1 日時 平成31年6月7日(金曜日) 午後3時~4時17分
2 場所 防災センター 3階会議室
3 出席者

会長   松原俊雄(市長)
委員 佐藤 正志、千葉 眞理、鈴木 晃子、有馬 守一(教育委員会)

事務局  髙橋良典(企画財政部長)、田部井 則人(政策室長)、小嶺 大進(教育部理事兼指導室長)、上田 智弘(教育部長)、宗像 秀樹(学校教育課長)、白鳥 幹明(社会教育課長)、安江 真人(公民館長)、西田 久美子(図書館長)

4 欠席者 なし
5 議題

○協議・調整事項

 1.小・中学校屋内運動場の空調設備設置について

 2.第2期狛江市教育振興基本計画の改定について

 3.狛江市教育支援センター事業計画について

○報告事項

 1.狛江市立学校給食費に関して意見を求めることについて

 2.教科書採択の概要について

6 提出資料

第1回資料.pdf [6,726KB]  

7 会議の結果

 

市長 これより、平成31年度第1回狛江市総合教育会議を開会します。はじめに本日の議事および出席者について、事務局から説明をお願いします。

 

学校教育課長 本日の会議につきましては,協議・調整事項3件、報告事項2件を予定しております。協議・調整事項の1件目は、「小・中学校屋内運動場への空調設備設置について」、でございます。こちらは小・中学校の屋内運動場への空調設備計画について、協議をさせていただくものでございます。協議・調整事項の2件目は、「第2期狛江市教育振興基本計画の改定について」、でございます。こちらは、去る5月15日に開催いたしました、教育委員会第5回定例会におきまして、第2期狛江市教育振興基本計画の改定方針を定めましたので、協議させていただくものでございます。協議・調整事項の3件目は、「狛江市教育支援センター事業計画について」でございます。こちらにつきましても、教育委員会第5回定例会におきまして、(仮称)狛江市子育て・教育支援複合施設において実施いたします、狛江市教育支援センターの事業計画を定めましたので、協議させていただくものでございます。報告事項の1件目につきましては、「狛江市立学校給食費に関して意見を求めることについて」、でございます。こちらは、狛江市学校給食費検討会設置要綱第2条の規定に基づき、現在の給食費が適正であるか、狛江市学校給食費検討会に意見を求めましたので、ご報告させていただくものでございます。

報告事項の2件目につきましては、「教科書採択の概要について」、でございます。こちらは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第21条第6号の規定に基づき、行います教科書採択について、その概要をご報告させていただくものでございます。次に、本日の出席者につきましては、資料1のとおり、事務局として、市企画財政部から、髙橋企画財政部長兼子育て・教育支援複合施設準備室長と田部井政策室長が、教育委員会教育部から上田教育部長、小嶺教育部理事兼指導室長、白鳥社会教育課長、安江公民館長、西田図書館長、学校教育課長のわたくし宗像以下、学校教育課職員2名が出席しております。事務局からの説明は、以上です。

 

市長 事務局の説明が終わりましたので、議事を進めます。まず、『協議・調整事項(1)小・中学校屋内運動場への空調設備設置について』、事務局から説明をお願いします。

 

学校教育課長 はじめに、小・中学校屋内運動場の空調設備設置状況ですが、緑野小学校と狛江第二中学校が設置済みで、狛江第一小学校は今年度中に設置いたします。小・中学校の体育館への空調設備設置に対し、東京都補助金の特例措置の関係がございますことから、未設置となっている小学校4校と中学校3校の設置予定を整理いたしました。令和2年度は、市内地域の設置バランスも踏まえ、夏季期間中における部活動に配慮し中学校3校への設置と、狛江第三小学校では大規模改修を令和2年度から2~3年間の計画で予定しており、毎年、改修時期は夏季休業中を含み4カ月程度を見込んでいることから改修期間にあわせて設置を予定しています。令和3年度は、狛江第五小学校、狛江第六小学校、和泉小学校の3校に設置し、これにより小・中学校全校の屋内運動場への空調設備設置を完了する予定です。説明は、以上となります。

 

市長 それでは、本件について、質疑・意見交換を行っていきたいと思います。意見等ないようでしたら、小・中学校屋内運動場への空調設備設置については、教育委員会の提案について、財源等の検討課題がありますので、市長部局で最終調整させていただきます。それでは、これで本件を終了します。

次に、『協議・調整事項(2)第2期狛江市教育振興基本計画の改定について』、事務局から説明をお願いします。

 

学校教育課長 『協議・調整事項(2)第2期狛江市教育振興基本計画の改定について』、説明いたします。

本件につきましては、今年度終期を迎えます第2期狛江市教育振興基本計画について」、その改定に向けた方針を定めましたので、協議させていただくものでございます。位置付けといたしましては、現在の計画同様、教育分野のマスタープランおよび狛江市の教育大綱としての位置付けも持つものとし、現在改定作業中の市の総合基本計画および、市の各種計画との整合性を図る他、国や都の関連計画も参酌し、策定してまいりたいと考えております。検討にあたりましては、学識経験者、教育関係有識者、市民委員で構成する狛江市教育振興基本計画改定検討委員会を設置いたしまして,検討を進めてまいります。スケジュールといたしましては、12月までに素案を決定し、パブリックコメントを経て、令和2年3月上旬の教育委員会定例会において審議をお願いする予定としております。説明は以上です。

 

市長 本件については、現在改定作業中の狛江市第4次基本構想および前期基本計画とも関連するものですので、現在の検討状況について、事務局より説明お願いします。

 

政策室長 私から参考資料1の「狛江市第4次基本構想(素案)」に基づいて説明をさせていただきます。現在の基本構想である「狛江市第3次基本構想」の計画期間が今年度で終期を迎えることから次期基本構想である「狛江市第4次基本構想」の策定に昨年度から着手を予定、現在素案としてまとまっています。1ページの「2.計画期間」ですが、現在の基本構想と同様の10年間として令和2年度から令和11年度までとしています。

次に2ページ「3.狛江市の将来都市像」についてです。将来都市像は「ともに創る 文化育むまち ~水と緑の狛江~」としています。現在の将来都市像として掲げてきました「私たちがつくる水と緑のまち」に込められた想いを引き継ぎ、さらに成長・充実させていく想いを込めて将来都市像を設定し、市民・議会および行政が一体となってその実現を目指します。この将来都市像に込められた想いについて、まず「ともに創る」ですが、市民参加と市民協働によるまちづくりをより一層進め、安心して住み続けられるまちをともに創っていくという想いが込められています。次に「文化育むまち」ですが、水と緑を大切にする想いや、コンパクトさを活かした市民同士のつながりや絆等、狛江で育まれ、かつ受け継がれてきた狛江らしい文化をより一層育み、愛着や誇りを持てる魅力あるまちを目指していくという想いが込められています。最後に「水と緑の狛江」についてです。多摩川や野川などに代表される狛江の貴重な財産である自然環境を大切に守り活かすことで潤いや安らぎを与えてくれる自然環境と、いつまでも住み続けたいと感じる良好な住環境、農商工業を通じた活気やにぎわいが共存しているまちづくりを進めていくという想いが込められています。次に3ページ「4.まちづくりの視点」です。将来都市像を実現するための土台となり、各分野のまちづくりに共通する重要な視点として2つ定めています。1つ目が「お互いを認め支え合い、ともに創る」というものです。まちづくりの主体である市民を始め、地域を支えるさまざまな主体が連携・協働することで、安心して住み続けられる狛江らしい街をともに創っていくこと、市民一人ひとりが思いやりを大切にし、差別や偏見のない心を持ち、お互いを支え合いながらまちづくりを進めていくいことの大切さを示しています。続いて4ページの視点の2つ目として「狛江らしさを活かす」を定めています。狛江市の特性であるコンパクトさは単に地域が狭いというだけでなく、市民同士の距離が近く、地域コミュニティの機能を高めていることからさまざまな分野のまちづくりに寄与する特性と捉えています。また、コンパクトさや都心に近くかつ水と緑が豊であること、狛江ブランドの農産物、市内に数多くある古墳や史跡などの狛江の特性や魅力を狛江らしさと捉えて発信することで、狛江に住みたい、狛江に住み続けたいと思ってもらえるような愛着や誇りをもてる街づくりを進めていくことの大切さを示しています。次に5ページ「分野別のまちの姿」です。将来都市像を実現するため8つのまちの姿を定めて各分野のまちづくりを進めていくこととしています。各分野のまちづくりの詳細内容については6ページから9ページまでに記載しています。各分野のまちづくりを進めるにあたり、先ほどの重要な共通の視点である2つのまちづくりの視点を全分野に共通する核として実施していくことを位置付けとしています。以上が第4次基本構想(素案)の説明になりますが、最後に今後の予定として現在は素案のパブリックコメントを実施しているところであり、6月14日までの期間としています。この期間に寄せられた意見が取りまとまった後、諮問機関である佐藤委員に参加いただいている狛江市総合基本計画審議会から最終答申をいただき、市の基本構想案として策定したいと考えています。その後本年9月に開催予定の第3回定例会での上程を予定しています。説明は以上です。

 

市長 それでは、本件について、質疑・意見交換を行っていきたいと思います。

 

佐藤委員 「ともに創る」「文化育むまち」「水と緑の狛江」、この3つのキーワードで構成されています。これはすべて教育の分野にも当てはまるものです。例えば、「ともに創る」というは、「地域コミュニティ」の問題で、さまざまなところで児童虐待などの問題が生じています。私が校長だったとき、保護者が孤立しがちになると相談相手が居ない時に子どもにあたってしまうということがありました。その時にPTAを核にしながらその保護者や家庭を支える保護者同士のネットワークを作ることが非常に大事だと思いながら学校経営をしてきました。地域の子どもたちは地域で育てる。地域コミュニティとして育てていく考え方が大切だと思います。午前中に狛江第三中学校に学校訪問で伺いました。そこで学校と地域の連携づくりとして、「和泉の日」というものをつくり、地域活動を行っていると聞きました。そこには和泉小学校の児童も参加していることもあり、地域で子どもたちを育てていくという意識をつくるきっかけになると思いました。そのような意味でも「ともに創る」ということを教育分野でどのように考えていくのか、「文化育むまち」「水と緑の狛江」も含め学校教育分野でどのように具現化していくのかが大事だと思います。素晴らしい将来都市像を作成していただきましたので、それを教育振興基本計画にも活かせるようにしていただきたいと思います。

 

熊谷委員 佐藤委員からも話があったように、「分野別のまちの姿」が1から8までありますが、ほとんどが教育委員会と関連性があるものです。教育振興基本計画でどのように具現化していくか、これが今後のテーマだと思います。非常に良い内容だと思います。

 

千葉委員 「生涯を通じて学び、歴史が身近に感じられるまち」についてです。以前は子どもたちの間でも、亀塚や兜塚などを友達と見に行ったり、水神様などの話題が出たりしていましたが、ここ数年はあまり話題になってないと感じます。教育委員会でも身近な古墳等について、啓発・継承に向けた取組みを行っていますが、今回基本計画に明記されたことで、まちづくりの一環として、市全体で取り組んでいけると期待を持てます。施設等の整備も含め、市民に狛江にはこんなに素晴らしいものがたくさんあるということを理解していただけるようにしていければと思います。

 

市長 歴史は時間が経ってしまうと詳細なことが分からなくなってしまいます。正しい歴史を継承していくことも重要ですし、子どもたちが狛江の歴史を知ることによって愛着につながる部分もあるますので重要な施策だと思っています。              

 

鈴木委員 狛江は平坦で、犯罪率も低く、市内で危険な場所というのはあまり思いつきません。安心して子どもたちを育てていけるというのは、大きなポイントとなりますし、子育て以外の世代にとっても「安心・安全」というのは生活する上で基本となります。市民の暮らしは一様ではなく、多様な暮らしがあると思いますが、すべての方が生き生きと生きていけるまちづくりへ繋げていけるように、次世代の子どもたちを育て、繋げていけたら良いと思います。

 

教育長 狛江の子どもたちが狛江の良さを聞かれたときに、「都心に近い」ということ以外思い浮かばないのが現状だと思います。それは我々大人が、子どもたちに狛江の優れている点やその根拠をきちんと伝えているのかを問われているのだと思います。その部分については、私たちが努力していかなくてはいけない部分だと痛感しています。それは単に狛江に古墳があるだけでなく、なぜたくさん残っているのか、そこまで考え伝えていく必要があります。なぜ、狛江には古墳がたくさん残っているのか、これは狛江が一種の水源地であったことの証です。多摩川だけではなく湧き水もありました。現在、緑に変わっているところはすべて水源であったということを示すものです。それを子どもたちがどれだけイメージできるでしょうか。この水源地であったことの誇りは、小さな市でありながらどこにも合併しないでここまできた証だと思います。これからも周りの人たちから尊敬される地域でありたいと思っております。一歩先んじて行い、その成果を他の地域が生かしていけるそんな自治体でありたいと思い、特別支援教育やプログラミング教育など、他から見ると狛江は一歩進んでいるということを実施してきました。基本計画や教育振興基本計画も他の自治体よりも一歩でも踏み出す計画にしていきたいということが私の思いです。ぜひ新しい計画づくりにご協力をお願いします。

 

佐藤委員 先日旧狛江第四小学校に行ってきました。現在そこにはたくさんの出土品等々が保管されています。非常に貴重なものにもかかわらず、市民の目に全く触れない状態で保管されています。それらを何らかの形で少しずつ市民に紹介していく。そのようなことは、「歴史が身近に感じられるまち」の重要な施策になると思います。これは教育振興基本計画における社会教育と学校教育との連携協力にも繋がってくる施策だと思いますので具体化できると良いと思います。

 

市長 「狛江市が他よりも進んでいる」、「他よりも良い状況になっている」というご意見をいただきました。それは歴史も含め、よい意味で狛江が他の地域とは違うということを示していると思います。もちろん保管しているものは市民の共有の財産です。私は今年の所信表明で「シビックプライドの醸成」を表明しました。狛江市民の皆様が自負を持つ、まちに愛着を持つということが大切だと思います。皆様からいただいた意見は、シビックプライド醸成していく上で重要なものとなると思いますので、連携して取り組んでいければと思っています。ここで私から、人権と絵手紙について、お話をさせていただきます。

6ページにある「人権が尊重されるまち」を目指す。これは参加と協働とともに、まちづくりの基本となるものと考えています。現在、(仮称)人権尊重基本条例策定に向けた委員会を設置して議論を進めております。これはすべての市民が対象となるものです。これまで人権教育については、各学校で行ってきていると思いますが、「人権を守れるまち」、「人権が尊重されるまち」に向け、さらに進めていければと思っています。佐藤委員からご指摘のあった児童虐待防止、それに向けた地域との連携というのは人権尊重という意味でも大切なところです。それらも踏まえて策定していきたいと思います。

次に絵手紙についてです。狛江市は「絵手紙発祥の地」ということで、さまざまな活動を行っています。それにふさわしい文字、絵、日本の文化というものを教育に活かしていっていただきたい。絵手紙は狛江市在住の小池邦夫さんが狛江郵便局で絵手紙教室を始めたのがきっかけで、全国そして世界に広がっていきました。絵手紙は、短文で自分の気持ちを表すことと、その気持ちを相手に伝える力が必要です。気持ちや季節感を絵で表し、見た人の心の中に響かせる。現在メールやツイッターなどでやり取りする子どもたちが多くなっていますが、そうした時代にこそ心や感情が込められた自分の言葉を自分で表現することがより一層大切になると感じています。小池さんは武者小路実篤を学んだ方です。実篤氏は書画のプロの芸術家ですが、小池さんは芸術家と違い、庶民の誰でも描けるものとして絵手紙を発案しました。現在小学校の3・4年生で絵手紙教室を行い、中学校では1年の時に絵手紙を学んで入りと思います。絵手紙は「自分の言葉を自分で表現する」そうした力がつくと私は考えています。絵手紙文化を狛江の中でつくり上げて行きたいと考えています。

 

教育長 作品を見させていただくこともありますが、非常に素晴らしい作品があると思います。創作展や文化祭などに展示コーナーを設けるなど、市民の方や子どもたちが気軽に作品を応募でき、素晴らしい作品は多くの人に見ていただく。そのような機会や表彰などの仕組みがあってもいいのではないかと感じています。

 

市長 今は狛江駅、市内の民間施設の掲示板等で絵手紙を展示しています。小学生から応募してもらったものをこまバスのラッピングとして展示したこともありました。また子どもたちの作品を市庁舎や市内の地域センターで巡回展示も行いました。来年は市制50周年ですのでその中でも絵手紙を活用しながら、子どもたちに「自分の言葉を自分で表現する力」を付けていただきたい。また小池先生は絵手紙で順位を付けることが嫌いな方ですので、順位ではなくて他の賞をつけて表彰等を行うなど、何らかの方法で市民の方に見ていただこうと思っています。ただ先ほど申し上げたとおり、全国的なもので、小池先生が講演すれば全国から多くの人が集まります。狛江から発信すれば全国から絵手紙が集まります。そうしたことも踏まえ、狛江は絵手紙発祥の地であることを子どもたちにも分かっていただきながら、絵手紙の力を借りて、表現力や文章力、絵を描く力、表現力を付けていただければと思っています。

 

佐藤委員 人権尊重基本条例については、とても大事なことだと思います。小・中学校の段階でその理念を教えるだけではなく、具体的な場面で子どもたちに指導していくことが大切だと思います。子どもたちの中で人権問題が顕著に現れるのは、いじめと不登校だと思います。いじめは基本的に子どもの基本的人権を否定する行為で、不登校は子どもの学習権が奪われた状態です。そしてもう一つが虐待です。そのような子どもたちの身近に存在する人権問題に適切に対応する質・能力を育てていくことが市長の仰っている人権尊重の趣旨に則った教育活動になると考えますがいかがでしょうか。

 

市長 そのとおりだと思います。子どもたちの身近な人権問題を具体的な事例を通じて話をしていく。具体的な場面で人権尊重ということを訴えていく。子どもたちと関係ない事柄を話しても子どもたちには響かないと思います。

 

千葉委員 私がいつも願うことは、小さい子どもの命を守りたいということです。虐待というといつもそれを考えてしまいます。自分だけではどうにもできない小さい子どもたちの命はやはり親だけに任せておけません。親を支えることで子どもの命も守ることになると思います。狛江市では絶対に悲しい事件は起こさない。起きて欲しくないというのが強い想いです。できれば自分たちのことだけではなく、困っている人や大変な思いをしている人を助ける力も持ってほしいと思います。そうしたことは子どもたちに教育の中で教えていくことだと思いますが、狛江には自らの知識や能力を活かして人生を豊に過ごしている方もがたくさんいらっしゃいます。そのようなまちだからこそ、困っている人に手を差し伸べようということがもっとできるのではないかと期待しています。例えば絵手紙にしても、震災で悲しんでいる人に絵手紙を送り、もらった人がそれで元気になり,その後も大切にしているというニュースを見たことがあります。そのような誰かの助けになればという思いで行動できる子どもたちを育てることができたら良いと思います。

 

市長 自分だけではどうにもできない子どもたちについては、保護者の支援が重要だと私も感じています。また誰かのためにということは、まさに「人にやさしいまちづくり」に繋がるものです。小池先生が北海道の被災地に大きな絵手紙を送ったことがあります。それは現地で新聞に取り挙げられるほどの話題になりました。その前身ともいえるのが、中越地震の時に旧川口町に狛江市民が作った大きな寄せ書きです。これを狛江市の支援部隊のテントに掲げておいたところ川口町の方に喜んでいただきました。そういったこともあって学校から被災地に絵手紙を送ったこともあったと思います。義援金といったお金だけではなく、心が大切だと思います。励ましや心の豊かさを絵手紙は感じるところがありますので被災地などに送るということは大切だと思います。

 

鈴木委員 私の子どもたちも学校で描き、自宅の見えるところに掲示してあります。自分の書いたものだけでなく、周りの子どもたちの絵手紙を見ることで、一枚の絵に、一言文字を添えることでどれだけインパクトを与えられているか、お互いに見て、いいなと感じられる。それは教育的な部分として情操的にも望ましいものだと思います。今後も続けていっていただきたいと思います。

また人権についてですが、息子が成人式に出席した際にアトラクションで「新成人の主張」をやっていました。その中で,目の不自由な方が困っていた場面に遭遇した時のエピソードを話した子がいました。「私は困った人を助けていきたい。皆も頑張ろう」ということを一生懸命訴えていました。私はその姿に感動しました。狛江の子どもたちは素晴らしいと思いました。そうした子どもたちが活躍していくのがこれからの狛江だと感じ、頼もしく思いました。

 

市長 人権尊重とやさしさは表裏一体のものでもありますが、そうした気遣いは大切だと思います。ひととおり、皆さんからご意見を伺いました。「第2期狛江市教育振興基本計画の改定について」は、教育委員会提案のとおり、現在の計画同様,教育分野のマスタープランおよび狛江市の教育大綱としての位置付けも持つものとして策定することとします。

本日いただきました意見も踏まえて、議論を行っていただきたいと思います。

それでは、これで本件を終了します。次に、『協議・調整事項(3)狛江市教育支援センター事業計画について』、事務局から説明をお願いします。

 

指導室長 『協議・調整事項(3)狛江市教育支援センター事業計画について』、説明いたします。

本件につきましては、(仮称)子育て・教育支援複合施設の新設に伴い、狛江市教育支援センターの事業計画を定めましたので、協議させていただくものでございます。本事業計画は、子育て・教育支援複合施設整備に伴い、教育支援センターの管理運営方法等、基本的な内容を定めたものです。

内容といたしましては、現在教育委員会事務局および教育研究所で実施しております機能に加え、子ども家庭支援センター、児童発達支援センターと連携して、児童・生徒の成長発達段階に応じた切れ目のない支援を行うため、実施事業・職員体制等を定めております。また,現在教育研究所で行っている教育研修センター機能,特に教職員の研修への対応についても大きな柱の一つであります。研修機能の拠点や研修場所についても今後教育委員会において教職員と密接な連携が図れる体制の構築を検討してまいります。今後、子育て・教育支援複合施設準備室や各センターの所管部署と連携し、次年度の開設に向けて準備をしてまいります。

説明は、以上です。

 

市長 それでは、本件について、質疑・意見交換を行っていきたいと思います。子育て・教育支援複合施設準備室長から何かありますか。

 

準備室長 市長部局が所管する子ども家庭支援センター、児童発達支援センターにつきましても、同様に事業計画を定め、開設に向けた準備を進めております。子育て・教育支援施設の基本的な考え方である、「きづく」「よりそう」「ささえる」「つなぐ」の4つの視点から、子どもの育ちや発達を切れ目なく支える施設の開設に向け、教育委員会と連携しながら準備を進めてまいりたいと考えております。総合施設の準備状況ですが、子ども家庭支援センターおよび児童発達支援センターにつきましては各施設の機能を具体化するため、管理・運営方法や実施事業等の基本的な内容を定めた事業計画を今年度既に策定しております。現在は両センターの運営法人についての選定の準備をしているところです。子ども家庭支援センターについては現在、社会福祉法人の雲柱社に委託しておりますので、平成30年度の子ども家庭支援センターの実施状況を評価し、その結果が良ければそのまま運営事業者として随意契約する方式を考えております。また,児童発達支援センターにつきましては新たに設置をすることから運営事業者の選定は広く、公募によるプロポーザル方式を取ることで考えておりますが、両センターの連携の考え方等についても評価の視点とすることを想定しております。工事につきましては既に着手しておりますが,令和2年4月中旬に工事を終え、4月下旬より開設する予定としているところです。今後は施設で導入するシステムの導入事業者の選定や現在仮称となっている名称の決定、条例改正等も適宜行っていくところです。

 

佐藤委員 複合施設として、総合的に子どもの発達や教育を支援していく素晴らしい施設になることを期待しています。教育委員としては、教育支援センター事業計画の8ページにあります、「教育研修センター機能」を可能な範囲で充実させていくことが狛江の学校教育のためには欠かせない機能だと思います。先ほど指導室長から研修の話がありましたが、それと同時「教育に関する情報の収集・整理・提供」という部分までいけたら良いと思います。単なる集めた情報を提供するだけではなく、教育委員会として教育支援センターとしてこれからの教育のあり方を調査・分析して発信していく。そのような研究機能まで踏み込めたら良いと思います。これから教育を取り巻く環境は大きく変わっていきます。今、子どもたちが置かれている状況にどのように対応するのかだけではなく、その先を見据えてより積極的な施設になるためには教育センター機能を更に充実させていくことが必要だと考えています。

 

指導室長 今のご指摘のとおり、実際に教育のさまざまな情報を集めるだけではなく、それをいかに学校で活用していくかということが重要なことだと思います。実際の教育課題に対してどのような情報で指導していくかということについてもしっかりと研究を進め、情報発信できる様な体制を検討してまいりたいと思います。

 

市長 ひととおり、皆さんからご意見を伺いました。「狛江市教育支援センター事業計画について」は、了承するものとし,子育て・教育支援複合施設準備室や各センターの所管部署と連携しながら開設に向けた準備を進めていくこととします。それでは、これで本件を終了します。次に、『報告事項(1)『狛江市立学校給食費に関して意見を求めることについて』、事務局から説明をお願いします。

 

学校教育課長 『報告事項(1)狛江市立学校給食費に関して意見を求めることについて』、説明いたします。

これまで狛江市立小・中学校給食では、食材価格の上昇に対し、献立の変更やできるだけ安価で納品できる業者を探す等の運用による対応を行ってきましたが、昨年度には文部科学省の摂取エネルギー量の見直しもあり、おいしく安心安全な給食の提供が困難となってきました。このため、狛江市立学校給食費検討会設置要綱第2条に基づき、「狛江市立学校の適正な給食費について」を小・中学校の校長・栄養士・PTAの代表等で構成する検討会に意見を求め、令和元年5月30日に第一回の会議を開催しています。説明は以上です。

 

市長 それでは、本件について、ご質問等ございますでしょうか。

 

鈴木委員 給食費については今後公会計化も進めると聞いています。現在は市から400円の補助が出ていますが、今後はどうなるのでしょうか。

 

学校教育課長 ご質問いただきましたとおり、現在は小学校・中学校ともに私会計で行っており、そこに市より児童・生徒一人当たり400円の補助を行っているところです。令和2年4月からは給食費は公会計となりますので、補助にはそぐわないものとなります。そちらの対応については担当部署と相談しているところです。

 

教育長 公会計化は必要な措置でありますし、給食費の見直しも必要に迫られていることは致し方ないと考えています。格差の問題やさまざまな不安が保護者の中でもあろうかと思います。公会計化後も、保護者負担軽減等の支援ついて、市長部局との連携を図っていきたいと思います。

 

市長 本件については、ご意見等も踏まえながら検討していきたいと思います。

次に、『報告事項(2)『教科書採択の概要について』、事務局から説明をお願いします。

 

指導室長 『報告事項(2)『教科書採択の概要について』、説明いたします。教科書採択に係る事務につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第21条第6号の規定に基づき、教育委員会がその事務を管理・執行いたします。また、教育委員会において必要な事項を定めることを目的として、狛江市立小学校及び中学校教科書採択に関する規則・同実施要綱を定めております。

これらの例規に基づき、対象となる教科書について詳細な調査研究を実施するため、概要図のとおり教育委員会から教科書選定協議会に諮問を行い、同協議会では調査研究委員会・各学校からの調査報告、市民アンケートを元に答申を行うこととなっております。調査の実施においては、各種教育目標を達成するために、学習指導要領に即して教科書を活用するにあたり、各教科書にどのような工夫があるのか、特徴があるのか、教科書ごとの特徴が分かる選定資料を作成します。例といたしましては、本市教育目標にあります「人格・人権の尊重」「地域や社会に貢献する意識」「郷土や国を愛する心」等につながる工夫・特徴があるか、また、教育課題としての「主体的な学習、課題解決型学習、言語活動及び教科等横断的学習」を促す工夫・特徴があるか、また、教科書に掲載されているデジタル教材等とのリンク等、本市のICT機器の環境を生かせる工夫・特徴があるか、さらに、地域に応じた身近な事例を活用した実感を伴う学習を行える部分があるか等、各教科書の使いやすい部分、工夫している部分、特徴的なことを調査し、教育委員会へ答申をいたします。説明は以上です。

 

市長 それでは、本件について、ご質問等ございますでしょうか。

 

佐藤委員 今年度は令和2年度から使用する教科書の採択の年です。中学校についてはこれまでとあまり変わりませんが、小学校の教科書は大きく変わってきます。指導室長の説明にもありましたが、デジタル教材とのつながり、つまり教科書のいろいろなページに二次元コードがあり、二次元コードを読み取ることにより動画や写真等の資料、あるいはグラフ等を入手することができます。簡単にいうと子どもがタブレット端末をかざすことにより、そこで動画等を見ることができるというような教科書になってきています。そこで問題になるのが読み取る側の環境です。いろいろな教室でタブレット端末が必要になる状況が出てくると思います。デジタル教材を有効に活用するためには現在の学校に配備しているタブレットに加え、さらなる整備が必要になってくると思います。これは費用のかかることですが、検討していかなければいけないことだと思います。

 

指導室長 ご指摘のとおり今回、小学校の教科書につきましては二次元コードが付いている教科書が非常に多くなっています。その二次元コードを読み込むことでさまざまな情報を見ることができます。学習指導要領で求めている資質能力に向けて非常に重要なツールだと考えております。現在、二次元コードを読み取るためのタブレットについては昨年度40台追加で整備しましたので、現状は各校80台になっております。単純に全員が使うと考えると2クラス分になりますが、現状の使い方ですとグループを組んでグループごとに1台持ち、グループで活用し話し合いをするといった台数に応じた活用をしています。今後は予算等も含めてICT機器の充実につきまして必要に迫られている部分もありますのでしっかり良い方法を考えてまいりたいと思います。

 

市長 画面をプロジェクターで映す方法もあると思います。

 

指導室長 ご指摘いただきましたとおり、現在も画面をプロジェクターで大きく出して見ることができる状態にしています。特に中学校では黒板の半分にホワイトボード等を使い、授業の中でも常にプロジェクターで映したものを活用できるようにしています。他市等の中学校の授業を見ると、そのような事はありませんので非常に良い取組みをしていると自負しております。

 

教育長 市議会の改選も行われて直後に教科書採択が行われるということで、事務局の立場としては、教科書採択の性格を正しく理解していただき、適切な質問をしていただきたいと思っています。教科書の内容については文部科学省で検定というフィルターを経て最終的に我々のところ教科書として届きます。それらの中から調査・研究され、判断されていくというプロセスがあります。「この教科書が良いので採択してほしい」、あるいは「この教科書はおかしいので採択しないでほしい」という思いがあるのは自然なことですが、それを会派として議員として一般質問等で訴えることで、それが採択に携わっていただく教育委員の皆様にプレッシャーや圧力になってしまうことは避けたいと思います。そうした採択制度を歪めていくような動きがあった時には市長はじめ市長部局の方でも適正な採択について、ご支援いただきたいと思います。

 

市長 教科書採択につきましては、関連します例規等に基づいて、多くの関係者が関わって公正・公平に調査・研究が行われていることと思います。新しい学習指導要領に即した教科書活用に当たり、本市の学校や子どもたちの実態等を踏まえた選定作業につきまして、教育委員会において適正に管理・執行をお願いいたします。

最後に、「その他」です。事務局から何かありますか。

 

学校教育課長 特にございません。

 

市長 それでは、他に案件がないようですので、これで平成31年度第1回狛江市総合教育会議を開会します。