地球温暖化による気候変動は、世界共通の深刻な課題です。最高気温の更新や、線状降水帯による豪雨災害の頻発など、異常気象は私たちの暮らしに大きな脅威となっています。
この危機的状況に対し、世界中で対策が急がれています。狛江市においても2021年にゼロカーボンシティ宣言をし、ゼロカーボンの実現に向けた様々な取り組みを推進しています。

狛江市の温室効果ガス排出量

 地球温暖化とは、二酸化炭素やメタンをはじめとする温室効果ガスの排出量が増加し、大気中の濃度が上昇することで熱の吸収が強まり、地球全体の平均気温が上昇する現象です。中でも二酸化炭素は最も温暖化への影響が大きいガスであり、産業革命以降、石油や石炭といった化石燃料の大量消費に伴い、大気中の濃度が急激に増加しました。

〔参考〕全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)のホームページより

 狛江市の2022年度時点の温室効果ガス排出量は約189,000 t-CO2となっています。

〔参考〕オール東京62市区町村共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」HP (「多摩地域の温室効果ガス排出量」より)
 

狛江市ゼロカーボンシティ宣言

 2015年に合意されたパリ協定では、「産業革命前からの平均気温上昇の幅を2度未満とし、1.5度に抑えるよう努力する」との目標が国際的に広く共有されるとともに、2018年に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書には、「気温上昇を2度よりリスクの低い1.5度に抑えるためには、2050年までに二酸化炭素の実質排出量をゼロにすることが必要」とされています。

 この目標達成に向け、日本政府は2020年令和2年)10月26日に「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、狛江市でも、2021年(令和3年)3月26日の令和3年第1回定例会において、松原市長が「脱炭素社会の構築に向けて、狛江市としても地球温暖化防止に積極的に取り組み、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ、ゼロカーボンシティを目指す」ことを表明しました。

(詳細)「2050年ゼロカーボンシティを目指すことを表明しました(狛江市HP内へリンク)
 

狛江市環境基本計画・狛江市環境保全実施計画

 狛江市環境基本計画は、狛江市基本計画の施策を環境の側面から具体化するとともに、狛江市緑の基本計画や狛江市生物多様性地域戦略、狛江市一般廃棄物処理基本計画等の関連計画と連携して 環境施策の基本的な方向性を示すもので、狛江市環境基本条例第9条に基づき策定された計画です。

 狛江市環境保全実施計画は総合的かつ計画的に進めることを目的として、狛江市環境基本条例第10条に基づき、施策を推進するための具体的取り組みを掲げる計画です。

 なお、狛江市のゼロカーボンに係る事項は、狛江市環境基本計画の「基本目標2 地球温暖化を乗り越える、人と地球にやさしい脱炭素社会の推進」で定められており、このゼロカーボンの分野については、ゼロカーボンシティの実現への道筋として、温室効果ガスの排出削減量、再生可能エネルギー導入量の目標と併せて、施策の方向性を示すものとして2022年(令和4年)に策定した「狛江市ゼロカーボンシティシナリオ」を踏まえ、2023年(令和5年)に改定を行いました。

(詳細) 狛江市環境基本計画(狛江市HP内へリンク)

狛江市環境保全実施計画(狛江市HP内へリンク)

狛江市ゼロカーボンシナリオ(狛江市HP内へリンク)
 

各種取組について

 狛江市が実施している様々なゼロカーボン推進に向けた取組について紹介します。

太陽光発電システムの導入支援

 市内に導入されている再生可能エネルギーの多くが「太陽光発電」です。今後導入される再生可能エネルギーについても、太陽光発電が多く見込まれています。そのため市では、市内建築物への太陽光発電の導入支援を進めています。

地球温暖化対策用設備導入助成金

市内の建築物の脱炭素を推進するため、住宅・事業所への省エネ設備・再エネ設備(太陽光発電システム、蓄電池システム、高断熱窓等)の設置に対し、導入費用の助成を行っています。

助成金の申請にあたっては、専用ページをご確認のうえ、必要書類をご提出ください。

(詳細)令和7年度狛江市地球温暖化対策用設備導入助成について(狛江市HP内へリンク)
 

3D都市モデルを活用した太陽光発電ポテンシャル

狛江市では、太陽光発電設備の導入の検討材料として、3D都市モデル(※)を活用して算出した建物の太陽光発電推計量(ポテンシャル)を太陽光発電システムの設置に向けた検討材料として公開しています。

太陽光発電システムによる発電量の把握は、建物の電気使用量と照らし合わせることで、節電量や売電量等を把握することができます。

(※)国土交通省が「Project PLATEAU」として取り組む、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進等を実現するため、現実の都市空間を三次元の地理空間情報で再現するシステム。

(詳細)3D都市モデルで建物の太陽光発電推計量(ポテンシャル)がわかるようになりました(狛江市HP内へリンク)

エコモニター制度

実際にご自宅に太陽光発電設備を設置している市民の方が、「エコモニター」となり、太陽光発電設備の発電量、売電量等を市にご報告いただく制度です。エコモニターからの報告内容は、太陽光発電設備の導入を検討されている方々の参考情報として公表されます。

(詳細)エコモニター制度について(狛江市HP内へリンク)
 

再生可能エネルギー電気の導入

 狛江市ではゼロカーボンシティの実現に向け、市内の各家庭等へ、二酸化炭素が排出されない「再生可能エネルギー電気」の導入を促進しています。

再生可能エネルギー電気プラン切り替えキャンペーン

各家庭で使用する電力利用の契約プランの中には、実質的に二酸化炭素排出量がゼロとなる「再生可能エネルギー利用電力」が提供されるプランがあります。(供給事業者によってプランの内容は異なります。

現在契約している電気プランを見直し、再エネ電気プランに切り替えるだけで、新たな機器の設置等をしなくても、二酸化炭素排出の抑制や地球温暖化対策に貢献することができます。

狛江市では、再エネ電気の導入促進として、「再生可能エネルギー電気プラン切り替えキャンペーン」を実施しています。

(詳細)再生可能エネルギー電気切り替えキャンペーンについて(狛江市HP内へリンク)
 

他自治体との連携・企業との連携

2050年ゼロカーボンシティの実現、脱炭素社会の構築に向け、他の自治体や企業と相互連携することで、地域の脱炭素を推進する取組を実施しています。

長野県茅野市・小諸市との連携

 狛江市は、2023(令和5)2月に長野県茅野市と、2024令和6)年2月に長野県小諸市と「2050年脱炭素社会の実現に関する連携協定」を締結し、脱炭素社会の実現に向けた取組推進・情報共有、森林保全、人材育成、環境学習等について相互に連携しています。

 具体的な取組としては、森林の二酸化炭素吸収量を狛江市の二酸化炭素排出量と相殺するカーボン・オフセット、茅野市・小諸市の豊かな森林を活用した環境学習等を実施しています。

​(詳細)長野県茅野市と「2050年脱炭素社会の実現に関する連携協定」を締結しました(狛江市HP内へリンク)

長野県小諸市と「2050年脱炭素社会の実現に関する連携協定」を締結しました(狛江市HP内へリンク)

東京ガス株式会社との連携

 市の脱炭素に向けた取組をさらに促進し、脱炭素社会の構築及びレジリエンスの強化に貢献するとともに、地域の課題解決や更なる魅力創出等、地域の一層の発展を図り、持続可能なまちづくりの実現を目的に、東京ガス株式会社と「ゼロカーボンシティ実現に向けた包括連携協定」を締結しています。

(詳細)東京ガス株式会社とゼロカーボンシティ実現に向けた包括連携協定を締結しました(狛江市HP内へリンク)

啓発・イベント

ゼロカーボンシティの実現には、市民の方の脱炭素に対する意識の向上、行動が必要不可欠となります。市民の方の環境に関する知識習得や学習機器の提供として、地球温暖化を含めた環境問題や省エネなどをテーマとして様々な啓発イベントを実施しています。

こまエコまつり

環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高める環境月間の6月に実施している狛江市最大の環境イベントです。
次世代燃料自動車、地球の今と未来を映すデジタル地球儀、1万個の積み木遊び、 スーパーボールすくいなど、楽しみながら環境の大切さを感じることができるイベントとなっています。
 

こまeco通信

環境施策に関することやイベント情報を発信するために、年3回(主に5月、9月、2月)発行し、市内の全世帯に配布している環境広報紙です。
地球温暖化に関する情報から、省エネ・節電、生物多様性から治水対策など、環境に関する幅広い分野をわかりやすくお伝えしています。

(詳細)環境広報紙「こまeco通信」
 

狛江市環境政策課X

狛江市の環境に関する情報は環境政策課がSNS(X)でも情報発信をしています。主催するイベント等の情報、各種募集情報等を随時発信しています。

(詳細)狛江市環境政策課公式X(外部リンク)
 

各種講演会・セミナー

地球温暖化や環境問題に関連するテーマで、小学生や親子、様々な世代を対象とした講演会・セミナーを実施しています。