躍動人 Vol.8

市長対談コーナー 第8回
井上 繁規(いのうえ しげき)さん(元東京高等裁判所判事・部総括)

 市内の各分野で活躍されている方(躍動人)に、市長がお話を伺うコーナーです。
 今回の躍動人は、令和3年11月に瑞宝重光章を受章された、狛江市民であり元裁判官の井上繁規さんです。40年間務められた裁判官のお仕事や裁判員制度などのお話について伺いました。

瑞宝重光章を受章されて ~狛江市との関わり~

市長 この度は、瑞宝重光章の受章おめでとうございます。
井上 ありがとうございます。天皇陛下からもねぎらいのお言葉を頂きましたが、40年間にわたり裁判に尽力した功労を評価していただいたことに感謝しており、光栄に思います。長年の苦労が報われたと感じています。特に体調に問題なく勤め上げ無事に退官することができたのは、家族の支えがあったからこそです。
市長 井上さんはいつから狛江市にお住まいですか?
井上 出身は福岡県ですが、東京勤務が長くなったこともあり、平成10年頃から狛江市に住むようになりました。それまでは家族と札幌・大阪・那覇など全国を10カ所ほど転勤してきました。仕事以外でも、各地の観光地巡りを楽しむことができ、非常に良い思い出となっています。
市長 色々な地域を見てきた井上さんにとって、狛江の住み心地はいかがですか?
井上 本当に住みやすいですね。コンパクトで自然も多く、街としてまとまっていると思います。私は多摩川の河川敷がとても好きで、6歳になる孫とよく散策をしています。
市長 利便性の面でも、副都心新宿に近いし、千代田線に繋がっているので都心の大手町や霞ケ関までスムーズに行くことができますよね。
井上 交通の便も良いし、自然も豊かですし、非常に充実した生活を送ることができています。

裁判員制度

市長 井上さんは民事の裁判をご担当されていたと伺っています。
井上 裁判官は、最初の15年くらいで民事と刑事の担当に分かれることが多いです。最初、私は主に民事を担当することになり、それ以降不動産事件やお金の貸し借りの事件などの民事裁判に40年間従事してきました。
市長 現在はまだお仕事を続けていらっしゃるのですか?
井上 裁判官は65歳で定年退官して、そのあと厚生労働省で労災事件を審理する労働保険審査会委員として6年間勤めました。現在も審査会の法務相談役として、厚生労働省にまた勤めています。
市長 市民の皆さんも関係するお話で「裁判員制度」というものがありますよね。実際に通知が来た方からお話を聞くこともあります。
井上 1つの重大事件につき約70名に裁判所への呼び出し状を出していますが、最終的に選ばれるのは正裁判員6名と補充裁判員3名です。原則として辞退はできない義務になります。事前に勉強して行く必要があるのかと重く考える人もいますが、何も勉強しないで来て、常識的な意見を述べてくださいというのが裁判所のスタンスなんですよ。
市長 本当に自分に務まるのだろうかと心配してしまう方もいらっしゃるかと思いますが、身構えてしまう必要はないということですね。
井上 そうですね。選ばれたら裁判官が法律上の問題などについて、懇切丁寧に説明しますので、「裁判」に対する堅苦しい先入観は捨てて、ぜひ積極的に法廷に立ってほしいです。
市長 変に先入観を持ってしまってはダメなんですよね。どうしても刑事ドラマとかのイメージに引っ張られてしまいがちですが…。
井上 ドラマや映画を見ていると、裁判官が華々しく活躍したり、実際の事件現場に行くようなシーンがありますが、裁判官が現場に行くことはまず無いです。ひたすら記録や証拠を見て、判決をするというのが基本です。休日にも記録を家に持ち帰り、夜遅くまで証拠を分析して、調査・研究し、判決の草案を作成します。どの裁判官も非常に質素でつつましやかな生活を送っています。

若者たちへのメッセージ

井上 私は松原市長と同年代なのですが、市長はまだ精力的に仕事をされているので素晴らしいと思います。
市長 ありがとうございます。まちづくりと人づくりの両方に力を注いでいて、「日本一やさしいまち」を目指して頑張っています。
井上 確かに狛江市からは優しさや温かさという印象を受けます。
市長 せっかくの機会ですので、若い人たちに何か伝えたいことなどはありますか?
井上 裁判官も検察官も、女性の割合は現在2割ぐらいです。まだまだ少ないとは思いますが、以前に比べれば増えていますし、活躍の場も広がっています。ぜひ若い人たちにも積極的に司法の道へ挑戦し、活躍していただきたいと期待しています。
市長 井上さんもその知見と経験を生かしながら、さらなるご活躍を願っています。ぜひ今後は狛江のまちづくりにもご協力いただければと思います。本日はありがとうございました。

 

狛江市男女共同参画推進フォーラム
「自分らしく生きるために~無理をしないで一歩ずつ~」

 生きづらさを感じている方に向けて、家田さんより自分らしく生きることへのエールをいただきます。
〔日程〕令和4年1月16日(日曜日)午後1時30分~3時10分(1時開場)
〔会場〕防災センター4階会議室
〔定員〕先着90人(要予約)
※1歳~未就学児の託児あり(要予約・先着3人程度)。
※手話通訳・要約筆記あり。
〔講師〕家田荘子さん(作家)
〔申し込み・問い合わせ〕12月15日(水曜日)午前8時30分から令和4年1月7日(金曜日)までに、氏名(ふりがな)・電話番号、家田さんに聞いてみたいことがある方はその内容を、電子申請・電話またはファクス(受付開始前は無効)で政策室市民協働推進担当へ。


申請フォーム

 

参加と協働市民フォーラム
「第6回狛江☆サミット~私のスキルを生かせるボランティアって何だろう~」

〔日程〕令和4年1月23日(日曜日)午前10時~正午(9時40分開場)
〔会場〕防災センター3階会議室
〔対象〕これから市民活動(ボランティア・団体活動等)を始めたいと考えている方・興味のある方
〔定員〕先着50人(会場参加の方)
※講演会は、ビデオ会議アプリ「Zoom」を使用したオンライン参加もできます(先着20人)。
〔内容〕高橋葉子さん(NPO法人CRファクトリー講師)による講演、団体出展ブースにおける団体紹介等
〔出展団体〕:バルーンアートふうと〈風翔〉、コンティーゴあなたと一緒(人形劇)、狛江要約筆記サークルこまくさ、こまえくぼ広報部会、にほんごしえん(国際)
〔申し込み〕電話・ファクスまたは 電子メールinfo@vc.komae.orgでこまえくぼ1234 電話(5761)5556、 FAX(5761)5033へ。
〔問い合わせ〕政策室市民協働推進担当