狛江市都市計画審議会(令和4年11月28日)
1 日時 |
令和4年11月28日(月曜日)午前10時~正午 |
2 場所 | 狛江市役所 4階特別会議室 |
3 出席者 |
会長: 委員: 臨時委員: 幹事: |
4 欠席者 | 名取伸明 |
5 議題 |
(1)狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)について(諮問) |
6 提出資料 |
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7 会議の結果 事務局 定刻でございますので、ただ今から令和4年度第3回狛江市都市計画審議会を始めさせていただきます。 本日は御多忙の中、御出席を賜り、誠にありがとうございます。初めに、市長の松原から開会の御挨拶を申し上げます。市長、よろしくお願いいたします。
市長 皆様おはようございます。市長の松原でございます。 本日は、令和4年度第3回狛江市都市計画審議会にお集まりいただきましてありがとうございます。日頃から狛江市のまちづくりに御尽力御協力いただきまして誠にありがとうございます。 本日の狛江市都市計画審議会の諮問事項は、狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)についてです。 狛江市都市計画マスタープランは、平成24年3月の改定から約10年が経過し、人口の増加、分譲マンションや大規模店舗事業による土地利用の変化、団地や病院の更新、令和元年東日本台風を踏まえた防災への対応等、まちづくりに関する状況は大きく変化してきました。これらの状況に対応するため、平成31年度より、都市計画マスタープランの改定について検討を進めるとともに、持続可能な都市構造へ転換するための計画として、新たに立地適正化計画の策定についても検討を進めてまいりました。 また検討過程の中では、これまでに市民アンケートと中学生アンケートの実施、シンポジウム・ワークショップとオープンハウスの開催、そしてパブリックコメントを行い、市民の皆様からも多くの御意見を頂戴しながら進めてまいりました。「未来へつなげる住み続けたいまち~住み心地のよさを実感できるまち狛江~」の実現に向け、よろしく御審議の上、答申をいただきますようお願い申し上げます。 また本日の報告事項は、岩戸北三・四丁目周辺地区地区計画及び狛江団地周辺まちづくりについての2件です。こちらも御報告させていただき、御意見を頂戴したいと思います。 今後も、皆様のお知恵を拝借しながら、人にやさしいまちづくりを推進してまいります。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
事務局 それでは、市長より諮問書をお渡しさせていただきます。大変恐縮ですが、杉浦会長、御起立をお願いいたします。 (市長より諮問書を会長へ受け渡し) 事務局 誠に申し訳ありませんが、ここで市長は公務により途中退席させていただきます。 (市長退席) 事務局 これより、議事進行を杉浦会長にお願いいたします。
会長 狛江市都市計画審議会の会長の杉浦です。本日の議事を進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 それでは、令和4年度第3回狛江市都市計画審議会を開催させていただきます。 本日は、招集委員15名全員のうち14名が出席されております。狛江市都市計画審議会条例第7条第2項の規定に基づき、過半数以上の出席ということで本会議は成立いたします。 次に、会議録の署名者を選出いたします。狛江市都市計画審議会運営規則第13条第3項の規定により、議長と議長が指名する委員が署名することになっておりますが、本日は加藤委員にお願いいたします。
会長 会議の公開について事務局から説明をお願いします。
事務局 本日の審議会に先立ちまして、広報及びホームページで告知を行いました。本日9時30分より受付を開始いたしまして、4名の方が傍聴を希望しております。なお、報道関係等からの傍聴希望等についてはなかったことを御報告いたします。
会長 それでは、傍聴人に入室いただきます。
会長 初めに資料の案内をさせていただきます。事務局より説明をお願いします。
事務局 では、本日の資料について、説明いたします。 事前配布資料は、 ・開催通知(A4 1枚) ・資料1-1 狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)(A4 141枚、A3 5枚) ・資料1-2 狛江市都市計画マスタープラン改定及び狛江市立地適正化計画策定(素案)に関するパブリックコメント及び市民説明会の実施結果について(A4 10枚) ・資料1-3 狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)について(スライド資料)(A4 11枚) ・資料2-1 岩戸北三・四丁目周辺地区地区計画について(スライド資料)(A4 8枚) ・資料3-1 狛江団地周辺まちづくりについて(スライド資料)(A4 6枚) ・狛江市都市計画審議会委員・臨時委員名簿(A4 1枚) 以上となります。 当日配布資料は、 ・次第及び配布資料一覧(A4 1枚) 御質問等ある場合は、挙手をしていただきますようお願いいたします。こちらでマイクをお持ちいたします。それでは、杉浦会長お願いいたします。
会長 ただいまより議題の審議に入ります。それでは、狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)について諮問案件でございます。事務局から説明をお願いします。
事務局 これより、議題1狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)について御説明いたします。 当案件については、今年6月、第1回都市計画審議会にて、御報告させて頂きました。その後、パブリックコメントを実施し、10月20日に狛江市都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画策定委員会を開催し、同委員会の最終案がまとまりました。本日は、パブリックコメントの結果について御報告するとともに、狛江市都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画(案)の内容を御説明し、諮問させて頂きます。 まず、パブリックコメントの結果について御報告いたします。資料1-2を御覧ください。 パブリックコメントは令和4年8月8日から9月6日まで実施しました。周知方法は、広報こまえ及び市ホームページ、計画書案の閲覧は、市ホームページとまちづくり推進課の窓口で行いました。意見の提出方法としては、窓口への持参、郵送、ファックス、電子メール及びWEBフォームといたしました。意見の提出ができる方は、市内在住、在学、市内に事務所又は事業所を有する方、市内の事務所又は事業所に勤務する方といたしました。 パブリックコメントの結果、延べ30名の方々から、106件の意見等をいただきました。また、パブリックコメント期間中には、市民説明会を開催し、市民等26名の方に御参加いただきました。 主な意見を御説明いたします。 資料の4ページ、番号11の意見を御覧ください。「第3章 本市が目指すべきまちづくり」に関する意見として、地域交流拠点に準ずるものとして、野川地区及び猪方地区に拠点を設定できないか。また、沿道利用地区に、野川地区と駒井町地区を追加してほしいといった御意見を頂きました。 この意見に対する市の見解としては、市北部の松原通り沿道や駒井町の調布都市計画道路3・4・2号線(以下「調3・4・2号線」という。)と調布都市計画道路3・4・16号線(以下「調3・4・16号線」という。)の交差点周辺において日常生活に必要な機能の維持・誘導を図るため、新たなエリアを追加しますとしています。 続いて、資料5ページ、番号21の意見を御覧ください。「第4章 まちづくりの分野別方針」に関する意見として、低層地域だった所が中高層地域に変更されている(喜多見駅近辺)。狛江市は住宅地であるので、良好な居住環境を守るまちづくりが優先されることを望む。狛江市は緑地減少が著しいので、駅周辺のにぎわいづくりにおいても、緑の空間確保、四季を感じられる風通しや、空の広さの確保など、自然を感じられる生活空間づくりをお願いしたいという御意見を頂きました。 この意見に対する市の見解としては、本市として、今後、鉄道軸付近の交通利便性の高い土地において、民間事業者や土地所有者が様々な土地利用の可能性を検討できるよう、その前提として、鉄道軸付近の地区・エリアの再整理を行いました。ただし、本計画の策定後、すぐに用途地域が変更されたり、中高層の建物が建つことはありません。地域住民の皆様や、まちづくりグループ・地区まちづくり協議会からの御意見をもとに、必要に応じて都市計画の指定・変更を行うものとなりますとしています。 続いて、資料12ページ、番号58の意見を御覧ください。「第5章 重点地域別構想」に関する意見として、喜多見駅周辺の地域交流地区において、改札口の増設に関する記述がない。住民からの要望を無視しないで本計画に記載してほしいという御意見を頂きました。 この意見に対する市の見解としては、駅舎の改良に関する取組については、計画書に記載があります。まちづくりグループや地区まちづくり協議会等からの具体的な提案をもとに検討を進めるものと考えております。動線確保に関する記述については、御指摘を踏まえ分かりやすい表現に修正するとしています。 この他にも多くの御意見を頂いておりますので、資料を御確認ください。 なお、こちらの資料は、パブリックコメントに対する見解として、都市計画マスタープラン及び立地適正化計画の公表と同時に、市ホームページ等で公表する予定です。 続きまして、都市計画マスタープラン及び立地適正化計画の内容について、御説明させて頂きます。資料1-3を御覧ください。今年6月の第1回都市計画審議会において御報告させて頂いた内容と大きく変更しておりませんが、今回は諮問となりますので、改めて御説明させて頂きます。 まず、計画策定および改定の目的です。狛江市では、平成13年2月に狛江市都市計画マスタープランを策定しました。その後、平成24年3月に改定し、そこから約10年が経とうとしています。この間、全国的には、本格的な人口減少社会の到来や少子高齢化のさらなる進展、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う生活様式の変容など、都市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しています。 こうした情勢の変化や、本市の現状や課題等に対応するため、市は令和2年3月に「狛江市第4次基本構想・前期基本計画」を策定し、「ともに創る文化育むまち~水と緑の狛江~」を将来都市像として掲げ、持続可能なまちづくりを推進してきました。 また、国においては、人口減少局面でも持続可能な都市を構築するために、平成26年8月の改正都市再生特別措置法において立地適正化計画制度を創設し、「コンパクト・プラス・ネットワーク」のまちづくりを推進しています。 これらの状況を踏まえ、今回、狛江市都市計画マスタープランについて、より実効性の高い計画となるよう改定を行うとともに、本市が持続可能な都市構造へ転換するための計画として、立地適正化計画を策定いたします。これら2つの計画を1つの冊子にまとめることにより、本市のまちづくりに関する総合的な計画としてとりまとめていきたいと考えます。 こちらが、計画の位置付けです。立地適正化計画は、都市計画マスタープランの一部として位置付けられます。これらの計画は、東京都の区域マスタープランや狛江市第4次基本構想・前期基本計画等の上位計画に基づくとともに、庁内の関連計画とも整合・連携するよう、定めてまいります。また、用途地域や地区計画、道路、公園や市街地再開発事業等、各種の都市計画は、この都市計画マスタープラン及び立地適正化計画に基づいて定めることとなります。 次に計画の構成です。本計画は8章から構成されます。第1章はじめに、第2章本市の現状と課題を踏まえ、第3章本市が目指すべきまちづくりにて、将来都市像やまちづくりの目標を示し、第4章まちづくりの分野別方針にて、将来都市像の実現に向けて具体的に取り組むべき方針を分野別に示します。続く第5章重点地域別構想では、特に重点的にまちづくりを進めるべき地域の構想を示します。第6章立地適正化計画の方針で、居住誘導区域や都市機能誘導区域等を設定し、続く第7章防災指針では、市内の災害リスクの評価と、防災・減災の施策を示します。最後の第8章まちづくりの実現に向けてでは、計画の進行管理や評価指標等を示していきます。 6月の第1回都市計画審議会の報告時点では、都市計画マスタープランと立地適正化計画が入り組んだ構成となっておりましたが、より分かりやすくするため、主に第5章までは都市計画マスタープランに関連する内容、第6章からが立地適正化計画に関連する内容、と構成を改めました。 こちらが、計画と各章の関係です。多くは、どちらの計画にもまたがる内容ですが、前述のとおり、第6章と第7章は、立地適正化計画のみに関する項目となります。 第2章本市の現状と課題です。ここでは説明を割愛いたしますが、本編第2章において、本市の抱える様々な課題について分析しており、それらを5つの分野に分けて整理をしたものを表にまとめスライドにてお示ししております 1つ目が「まちの構造」に関すること。都市機能の適性配置や道路網の形成等に関する課題です。 2つ目は「まちの生活」に関すること。地区特性に応じた住環境や、にぎわいの創出等に関する課題です。 3つ目は「まちの空間」に関すること。土地利用や、景観形成、生産緑地地区の保全等に関する課題です。 4つ目は「まちの安全」に関すること。防災性や減災性の向上等に関する課題です。 5つ目は「まちの運営」に関すること。市民協働におけるまちの維持管理・活用等に関する課題です。 次に、第3章本市が目指すべきまちづくりです。第2章で整理した課題を踏まえ、まちづくりの目標を設定します。本市の将来都市像として「未来へつなげる住み続けたいまち~住み心地のよさを実感できるまち狛江~」を掲げ、先ほどの5つの視点から、将来都市像の実現に向けた、5つのまちづくり目標を設定します。 「まちの構造」の視点から、目標1「コンパクトで機能的な生活しやすいまち」 「まちの生活」の視点から、目標2「住みたい・住み続けたい、誰からも選ばれる魅力的なまち」 「まちの空間」の視点から、目標3「自然環境と都市景観を保全する、水と緑の空間がつながるまち」 「まちの安全」の視点から、目標4「安心と安全を感じられるまち」 「まちの運営」の視点から、目標5「ともに創り未来へつながる市民参加・市民協働のまち」を掲げています。 次に、将来の都市構造です。先ほどの、まちづくりの目標を達成するため、将来的な都市の骨格構造を、図のとおり設定します。多くの要素が含まれておりますので、「拠点」「軸」「地区・エリア」の3つに分けて御説明いたします。 まず拠点です。スライドの図は拠点のみを示した将来都市構造図です。狛江駅周辺を「中心拠点」、喜多見駅と和泉多摩川駅周辺を「地域交流拠点」と位置付けます。3駅が近接しているという本市の特徴を生かし、これら3駅沿線を「にぎわいゾーン」として定めることで、各拠点同士が連携し、にぎわいある一帯の形成を目指します。 「医療防災拠点」として東京慈恵会医科大学附属第三病院(以下「慈恵医大」という。)周辺、「健康福祉拠点」としてあいとぴあセンター周辺を位置付けます。 また、多摩川と野川などを「水の拠点」、和泉多摩川緑地周辺や弁財天池特別緑地保全地区などを「緑の拠点」と位置付けます。各拠点において、互いの特徴をいかし、相互に補完しながら、市内での拠点性を向上させていきます。 次に、軸です。スライドの図は軸のみを示した将来都市構造図です。「都市間連携軸」としては、都市間のつながりを確保する広域性を有する鉄道、幹線道路として小田急線小田原線、調3・4・2号線、調布都市計画道路3・4・3号線、調布都市計画道路3・4・4号線(以下「調3・4・4号線」という。)、調布都市計画道路3・4・7号線(以下「調3・4・7号線」という。)、調布都市計画道路3・4・17号線、調布都市計画道路3・4・18号線を設定します。 また、防災性向上に資する「重要目的道路軸」として、調3・4・16号線と調布都市計画道路3・4・23号線を位置付け、整備促進を図ります。 その他の都市計画道路は「主要幹線道路」に設定します。 赤の丸で示す部分を「市内循環ネットワーク」として位置付け、道路整備と併せた公共交通ネットワークの形成を図ります。 また、多摩川と野川を「水の軸」、多摩川の土手や緑道等を「緑の軸」として位置付け、連続性ある水と緑のネットワークの形成を図ります。 次に地区・エリアです。スライドの図は地区・エリアのみを示した将来都市構造図です。市内を9つの地区と、3つのエリアに分けています。 多くの部分を占める緑色の「低層住宅地区」は、住宅を主とした、ゆとりある低層建築物を誘導する地区です。 黄色の「中高層住宅地区」では、第一種中高層住居専用地域や第一種住居地域の部分に位置付け、拠点周辺にふさわしい中高層住宅を誘導します。 またオレンジ色の「大規模住宅地区」は、多摩川住宅などの大規模集合住宅の位置する地区に位置付け、適切な管理・更新を推進します。 狛江駅前は赤色の「中心商業・業務地区」、和泉多摩川駅周辺、喜多見駅周辺と、小田急線沿線等を「にぎわい商業・業務地区」と位置付け、にぎわいの創出を図ります。 次にエリアとしては、まず緑の線で示す和泉多摩川緑地周辺を、「公園まちづくり推進エリア」と位置付け、都立公園の誘致に向けた課題や周辺のまちづくりについて、東京都と情報共有しながら推進していくエリアとしています。 緑のドットで示す「農住共存エリア」は、生産緑地地区がまとまって位置する箇所に設定し、農地の保存等を検討するエリアとしています。 ピンクの斜線で示す「防災環境形成エリア」は、多摩川・野川の洪水時の想定浸水深3メートル以上、家屋倒壊等氾濫想定区域が含まれる箇所に設定し、ハード・ソフト両面の対策を特に検討するエリアとしています。 また、パブリックコメントの意見を踏まえ、青の斜線で示す「生活利便機能形成エリア」を新たに追加いたしました。生活利便機能が形成されている沿道利用地区周辺に設定しており、都市計画道路の事業進捗等に応じ、日常生活に必要な都市機能の維持・誘導を進め、まとまりのあるにぎわいを創出するエリアとしております。 続いて第4章まちづくりの分野別方針です。本章では、分野ごとの、まちづくりの方針を示します。こちらは、土地利用の方針を示したものです。第3章で設定しました「地区・エリア」毎に、それぞれの方針を定めます。例えば、低層住宅地区については、目的として「都市農地等のみどりと調和したゆとりある低層建築物の誘導を図る」こと、また取組内容として「住宅を主とした良好な低層建築物の維持・保全のための狛江市まちづくり条例の運用・地区計画等の検討」を記載しています。以上が第3章で設定する将来の都市構造となります。 続いて、道路・交通の方針です。第3章で設定した軸のうち、鉄道・道路に関するものを中心に、道路・交通の方針図を、スライド左の図のとおり定めます。方向性として、「体系的な道路網の構築」「安全性・利便性・快適性の向上に資する道路・交通環境の確保」「持続可能な公共交通ネットワークの形成」を掲げ、それぞれについて方針を定めます。 続いて、水と緑の方針です。第3章で設定した軸と拠点を基に、水と緑の方針図をスライド左の図のとおり定めます。方向性としては、「水と緑の拠点においての環境形成」「水と緑の軸とネットワークの形成」「公園・緑地の整備・保全や機能再編・再整備」「農地の保全・利活用」「市内の豊かな緑の確保」の5つを掲げ、それぞれについて方針を定めます。 続いて、安心・安全の方針です。スライド左の方針図では、第3章で設定した防災環境形成エリアや、市内に存在する木造住宅密集地域、避難所や緊急輸送道路等を示しております。方向性としては、「被害の防止・提言に向けたハード対策」「市民などの意識啓発や被災・防災体制の充実などに向けたソフト対策」「安全性、防犯性の強化に資する都市環境の改善」を掲げて、それぞれについて方針を定めます。 続いて、住宅・住環境の方針です。スライド左の方針図においては、第3章で設定したエリアに加え、既存の地区計画区域を赤の斜線、今後地区計画等まちづくりの検討を想定している区域を、青色の斜線で示しています。また、狛江駅南口や和泉多摩川駅周辺など、まちづくり条例に基づく市民活動のある区域も示しています。住宅・住環境の方針としては、「住み続けたいと思える住環境の形成」「居住者が自立して暮らすことができる住宅形成」「住宅ストックの計画的な更新」を方向性に掲げ、それぞれについて方針を定めます。 続いて、景観の方針です。「豊かな自然景観の保全・活用」「貴重な歴史的資源を活用した景観形成」「質の高い都市景観の形成」を方向性とし、方針を定めます。以上が、第4章まちづくりの分野別方針です。 続いて、第5章重点地域別構想です。本章では、重点的にまちづくりを進めるべき地域における具体的な構想を示します。地域としては、第3章で設定した5つの拠点に加え、防災環境形成エリア、農住共存エリアについて構想を示していきます。 まず、中心拠点、狛江駅周辺の重点地域別構想です。対象地域としてはスライド左の図のピンクのエリアとし、地域の目標を「市全体の玄関口としてふさわしい利便性と魅力を備えた中心拠点」といたします。スライド右の図が方針となり、土地利用としては「小田急線高架下空間や側道の有効活用による3駅のにぎわいと連続性の確保」や「地元まちづくり協議会と連携した南口周辺でのまちづくり上の課題整理」、道路・交通としては「歩行者・自転車が利用しやすい道路づくりと賑わいの創出」、水と緑としては「弁財天池特別緑地保全地区での環境保全」、安心・安全としては、区域一体における「避難施設となる民間施設の増加」、住宅・住環境としては「公共公益施設の整備・利活用」、都市景観としては、駅近辺における「質の高い都市景観の形成」等を示しております。 続いて、地域交流拠点、和泉多摩川駅周辺の重点地域別構想です。「多摩川の自然環境と調和した人々の交流が生まれる拠点」を目標に掲げ、「多摩川の自然景観の保全」や「まちづくり協議会との連携した水害対策のための高層建築の検討、駅周辺のにぎわいのあるまちづくりや細街路の解消」、「和泉多摩川緑地での都立公園誘致」等を示しております。 続いて地域交流拠点、喜多見駅周辺の重点地域別構想です。「多様な土地利用に合わせた新たなまちのにぎわいを創出する拠点」を目標に掲げ、「調3・4・16号線の整備促進」や「木造密集地域の解消等、防災性向上に資する都市計画の検討」、「駅舎や駅周辺環境の改良」等を示しております。 続いて医療防災拠点、慈恵医大周辺の重点地域別構想です。「地域のにぎわい創出や医療・防災の核となる拠点」を目標に掲げ、「慈恵医大病院の建て替えと連携した医療・防災機能の強化」や「交通結節機能の向上」「都営狛江アパートの建て替えに合わせた複合施設の検討」等を示しています。 次に健康福祉拠点、あいとぴあセンター周辺の重点地域別構想です。「自然と歴史を身近に感じられる健康と福祉の」を目標に掲げ、まちづくり方針として、「あいとぴあセンター等の公共公益施設の維持・利活用」、「多摩川の自然景観の保全」、「和泉多摩川緑地での都立公園の誘致」、「和泉多摩川緑地での広域防災機能の確保」等を示しています。 次に防災環境形成エリアの重点地域別構想です。スライド11で御説明しましたとおり、防災環境形成エリアは多摩川・野川の洪水時の想定浸水深3メートル以上、家屋倒壊等氾濫想定区域が含まれる箇所に設定しております。目標としては「災害にも強く、安心・安全を感じられる市街地の形成」を掲げています。取組のイメージとしましては、「和泉多摩川緑地都立公園の誘致による広域防災拠点機能の確保」、「避難所や学校等の公共公益施設の水害対策」、「緑地・農地等の防災・現在に貢献するオープンスペースの整備・保全」、「一時的な避難場所となる民間避難ビル等の増加」等を取組方針とし、安心安全を感じられるまちを目指します。 次に、農住共存エリアの重点地域別構想です。スライド11で御説明しましたとおり、農住共存エリアは、生産緑地地区がまとまって位置する箇所に設定しており、農地の保存等を検討するエリアです。目標として「都市農地が持つ多面的な機能の発揮による狛江市ならではの豊かな環境の形成」を掲げ、ここで期待される方向性を示しております。まず、期待される農の「保全」の方向性としては、①農業の場として保全、②貴重な自然景観の創出の場として保全、③生物の活動の場として保全、農の「活用」の方向としては、①農の担い手育成の場として活用、②市民のレクリエーションの場として活用、③地産地消の場としての活用、④農福連携や学習の場として活用、⑤地域の防災力を高める場として活用となります。また、都市的な活用としては、①公園・緑地への転換、②周辺の住環境と調和した土地利用転換についても挙げております。以上が、第5章重点地域別構想です。 続いて、第6章立地適正化計画です。本章では、居住誘導区域や都市機能誘導区域等を設定していきますが、これらを設定するにあたり、前提とする将来人口推計について御説明いたします。国立社会保障・人口問題研究所が示す推計によると、本市の人口は2030年をピークに減少に転じる一方で、高齢化は進行しつづける見込みとなっています。こうした状況を踏まえ、向こう10年間では、施設の量・配置・質を高め、まちの魅力を更に向上させていき、その後10年間は、蓄えたまちの資源・知識を次の展開につなげ、持続性の高い魅力あるまちとして確立させていく方針とします。 続いて、居住誘導区域の設定についてです。居住誘導区域とは、人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することによって、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域のことを指します。本市は、河川敷を除く全域が市街化区域であり、人口密度の高い住居系の土地利用が広がっています。先ほどの人口推計においても、過度な人口減少は見込まれず、今後も人口密度が高く維持されると想定されるため、基本的に市街化区域全域を「居住誘導区域」として設定いたします。一部、国分寺崖線に「土砂災害特別警戒区域」「土砂災害警戒区域」に指定されている箇所があり、この部分だけ居住誘導区域からは除外いたします。第3章にて、想定浸水深3メートル以上のエリア等を、防災環境形成エリアとして設定しましたが、こちらも居住誘導区域の中には含め、防災の視点から住宅地として質を高めていく地区としていきます。 続いて、都市機能誘導区域の設定についてです。都市機能誘導区域とは、福祉・子育て・医療・商業等の様々な施設について、都市の拠点となる地区に集約させることにより、各種サービスが効率的に提供されるよう設定する区域のことを指します。市内においては、5か所の拠点周辺において都市機能誘導区域を設定します。 狛江駅周辺については、スライド左の図の青枠の区域を都市機能誘導区域としています。狛江駅から500メートル圏内を中心に、商業施設のある道路沿道や、市役所等の公共施設、また現在まちづくりを検討している南口一体を含めて設定します。また、隣接する和泉多摩川駅周辺、喜多見駅周辺とともに、鉄道高架と沿道を区域に含め、連続性を確保していきます。 続いてスライド右の図が、和泉多摩川駅周辺の都市機能誘導区域です。駅から300メートル圏内を中心に、近隣商業地域と第一種中高層住居専用地域を含めて設定します。 続いて、スライド左の図が喜多見駅周辺の区域です。駅から300メートル圏内を中心に、狛江市側の近隣商業地域などを含む範囲で設定します。 スライド右の図が慈恵医大周辺の区域です。慈恵医大第三病院のバス停から、300メートル圏内を中心に、交通結節点としての小田急バス営業所と、将来的な建て替えが見込まれる都営狛江アパートに西側一帯を含め、設定します。 こちらのスライドの図が、あいとぴあセンター周辺の都市機能誘導区域です。福祉会館前のバス停から300メートル圏内を中心に、六郷さくら通りの沿道の第一種住居地域を含めて設定します。以上の5区域が、都市機能誘導区域となります。 続いて、誘導施設です。5つの都市機能誘導区域それぞれに誘導する施設を定めます。マル印は新規誘導を図る施設、ダイヤ印は立地の維持を図る施設です。 また、スライドでは割愛していますが、拠点でなく市内に分散立地を誘導する施設も、計画書にて示しています。以上が、第6章立地適正化計画の方針です。 続いて、第7章防災指針です。防災指針とは、居住や都市機能の誘導を図る上で必要となる、防災に関する機能の確保を図るための指針です。本章においては、洪水や内水による浸水、土砂災害、地震や災害履歴等の災害ハザード情報を収集・整理し、災害リスクの高い地域を抽出します。防災上の課題を整理したうえで、取組方針を検討、取組施策を示す流れとなっております。 スライド27で御説明させて頂いたとおり、本市の居住誘導区域としては、土砂災害特別警戒区域と土砂災害警戒区域のみを除き、その他の市街化区域をすべて含める形としております。これを踏まえ、土砂災害が想定される区域については、「災害リスクの回避」の視点で、その他、洪水、内水、地震が想定される区域については、「災害リスクの低減」の視点で、取組方針を整理します。 続いて、災害ハザードの分析を踏まえた取組方針の内容です。まず、市域全体としては、内水被害に対する「リスクの低減」の視点から、雨水流出抑制施設等浸水対策施設の整備促進、雨水ポンプ施設等の整備促進、内水氾濫マップの周知による意識啓発等に取り組みます。 また、地震災害に対する「リスクの低減」の視点から、建物の耐震補強や不燃化、道路拡張等、また耐震診断等の促進のための助成、アドバイザー派遣等に取り組みます。 次に、各町ごとの主な取組方針です。右図は市の北側をお示ししています。例えば、東野川においては、野川の洪水被害が想定されるため、「リスクの低減」の視点から、河道の河床整備工事等のインフラ整備、洪水ハザードマップの周知による意識啓発等に取り組みます。 また、土砂災害特別警戒区域を含むため、「リスクの回避」の視点から、土砂災害ハザードマップの周知による意識啓発等に取り組んでいきます。 南側については、例えば岩戸南では、多摩川・野川の洪水が想定されるため、「リスクの低減」の視点から、都市計画道路の整備による主要な避難経路の確保、戸建て住宅等の高床化など防災対策に資する地区計画など都市計画の検討等に取り組むこととします。 また、内水被害については「リスクの低減」の視点から、「雨水管渠や雨水流出抑制施設の整備等のインフラ整備、雨水ハザードマップの周知による意識啓発等に取り組みます。 また、流域治水の推進として、近隣自治体との連携にも取り組みます。現在、東京都、調布市、世田谷区とは協定を締結し、災害時の相互の協力体制を構築しています。この他、調布市、府中市、三鷹市と避難所に関する協定を締結するとともに、定期的な情報共有の場を設けています。 今後、近隣市の避難施設をより利用しやすくすることや、和泉多摩川緑地都立公園の誘致によって、近隣市からも避難できる広域避難機能を強化する等、更なる連携に向けて取り組んでいきます。 こちらは、各取組施策とスケジュールになります。ハード面、ソフト面に分け、それぞれの取組施策と、取組主体、スケジュールと、市での担当課を整理しています。 また、これまでに実施した取組施策についても、まとめております。以上が、第7章防災指針となります。 最後に、第8章まちづくりの実現に向けてです。本章では、計画を推進するための方策や、進行管理や評価指標等を示します。 まず実現化の方策ですが、協働型のまちづくり体制として、1)官民学連携、2)市民主体、3)エリアマネジメント、4)地区計画の推進を挙げています。その他、2、まちづくりの担い手の支援・育成、3、将来像実現に向けた多様な手法の活用、4、市の取組と役割を掲げております。 次に評価指標です。立地適正化計画に関する進捗状況を評価するための指標を設定します。「都市機能誘導」、「居住誘導」、「公共交通ネットワーク」と「防災指針の取組」を評価の視点とし、例えば「居住誘導区域内の人口密度を2040年において維持する」こと等、定量的な目標値を設定しています。 最後に、都市機能誘導区域に係る届出制度についてです。都市機能誘導区域外において誘導施設の建築の動向を把握するため、開発行為や建築等行為を行う場合は、行為に着手する日の30日前までに市へ届出が必要となります。 説明が長くなりましたが、議題1狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)の説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
会長 御意見・御質問があればお聞きします。
委員 非常に良い計画となっており、様々な要素が書き込まれています。問題は、ここで挙げたことを、いかに実現できるかです。最初に実効性について話がありましたが、まさに実効性が問われています。進行管理については本文の202ページに記載があるように、PDCAサイクルを回す形で行っていくと思いますが、具体的にはここに書ききれていません。防災等の項目ごとに10年間でどのような目標を立てて、どこまで実現するのか。予算の裏付けも必要になるでしょう。そういったアクションプログラムとの関係があまり明確でないところが少し心配です。第8章に、評価指標として具体的な数値目標の記載がありますが、そこで定められているもの以外の項目についても、できる限り定量的な目標設定をしていただきたいです。例えば避難所をどの程度整備するのか、収容能力はどのくらいにするのか等、具体的なことを下位の計画で作成する必要があります。都市計画マスタープラン・立地適正化計画を作成して終わりにするのではなく、今後の課題として、しっかりとしたアクションプログラムに結び付けて実行していただきたいと思います。
事務局 御指摘のとおり、都市計画マスタープラン・立地適正化計画を作成するだけで終わりではないと思っています。立地適正化計画については、評価指標を定めてPDCAサイクルを回すこととし、5年に1回進行管理を行っていきます。都市計画マスタープランについては、平成24年版の現行計画では、改定当初は毎年評価をしていましたが、まちづくりや都市の分野は目に見えて変化がなく、毎年評価をするのは困難なため、数年おきに評価をすることにいたしました。今回の都市計画マスタープラン改定後も、定期的に進行管理し、必要に応じて見直しを行いたいと考えております。 また、実行プランについては、都市計画マスタープラン・立地適正化計画策定後に、都市再生整備計画を策定し、都市構造再編集中事業において新図書館の建築や公民館の改築、駅前空間の滞在性の向上施策等を行いたいと考えており、そのために必要となる実行プランを策定し、推進していきたいと考えております。 防災については、防災指針として194ページ以降に中長期的な取組内容を記載しておりますが、もう少し具体的なプランが必要であると思っております。地域防災計画等の計画の見直しもありますので、他の関連計画と調整しながら、具体的なプランを示したいと考えております。
委員 資料1-3の3ページに記載のとおり、今後の各種の都市計画決定は、この都市計画マスタープラン・立地適正化計画の内容に基づいて定められることになります。しかし、本計画のパブリックコメント及び市民説明会では、用途地域や高度利用地区、地区計画等について反対意見もありました。また、狛江駅南口の再開発や和泉多摩川のリバーサイド構想等も視野に入れた内容となっていますが、これらはまだ全体的なアンケートは実施しておらず、市民の意見を聴けていない段階にあります。きっと様々な意見があると思います。 今回の都市計画マスタープラン・立地適正化計画を策定したからといって、すぐに実行するのではなく、計画を実行に移す段階で1つ1つ市民の意見をしっかりと聴いていくような取組を、どの様に行っていく予定ですか。
事務局 パブリックコメントへの回答にも記載しました通り、都市計画マスタープランにおいて低層から中高層へ変更する方向性を示した範囲もありますが、用途地域を変更するには、地区計画も併せて検討することが原則であるため、その手続きの中で市民の意見をしっかりと聴いていきたいと考えております。 また、本計画を作成する過程で、生産緑地地区所有者にヒアリングを実施し、将来的な公園化に同意いただいた生産緑地地区について示させてもらいました。これについても、実行プランを立てていかなければいけないと思っており、実際にまちづくりを進めていく際には、市民の意見を聴きながら進めていきたいと思います。
委員 具体的には、調3・4・4号線や調3・4・7号線について、ここに道路は必要ないのではないかという市民意見がありました。また現在進めようとしている、岩戸北三・四丁目周辺地区地区計画についても、喜多見駅周辺において賑わい地区を設定しようとしていますが、高い建物は建てないとする建築協定が結ばれた地域もあるため、地域の意見をしっかり聴いていただきたいと思います。 実際に、本計画に書いてある内容でも、地域の声で計画が変わっていく可能性はありますか。
事務局 都市計画マスタープラン・立地適正化計画ではまちづくりの大きな方向性を示しています。例えば、地区計画を決定するにあたっては、エリアごとのゾーニングを考えていくことになりますが、ある部分は都市計画マスタープラン・立地適正化計画に記載されたように進めて、ある部分は記載内容とは別に進めることもあるかと思います。市民と対話しながら地区計画を決定していく必要があると認識しています。 また、本計画に書いていないことでも、地域の声でまちづくりを実現していく可能性として、分野別の方針として、83ページに「市民参加・市民協働による暮らしやすいまちづくりを推進」という項目を記載してます。まちづくり条例にはまちづくりについて考える市民団体を支援するまちづくりグループや地区まちづくり協議会の制度があります。今回の都市計画マスタープラン・立地適正化計画で、全ての市の状況を網羅できたのか問われますと、網羅できていない部分もあるでしょうから、地域の方々によるまちづくり活動の声も踏まえて、まちづくりを検討していきます。
委員 多種多様な意見があると思います。都市計画マスタープラン・立地適正化計画に記載された内容とは別の意見をいただくことも想定されます。市民に対して丁寧な対応をお願いいたします。
委員 1点確認させてもらいます。今回、パブリックコメントの11番の意見に対応して、生活利便形成エリアを新たに設定された経緯とねらいを伺えますか。
事務局 本計画では、駅周辺において狛江市の拠点を形成していくことは市全体の魅力を高めていくことにつながるため、3駅で連携して強みを持っていく方向性を示しました。しかし、パブリックコメントの11番の意見のように、市北部や南部のまちづくりが考えられていないように受け取られてしまった面がありました。実際は、決してそんなことはありませんが、拠点として相応の状況が見える必要があるので、今回の形となりました。 生活ができる都市であり続けるには、スーパーマーケットやドラッグストア等の商業施設があって買い物ができる環境整備が必要です。地方では買い物ができなくて不便な地域がありますが、狛江市はそのようなまちづくりとはしたくないと考えております。家の近所で日常的に買い物ができて、狛江駅周辺では普段買わないものも買えるという程度差があってもよいと考えます。こうした場所に生活利便機能形成エリアを設定し、もしお店が撤退等されそうな場合に、都市計画上の課題がないか検討できるきっかけづくりができればと思っています。
委員 慈恵医大の辺りは、唯一の「医療防災拠点」という位置付けがなされています。これは、この地域だけでなく市全体を見ていけるイメージで設定したのでしょうか。
事務局 本文の159ページ、立地適正化計画において「誘導施設」を記載しており、拠点に誘導するものと、市内に分散立地を図るものとを整理しています。大きな病院としては慈恵医大が、狛江市だけでなく調布市にとっても重要な機能ですが、それを補完するような診療所は、市内に分散立地されるべきと思います。また、健康福祉としてはあいとぴあセンターが拠点ですが、例えば地域包括支援センターなどは拠点に集めるのでなく、市全体で捉えて分散して立地している環境が良いと思い、そのような立地を誘導する内容にしました。
委員 仰った説明だと、現状からは大きく変わっていかないと思います。医療防災拠点や健康福祉拠点という拠点の位置付けならば、よりアクセスしやすくしたり、訪問支援を行うなど、拠点としての役割を果たしてほしいと思います。南部地域から直接慈恵医大に行くのはなかなか難しいという市民の声もあります。そういったアクセス性も強化していく方向と考えてよろしいでしょうか。
事務局 計画書33ページに示す通り、5つの拠点を分散して設定するとともに、それらを繋ぐ市内循環ネットワークを設定しています。29ページに「コンパクトで機能的な生活しやすいまち」という目標を示しているように、主要なネットワークである市内循環ネットワークによって、各拠点がより機能し、どこへでもアクセスしやすい生活しやすいまち、災害対応しやすくなるまちを目指したいと考えています。
委員 ネットワークができるまでかなり時間がかかると思います。また道路の整備については、地域住民から様々な意見があると思います。今できる形で拠点としての機能を強めていっていただきたく要望いたします。
委員 今の拠点の話ですが、今回の都市計画マスタープラン・立地適正化計画において、しっかりと拠点を決めていくことが、大きな柱であると思います。 どこにでも何でもすぐ傍にあるのが良いというのは、これまでの社会の潮流でした。ところが、人口減少が進み、投資ができなくなる中で、なんとか皆様が福祉を供与されていくためには、どこかはっきりした場所を決めて、いかにそこへ早くアクセスできるかが重要です。そのためにはエリアを決め、ネットワークをしっかりと創ることが必要です。私は道路計画の立場から都市計画に携わってきました。道路整備等をしっかり行うこと、そしてすぐ傍でなくても早く到達できるような拠点を創るのが非常に重要です。そのための大きな指標が都市計画マスタープラン・立地適正化計画です。どこに何でもほしいという時代はもう終わったと考えています。
事務局 立地適正化計画は「コンパクトプラスネットワーク」の考えです。本市では、あいとぴあセンター周辺や慈恵医大周辺の拠点において、新たな施設の誘導というよりも既存の施設を維持し、必要な機能を維持することが重要と考えています。そして、前述のとおり拠点をネットワークで結び付けていくのが重要であると考えております。市内循環ネットワークは、現在優先的に整備している道路以外にも、優先的に整備していくべき道路を何か所か選定しました。生活利便の維持や向上につながるまちづくりを目指していきます。
委員 都市計画マスタープラン・立地適正化計画が策定された後の取組の考え方を確認させてください。両計画は20年後を見据え、都市計画マスタープランは大きな視点で考えており、立地適正化計画は立地に則したよりきめ細かい視点で計画されています。そうすると、立地適正化計画をどのように実行していくかが重要になっていきます。 今後、5年、10年の推移のなかで、柔軟に見直しや部分修正を行っていく考えをお持ちでしょうか。
事務局 立地適正化計画は、5年を目安として進捗確認し、必要に応じて手直し、目標の見直し等も行う必要があると思っています。都市計画マスタープランを平成24年に前回改定した際も、20年後を見据えて改定しましたが、10年経つとまちの状況が変わります。例えば、一般財団法人電力中央研究所の敷地が切り売りされ、マンションが建つとは当時想定していませんでした。また、大きな災害が起こると、必要とされるまちづくりも変わっていきます。 今回の立地適正化計画において、誘導というよりも維持の方向とはいえ誘導施設を設定しており、定量的な数値目標も設定しております。その時々で確認しながら、必要な誘導機能を考え、必要に応じて見直しも検討していきます。
委員 今回の計画には、現状維持の思想を強く感じていました。先ほど立地適正化計画について、コンパクト化の趣旨があると伺いましたが、そういった機能集約は重要な視点であると思います。取組を常に市民に発信しながら、反応を確認して評価につなげていく、そしてより具体的な実行プランを作成するという視点を持って取り組んでいただきたいと思います。
会長 他に御意見、御質問等ないようでしたら、この議題につきまして採決をさせていただきたいと思います。 議題1狛江市都市計画マスタープラン・立地適正化計画(案)について、御異議ない方は挙手願います。 (挙手) 挙手は全員でございます。狛江市都市計画審議会条例第7条第3項の規定に基づき、本案件については御異議ないものと認め、可決といたします。 本日大変建設的な意見を頂きました。多くは今後の実施に向けてどのようにしていくのか柔軟性も必要ですし、市民の合意形成は図るためには丁寧な対応が求められます。頂いた御意見を忘れずに取り組んでいただきたいと思います。
会長 それでは、議題2岩戸北三・四丁目周辺地区地区計画について、報告事項でございます。事務局から説明をお願いします。
事務局 これより、議題2岩戸北三・四丁目周辺地区地区計画について、御報告いたします。 本日は、こちらの目次に沿って御説明させて頂きます。 なお、現況等は前回の審議会においても御説明いたしましたので、今回は簡単に御説明させていただき、審議会後に行いました住民アンケートの結果と、まちづくり懇談会で説明した内容を中心に、御報告させていただきます。 まず、岩戸北三・四丁目地区周辺地区の現況と課題です。当地域は、現在狛江市で事業中の「調3・4・16号線岩戸北区間」の周辺、約15ヘクタールのエリアです。当地域は、現行の都市計画マスタープランにおいて「地域交流拠点」に位置付けており「地域のニーズにあった都市機能の強化・導入を図る」こととしています。 議題1で御説明いたしました改定版の都市計画マスタープランにおいても、同様に「地域交流拠点」と位置付けております。 調3・4・16号線が整備されると、防災機能の強化や避難路の確保、緊急車両のアクセス向上等が見込まれます。この機会を捉え、このエリアが抱えるまちの課題の解消を目指し、新たに地区計画の策定を図ります。 当地域の現況です。詳しい説明は割愛しますが、当地区には築年数の建った低層木造住宅が多く、狭い道路にせまって建築されていため、防災上の課題を抱えた地域となっております。 また、鉄道駅に近接していますが商業的土地利用が少ないという、土地利用上の課題もあります。 岩戸北四丁目は、東京都の計画においても「不燃化の状況や住宅の密度が木密と同等の地域」として抽出されております。 また、市全体としても、首都直下地震の際の消失棟数が多摩部最大と予想されており、防災性の向上は喫緊の課題です。 現況を踏まえて、課題を整理したものがこちらの図です。「建物の密集と道路への近接状態の解消」や「駅前にふさわしい市街地の形成」「細街路の改善」「耐震化の促進」などを掲げています。 続いて、まちづくりの方向性です。まちづくりの目標として、「ゆとりある良好な住環境の保全・形成」、「駅周辺や幹線道路沿道における都市機能の充実」、「歩車分離をはじめとする安全な道路づくり」、「延焼遮断機能による防災性の強化」、「公園・緑地の整備」の5つを掲げます。 整備手法としては、地区計画の導入と、用途地域等の変更を想定しています。続いて、住民アンケートの結果概要です。 前段として、これまでの経緯について説明いたします。令和2年度に、地区全域の方々を対象にアンケート調査、令和3年度にまちづくり懇談会を行い、まちづくり方針の素案を作成しました。 また、今年8月に、一部の地権者の方々を対象に2つのアンケートを実施しました。1つは、喜多見駅前の「地域交流拠点」を対象としました。このエリアは、これまで第一種住居地域から近隣商業地域への変更を検討してきましたので、地権者の方々に、用途変更についてどう思われるかお聞きしました。もう1つは、「一の橋通り」と「市道609号線」の沿道の地権者を対象に実施しました。この2路線は今回拡幅を検討しておりますので、拡幅についてどう思われるかをお聞きしました。アンケートは、8月10日から8月31日までの期間で、郵送とWEBによって回答を募集しました。回答率は、2つ併せて20パーセントほどの結果でした。 まず、喜多見駅周辺のアンケート結果について御報告します。居住環境への印象としては、住環境や日常の買い物の利便性への満足度が高い一方で、交通利便性や安全性、子どもの遊び場や公園などについては満足度が低いことが分かります。続いて、喜多見駅周辺の将来都市像についてお聞きした結果がこちらです。商業環境としては、周辺の住環境と調和した商業環境が望まれており、住環境としては現状の低層中心の住環境の維持が望まれております。道路・交通環境としては、通行しやすいコミュニティ道路が望まれており、公園・広場としては、一時的に滞留できるものが望まれていることが分かります。 また、もし再開発が起きた場合に導入してほしい機能をお聞きしたところ、公共施設や商業施設、憩いの場となる空間を望む声が多い結果となりました。 次に、近隣商業地域への変更についてお聞きした結果がこちらです。「とても良いと思う」「やや良いと思う」が44パーセント、「あまり良いと思わない」「全く良いと思わない」が56パーセントと、反対する声が多数となりました。 良いと思う理由としては、商業の活性化が必要だから、という声が多く、良いと思わない理由としては、現状の住環境を保全したいから、という声が多い結果でした。 次に、道路拡幅のアンケート結果を御報告いたします。まず、道路環境への印象をお聞きしたところ、アクセス性や道路が影響する住環境への満足度は高い一方で、道路の広さや交通量、災害時の緊急車両の通行性などは満足度が低いことが分かります。 また、一の橋通りと市道609号線を6メートルへ拡幅することについて伺った結果がこちらです。「とても良いと思う」「良いと思う」の回答は、一の橋とおり沿道では62パーセント、市道609号線沿道では72パーセントとなりました。「あまり良いと思わない」「良いと思わない」の回答は、一の橋とおり沿道では24パーセント、市道609号線沿道では17パーセントと、どちらの路線においても賛成する声が多数となりました。 良いと思う理由として、「通行の安全性・防災性が向上するから」という声が最も多く、また、良いと思わない理由としては、「交通量が増える、スピードが上がるから」という声が最も多い結果でした。 さらに、土地を所有する方のみを対象に、地区計画という手法によって道路整備を行うことについて、どう思われるか伺いました。その結果、「とても良いと思う」「良いと思う」の回答が64パーセント、「あまり良いと思わない」「良いと思わない」の回答が32パーセントと、こちらにおいても賛成する声が多数という結果でした。 良いと思う理由としては、「道路の安全性・防災性が向上するから」という声が最も多く、また、良いと思わない理由としては、「買収の有無や該当面積の広さなど、敷地により差が生じて不公平に感じるから」という声が最も多い結果となりました。 続いて、まちづくりの方針(案)です。まず、地区計画における地区の目標です。「良好な土地利用及び基盤整備」、「良好な住環境の保全・形成」、「地域交流拠点にふさわしい都市機能の充実」、「安全で良好な都市環境の形成」等を図ります。 続いて、土地利用の方針です。大きくは、鉄道駅周辺を「地域交流地区」、幹線道路と主要生活道路の「沿道地区」、その他を「住宅地区」と分け、それらの中でさらに地区Ⅰ・Ⅱなどと区分しています。 前回の報告では市道609号線より北側は「中高層住宅地区」、南側は全て「低層住宅地区」としておりましたが、関係機関協議等を踏まえ、沿道の両側で統一した街並みを形成する目的で、609号線の南側20メートルまでを中高層住宅地区とし、それより南側を「低層住宅地区」と設定いたしました。 続いて、都市計画による目標実現の考え方ですが、こちらは次のスライドと重複しますので、割愛させて頂きます。 続いて、用途地域等の変更案です。スライド左の図の赤枠の範囲、現状第一種低層住居専用地域、建蔽率40パーセント容積率80パーセントとの区域を変更いたします。 前回の第2回都市計画審議会の報告では、609号線以北①を第一種中高層住居専用地域、建蔽率60パーセント容積率200パーセント、609号線以南②③を第一種中高層住居専用地域、建蔽率50パーセント容積率100パーセントに変更すると御説明しましたが、先ほどの地区区分の変更と併せて、①と、609号線の南側20メートルの範囲②を、第一種中高層住居専用地域建蔽率60パーセント容積率200パーセントに変更し、③の区域は現状のままとする案としております。 また、駅前の地域交流地区については、アンケートの結果も踏まえ、今回は用途地域を変更しませんが、今後も継続的に検討を行ってまいります。 続いてまちづくり懇談会と意見募集の結果を御説明いたします。まちづくり懇談会は、10月23日(日)に、2回に分けて開催し、それぞれ23人、12人の方々に御参加いただきました。 また、開催翌日から11月13日までの期間で、YouTubeにて説明動画を配信し、同時に郵送やメール、WEBフォームを用いて意見募集を行いました。頂いた御意見は、ただいま精査中でありますが、代表的な御意見を紹介させて頂きます。 まず、第一種低層住居専用地域のままとして御説明した低層住宅地区については、一部の方は第一種中高層住居専用地域に変更してほしいという御意見、一部の方は第一種低層住居専用地域のままだとしても建蔽率40パーセント容積率80パーセントより上げてほしいという御意見、また一部の方は現状のままでよいという御意見を頂き、大きく意見が分かれる結果となりました。 その他、調3・4・16号線の沿道を近隣商業地域に変更してほしいといった御意見や、壁面の位置、工作物、垣柵の制限が厳しいといった御意見、また区画道路の拡幅が必要ないのではないかといった御意見も頂きました。 これらを受け、市としてどのように進めていくか、本審議会において御報告する予定でしたが、かなり住民間でも意見が分かれている状況ですので、慎重に検討を進めている状況です。 最後に、今後のスケジュールについて説明いたします。前回の報告では、今年度内に原案を作成する予定と御説明しましたが、先ほどのとおり意見が分かれている状況ですので、原案の作成は来年度以降に延期し、今年度には再度まちづくり懇談会を開催するなど、しっかりと住民の方々と意見交換を行いながら進めていきたいと考えております。 説明は以上になります。
会長 議題2の説明は終わりました。御意見御質問をお聞きします。
委員 先日、道路拡幅予定地の住民から市に対して要望があったと伺いました。寄せられた意見に対して、市としてはどのように考えているのか伺えますか。
事務局 道路拡幅や壁面後退については、まちづくり懇談会でも様々な意見を頂き、また仰る通り、一の橋通りの拡幅等が不要でないかという要望書を頂きました。 市は、東京都の発表した首都直下地震の被害想定において、本市は多摩地区の中でも火災の延焼被害が高いことを踏まえ、どのようなまちづくりのルールを定めるべきか検討して、まちづくり懇談会で提案させていただきました。 幹線道路で囲まれた街区が整備されていきますので、街区内には普通の生活道路より広めの道があり、そこから4メートル幅員の道路に段階的につながるような役割分担を考え、区画道路2路線の拡幅を提案いたしました。 拡幅については、一方通行でよい等の意見もありましたので、予定通りすぐに原案作成に移るのでなく、市民と対話していきたいと考えており、スケジュールの調整を行っております。引き続き地域住民と様々な議論を行いたいと考えております。
委員 まず1点目ですが、道路の拡幅についてのアンケートは、自宅前の道路が拡幅されたとしたらどのように思うのかを聞くという意味合いであったため、地区全体に対して実施するのでなく、2路線の関係者に対象を絞って実施されたのだと思います。ただ、2路線をまとめてアンケートしたということは、自分の家の前の路線だけでなく、もう一方の道路に対しても回答できる形になっていたのでしょうか。
事務局 2路線それぞれについてどう思われるかを伺いました。沿道住民の方々の土地に関係する内容ですので、真摯に意見を聞く必要があると考え、アンケート実施に至りました。記名式では回答率が下がると想定したことから、無記名式にさせていただきました。そのため、どちらにお住いの方がどちらの道路拡幅に対して賛同されたのかは追うことができませんが、道路の拡幅について概ね賛同いただけていたと思っておりますので、まちづくり懇談会においてもその方向性で説明させて頂きました。
委員 ただいま御説明があったように、ここにお住いの方にとってはここに住み続けられるかという心配があるのだと思います。1つ1つの路線を対象にアンケートを実施された方が、良かったと思います。 2点目、まちづくり懇談会を今年度で終了させるのではなく、来年度も実施するという御説明がありました。私も今後もまちづくり懇談会を続けていただきたいと要望しておりましたので良かったと思います。懇談会にも出席させていただきましたが、話し合いはより大事になってくると思います。今度の進め方としては、どのようにお考えでしょうか。
事務局 今後の進め方については、もう少し検討が必要と考えております。今回、まちづくり懇談会後に実施した意見聴取の結果について、集計がまだ完了していません。頂いた意見をしっかりと確認して精査し、その上で今後の進め方を決めていきたいと考えております。地区全体の方々に向けてまちづくり懇談会を開催する方法や、道路の沿道など地区を絞って開催する方法など、様々なやり方があると思うので検討していきたいと思います。
委員 岩戸北一・二丁目、東野川一丁目周辺地区地区計画の時には、もっと丁寧にまちづくり懇談会を開催されていたと思います。地域住民がどのようなまちづくりを望んでいるのかを丁寧に話し合っていけるような流れをつくっていただきたいと思います。地区計画ですから、40年近くかけて、最終的な完成形になることもあるかと思いますので、地域住民の声を大事にしてほしいと考えます。 また、主な御意見の中にもありますが、壁面の位置や工作物の設置について、垣や柵の制限が厳しいという意見があります。このような意見は岩戸北一・二丁目、東野川一丁目周辺地区地区計画の時にもかなりの数の意見があったと思います。丁寧な説明をお願いいたします。
委員 道路拡幅することで、自動車、自転車及び歩行者のそれぞれの距離が確保できて、今よりも安全になる一方で、自動車や自転車のスピードがより上がってしまい、今よりも危険になる面もあり、人によって意見が分かれるように思います。スピードが上がることに対して、拡幅してもスピードが上がらないような工夫を積極的に取り入れていただければよいのではないかと思います。市街地で道路交通工学に関する知見を踏まえて、検討を進めていただきたいと思います。
事務局 仮に4メートル道路を6メートル道路に拡幅するとした場合、2メートル近く広がることでスピードが上がりやすくなる面はあります。6メートル道路で思いっきりスピード出せるかという話もありますが、それとは別に、地区内の生活道路での交通事故をできる限り減らしていくために、速度抑制のための対策を検討する必要があります。例えば、道路上にハンプを設けること、ポールを設けること、道路を少し曲がらせること等、様々な手法があります。ただ、このようなハードの対策を行うには、道路沿道の住民に設置について御理解をいただく必要があります。沿道住民の方へ迷惑をかけないソフト対策として、イメージハンプという、出っ張っているような形をドライバーにイメージさせる路面表示もありますが、効果は薄いと言われています。仮に道路を拡幅していくことになった場合には、速度を抑制していくための対策を、道路沿道の住民とも相談しながら検討していきたいと思います。
委員 木造住宅密集地域の基準に該当している部分があると仰っていましたが、本日の資料2-1 スライド29にある①、②、③の区域がその部分になりますか。
事務局 資料の①、②、③の区域は、木造住宅密集地域ではありませんが、都の計画において「不燃化の状況や住宅の密度が木造住宅密集地域と同等である地域」として位置付けられています。
委員 木造住宅密集地域には、「木造」と「密集」という面の2つの側面があります。指定建蔽率が40%という、あまり密集度が高くないと思われる区域において、そのように位置付けられているということは、実際に建築されている建築物はもっと建蔽率が大きいのではないでしょうか。
事務局 そういうことも考えられます。
委員 様々な都合があるため、一概には言えませんが、実際にはそういう可能性もあると思います。木造住宅が密集している状況を解消する手法として、共同化していく方法、広い道路をつくったり既存道路を拡幅して延焼遮断帯や避難経路を確保していく方法がありますが、もう1つの方法として、前回も私が申し上げました、木造の住宅が再生産されることを防止していく方法があります。木造であっても、燃えにくい構造の建物の建築を誘導していくことは可能であり、その手法の1つが新防火地域の指定です。市として再度検討していただけないでしょうか。新防火地域を指定し、市街地の中に燃えにくい建築物がつくられると、市街地全体が火災に強いまちになります。準防火地域に指定しても、ほとんどの住宅は通常の木造のまま再生産されてしまいますので、木造であっても燃えにくい構造を採用して貰えるように誘導することを考えていただきたいと思います。新防火地域を指定する際には、市が発意して市長が指定することになるため、地域住民としっかりと話し合っていただく必要があります。そういった話し合いの過程において、建蔽率40%容積率80%から建蔽率50%容積率100%に上げるという方法もあると思います。地域住民に提案しつつ、地域住民からの要望を受けて提案内容を変更していく柔軟性を併せ持って、検討いただけると良いと思いました。
事務局 新防火地域については前回のお話を受けて、東京都と様々な話をさせていただきました。新防火地域の指定にあたっては、約1年半の手続き期間が必要と聞き、今回の岩戸北三・四丁目地区地区計画のタイムスケジュールとは合わないと判断したため、準防火地域を指定する案としました。一方で、この地区計画とは別に、水道道路沿いでも地区計画を検討しており、そちらはもう少し時間をかけて検討していく予定のため、その中で新防火地域について東京都と十分な調整を行い、新防火地域の指定のモデルケースにできないかと考えておりました。 岩戸北三・四丁目地区のタイムスケジュール変更に伴い、再度、新防火地域の指定について、地域の住民と議論しながら検討を行ってまいります。
会長 続いて、議題3狛江団地周辺まちづくりについての報告案件でございます。事務局から説明をお願いします。
事務局 議題3狛江団地周辺地区のまちづくりについて、御報告いたします。始めに、狛江団地周辺地区の概要について、御説明いたします。 狛江団地周辺地区は、狛江市の北西部にある、狛江市和泉本町四丁目、和泉本町三丁目の一部の、狛江団地の北側「公園通り」、南側「狛江通り」、西側「慈恵東通り」と、狛江市民総合体育館東側道路により囲まれる区域を設定し、検討を行っております。規模としましては、約19.9ヘクタールの地区となります。 地区内には、都営狛江団地、3つの都市計画公園と1つの都市公園、体育室や学童を含む上和泉地域センター、保育園、福祉施設、緑野小学校、市民総合体育館などの施設が立地しているのに加え、前原公園、慈恵医大が隣接するなど、生活する上で利便性の高い地区となっています。 このような利便性の高い地域でありますが、東京都では、老朽化した都営住宅を将来的に建て替えることとしており、狛江団地においては、具体的な建替計画や時期は決まっていないものの、狛江市としては、建て替えによって創出される用地の活用を考えております。 創出用地の活用により、地域の課題解決を行い、地域特性に応じた狛江団地周辺地区のまちの将来像や今後のまちづくりの方向性などについて、令和3年度より検討を開始しております。 検討するまちづくりの内容としましては、東京都が行う狛江団地の建て替えに合わせて、狛江団地内の4つの公園の集約、狛江団地内の市施設である地域センター・保育園・福祉施設の複合化や新しい機能の導入などの整備の方向性の検討、狛江団地だけではなく狛江団地周辺地区全体の環境の整備、狛江市民総合体育館の機能維持など、狛江団地周辺のまちづくりの検討を行っております。 これまでの検討内容としましては、令和3年度より、現況整理、課題の整理、将来像等今後のまちづくりの方向性の検討、創出用地の活用等検討などを行い、まちづくり方針(案)を作成しました。 今年度は、令和3年度に作成したまちづくり方針(案)について、地区から20メートルの範囲を含めた区域の住民や権利者を対象に、本地区の住環境の印象、まちづくりの方向性、複合施設の整備、公園について、アンケートを行いました。来月12月11日には、そのアンケートの結果とまちづくりの方向性について、懇談会を予定としております。同時期に動画配信や意見募集を行います。 来年度以降の予定は図のとおりです。東京都との連携、各課の要望をまとめ、都市計画の素案の作成から、まちづくり懇談会及び説明会を行い、地区計画等の都市計画の決定を令和6年度中に行うことを目標としております。 報告は、以上となります。
会長 御意見・御質問があればお聞きします。
委員 今の御説明の中では、東京都がいつどのように進めていく計画かが出ていないとのことですが、今後の予定の御説明では、令和5年から地区計画の素案の作成をし、令和6年度には都市計画決定までするとのことでした。 これは具体的にどれくらいの建物ができるかが決まらない中で進められていくものなのでしょうか。
事務局 狛江団地がどのように建て替わっていくかや建て替えの時期等は、私たちも把握できていない内容ですが、東京都が将来的に建て替えを検討している中で、それに向けて様々な機能を集約していった方が効率的なまちづくりができると思っていますので、今回地区計画を検討しています。スケジュールについては、他の地区計画では概ね2年くらいで策定できていますので、同様な年数で取り組んでいる状況です。また今回は狛江団地周辺ということで、狛江団地以外にも市民総合体育館等も含めて整理していきたいと考えています。
委員 分かりました。基本的な考え方や方向性を定める地区計画になるということかと思います。やはり規模感が分からないと、福祉施設や公園等をどれくらい必要か等が見えてこないと思いますので、そのあたりが見えてきた段階で、地域の声を聞いていただきたいと思います。
会長 東京都の住宅政策本部に先駆けて検討するということは大変評価したいと思いますが、内容を見ると、現状のことしか記載がないと思います。対象地は、今後改定する都市計画マスタープランでは医療防災拠点に位置付けられていて、また新たに策定する立地適正化計画では都市機能誘導区域に位置付けられています。それらの計画を受けて方針を示さなければ、東京都や地元の皆様に対して、説得力がなくなってしまうと思います。また防災の記載もなく、失礼ながら論理的でないと思いますがいかがでしょうか。
事務局 都市計画マスタープラン及び立地適正化計画はあくまで改定前となりますので、今回の資料は現行の都市計画マスタープランを元に作成しています。本日、都市計画マスタープラン及び立地適正化計画について諮問をしましたので、答申をいただいた上で12月に公表した後には、立地適正化計画の都市機能誘導区域の内容等も入れていきたいと思います。また防災の拠点としても考えておりますので、公園を集約したり、病院との連携を踏まえてなるべく空地を設けていくことも検討し、今後整理していきたいと思います。
会長 よろしくお願いいたします。他に何かありますか。 それでは、本日の狛江市都市計画審議会はこれにて終了いたします。
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狛江市都市計画審議会委員・臨時委員名簿
肩書 | 選任の区分 | 氏名 |
会長 | 学識経験者 | 杉浦 浩 |
職務代理 | 学識経験者 | 吉井 博明 |
委員 | 学識経験者 | 石井 恒利 |
委員 | 学識経験者 | 町田 修二 |
委員 | 市議会委員 | 岡村 しん |
委員 | 市議会委員 | 加藤 功一 |
委員 | 市議会委員 | 山田 幸子 |
委員 | 市議会委員 | 佐々木 貴史 |
委員 | 市議会委員 | 石井 功 |
委員 | 東京都多摩建築指導事務所長 | 名取 伸明 |
委員 | 狛江市の住民 | 稲垣 考子 |
委員 | 狛江市の住民 | 宮本 佳記 |
委員 | 狛江市の住民 | 猿谷 享子 |
臨時委員 | 調布警察署長 | 尾門 出 |
臨時委員 | 狛江消防署長 | 吉田 英生 |
臨時委員 | マインズ農業協同組合理事 | 石黑 實 |
臨時委員 | 狛江市農業委員会会長 | 荒井 悟 |