色に塗った所が緑地帯1m幅となっている。あと東側について、1m幅以上の緑地帯が設置できていない。しかし全体的な視点で検証し、歩道状空地と緑地帯を合わせて3mの幅を全外周部に配した時の面積が、約662㎡になる。今回歩道状空地と緑地帯、それから緑地帯に面した部分で緑地も更に設けるようにして、合計が664㎡としている。よって平均すると3m以上の幅の緑道的空間が確保できていると考えている。次は公園である。元は敷地面積の6%の公園を確保という市からの指導のため、西側に公園を計画していたが、歩道状空地や緑地帯を設けることにより、現在敷地面積の約3%を確保した状態となっていて、残りの部分については、先程も出たように緑のまちづくり協力金に代えるということで市と話し合いをしている。この歩道状空地や緑地帯の所に、どういった照明を付けるかという件については、街路灯ではなく、庭園灯のような物を設置して行きたい。左側の絵は、ツリーサークルである。歩道状空地と言っても、既存の樹木や新設する樹木が、そういった中に立つ必要があるので、絵のような形で植栽を行う計画である。次は、天空率である。構想検討会の中で天空率を使用しないという意見を頂き、指導に沿って変更をした。この天空率の使用をやめ、いわゆる道路斜線を使用した計画にすることで、建物東側について、外壁を2m削り、2mバックする形で、道路斜線内に収まるように変更している。次は既存樹木の保存である。上の図が既存樹木・高木の位置図である。ヒマラヤ杉やシダレ桜、大島桜等色分けして図示してある。我々もできるだけ既存樹木の保存をするため、34本中18本を保存あるいは移植すると、これまでの説明会及び構想検討会でも説明してきた。それが資料2-1である。それ以外に、既存樹木とは別に、今回の計画で植栽をもう少し増やすということで、新植する計画をしている。既存樹木の保存に加え、図の薄緑色部分が新植する中低木であり、濃い緑色の所は新植高木を指している。既存樹木と新植樹木を併せて、約230本弱の木が植えられる計画である。それから、1人あたりの木の本数についての質問があったが、それはマンションにどれだけの人数が居住するとは言えないので、緑地量で回答する。東京都では、狛江市も一緒であるが、緑地率は25%求められている。現状計画では緑地量は33%であり、基準を達成した植栽計画である。
(説明者交代)
事業者 :次は、駐車場の安全対策である。駐車場には、東側入口からは入庫するだけである。北西側は、出庫がメインであるが、どうしても一部必要であることから、一部入庫という形で、考えている。また先程申し上げたが、この機械式駐車場への出入りが、軌跡を考えても幅5.5m無いとギリギリで、これ以上狭くすることができないことから、ここについては緑地帯が設置できない。安全対策であるが、西側出口には、カーブミラーやパトライトという出る際に黄色いランプが点滅し、音も鳴るような機器を設置し、安全性を確保する。音がうるさいということであれば、音を消せる。また、駐車場の出入口は全てシャッターゲートがあり、関係者以外の外部の方が、中に入ることができないようなセキュリティ体制になっている。次に駐輪場である。駐輪場の出入りが心配だという意見も頂いている。駐輪場の出入口には、基本的にゲートを設置する。ゲートは、自転車に乗った方が自転車を降りて、カードキー等をかざすことで開く。普段は閉まっているが、内側から出る時にもタッチをしないと、ゲートが開かないということで、自転車に乗ったまま勢い良く出庫することが無いように、安全対策を考えている。駐車場の話に戻るが、図【2】-3のA-A´断面図を見て欲しい。機械式駐車場を西側から見た絵である。左側が6m幅の車道、次が歩道状空地である。今植栽が描いてあるが、歩道状空地との境界にフェンスを設けている。ライトの光が外部に流れて、光害が起きないように、フェンスの内側に光を遮るパネルを張り、光が外に流れないような対策を取る。次にプライバシー対策である。前面の画面の資料は以前配布した資料で、今日は配布していない。先ず1点目は、図で青く塗っている所だが、北側の外部廊下で、各住戸の玄関ドアの前には、非透視パネルを張る。プライバシー対策ということで、そういった変更をした。多目的ホールについては、北側及び東側の窓は、全て非透視の型ガラスとし、プライバシー対策をしている。ここから先は今日の資料である。図【2】-5を見て欲しい。計画建物はグレーで図示している。図のA-A´断面は、計画建物が3階建てであり、植栽が図のようにあり、隣地建物と一定の距離もあるので、プライバシー対策となっている。図のB-B´断面の所も、近隣の住宅との間に植栽があって、プライバシー対策ができると思う。図のC-C´断面及びD-D´断面も同様である。また、基本的に外部廊下には、住戸の部屋があり、窓がある。その窓には、不透視のルーバー状の物を設置し、風通しは有るのだが、外が見えないようにする。なおかつガラスは型ガラスにする。この外部廊下に面している住戸の部屋の窓は全て対策をする。加えて窓は開放制限等もして、大きく開けられないようにする。次はプライバシーに関する2番目である。ここにルーフバルコニーがあるのだが、ここから近所が覗けないようにするには、どうしたら良いか考えた。できるだけ外壁面から後退してフェンスを設け、ルーフバルコニーを基本的に小さくし、フェンスの内側から下が見えないようにする。この結果、視線の角度が制限され、近隣建物の1階・2階の内部は見えないように配慮もしている。次は東側の2か所を切った図であるが、D-D´断面のように、基本的に1.6mのフェンスを設けるので、外部は見えない形になる。E-E´断面も同様であるので、プライバシー対策としては、相当の物ができていると認識している。
  日影であるが、従来と同じ資料を付けている。冬至日の午前8時から午後4時までの日影である。次に春秋分日についても、午前8時から午後4時までの日影を、1時間毎に示している。
  風環境は、構想検討会の中で、事業者側としては計画建物の高さで風の影響は無いと思うため、シミュレーション等もしないと説明したが、委員長から、何か説明できる資料を作れないかとの助言を受け、株式会社環境シミュレーションという外部の専門会社にシミュレーションを委託した。結果は4月の説明会で、近隣住民には説明済みである。細かい話になってしまうが、シミュレーションは16方向の風の向きに対してどういう結果が出るのかを検討したものとなる。評価の方式は、村上方式を採用した。気象データは、府中の観測所の5年分のデータを使用している。府中での風配は、図2のように、北北東の風と南の風が、時期にもよるが、多くなることが報告されている。シミュレーションにあたっては、計画建物、それから電中研の建物、できるだけ航空地図や白地図を基に、近隣の建物についても、現状に近い形でモデル化している。資料の裏面は、電中研側から見たパースである。ただ電中研の中や、あるいは近隣住民の敷地の中での植栽等については、反映していない。我々の計画敷地に面する植栽については、反映してモデル化している。風の評価方式である村上方式であるが、基本的にランク1とランク2が住宅街で許容され、ランク3は、住宅街としては好ましくないという評価であり、ランク4は、劣悪な状況との判断になる。ちなみに村上方式と併せて、風工学研究所の評価方式があり、そちらでもランクがABCDとほとんど同じような形で評価している。今回は、ランク1とランク2になれば良いということで調べた。ちなみに、ランク1とは何かというと、資料のとおりの風速が年間で、どれだけの頻度で発生するかという点で評価する。例えば日最大瞬間風速が毎秒10mを超える日が、年間37日以下であり、かつ毎秒15mが3日以下、毎秒20mが0.3日以下であれば、ランク1と評価する。決して風の強い日が全く無いということではない。ランク2についても同様に、日最大瞬間風速が毎秒10mを超える日が年間80日以下であり、かつ毎秒15mが13日以下、毎秒20mが2日以下ならランク2と評価する。この評価の方法で、地上1.5mで敷地の周辺13ポイントで、評価した。これは建物が建った後、かつ植栽が植えられた状況での風の評価である。図3.2の右側に結果表があるが、ランク2が5か所で、その他8か所はランク1である。ランク3以上の点は無く、全ての点でランク2以下である。考察として、植栽等の対策を行い、このように風環境の解析・評価を行った結果、ランク1及びランク2となっており、ランク3以上は無かった。先程申し上げた、構想検討会に於ける4項目の、大きな課題についての説明は以上である。
委員長 :では、細かい所で色々な質問があるであろうが、その前に近隣住民からの資料が配布されているので、これも含めて説明をお願いする。
近隣住民:前回の構想検討会の後に、構想検討の書類が出て来たので、近隣住民としてそれに対して色々な意見を申し上げた。しかし現在、それに対する正式な回答は何も無い。我々は、構想検討の意見に対する審議が一体どうなっているのかを、最初に聞きたい。その次に今回の調整会としての事業的な意見、この2つのカテゴリーに分けて、話を進めて欲しい。構想検討会での協議事項が、先程事業者側の資料にまとめられていたが、我々が少々足りないと思う点を指摘する。1点目は、現在電中研として残った中央部の敷地周囲に関しては道幅6mにする、と先程説明された点である。構想検討会の中でも随分討論したが、この部分については、道幅6m以上無いと、7階建ての建物ができないということは、皆の共通認識である。その時事業者からは、「既に電中研と話をして、事業者側がその部分の拡幅工事をやることになった」と回答された。それで委員長から「分かった。しかしそうであると言う証拠を明示せよ」と言う指摘で、構想検討会の結論となった。だがその件について、未だに正式な回答が無い。この部分の道路については、一体どうなっているのか、我々は疑問に感じている。それから、歩道の問題である。後から問題点を指摘するが、事業者は計画地の緑道的空間について色々計画しているが、では電中研の東側部分については、一体どうなのか。これは今回の事業者だけの問題ではないのだが、計画敷地東側には緑道的空間ができるが、その先の電中研東側部分について、駅に向かう人は車道を歩くことになる。当然この計画で住民が増え、交通量も増えるだろう。計画建物にも駐車場があるとなると電中研東側部分の交通の安全確保は一体どうなるのか。非常に疑問である。ここはむしろ市の方から、是非事業者に指導願いたい。
委員長 :途中で申し訳無いが、相当多岐に渡りそうなので、全部まとめて指摘されると、後半では記憶が薄れてしまう。可能な範囲で一つずつ答えてもらうほうが良いのではないか。
近隣住民:では最初の質問に回答して欲しい。
委員長 :電中研との、道路整備についての取り決めはどうなったのか。
事業者 :この件については、既に6mに拡幅することについて、電中研には了解頂いており、文書も取り交わしている。この件について、近隣住民にも先日の説明会において、民間同士の合意文書であるので、申し訳無いが書面の中身は見せられない。まちづくり推進課には、合意しているということで、文書を見てもらっている。今日もここに承諾書を持って来ている。基本的には、民間同士でやっていることであり、電中研の方も極力見せたくないという所である。
委員長 :見せるか見せないかは、どうでも良いことである。問題は、いつ道路が6mになるのかであり、着工前なのか、竣工前までなのか、タイミングの問題である。
事業者 :これについては、一般的なことで、既に役所側とも協議しているが、建物の完成時の完了検査までには、整備することを考えている。
委員長 :そこが整備されないうちには、検査済み証が発行されないので、入居もできないという考えであるとのことだが、逆に近隣住民はそれでよろしいか。むしろ色々なことを考えると、工事が始まるまでに広げておくべきかと思うのだが、工事の車両のこともある。工事車両は東側を通らないという約束で良いのか。
近隣住民:我々は、工事の車両は東側道路を使用しないという説明を受けている。
近隣住民:拡幅は早ければ早い方が良いだろう。工事車両の件も我々は懸念しているが、前回の構想検討会の際に、東側道路を使わないということだったのであれば、拡幅の時期は話し合いで済む。だが、工事車両が通るのであれば、話の前提が崩れてしまう。どうであるか。
事業者 :我々は、東側道路を使わないとか、西側を使うとか、そこまでの明言はしていない。なぜかと言うと、施工会社がまだ決まっていない。施工会社が決まった時に、その工事の説明会で説明するとの話をしているので、施工会社が決まった時点で具体的な施工計画案を説明する。
近隣住民:それでは、我々の記憶と違う。
委員長 :合意文書を見せる、見せないは別として、いつ頃に道路の拡幅をするという約束あるいは見通しなのか。あまり時間を掛ける必要は無いのではないか。少なくとも、この調整がまとまって、確認済証が発行されたらすぐに、道路の拡幅をしても良いのではないか。
事業者 :以前話したように、我々は、竣工に近い時点での拡幅工事を考えている。
委員長 :そこまで後ろ倒しにする理由は何か。
事業者 :委員長から指摘されたように、確認済証が発行され着工した時点で、すぐに拡幅しても良いとは思う。一応施工予定者である建設会社と協議をした所、工事の都合で、外構工事の一環としてやったほうが効率的だということもあり、工事の終盤で施工する予定である。できるだけ早くということであれば、施工計画の段階で検討するが、結果は約束できない。
委員長 :詳細はいずれ工事について、近隣住民と協定を結ぶことになると思うが、その時に、ということでよろしいか。
近隣住民:委員長から質問があったので、繰り返しであるが、工事車両の進入道路については、割と早い段階で、西側道路から入れますという回答を得ていた。東側からも進入するのなら、話の前提が崩れてしまったと言う気持ちである。
委員長 :いずれ工事については、他にも色々協議事項がある。
近隣住民:2番目については、これは必ずしも事業者だけの問題では無いが、電中研東側の道路を整備することに対し、本当に道路の拡幅しかやらないのか。事業敷地では緑道的空間を作るであろうが、この先は電中研とどのような話になるのか。
委員長 :その点については、まだ未確定であるが、この地区全体について、地区計画を立てようと言う話がある。その中で、今回と同じように歩道2m幅とか、緑地帯1m幅は最低限設置すると言うような計画になれば良いと思っている。しかしそれは、今回の調整会の問題では無い、という理解をしている。もう一つ、この調整会で、この3m幅の歩道+緑地帯が前例になれば、今後も同様なマンションが敷地の中に建っていく際に、同様な調整を図ることになると思う。よってそれ程心配は要らない。
近隣住民:その場合、6m幅の道路だけができ上がってしまうことは無いと考えているのか。
委員長 :いや電中研の部分は、今回は道路だけの整備となる。道路に接する電中研の敷地内の開発は未定になるので、その部分の緑道的空間の整備は先になる。ただ電中研の敷地の中に、マンションなり住宅開発が起き得るということになれば、その時に、緑道的空間を整備していただく。とにかく地区計画としてまとめるには、多少時間は掛かるし、これからのことであるので、今この場で約束はできない。又この場は、この開発に対する調整会なので、ここで議論を重ねても意味が無い。
近隣住民:分かった。では電中研敷地東側の所は、今回事業者が整備することではないのかも知れないが、今の委員長の言葉を確実に実行するよう、市のほうにも是非お願いしておきたい。次に3m幅の一体となった緑道的空間という問題であるが、事業者説明でも一部、かなりの部分において、2m幅しか設けられていない。事業者説明では、平均で3m以上だと言う話であるが、歩く側から見れば、どこかに広い所があっても、狭い所があれば、やはり歩き難いということである。
委員長 :私も先程の説明では、具合が悪いと思う。構想検討会では、原則と言っているが、2m幅以上の歩道状空地及び1m幅以上の緑地帯が一体となった緑道的空間として整備する、と明言している。もちろん出入口の所は、やむを得ない。今日の資料の表紙から数えて4ページ目で、緑道的空間と言う所の、特に東側の建物の妻壁側の所などは、緑地帯が設置できない理由が全然分からない。緑地帯を設置するために建物の位置を変えれば良いだけである。駐車場の所も同様で、そこに駐車場を配置するから、緑道がとれなくなるのであり、緑地帯を設置するために駐車場の位置を変えれば良いのである。建物が重なると言いたいのだろうが、それは建物の寸法を変えれば良いだけである。とにかく敷地の外周にはきちんと、2mの有効幅員のある歩道状空地と1m幅の緑地帯を設けるという約束なのである。そこはできる限り、本当にやむを得ない理由が無い限り、守ってもらわないと困る。建物の配置計画をほぼ変えずに、緑道的空間が収まらないと言っても、それは理由にならない。特に駐車場の前の所、ここは駐車場が見えたり、音や光が漏れたり、大事な所である。だからここはしっかりと緑地帯を設置すべきである。それから歩道状空地であるが、木を植えるのは結構であるが、ツリーサークルが有効幅員2mの中にかなり入ってくると、例えばベビーカーがすれ違うとか、車椅子の方がすれ違うとか、杖をついた高齢者がすれ違う時等に支障があり、歩道の端部から車道に落ちるようでは困る。最近東京都の総合設計の基準等でも歩道状空地の幅員は2m幅だと言っているのだから、歩道部分には多少ツリーサークルが入っても良いだろうが、木の幹の部分はこの歩道状の部分に入れないで、とにかく有効幅員2mを是非死守していただきたい。
事業者 :委員長に質問する。先程合意事項と言われた、「原則として」2m幅以上の歩道状空地及び1m幅以上の緑地帯が一体となった緑道的空間を設ける、と言う所で、原則の考え方に違いがあるようである。入口等についてはやむを得ないと言われた。我々は、原則的にという言葉を、現計画のように解釈した。今回計画する上で障がいとなる物については、右上にあるように、平均的な幅を確保するという計画で、ご理解頂きたい。
委員長 :事業者側の気持ちは分かるが、テーマがテーマであるので、歩道状空地については、平均の幅員など何の意味も無い。
事業者 :歩道状空地は外周部全部2m幅設けている。
委員長 :いや、樹木が邪魔になり、有効幅員が2m無い所がある。特にお答え頂きたいのは、東側の妻壁側は、なぜ緑地帯が設けられないのか。
事業者 :建物を削らない限り、緑地帯を設置できない。
委員長 :あたり前である。なぜ建物を削れないのか。
事業者 :削るというのは事業性を損なうことであるから、簡単に言われても困る。例えば建物の東側や、北西側を削れば緑地帯は設置できる。ただ我々もできるだけ事業性を損なわない程度に変更して提示している。簡単に建物を削れと言われても困る。
委員長 :前回の構想検討会の最後の方で出てきた案と、今回の建物案では、どう違っているのか、説明が無かった。ほとんど同じではないのか。
事業者 :面積等は色々減っているが、建物の形状は大きく変えていない。
委員長 :それでは困る。こちらの要求を満たしたことにならない。もちろん事業者は、できるだけ建物を削りたくないであろう。だがそれでは調整会にならない。多少建物の配置や形を変えてでも、特にこの緑道的空間の原則は守って欲しい。建物を削ると採算が2割程度減ってしまうとなれば、相談できるのだが、全く削らないなどと言う話なら、そもそも調整会を開催する意味が無い。大規模構想の検討をする意味も無い。こういう周りの条件をきちんと満たした、天空率を使わないという条件の中で収まる建築計画にするというのが、大規模構想検討会の合意事項だから、今の建物のままでは守れないと言うのはあたり前であり、合意を守るように建物を変更するのが、大規模の時の合意の意味なのだから、そのようにお願いする。これは委員会としての勧告である。
事業者 :了解した。一概に建物を削れと一方的に言われても、この場で分かりましたとは言いづらい。事業者側としては、持ち帰って検討したい。
委員長 :この条件、有効幅員2mの歩道状空地と、1m幅の緑地帯は極力死守せよ。建物を削ってでも、実現せよ。そういう事である。どうやって実現するのかについては、事業者側で検討せよ。
事業者 :基本的には、合意事項だというのは我々も分かっている。いずれにしても面積が当初案と比べると減っていることは事実である。6m確保するという所においても、建物も少しではあるが後退している。
委員長 :そういうことを言うのであれば、きちんと図面なり数表なりの提示を求める。口でただ言われても、我々には良く分からない。事業者はなるべく儲かるような形で提案するのは当然だが、いずれにしろ、交渉の第一歩であり、ここはあくまでも調整の場であるから、喧嘩をしても仕方ない。ご検討願いたい。
近隣住民:緑道の形状について、確認したい。緑道的空間の基本となる構造に関して申し上げる。住民側としては、電中研敷地の外周部に4.5m幅の歩道を要望したが、3m以上の一体的緑道的空間を設定することで妥協した。しかし、住環境の改善という点では、構想検討会の成果である。構想協議申請書添付図面によると、2m幅の歩道と、1m幅の緑地帯が個別に形成されたような構造になっているように見受けられるが、このイメージ図のようになってしまうのか。我々は疑問に思っている。構想検討会では、歩道と緑道を一体的に整備することが、方針として示されている。電中研外周部には歴史的にも貴重なヒマラヤ杉等が多数ある。ヒマラヤ杉等を存続させた状態で、より良い環境整備が可能ではないかと考えている。当初より一貫して要望してきたが、コンセプトとして、ヒマラヤ杉等を現在の位置で存続させることが、我々の強い思いである。これから見せる2枚の写真は、喜多見駅付近の物である。樹木と一体となった歩道は、各地で見受けられる。我々は歩道と緑道の一体的空間を要望している。岩戸北計画の敷地周辺のそれぞれの場所について、今までの考え方を基に、我々が問題点を指摘したい。だが既に委員長から発言もあったので、指摘を省略しても良い。
委員長 :どんな断面になっているのか、説明を求める。
近隣住民:では東側から指摘したい。
委員長 :東側は、変更してもらうので、説明は不要である。だが断面について、どのように、なっているのかを知りたい。今日のプライバシー対策の所で、断面図が出ているので、事業者側の考えは分かる。
事業者 :先程委員長から出たように、現在確かにこういう形で、ヒマラヤ杉等が植わっている。我々もできればそのままにしていきたい。だが移植しなければならない所もある。ただ現在このヒマラヤ杉の枝が、道路上に越境している。これは市側とも話したが、市側としても、基本的に枝の越境は好ましくないと考えている。それから根である。根がかなり伸びている。よって、外構部分の工事をする時に、どうしても根を切らざるを得ない。そういうこともあるので、1本1本調べた上で、移植する木を決定している。また、歩道状空地の中に、先程の絵のようなツリーサークルの設置を考えているのだが、先程委員長から、そういう物は、できるだけ緑地帯の中に入れて、要するにこちらの絵のようにして、道路側2m幅の歩道状空地は、できるだけ歩道として確保するように指摘された。だが我々も、先程の絵のような所と、委員長の指摘のような所の両方があると考えていた。現在、それぞれの木を伐採するとか移植するとか、全体的に示しただけなのだが、今委員長が言ったように、次回また調整会があるので、それまでに例えば、この木は根が出ているから、越境を解消するために移植せざるを得ないとか、方針を示したい。我々もマンションを分譲した後、管理組合が越境している枝を定期的に伐採せよということを引き継がなければならないし、根の部分が越境したままになる可能性がある。分譲前にできるだけ越境は解消しなければいけないので、その辺は木毎に印をつけ、示したい。
委員長 :問題は木の位置ではなく、歩道状の部分と緑地帯の部分の高さが10cm位違っている点である。そこは恐らくわざとそうしていると思うのだが、例えば今日のプライバシー対策2-5の図のA-A´断面の図を見ると、歩道があって、更に10cm程度の段差がある。これは落ちないようにとか、水が出ないようにとか、色々な考えがあるのだろうか、説明していただきたい。
事業者 :緑道について回答する。恐らく歩道とは別に1m幅の緑地帯というのが、上がっているのではないかという指摘である。花壇状に整備するので、便宜上段差を付けて描いてあるが、歩道と同じようなレベルで作ることに問題は無い。土がこぼれない程度の土留めはするが、基本的には歩道と同じレベルで、作ることは可能である。
委員長 :どちらでもできるとのことだが、どちらが良いかと言うと、微妙である。花壇について土の面を歩道と一緒にしようとしても、どうしても土のほうが少し下がり、水が溜まったりする。そうなると、今度は歩道面から土の方へ足を踏み外すことも起きる。一体にしてもどちらにしろ、木の根の所を踏み荒らして歩くことはできないので、そこはむしろ、造園を専門としたデザイナーにある程度任せれば良い。
近隣住民:越境の件は調べてきた。現在の電中研のヒマラヤ杉は大体写真のように綺麗にカットされていて、越境していない。将来的にも恐らくきちんとカットしていけば、越境することは無はずである。きちんとした管理をしているので、恐らく狛江市から電中研に対して、越境に対する指導は行っていないのではないか。よって越境を理由にヒマラヤ杉を残せないというのは違うと思う。
事業者 :我々も電中研に確認している。大体3年に1回枝を剪定して越境を解消しているそうである。狛江市から指導を受けているということではなくて、自主的に剪定しているということである。枝は、間違いなく越境していて、今は今年剪定したばかりなので、綺麗になっている。これは電中研に確認した話である。 
近隣住民:その件に関して、60年もずっと近隣の住民が、ずっとなじんできた物である。その間越境について、少なくとも今回の計画の所では、問題になったことが無く、しかも皆さんが是非残してくれと、当初から一貫して言っている物である。ヒマラヤ杉は3大美樹と言われていて、しかもこれは松永安左衛門という有名な電力王の方が60年前に植えた木が成長した物で、根についても、上の枝と同じ規模の根を張り、保水の状態も良い。これは議員にも言われていて、風についてもこれだけの高さが有れば暴風に対して役立つし、プライバシーの問題についても、解決する。しかも緑道として一体にすれば、プライバシーの問題も相当解決する。近隣住民から切望されているのだから、是非熟慮し、可能な限り樹木を残す方針を熱望する。幅が3mの一体的緑道であれば、近隣の皆さんが憩いながら周回できるということを、もう一度原点に帰って、お願いしたい。
委員長 :樹木の保存については、一般論として議論しても埒が明かない。今日も具体的に資料2-1で、現況がこうで、どの木を残すとか、新たに植えると出ている。むしろ個別具体的に建築計画と併せて検討することをせざるを得ない。そのため、歩道あるいは緑地帯の断面の作り方の話を取り敢えず伺った。保存については、後で検討する。次に北側を説明願いたい。
近隣住民:その前に東側に関して追加である。先程委員長からもあったように、ここには2m幅の歩道しか無いということであるが、こちらも3m幅の一体となった緑道的空間を確保して、建物を計画して欲しい。今、セキュリティラインと言うのが描いてあるが、それはフェンス等で区切られている物なのか。
事業者 :そのとおりである。
近隣住民:それならば、ここは完全に2m幅しかなく、しかもその中に、木が植わっている状態で、かなり狭くなっていると思う。こちらは喜多見駅から歩いてマンションに来る人が、最初に目にする所だ。ここが狭いというのは、マンション側にとっても、良くないのではないか。ここがゆったりした素敵な空間ならば、マンションも良く見えると思う。当初1mしかなかった離隔を2mに変更されたが、その時、3mの緑道ができるという話を聞き、トータルで5mになると私は考えたのだが、違うのか。
事業者 :5mの意味が分からない。
近隣住民:最初緑道の話が出る前に、離隔を1mから2mに変更する話が出て、確か図面も2mになったと思うのだが、その後、車道から3m幅の歩道を作る話が後から出たので、離隔とは別に設けるのかと思った。
事業者 :2m幅の他に3m幅を設ける考えは無い。
委員長 :道路中心線から3m下がって、更に歩道と緑地帯で3m幅を設けるという話であった。いずれにしろ、ここは大事な場所であるから、特にきちんと、歩道2m幅と緑地帯1m幅は守っていただきたい。
近隣住民:我が家は、敷地南東角の正面に建っている平屋建てなのだが、この部分は4階建ての計画である。そこからセットバックして7階までいくのだが、4階がいきなり目の前に建つことで、かなり圧迫感を感じるであろう。上から見下ろされることも危惧されるので、圧迫感を改善して欲しい。もう少し離隔距離をとるなり、せめて3階建てにしてもらえないか。
事業者 :ご意見としては承る。
委員長 :今のような要望があることを前提に、まず道路を現道で6m幅にする。そこから3m幅の歩道状空地と緑地帯を設ける。それから天空率は使わないで計画し、その範囲に収めれば良いとする、そういう合意であった。そこを話と違う建築形態にすると、全部振り出しに戻ってしまう。ここはきちんと守って欲しい。次は北側の話をお願いする。
近隣住民:私の家は北側だが、委員長が指摘されたとおりのことを私も言いたかった。是非2m幅ではなく3m幅の緑道的空間の確保を望む。構想検討会の方針に従って欲しい。また、自主管理歩道と敷地境界が分かるような方法として写真を例示したが、このように歩道を作ることを切望している。
委員長 :ただ今の所は、歩道の有効幅員は2m確保されていて、緑地帯の形状が三角になっているが、ある程度は確保できている。
近隣住民:駐輪場の北側の一部は2m幅しかない。
委員長 :歩道は2m幅ある。ただ緑地帯が場所によっては切れている。
近隣住民:多目的ホールが目の前にあるので、圧迫感が増す。
委員長 :多目的ホールの位置の問題のようである。
近隣住民:西側についてである。西側は委員長の指摘のとおりで、緑道的空間が2m幅しか存在しないので、きちんと3m幅を確保して欲しい。あと、大木と緑道的空間の関係を、こちらでも調べてきた。元となるデータは12月16日頃、事業者から頂いた植樹の現状の図である。この図を基に実際に3m幅でブルーの線を引いてみた。そうしたら、かなりの木がこの3m幅の範囲に入ることが分かった。細かく検討して頂ければ、3m幅以上の緑道的空間の中に既存樹木が保存することが可能であると考えている。我々としては、既存樹木を切ったり移植したりするのではなく、残していく方向の検討を希望する。
事業者 :保存樹木について回答する。近隣住民が、既存樹木をそのままの位置で保存を希望しているのは認識している。事業者側の計画の中で、建物計画、施工計画等も考えないといけない。それを考慮した上で、まだ確定的なことは言えないが、指摘されたように、何本の木がそのまま残せるのか、検討することを考えている。続いて3mラインであるが、我々も既に考えていた。これによると、越境している木や、自主管理歩道3m幅の真ん中に来る木とか、そういった場所もあるので、これについては、充分に反映できない面もある。
近隣住民:是非次回に続けて検討結果の提示を依頼する。
委員長 :資料2-1の既存樹木の保存であるが、現状と計画を比べた時に、駐車場の前に、緑地帯が設けられないと言うこともあって、新しい樹木が描かれている。ここが再検討となれば、場合によっては既存樹木の再検討ができるかもしれない。それから多目的ホールの話も先程あったが、もう少し検討の余地が出るかもしれない。事業者側は嫌がるかもしれないが、建築の配置等を再検討せざるを得なくなると思うので、併せて樹木の問題を検討していただきたい。歩道状空地について2mの有効幅員確保と言うのも、樹木の保存の必要性等、場合によっては一部有効幅員が1.5mになっても、そこは止むを得ないとするのか、近隣住民の皆さんとの相談で、決めれば良い。
近隣住民:多目的ホールについてである。最初に、このマンションが作られることに関して、我々は不意打ちを受けた気持ちであり、犠牲を払っているような思いがある。建物は7階建てという規模であり、丁度我が家の目の前が駐輪場になっている。それだけで非常にストレスを受けている。その上更に多目的ホールが作られるとは、どういうことか。電中研南側のマンションには多目的ホールが作られていない。なぜ北側のマンションには多目的ホールを作るのか。作る理由や用途を示していただきたい。わざわざ人を集めて、騒音等が発生する建物を、敢えて我々の犠牲の上に、作る必要があるのか。広い敷地の中であるから、作るのなら他にも適切な場所があるのではないか。駐輪場の上に作る理由が納得できない。素晴らしい建築士の方々が揃っているのだから、どうか再考願いたい。
委員長 :もう少し説明が欲しい。この場所に駐輪場及び多目的ホールができると、具体的にどのような迷惑が及ぶと考えるのか。
近隣住民:まず、人が集まる。その中で何をするのか、非常に疑問である。葬祭関係が行われるのも困る。駐輪場だけでも人が相当通り、そのストレスもある上に、わざわざ駐輪場の上に余計なものが作ることには配慮が欲しいという率直な思いである。
委員長 :道路を挟んで第一種低層住居専用地域である。あまり賑やかなものは迷惑だろうし、また殺風景な物も迷惑だということは、良く分かる。ところが頂いた図面等を見ても、どういった形の物か、どこからどれ位の人が出入りするのか、よく分からない。もう少しどういう物なのか、説明できる資料を提示または説明を求める。こういう物を作っても近隣住民に迷惑が掛からないと言う説明を希望する。
近隣住民:その前に、なぜ作らなければいけないのか。南側のマンションには無いのである。そこを是非聞きたい。
事業者 :コンセプトは、居住者のための集会施設を作りたいということである。建物の中に作ると、それだけ専用面積が減るので、建物外部でスペースを設けようと言うのが始まりである。再三説明しているが、この多目的ホールでは、具体的に何をするのか、現段階では決めていない。先程指摘されたように葬祭用に使うのかと言われても、これから決定することとなる。販売までの間に具体的な利用方法についても考えていく。それについて近隣住民から意見があれば、我々も取り入れられる物は取り入れる。出入りは、2階からの直接の出入りを考えている。
委員長 :2階から直接とはどういう意味か。道路側や、敷地内のエントランスの所から、どのように集会室に入って行くのか。
事業者 :現時点では2階の廊下側から入って行く。エレベーターの横から入る計画である。
委員長 :道路側にはエントランスは無いということか
事業者 :そうである。マンションの2階から渡り廊下で入って行く。この多目的ホールの意味は、コミュニケーションの充実を目的としている。また、商品性の拡大、充実という面もある。居住者の生活の充実を図るために、それに適応する物とする。利用目的は使う方に任せるが、周囲に迷惑を掛けるような行為は禁止することを考えている。いずれにしても、価値観の多様性に応じて、各個人の余暇の活動に対応する建物という考えである。
委員長 :余暇も色々ある。ジャズダンスを踊るとか、カラオケを歌うことを、夜遅くまでされては困るという心配をされるのは分かる。一方で道路側はガッチリと窓も無く、分厚いコンクリートで音は全然出ないということなのか。近隣に迷惑にならない建物なのだと言う説明は必要である。事業のために商品性を向上させるのは当たり前であるが、迷惑を掛けてはいけない。
事業者 :建物の道路側壁面は、直接見通せる物は使っておらず、ガラスブロック等の可視性の無い物で、計画している。
委員長 :音に関してはどうか。
事業者 :マンションを作る場合には、管理規約を作る。当然ながら、居住者の中でも迷惑を掛けてはいけないと言うことを考えながら、管理規約で建物の共用部分の利用方法を決めている。外部の人に対しても迷惑を掛けてはいけないという考えで、利用方法を決めていく。そういうルール付けは行う。
委員長 :そうは言っても、マンションの管理組合の会議等にも使うのだから、夜は5時までという訳には行かないだろう。むしろきちんと音が漏れないように、コンクリートで作れば良いのではないか。近隣に迷惑を掛けないために、どういう対策を考えているのか聞きたい。
事業者 :まだ流動的な部分もある。近隣住民からは、管理目的が何項目かでているが、そういった物も踏まえながら、我々もどういう造りにするか決定していく。例えばコンクリートで打ち放し仕上げにしてしまえば、やはり見た感じが宜しくない面もある。
委員長 :そんなことは言っていない。壁をコンクリートにして、仕上げはきちんとすれば良い。変な例え話はしないで欲しい。
事業者 :今後検討していく。
近隣住民:先程事業者が、どう使うのか決まっていないと言った。つまり必要性が無いということではないか。
事業者 :それは近隣住民の受け取り方である。
近隣住民:我々は、多目的ホールの必要性が無いと受け取った。必要性が無い物をどうしても作りたいということが、全く納得いかない。
委員長 :マンションに多目的ホールを作りたいというのは理解できる。駐輪場もどうせ作る訳だから、その2階に集会室を作ると言うのも分からなくは無い。しかし本当に必要なのか、この場所がふさわしいのか、そういう形で良いかとか、これから、検討すべきである。近隣住民から、どこか別の位置に作ったらどうかという意見があったが、それについてはいかがか。
近隣住民:他に適切な場所が、敷地内部にかなりあるようなので、わざわざ我が家の近くに作らず、外部の方の犠牲を求める前に、敷地内部で処理して欲しい。マンションの価値を高めるために近隣住民に犠牲を強いるという理由は納得できない。
委員長 :そうは言っても、事業敷地内であり、外部ではない。ただ外から見える所には、好ましくないという意見である。
近隣住民:他に場所が無いのなら仕方ないが、他に色々な場所がある。もう少し知恵を出して考えて欲しい。
委員長 :住戸面積を目一杯とりたいと言うのは当然であり、そうでなければ、1階部分に集会室を作ったり、場合によっては一部駐車場を駐輪場にしたりすれば済む話である。なるべくそれはしたくないということで、このような計画になっていることは想像できる。なるべく容積を稼ぎたいということであれば、周りに迷惑を掛けないような配慮は最低限必要である。特にこれは大規模開発等事業の時の話として、道路は6m幅にして、2m幅の歩道を設置し、1m幅の緑地帯を作る話であった。今回その点について守られていなくて、建物がデコボコになり、緑地帯にはみ出ている。だから最低限そこは、対応するべきである。防音その他のことも必要だと思うが、それでも近隣住民は納得しないと言われるのだろう。だが景観上の配慮等で、ある程度納得してもらえるかも知れない。そこはもう少し事業者として誠意ある対応をすべきである。
近隣住民:以前集会室を近隣住民が使えるかと質問があった時に、基本的に近隣住民には集会室を使わせないと回答された。また3月16日の説明会で、何かやって頂けたらと質問したが、住居の価値が下がると回答された。そういう感覚をリセットしてもらい、この地域の中で、どういう形にすれば良いのか検討して欲しい。特に南側には、同じ事業者なのに、集会所は無いのである。
委員長 :近隣住民は、この集会所を、例えば月に1回でも2回でも町内会の寄り合い等で使いたい希望を持っているのか。それともこの部屋が無い方が良いのか。
近隣住民:無い方が良い。
事業者 :この多目的ホールについては、もう一度検討する。
近隣住民:プライバシーに関して質問がある。資料は持参していない。今日は事業者側から新しく内容が変わった資料が提示されたので、私は、事業者資料に描かれていない内容だけに絞って話す。今建物全体で見た時に、玄関ドアの前だけに目隠しを付ける、という話だったが、狛江のスタンダードと言われる市役所近隣の他物件では、調整会の結果、廊下全面に渡って、高さ1.8m程度の目隠しが設置されている。特に前には高い樹木があって、それによる目隠し効果も期待されている。そういう建物が前例としてあるので、こちらでも是非そのような対策を希望する。それから、階段部分については、今の所、対策がされていないが、前述の市内他物件では階段部分についても、きちんと対策がされているので、善処を希望する。ここから先は、近隣住民側もどの程度、事業者が今日示したプライバシー対策で効果があるのか検討したうえで次回以降議論したい。
委員長 :今日の資料だと、廊下の目隠しについては、分からないのだが、再度事業者側の提案を示して欲しい。どのような目隠しを付ける提案なのか。住民からは、前述の市内他物件のように1.8mの目隠しを希望されたが、廊下にはどういう目隠しを計画しているのか。
事業者 :玄関ドアの前だけに、目隠しを設置すると説明した。
委員長 :玄関ドアの前だけという理由はあるのか。開放廊下にしたいというような理由があるのか。
事業者 :現在の計画では、この北側の外部廊下にルーバーを設置する予定である。
近隣住民:高さを教えて欲しい。ルーバー状の目隠しが窓に付くのか。
事業者 :格子のような物で、先程の窓に付くルーバーとは少々違う。これは単純に格子みたいな物である。
近隣住民:ずっと廊下に付くのか。
事業者 :廊下には格子状に設置する予定である。但し部屋の玄関ドアの前だけが、非透視性のパネルを付ける予定となっている。
委員長 :ドアの前だけルーバーを付けるのか。
事業者 :ドアの前は、プラスチックのパネルにする。
近隣住民:ルーバーは透視性か、非透視性か。
事業者 :北側廊下のルーバーは透視性である。
近隣住民:ドアの前だけは非透視性か。
事業者 :そうである。
委員長 :通常ルーバーは、それ程見えないのではないか。
事業者 :修正する。ルーバーではなく、格子手摺である。10cmピッチの縦格子である。
委員長 :それでは目隠しは何も無いということである。目隠しにはならない。
事業者 :目隠しは、廊下については考えていない。
委員長 :ルーバーという言い方で良いと思うが、目隠しを付けないと言われる理由を提示せよ。コスト以外の理由が必要である。とにかく公道を挟んで割と近い所に近隣住民の住宅があるのだから、なるべく見下ろせたり、盗撮されたりしないような努力をすべきである。
事業者 :基本的には、廊下部分は2分の1開放という規定の範囲内で計画している。
委員長 :なぜそうするのか。開放廊下にしたい理由は何か。
事業者 :北側にも居室を設けているので、有効採光面積を採らなければいけない。そのためには充分光が当たる所を作らなければならない。前を塞いでしまうと、部屋が居室にならず、納戸となってしまう、そのため、開放性を確保している。
委員長 :事業者側の都合は分かるが、近隣住民には迷惑な話である。前述の市内他物件の場合、どのような間取りだったのか、記憶が定かではないが、目隠しが設置されて建設された。あれは全部塞いだ訳では無いが、ある程度目隠しが有効になるような形で塞いだりしているので、そこはもう一工夫必要なのではないか。少なくとも下半分は、格子にしなくても良いだろうし、あるいは下の方を格子にして、目の高さを塞ぐとか、色々あるのではないか。
事業者 :目隠しの件であるが、先程ある断面を切って、樹木があって、目隠し効果があると説明したが、比較的周りの建物に近い所は、木があり目隠し対策ができる。それ以外は比較的距離があるので、対策していない。ただドアの前だけ目隠しをしていると言うのが現状である。
委員長 :今日の資料では、どこの部分があって、どこが無いとか、屋上からの死角は描いてあるが、廊下からの見通しの問題については、説明が無いので、良く分からない。これでは、住民は全部塞げと言うだろうし、事業者はなるべく塞ぎたくないと言って、水掛け論になってしまう。木で塞がると言われても、計算通りにはなかなかならない。
近隣住民:今のプライバシーの説明で、玄関、居室の扉の所だけ目隠しをして、それ以外の所は縦格子だと私は理解した。ということは、入居者のプライバシーは玄関を開け放した時に近隣からは見えない、外からの視線は入らないという所は配慮しているが、その方たちが通る時に、私たちの家を見下ろしたり、ルーフバルコニーが見えたりする所は、今の所は縦格子だけなので、配慮されていないと言う説明である。そういう理解で宜しいか。
委員長 :分かりやすく言えば、今日の資料の2-5にもあるが、北側については、各断面図の問題の場所、右側のページを見ると、例えば、A-A´の所、屋上にはきちんと目隠しパネルを付けるようであるが、下の階の共用廊下では、手すりの上に遮蔽物が無く、丸見えである。これは矛盾していると感じる。ここはやはり、特にA-A´の所は14m位の離隔なのだから、廊下についても何らかの目隠し対策が必要だと思う。屋上だけ対策をして問題なしという理由が良く分からない。
事業者 :廊下は素通りする所である。ルーフバルコニーは、視界として360度見える。そのため、ここの所は、160㎝の目隠しパネルを付けている。
委員長 :事業者としては、そのように言う気持ちも分かるが、見られる側としては、屋上から見られるのも、廊下からちょっと横を向いて見られるのも同様である。住民が行き来する上、場合によって住民でない不特定の宅配の人等が通る訳だから、気持ちが良くない。ここは賃貸のワンルームではなく、ファミリー型のマンションだから、それ程厳密にしなくても良いと思うが、物騒な事件もあるから、ルーフバルコニーにここまで対処すると言うのであれば、廊下にもそれなりの対策が要るのではないか。だから15mとか20mとか、離隔距離が充分な所は良いかも知れないが、14mだとかなり近いので、その辺については、きちんとした対策を施した方が良いのではないか。後々の近所付き合いにも響くことである。事業者は売り逃げして良いだろうが、後に住む住民のことも考えて欲しい。
事業者 :確かに近い所で、14m程度の所が何カ所かある。市内他物件の例もあるので、再検討する。一般的に我々は2分の1開放ということになると、どうしてもこのようになってしまう。その辺を含めて再度検討してみる。
近隣住民:「2分の1開放」という言葉が初めてなので、どういう意味か、規制があるのか、分かりやすく説明を求める。なぜ拘っているのか、良く分からない。
委員  :建築基準法の中に容積率という数字の規定がある。ある敷地に対して、何%まで床面積にカウントするかを指す。その際、開放廊下という表現を使った場合に、全体の高さの2分の1以上を開放した場合には、法的な容積算定の延べ床面積に含めなくて良いという規定がある。
委員長 :容積率上は、開放しなくても今回は入らない。
委員  :次回資料をお願いしたいのだが、容積率にカウントされることによって、容積率オーバーになって、建物が成立しなくなるのか否かという所が、今回の資料では分からない。よって、開放廊下にする必要性有無の一つに容積率の緩和と開放性に関わってくる。
委員長 :恐らく用途地域上の容積率の話ではなく、何か消防法等の規制の基準となる時の延べ床面積に入るか入らないかという、そういう話ではないか。先程、北側の居室の窓の有効性の問題だと言われたが、そちらは何とでもなると思う。
事業者 :容積については、開放廊下であろうと内部廊下であろうと、共同住宅の廊下である以上、容積算定の基準からは外れる。よって、仮に内部廊下になっても、容積からは外れる。容積率とは関係なく2分の1開放を取っている。
委員長 :防火設備とか、防火貯水槽をどうしたとか、その辺の問題なのか。
事業者 :開放廊下という位置付けである以上、2分の1開放が要るということである。逆に2分の1開放でないと、閉鎖的な廊下であるということで、別の設備を付加されるケースがある。
委員長 :その辺が微妙で、特定行政庁の扱いで、京都はルーバーを付けても良いが、東京はダメであるとか色々あり、ややこしい問題である。
委員  :私の説明が不足していた。建築基準法上の容積率の緩和規定で、共用廊下部分は、容積率の法的なカウント対象ではない。但し、そこの部分は、いわゆる延べ床面積としてカウントされる可能性があるので、そうなった場合には各市町村の条例の防火貯水槽等の、設備に負担が掛かる可能性がある。よって、今の所は、開放廊下として延べ床面積にカウントできないように計画していると理解して宜しいか。
委員長 :なるべく安く済ませたいから取り敢えず開放廊下で計画するのだと言うのが会社の方針なのか。
事業者 :技術的なこともあるので、次回までにまとめてくる。
委員  :廊下について、もう一つ質問だが、北側の方に居室を設けることによって、採光面積を採るという話だったが、今回資料では、そういうことが分からない。今回近隣住民から出た質問の一つでもあるので、次回お願いしたい資料のリストをメモして欲しい。敷地図・敷地の面積表・周長が分かる資料・現計画の住戸数・各個の住戸面積・面積に関わる物・前回検討会で幾つかの資料の中には平面図等に寸法が入っている物を頂いたのだが、全長であるが、平面、立面、断面図に寸法を入れた物が欲しい。それがあれば、今の採光の話も出ると思うし、採光計算もできると思う。また、窓の位置や大きさによって、居室の7分の1の面積が充分とれて、目隠しができるかも知れない。資料を見ないと判断できない。
事業者 :寸法というのは、それぞれ部分的に入れている所もあるのだが、もっと細かく入れよということであるか。
委員  :そうである。例えば周長の問題に関して言えば、東京における自然の保護と回復に関する条例に関わってくる数字のカウントができない。それから各住戸の基本的な平面図があれば、居室面積の7分の1以上の採光面積が取れるかということも検討できる。それは必然的に皆さんが気にされているプライバシーの問題である目隠しの検討にも関わってくる。
事業者 :先程住戸面積と言われたが、色々なタイプがあるので、平均的な基準の物でも良いか。
委員  :今皆さんが心配しているようなことを検討できるプロトタイプで良い。
事業者 :了解した。
近隣住民:市内の他物件のように、全面に目隠しを設置して欲しい。
委員長 :とにかくこの建物は、近隣住民には迷惑があまり掛からないと、それからこういう形にどうしてもする必要があるということを、きちんと事業者側から立証すべきである。その説明が理解できるように、数字を使ったり表を使ったり、絵を使ったり、色々工夫を求める。それから各種基準なども再確認が必要である。とにかく今日の説明を聞くと、一番簡単な方法で設計をして、なるべく安く済ませたいと言う態度に見えて来る。事情は分かるが、その上で、大規模開発等事業構想検討会での合意をきちんと守っていただけるか、近隣住民が心配している部分に誠意をもって対処するのか、目隠しの件も含めて、きちんと次回までに考えて来て欲しい。
事業者 :保存樹木について、せっかくなので、先送りせずに質問したいのだが、住民側資料の5ページ、図2-1について質問したい。今日は近隣住民、委員の皆様、市役所の方もいるので、条件整理を行いたい。現状の道路よりも電中研の地盤の方が少し高い状況である。今回まちづくり条例に基づき道路拡幅をする。部分的に20-30㎝の後退であったり、一番大きい所では1.3m位後退したりする所がある。後退した所は道路として整備し狛江市に譲渡しなければいけない。後退して道路整備する上で、土がこぼれるので、必ず新しく土留めをして、土がこぼれない措置をしなければならない。更に、拡幅することにより、どうしても木に影響があるところが生じる。木をこのまま残したいという要望は充分承知しているが、この辺りはどういった形で狛江市に道路を譲渡するのか。更に、道路後退し歩道としても整備するのだから、条件整理をさせて欲しい。先程委員長からは、歩道状空地には木があってはならないと話があったが、もし近隣住民の同意が得られれば、それでも構わないと言うことで、幾つかの条件を示して頂いた。その辺をはっきりさせたい。
委員長 :一般論で言っても埒が明かないし、それに何百本も樹木がある訳では無いから、図面上で具体的に、この場所では木の位置がここであるから、こう対処したいという風に提示しないと、回答できないというのが今日の話である。
事業者 :残しておくかの判断については、我々事業者だけで行えるものでは無いので、市の方も判定に加わるのか。
委員長 :もちろんそうである。ただ一般論として、どちら側にあっても良いとはいえ、歩道状空地の有効幅員は2m原則として確保したい。この木は残したいと言うことであれば、工夫をして、歩道の真ん中に立てても、仕方ないと思う。
近隣住民:3m幅の緑道的空間があれば、歩道が湾曲しても、仕方ないと思う。
事業者 :現状の木を少しだけ移植しながら残すということも、検討して良いのか。
近隣住民:移植しないで欲しい。市内他物件でも、移植して枯れかけている木があるので、可能な限り移植はしないで欲しい。しかも大きく見たら、北面東面西面3カ所に分かれている。例えば、北面なら、既存樹木が一列に立っている。ヒマラヤ杉がずっと一列にあるので、その間については、同じような発想で決められる。西側も同様である。東側は個別に議論になるだろう。そのように分けたらそれ程大変ではないと感じる。木の下の方は大体数m剪定してあって、下に鉄製のツリーサークルを置いて、水が入れば良い状態で歩道が作られるので、その位プロなのだから、残せるはずである。
委員長 :とにかく6mの道路にする部分については、木は撤去せざるを得ない。そこからあまり近くに幹がある場合には、根の問題等もあるので、これも撤去は止むを得ない。だからそれについては諦めるか、移植をするか、どちらかである。なるべく残したいと言う近隣住民もいると思うが、そこは止むを得ない。余程保存樹的な貴重な物であれば、特別に道路の線形を変えて残すこともあるだろうが、恐らくここはそういう物は無いであろう。 
近隣住民:ここにある写真は、市内他物件だが、実際にヒマラヤ杉を移植すると、枯れかかっている状況があるので、できるだけ移植は避けた方が良いのではないかと考える。
委員長 :もちろんその通りであると思うが、道路上に木が生えているのも問題である。
近隣住民:もちろんである。優先順位の問題である。
委員長 :それ程沢山ある訳では無いので、資料2-1の図を出して、樹木ごとにどうですか、と判断した方がよほど早い。ただ今日の図だけだと良く分からないので、もう一度現場で、本当にどれ位の根が生えて、どんな場所なのかと言うのを精査しないと、議論しようがない。
事業者 :図面にこの木はこういう状況であるとか、現状をもう少し皆さんに説明できるような資料を作って来る。この木はどうしても無理ですとか、この木は何とか残せそうだとか、その辺を再度区分けしてみる。
委員長 :特にこの現況図で、№14という大きな大島桜かマデバシイは、良い場所にあると思うのだが、残すのはなかなか難しいのであろうか。先程の駐車場との関係の所で言えば、この青いヒマラヤスギ№4-7の辺りが、どうにか残せないかと言うのと、北面の自転車置き場の北側のヒマラヤスギ№8-11の辺りを、努力して何とか残せるかも知れない。その辺をじっくり検討して欲しい。
近隣住民:風のシミュレーションができたということで、前回資料をもらい、私は驚いた。これは本当にプロが作った資料なのか。調査機関の住所も担当者名も無いし、図中には誤記もある。図5の調査点№10-14が、全部1と書いてある。それにシミュレーションをせっかくしたなら、なぜそのデータが無いのか。これでは単にシミュレーションをやり、結果はランク1とランク2だけでした、というだけである。これだけでは、感覚的なことしか分からない。どのように納得したら良いのか。これは市販の解析ソフトウェアを使って自社で作った資料なのではないか。
委員長 :事業者に確認するが、今日提示したのは、報告書そのものではなくて、それを事業者が要約した物であるか。
事業者 :そうである。要約することを調査会社に承諾を得て、作成している。
委員長 :もし支障が無ければ、報告書自体を、回覧して見て頂いたらよい。とにかくこれは報告書自体では無い。
近隣住民:でもこれでランク1とランク2だったから終わりだと言われても納得できない。
委員長 :終わっていない。だが実際の所、残念だが、風環境シミュレーションなどは、大体このような物が多い。
近隣住民:調査ポイントの中にランク2が5か所ある。そのランク2の所は、風がどのように流れるのか。例えば、北北東の風なのか。
委員長 :住宅地のレベルだと言われたが、そうは言ってもここは第一種低層住居専用地域である。要するにどういうことかと言うと、3.風環境評価の3.1風環境評価の方法で、例えばランク2の所では、日最大瞬間風速10m/秒が吹く日が、年間80日ある。日最大瞬間風速15m/秒が吹く日が、年間13日ある。日最大瞬間風速15m/秒では、「立て看板、自転車等がたおれる。歩行困難。」とのことが、年間13日起きる。よって決して安全だとか大丈夫だとか言っている訳では無い。でもマンションを作るからには、これ位は仕方ないと、正にそういう話である。だから今日説明があったように、決して無害だということにはならない。特にランク2と言うのは、けっして好ましい物では無い。
近隣住民:樹木の高さは何mで、どんな木をモデルとして、シミュレーションしたのか。全く書かれていない。ただ結果だけ示されても、納得できず、釈然としない。
事業者 :当初、シミュレーションはしないと言った。ただ構想検討会の中で、委員長から、他の事例でも良いから、そういう物で説明できないかと指示をもらった。けれども、同じ高さの物や同じ形状の建物はなかなか無いので、今回外部の調査機関に委託した。皆さんに検証して頂くための資料ではない。この資料が信用できないと言われたら仕方ないが、一応株式会社環境シミュレーションという所へ、委託して調査しているので、調べてくれて良い。ただそこで頂いた報告書を事業者側で要約を作って提示しているので、ミスがあったのは事業者側のミスである。それを信用できないと言われても困る。それ以上の細かいデータを皆さんに提示することは、基本的には考えていない。
委員長 :ある意味では、全部ランク1ではなく問題は無いというデータでも無いので、そういう意味では信用して良いかも知れない。植栽の位置については、図―4に絵が描いてあるが、この道路沿いに何か電柱のような棒が立っているが、ここに木があるとして、シミュレーションしたと、そういう話である。
事業者 :今回皆さんに提示した植栽計画の木を、木の高さ、幹の太さ等の前提としている。
近隣住民:そういうのが見えて来ない。
事業者 :それ以上は必要無いであろうと言うのが、我々の考え方である。
委員長 :必要無いことはない。問題は、大規模開発等事業構想検討会の時は、この程度の規模のマンションの高さであれば、経験上風害は無いと言われたので、事業者が無いと言っても誰も信用しないから、風害が無いと言う理由を示せと指示した。それでこのシミュレーションを持って来た。だからこれを見て、これだと風害は無いとは言えないではないかと言うことになる訳である。著しくは無いが、それなりに風害はある。今日はもう時間も無いが、こういう状態に対して、特にランク2の所である東側の道路沿い、ここはいかにも風が強く吹き抜ける。冬は北風が吹き抜けるだろう。その辺をどうするかである。だから東側の建物をもう少しセットバックさせて、木をきちんと植えるとか、そういう話に繋がってくる。全部関係して来るのである。それから7番の点もそうである。こういう道路の交差点のような所は、問題である。この問題も含めて総合的に植樹の問題、緑道の取り方、建物の配置を今後検討してくれないと困る。とにかくこの建物の敷地だけは、第一種中高層住居専用地域だが、道路を挟んで第一種低層住居専用地域の静かな一戸建ての住宅地なのであるから、その点を良く含み置きの上、対応を取って欲しい。ということで、3m幅の緑道的空間とか、斜線制限に天空率を使うなとか、言ってきた訳である。最後の段階であるので、そこを是非誠意のあるプランを持って来て欲しい。あまり駆け引きに走ると時間が掛かるので、譲れる所を譲った案を持って来てもらえれば、住民もすぐに納得すると思う。そうでないとお互い信用できなくなるので、是非その辺をお願いしたい。
事業者 :別に駆け引きもしていない。ただ私たちも事業であるので、分かりましたすべて行います、とはなかなか言えない。ここで一点別の報告がある。実は電中研から正式に北側敷地の引き渡しを受けた。契約は既に済んでいたのだが、今まで引き渡しを受けていなかった。電中研の建物は一部電中研で解体していたのだが、私たちも、アスファルトを剥がす等、解体工事を始めなければならない時期が来ている。この調整会の話し合いとは別に、解体工事に取り掛かる時期が来ているので、6月中旬頃を目途に、解体工事の説明会を開催したい。これから案内を差し上げる。その前に一番気になるのは、解体工事を行うために、工事車両が出入りすることである。木を切るとか、そういうことにならざるを得なくなる。できるだけ今ある木を切らないで、解体工事ができないか、今施工計画を検討させているので、そういった点も含めて、解体工事の説明会の案内をしたい。先程話が出たように、工事車両がどちら側を通るのか等、併せて説明したい。
近隣住民:そういう説明会は、調整会とか、第三者がいる所以外では、我々は受け入れられない。既に4回の説明会と、構想検討会で2回、併せて6回も説明会がなされた。その中で、例えばこちらから反論した場合、先程の風害に関することも、委員のいる所以外では納得できない。だからそういう解体のことについても、調整会の中でやって欲しい。第三者がいない中では、我々は理解できない。よろしくお願いしたい。
事務局 :解体については、狛江市独自に解体に関する条例があり、解体の際には、例えばアスベストや、ダイオキシンや、そういう必要な調査をして、それを報告する義務がある。その説明をしていただけるということなので、解体の説明会にも是非参加していただく形が一番宜しいかと思う。よろしくお願いしたい。
近隣住民:いま樹木をどうするか、これから検討しようと言っているのに、解体の時に切ってしまうかも知れないとか、最大限努力をするとか、全くおかしい話である。
事業者 :切らないようにすると話した。
近隣住民:切ってはいけないのである。いじってはいけないのである。
事業者 :切らないように努力する。そこまで極端に言われても困る。
委員長 :止むを得ない部分もあるだろうから。とにかく、抜き打ちとか、闇討ちはしないようにして欲しい。
事業者 :少なくとも、解体に関する条例もある。解体の条例に基づく説明をしたいということである。説明を受けたくないと言われたら仕方ない。
近隣住民:受けたくないなどと言っていない。木を切るかも知れないと言われたからである。
事業者 :であるから、解体の説明会の場で説明をするので、その時に意見を頂きたい。今この時点では何とも言えない。
近隣住民:その時意見を言ったからと言って、どうなるかと言うのは決まっていない。条例では説明だけになっている。だからその時に今のような反論ができるように、調整会の中でお願いしたいのである。
事業者 :調整会ではない。別である。
近隣住民:項目としてお願いしたいと。新しいことを言っているのだが。
事業者 :まちづくり条例の中に無いことである。
委員長 :それは、入れることも不可能では無いが、まちづくり全般色々あるので、特に解体全般で無いにしろ、樹木の保存については、今まさに争点となっている所であるので、解体工事でどこを切って良いとかいけないとか、きちんと合意をした上でやるべきかも知れないが、その解体はいつごろから開始する予定であるか。
事業者 :準備工事から考えると、6月下旬、だいたい20日頃から、準備工事を開始したい。
委員長 :準備工事は良いだろう。しかし、実際の解体着工を少なくとも次回の調整会より後にして欲しい。次回の調整会をなるべく早く開き、そこで、この木は切ります、やはり残します等の話をしておけば、お互いに安心である。どうせ木の話をするから。そこを約束頂くと良いのではないか。
近隣住民:なぜうるさく言っているかと言うと、既に切られている木があるのである。だから指摘している。
委員長 :それは分かる。あと、次回の調整会がいつになるかであるが、とにかく1か月以内に開くということにして、そこで保存樹木の方針をある程度決めた上で、解体工事に実際に取り掛かるということで宜しいか。
事業者 :解体工事であるが、6月20日過ぎから着手すると話したが、すぐに木を切ったりする訳では無い。元の第10実験棟の建物や倉庫がある。また駐車場だった部分のアスファルト舗装がある。こういった解体工事から手を付ける。実際に樹木に手を付ける時期は、確定していないが、7月下旬から8月上旬頃から樹木に手を付ける予定である。
委員長 :とにかく次回の調整会までは、木を一切切らないと約束して欲しい。
近隣住民:中央部についても同様であるか。中央部に50本あるのだが。今まで議論してきたのは、周囲の木であり、真ん中の部分にも50本位、高さ5m以上の木が生えている。だから条例に従うと、それは移設して、どこかへ持って行って保存するということも努力して欲しい。
委員長 :どこをさしているのか。
近隣住民:敷地中央部である。周辺の部分以外の所である。
事業者 :それもいじるなと言うことか。
近隣住民:それは移植も止むを得ないが。
事業者 :移植するとは約束していない。
近隣住民:そういうことも考えて欲しい。
委員長 :7月の半ば位まで、そこに今生えている木には手を付けずに済むのか。
事業者 :中央部については、約束できない。
委員長 :どこまでが中央部で、どこからが周辺部なのかで、また揉めてしまう。例えばその図の中で、エリアを決めて、この範囲の中は切りますとか、今言ったらどうか。
事業者 :既存樹木については、既に調査したと言ったが、ヒマラヤ杉やシダレ桜等、背も高くて立派な木については、大体道路境界沿いに配置されていて、中央部は、カイヅカエノキとか、樹齢はあるのだが、よくある木なので、伐採する予定である。
委員長 :それについてはどうなのか。近隣住民からは、それも残せと言うのか。
近隣住民:いや、残せと言っているのではなく、解体工事は話が別だから開始しますという話がおかしい。解体も含めて全部が工事の話なのだから、きちんと樹木はこうすると決まってから着手して欲しい。
事業者 :主な中高木は34本あると説明した。その34本は図示している。そのうち18本については、移植して残すと説明した。言い換えれば、その34本以外は、皆さんから見れば大きい木もあるかも知れないが、さほど大きくない木もある。その辺りは伐採する計画である。
近隣住民:それは良いのだが、話し合いができてから着手せよと言っている。良いとか悪いとかの議論をするつもりは無いのだが。解体工事は別だから、必要に応じて切りますと言う話は変だと言っている。
委員長 :とにかく今日の話だと、その上の図に図示してある樹木以外は、切る可能性があると、事業者側は言っている。
近隣住民:それはおかしい。私は反対である。
委員長 :おかしいかどうかは別として、どうするかということである。ポイントは2つあり、次回の調整会まではとにかく一切木を切らないことが可能か、あるいは解体工事自体を少し延ばすか、この場で保存のことについては決着を付けるか、ということになる。
事業者 :基本的に、敷地の中央部、建物が配置される部分の木については、これはもう伐採せざるを得ないので、元々この34本以外は、残さないということで話をしてきた。
近隣住民:話は聞いているが、合意はしていない。
事業者 :合意を頂いているとは言っていない。説明はしてきた。
委員長 :問題は、そのまま残すとは思っていないが、移植するかしないかという話があるから、ややこしいのである。ただ切るのではなく、どこかへ持って行けという話になる。
事業者 :ある程度残したいと思い、樹木医にも敷地の木は全て調べさせた。そういった中で、樹木医から見ても、これは残した方が良いとか、これは移植に耐えられないから、伐採せざるを得ないとか、分類した上で、その34本のうち、18本残すという話をしている。34本以外の木は、中には大きく育った木もあるのだろうが、樹木医、あるいは我々から見て、それほど大した木でもないし、それに見合った木を新植すれば、充分見合うと思うので、それについては伐採して、最終的には220本以上の木を植えると計画している。要するに、中央部にある高さ2mとか3mの木を移植する為の手間と、周辺部の移植に耐えられるか分からない木まで移植する手間を掛けるよりも、伐採して新たにそれに見合う木を、充分な木の本数を増やして植える方が良いのではないかと言うのが我々の考え方である。
委員長 :考え方は分かったが、やはり今日は調整会の1回目である。出てきた案も大規模開発等事業の案とたいして変わっていない案で、特に緑道的空間の取り方とか、樹木の保全については、改善を検討してもらわなければいけない。その段階で解体工事を始めると言うのは、ルール違反とまでは言わないが、マナー違反である。やはりこれは、次回の調整会までは、仮囲い等の準備をするだけならば良いが、基本的には木を切るべきでない。そうでなければ、解体工事には着手しない。そうしないとお互いに、誠意を疑うことになる。本来はある程度、建築の内容が決まって、それから解体と言うのが、あるべき姿である。特に大規模開発等事業構想検討会までやっている案件であるから、そういうことでどうか。低木は切る程度なら許せる範囲であると思う。
事業者 :次の調整会が済むまで、低木は切らせてもらうが、中高木は手を触れないと、そういう形にさせてもらう。
委員長 :次回きちんとどういう木が残っているか情報も持って来ていただき、どのようにするか、なるべく決着を付けるようにしたい。
事業者 :行き違いがあるといけないので、確認したい。6月中旬に解体工事の説明会を行うこと。次回の調整会、いつやるか分からないが、それまでに工事に掛からないということでは無くて、それ以降でないと、樹木そのものについては主だったものは、切ったり触ったりしてはいけないということ。但し、一定の時期が来れば、例えば6月20日以降であれば、準備工として工事を開始しても良いということで良いか。
委員長 :次回の調整会でどうするか決める。
事業者 :委員長、確認したいのは、要するに、次回の調整会までの間は、低木は別として、木はいじらない。但し、次回の調整会前かも知れないが、準備工事や、低木の伐採については始めて良いということであるか。
委員長 :結構である。
事業者 :次回の調整会以降でなければ、低木以外の中高木は手を触れませんと言う約束で宜しいか。
委員長 :宜しい。あと、どうしてもということであれば、中木1本位ならば、横に移植する位は良いものとする。
事業者 :工事車両の関係で移植になるかも知れないが、それは基本的にはやらないということである。
委員長 :とにかく今はお互いに一番大事な時期であるから、お互いある程度ここは歩み寄って、誠意を持って進めれば、おそらく次回あるいは次々回位には双方合意に達することができると思う。この1か月間が非常に重要な時期になると思うので、是非宜しくお願いする。住民の方も宜しくお願いする。ではとにかく次回調整会は1か月以内になるべく開くということで準備をお願いする。本日はこれで終了する。