1 日時

令和3年8月2日(月曜日) 午後1時15分から午後2時45分まで

2 場所   防災センター402・403会議室
3 出席者

会長 石川 慶一郎
副会長 関 正晴
委員 鳥塚 鈴子
委員 上村 信彰
委員 小川 かをり

事務局:企画財政部長 髙橋 良典
政策室長 冨田 泰
政策室政策法制担当主査 白石 優
政策室政策法制担当主事 丸山 雄規

説明者:
未来戦略室長 菊野 長正
未来戦略室未来戦略担当主査 田代 興大
福祉相談課相談支援係長 林 真一郎
福祉政策課長 岡本 起恵子
福祉政策課課長補佐 佐渡 一宏

4 資料 令和3年8月2日個人情報保護審議会資料 [4659KB pdfファイル]
5 議題

(1)諮問事項
 AI-OCRにおける全庁的な読込項目情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否について

(2)報告事項
 ア 関東近県自治体に対する保有個人情報の提供について
 イ 生活応援プレミアム商品券配布事業における令和3年度分の住民税非課税者の住民記録情報の目的外利用,外部提供及び目的外利用・外部提供に係る通知の要否について
 ウ アンケート案件(前期基本計画)の報告について

6 会議の結果

(1)諮問事項
AI-OCRにおける全庁的な読込項目情報の外部提供及び外部提供に係る通知の要否について
【諮問事項の説明】

(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 清掃課での実証実験を経てということだが,実証実験は審議会に諮問せず外部提供を行ったということか。
(担当課)
 実証実験でしたので諮問せず,実施した。実証実験の期間は,令和2年12月から令和3年3月までである。
(委員)
 2点伺いたい。
 1点目は,LGWANASPとは,何のことか。
 2点目は,地方公共団体システム機構というのは,どのような機関なのか。
(担当課)
 まず,LGWANについては,地方公共団体で使っているネットワークのことであり,閉鎖されたネットワークのため,個人情報等の漏えいのリスクは極めて低い環境である。
 ASPというのは,アプリケーションサービスプロバイダのことであり,LGWAN環境内にシステムを設けて,各LGWAN端末からアクセスできるサービスのことである。
LGWANASPというのは,地方公共団体でしか使えないシステム環境のことである。
(会長)
 閉鎖されたネットワークであって,外部から侵入される危険性は極めて低い環境ということだが,地方公共団体システム機構の説明をお願いする。
(担当課)
 LGWANを管理している団体で,国の管理下にある公的な団体である。
(委員)
 令和2年12月から清掃課で実証実験を実施されたとのことだが,実験であっても粗大ごみの処理申請書に記載された個人情報を外部提供したのではないか。
(担当課)
 外部のサーバーに提供した。
(委員)
 個人情報が外部に提供されたのであれば,実証実験であっても事前に審議会に諮問すべきである。今後,市役所全体に拡大していくとの説明があったので,個人情報について条例で許容されている扱いを超えたり,項目の追加・削除があれば,審議会に付議いただきたい。
(会長)
 審議会への付議については,どのように考えればいいのか。
(事務局)
 諮問については,実証実験ということで実施し,処理の流れや課題等を整理し,今後,市の様々な業務に拡大していくタイミングで諮問をさせていただいたところだが,諮問するタイミングが遅かったという御指摘については,実証実験であっても外部提供になるので,今後諮問する際は十分気を付けて審議会にお諮りする。
(会長)
 案件シートの根拠規定の「条例第42条第2項第3号」のところにチェックが入っているが,本件は「第13条第2項第4号」の外部提供のところではないのか。
(事務局)
 実質的にはおっしゃるとおり「第13条第2項第4号」の方の根拠規定となるが,今回は先に実証実験という形で一部やらせていただいていたので「条例第42条第2項第3号」とした。
(会長)
 今後,拡大していくということで,「第13条第2項第4号」の方を根拠規定にするという考えもあるのではないか。
(委員)
 私も「第13条第2項第4号」に該当すると考える。仮に個人情報の項目が少なかったりした場合でも,審議会に諮問する方が後々疑義が生じないのではないか。
 外部提供先での個別情報の管理について,一定期間内に自動削除されるとのことだが,読み取った後のデータはどういう形で保存されるのか。
(担当課)
 データは,事業者のサーバーに送られた後,テキストに変換され,そのテキストデータが市に戻り,市の業務で利用する。事業者に送付されたデータは5日間保存された後に自動削除される。最終的には,市に戻ってきたテキストデータで必要な情報を管理することになる。
(委員)
 外部提供先がNTTデータとなっているが,AI-OCRというアプリケーションを取り扱っているのがこの事業者だけなのか。ほかにもこのようなサービスを提供している事業者がいるのか。なぜNTTデータに決まったのかという経緯を教えてもらいたい。
(担当課)
 AIインサイド社のソフトを指定して競争入札を実施し,最も低価格で落札した事業者のデータセンターがNTTデータであったためである。
(委員)
 個人情報が保存される事業者に関する安全性,セキュリティに関するチェックというのは,どのように行ったのか。
(担当課)
 LGWANASPを使用したサービスであるため,高いセキュリティが担保されていると考えている。
(委員)
 LGWANというのはネットワークのことであって,個人情報を提供した先での安全性までが保証されたものではないはずだが,いかがか。
(担当課)
 個人情報の外部提供を行った先のデーターセンターの物理的な安全性については,当然確認している。例えば,データセンターにおける出入口の生体認証や,監視カメラの設置といった物理的な安全性は確保されているデータセンターを利用している。
 また,ASPサービスを提供するためには地方公共団体システム機構の認証が必要であり,地方公共団体システム機構の審査の結果,認証されれば当然セキュリティも担保されているものと考えている。
(委員)
 NTTデータが地方公共団体システム機構の認証を取得したのはいつごろか。
(担当課)
 認証を取得した時期までは把握していない。
(委員)
 狛江市で使われている様々なシステムの中で,NTTデータとの契約実績のようなものはほかにあるか。
(担当課)
 未来戦略室としては把握していない。
(会長)
 今後,センシティブな情報も含めてこのシステムを使って処理していくということなので,セキュリティを確認する必要がある。このシステムは,もう既に他自治体等でも,多く使用されてるのか。
(担当課)
 そのとおりである。
(委員)
 清掃課での実証実験については,このシステムの導入によって,入力に係る時間が非常に短縮されたということだが,具体的にどの程度,合理化が図れたのか。
(担当課)
 清掃課の実証実験では,今までは市民が記載した申請書等を,職員がエクセルに入力していた。記載されたものを読み取り,データ化することで,基本的には職員がエクセルに入力していた事務がなくなる。しかし,最終的な確認作業というものは必要なので,全く作業がなくなるということではないが,大幅に短縮をされるということは確かである。
(委員)
 事務の合理化が可能になったとのことだが,住所と氏名と電話番号以外の項目については,この仕組みの導入後も職員が入力する部分は残るということか。
(担当課)
 そのとおりである。
(委員)
 今回のこの諮問の内容を再度確認するが,清掃課での取組だけなのか,今後,全庁的に実施することも含めて諮問しているのか。
(担当課)
 今回の諮問は,清掃課での取組だけではなく,今後,全庁的拡大していく内容も含めたものである。
(委員)
 「拡大」というのは,市役所の全ての窓口で導入されるのか。どういったものに導入されるのか。
(担当課)
 全てではない。今のところどの事務で導入するかは未定だが,事務効率等を勘案して導入の検討を進めていく。
(会長)
 このシステムの導入対象となる事務や扱う個人情報の項目が不透明な状況では,清掃課の案件以外の内容について審議会で審議することは難しいのではないか。
(委員)
 私も同じ意見である。趣味や学歴,職歴,財産,資格というような個人情報としてセンシティブな内容も含まれている。これらの個人情報がどういった事業で,どのように利用されるのかということが分からない。
 また,外部提供されることについて本人通知が必要なしということだが,市民委員として,センシティブな個人情報を含むものが外部提供されることについて,全く何の通知もなく,行政サービスが行われていることについては,自己情報コントロール権の行使ということ以前の問題として不安を感じるのだが,そういった点についてはどのように考えているのか。
(担当課)
 まず,読取項目については想定で書いており,基本的な事項というところがメインになるので各種統計データとかを利用するときに,今まで職員が手作業により入力していた部分が,読取によりデータ化されて,効率的に処理できるようになる。
 本人通知に関しては,読取項目と件数が膨大になることを想定しており,先ほど御説明をしたとおり安全性が確保されているというところで,今回は不要とさせていただきたいと考えている。
(委員)
 基本的な事項であっても口座番号等も外部提供をする可能性があるということなので,シンクタンクのセキュリティであっても漏洩事件は発生していることから,やはり危機感はある。
(委員)
 やはり今回の諮問で全庁的な拡大についても認めるということではなくて,個別の案件ごとに確認する必要があると考える。
(委員)
 全庁的な拡大についても認めるとなると,審議会としては包括的な承認となり,それが認められるならば,様々な案件について審議会に諮問する必要がなくなることになる。
(会長)
 実証実験に関しては,そこまでセンシティブな情報を扱っていないということなので,大きな問題はないとは思われるが,本件は,ネットワークが安全なもので,かつ,この取組自体も有用であるため,これは当然導入すべきだということなのだろう。しかし,取り扱う個人情報によっては,その判断が変わってくることもあるのではないか。
(事務局)
 今後の諮問については未来戦略室と再度調整し,全庁的に展開していく中で,審議会への諮問の仕方を事務局としても検討させていただく。
(会長)
 ほかに意見等がなければ質疑を終了する。
《担当課退出》

【審議】
(会長)
 では,委員の御意見を伺う。
(委員)
 ネットワークの安全性が確保されていても,外部提供する個人情報の項目が具体的に分からず,承認することは難しいと考える。
(委員)
 私も基本的には同じ意見である。いくら安全な仕組みであったとしても,あらゆる情報をデータ化するものではなく,この審議会は市民感情も考えて審議すべきではないか。
(委員)
 想定している個人情報が多様なものであり,具体的にどういった項目がこの事業の対象になるのか明確でないので,審議会として包括的に承認することになる。それはやはり疑問が残る。
(会長)
 よりよい行政サービスに結びつくものであるならば,積極的に考えたいが,扱う個人情報の範囲をどのように設定しているのかということが分からないのは問題である。
(委員)
 本件は,包括的な諮問の形式になっているので,これでは審議ができないのではないか。個別に案件を付議してもらうと審議しやすいと思う。
(委員)
 個別案件ではないにしても,もう少し体系的に分けるとか,こういったものにはこの仕組みは使わないだとか,審議会が判断できるように何かもう少し細かな材料が必要ではないか。
(会長)
 多くの自治体で導入されているシステムであり,閉鎖されたネットワークを利用するため極めてセキュリティが高いということで,将来的には,こういったものが一般的になってくるとは思うが,審議会としてはその方向性を認めるためには,個人情報の扱いについて具体的なものがないと判断することは難しい。
 個人的には本件の取組の有用性は理解できるものの,委員の中でも個人情報の扱いとしては疑問点が残るため,結論を出すのは早いので,具体的な事例が出た段階で再度審議することとしてよろしいか。
(事務局)
 今後,具体的にどの業務でこの仕組みを利用するのか決まってないので,既に他自治体で実施している内容を踏まえて,想定される業務を明確にできれば,それに伴う個人情報の項目等もより具体的な説明ができる。担当課と調整して,次回以降の諮問を検討する。
(会長)
 そういった形で継続案件にしたいと思うがよろしいか。
《一同了承》

(2)報告事項
ア 関東近県自治体に対する保有個人情報の提供について
(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 不明になった方と長男は同居しているとのことだが,本人通知は同居している長男とは別の方に送付したのはなぜか。
(担当課)
 長男は仕事中で連絡がとれないため,同居はしていないが近くに住んでいる長女と連絡をとり,状況の確認を行った。長女から「何かあれば私に連絡をしてほしい。」とのお話があったため,長女に通知した。
(委員)
 長男は警察に届出を行ったとのことだが,この行方不明の認知症高齢者の情報共有サイトについては警察からもアクセスできるのではないか。
(担当課)
 そのとおりである。警察からも内容の確認は可能であるが,警察には周知済みであったため,情報共有サイトには御本人が行く可能性のある東京都と神奈川県を登録をした。
(会長)
 ほかに意見等ないようであれば報告事項なのでここで終わりとする。
《担当課退出》

イ 生活応援プレミアム商品券配布事業における令和3年度分の住民税非課税者の住民記録情報の目的外利用,外部提供及び目的外利用・外部提供に係る通知の要否について
(担当課)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 商品券の配布対象は個人か,それとも世帯主か。
(担当課)
 個人である。
(委員)
 商品券の配布対象が約1万1,000名というのは,市民のうち約8分の1の方が非課税に当たり,とても多く感じるが,そのような理解で合っているか。
(委員)
 配布対象者数については,課税のシステムから抽出しているので間違いない。
(会長)
 本件については,審議会に諮る時間がなかったということだと思うが,こういう追認的な形でいいのかどうか,時間的な問題であれば条例の生命身体財産の安全を守るため緊急かつやむを得ないと認めるときという条文を適用させて実施する判断もあったのではないかと考えるかいかがか。本来であれば,審議会の意見を聞いた上で実施する条文になっている。
(事務局)
 条例の生命身体財産の規定は,先ほどの福祉相談課の認知症の方が行方不明になられて,捜索のために,個人情報を外部提供したような差し迫った事案を想定している。
 本件のようなケースについては外部提供として審議会に諮問して執行しているが,年4回の審議会の開催日程と市の事業の実施のタイミングが合わない場合もあり,事後報告という形で運用させていただいている。
(会長)
 おそらく問題ないであろう思われる事案については,そのような運用も行政には必要であると理解しておくこととする。
 ほかに意見等ないようであれば報告事項なのでここで終わりとする。
《担当課退出》

ウ アンケート案件(前期基本計画)の報告について
(事務局)
 《資料による説明》
【質疑】
(委員)
 2点伺いたい。
 まず,市民アンケートの案内状の中で,インターネットによる回答という方法がとられている。市民アンケートに関しては事前に審議会への諮問は不要であるが,こういったインターネットの回答を選択できる案件についても,従来のアンケート案件と同じような取り扱いでよかったか。
 2点目は,案内状の下の方に太字で書いてある「個人の回答内容を特定するものではありません」という記載は,市で設定したIDとパスワードに関する説明だと思う。その上で,「インターネット回答の御利用により,本回答方式に同意いただけたものとみなします。」という言葉があるが,これはどういう意味か。
(事務局)
 1点目のインターネットによる回答を選択できるアンケートを,従来のアンケート案件と同じように扱ってよいのかという点については,インターネットによる回答であっても氏名や住所といったような個人を特定することができる情報を回答するものではないため,従来のアンケート案件と同じような形での報告とさせていただいている。
 2点目の同意をもらう意味については,本人を特定させるアンケートではないが,インターネットによる回答について御本人が納得いただければインターネットでも回答できるという趣旨を記載したものである。
(委員)
 本人同意とは,何に対する同意なのか。
(事務局)
 インターネットによる回答について,御本人の同意をいただくということである。
(委員)
 個人情報の扱いとして同意が必要なものなのか。
(事務局)
 回答に当たって個人情報を収集するものではない。インターネットによる回答については1人の回答者が複数回答することを防ぐためにランダムでIDを割り振っているが,このIDにより個人情報が洩れるのではないかと危惧される方も想定できるため,あえてここはこのように記載した。
(委員)
 紙で回答する方は,この同意は不要ということか。
(事務局)
 そのとおりである。
(委員)
 この文章があると逆に不信感を持つ方もいるのではないか。「同意いただけたものとみなします」という言い方もどうなのか。今後,インターネットによる回答を選択できるアンケートを実施する際は,この文言が記載されるのか。
(事務局)
 配慮のために記載したものであり,この記載の有無でインターネットによる回答ができないものではない。審議会の御意見も踏まえて今後の案内文を検討したい。
(会長)
 ほかに意見等ないようであれば報告事項なのでここで終わりとする。

(3)その他
ア 狛江市個人情報保護条例の改正案の報告について
(事務局)
《資料による説明》

イ 次回の日程について
(事務局)
 例年10月の第3週月曜日に実施しており,10月18日月曜日の午後1時15分からはいかがか。
(会長)
 都合の悪い方がいなければ,次回は10月18日とする。
 それでは,本日の議事はこれで終了したので,閉会する。

(閉会)

 

個人情報保護審議会委員名簿

 

肩書 選任の区分 氏名
会長 学識 石川 慶一郎
副会長 学識 関 正晴
委員 市民 鳥塚 鈴子
委員 市民 上村 信彰
委員 市民 小川 かをり