市長対談コーナー

第7回 山村 拓郎さん(狛江市薬剤師会会長)

 市内の各分野においてご活躍されている方(躍動人)に、市長がお話を伺うコーナーです。
 今回の躍動人は、狛江市薬剤師会会長の山村拓郎さんです。市民の健康を支えていただいている薬剤師会の仕事や役割について、山村会長にお話を伺いました。

薬剤師会と薬局の役割~街中の健康ステーション~

市長 いつも狛江市民の健康を支えるためにご尽力いただきありがとうございます。薬剤師会とはどのような組織でしょうか。
会長 もともとは街の薬局が集まっていた任意の団体でしたが、平成23年7月に法人格をとり、一般社団法人となりました。どのような時でも市民の皆さんへお薬を安定して供給することが私たちの使命です。処方箋のお薬、市販のお薬、いずれもどんな時でも手に入ることを維持していくのが、薬剤師会の目的です。
市長 実は私のおじも昔薬局を開いていました。
会長 我々が子どもの頃は、お腹が痛かったり少し熱があると、病院に行くのではなくて薬局に行ったものでした。薬局で薬剤師に相談すると、適切なお薬を選んでくれました。
市長 私も薬局に行く時には少し喉が痛いといった症状を薬剤師さんに聞いてもらって、それならばこのお薬が良いなどといったアドバイスをいただくのですが、これが薬局の役割ですよね。
会長 最終的には医者でないと治療はできませんが、その前の少し迷った段階では薬局に寄っていただき、少し調子が悪いなどの話をしていただけると、病院に行くべきかお薬で治せるかなどの相談もできます。そのような形で気軽に使っていただくのが本来の薬局の姿だと思います。
市長 うまく薬局を利用するにはどのようにすればいいでしょうか。
会長 一番いいのは、とにかく相談があれば気軽に薬局に入っていただくということです。顔見知りの薬剤師がいれば、処方されたお薬の話などから、体調のことなどもご相談いただけるので、ふらっとでいいので薬局を使っていただいて、ささいなことでもご相談していただければと思います。ご相談だけならどんなに話しても無料ですので。
市長 いいですね。薬局は体と心の相談の窓口ですね。
会長 私は、薬局は街中の健康ステーションと呼んでいるのですが、そのような形でご利用いただければ、それが本来の薬局の姿だと思います。

子どもたちの安心と安全を守る学校薬剤師

市長 学校薬剤師という方が各小・中学校にいらっしゃって、児童・生徒の皆さんに対していろいろとご指導いただいていますが、学校薬剤師はどのような役割を担っているのでしょうか。
会長 今年のように新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行すれば、消毒などといったテーマで指導させていただくこともあります。また、子どもの環境衛生として、照明などの検査を毎年行い、異常がないことを確認し続けていくことが学校薬剤師の使命であると思います。学校薬剤師は子どもたちがいない所で検査をしているので、その存在はあまり目立たない部分も多いですが、目立たない所で子どもの安心と安全を見守っているというのはやりがいのある仕事です。
市長 最近では子どもが薬物に手を出してしまうケースも少なくないと聞きます。この点ではしっかりと取り組んでいかなければいけませんね。
会長 特に覚せい剤などの薬物は近年低年齢化してきています。今では小学生でも覚せい剤に手を出してしまうという現実があります。薬物に対する正しい知識を伝えていくのも学校薬剤師の大事な仕事であり、各学校で学校薬剤師が薬物に関する教室を開いています。
市長 やはり小・中学生のうちから正しい知識を確認してもらうのが大事ですね。いろいろなご指導をしていただきありがとうございます。

健康づくりでの薬剤師会の関わり

市長 人生100年時代と言われていますが、薬剤師会ではどのようなサービスがありますか。
会長 ご自宅へ薬剤師がお薬を持って訪問し、お薬の説明や健康相談をさせていただく訪問サービスがあります。住み慣れた自分の家で元気に長生きするということに、薬剤師もお手伝いをさせていただいています。
市長 薬剤師の方が自宅へ訪問してくれるサービスがあるとは知りませんでした。そのサービスは大変助かりますね。
会長 薬局と言うとお薬を渡すのが仕事だと言われていますが、それで終わりではありません。お薬を渡した後もお薬を飲まれている患者さんのご相談に乗り、患者さんを見守り続けることも大切な役割だと思っています。
市長 市民の健康づくりに、薬剤師の先生方のご協力を今後もよろしくお願いします。