平成27年度第1回総合教育会議会議録

日 時  平成27年6月1日(月)午前10時~10時58分

場 所  狛江市防災センター401・402会議室

出席者   会 長 高橋 都彦(市長)

     委 員 熊谷 勝仁,加川 道英,中村 裕二,千葉 眞理,有馬 守一(教育委員会)

参考人  松坂 誠(児童青少年部長)

事務局  高橋 良典(企画財政部長),小川啓二(企画財政部理事兼政策室長)

     小泉一夫(教育部長),宗像 秀樹(学校教育課長)

欠席者  な し

傍聴者  8 名

議 事  ・趣旨説明 資料1 [27KB pdfファイル] 資料2 [3788KB pdfファイル] 

     ・協議・調整事項

      1.狛江市総合教育会議運営規則について 資料3 [52KB pdfファイル] 参考資料 [53KB pdfファイル] 

      2.狛江市教育大綱について 資料4 [5692KB pdfファイル] 

      3.学校施設を利用した放課後対策について 資料5 [131KB pdfファイル] 

     ・その他

-発言要旨-

 

○会長

 これより,平成27年度第1回狛江市総合教育会議を開会します。

 議事に入る前に,この総合教育会議の趣旨を事務局から説明させます。

 

○事務局

 それでは,事務局から趣旨説明をさせていただきます。

 この総合教育会議は,国の教育委員会制度改革に伴って,各自治体に設置が義務付けられたものです。狛江市におきましては,この総合教育会議の設置にあたり,狛江市総合教育会議の設置及び運営に関する条例を制定し,この総合教育会議の目的を「市の施策全般の調和を図りつつ,市における教育行政を推進すること」と定めています。

 この総合教育会議は,市長と教育委員5名により構成され,会議の主宰及び招集は,市長が行うこととしています。また,会議は原則として公開にて行います。

 また,この総合教育会議で取り扱う案件としては,教育行政に係る大綱の策定,教育の条件整備など重点的に講ずべき施策,児童・生徒等の生命・身体の保護等緊急の場合に講ずべき措置の3点であり,このうち,教育の条件整備など重点的に講ずべき施策の具体例としては,文部科学省の通知によると,「学校等の施設の整備・教職員の定数等の教育条件整備に関する施策など,予算編成・執行や条例の提案権など,市長が権限を有する事務の調整に関すること」「青少年健全育成と生徒指導の連携,福祉部局と連携した総合的な放課後対策・子育て支援など,市長と教育委員会の連携が必要な事務」などが,挙げられているところです。本日の第1回総合教育会議では,議事日程に記載している3件について,協議・調整を行っていただきたいと考えています。

 そして,この総合教育会議において協議・調整が整った事項については,市長と教育委員会の双方に,その結果の尊重義務が生じることとなっています。

 なお,本日は,事務局として,市企画財政部から高橋企画財政部長と小川企画財政部理事兼政策室長が,教育委員会教育部から小泉教育部長と学校教育課長の宗像がそれぞれ出席しています。

 あわせて,本日は,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4第5項及び狛江市総合教育会議の設置及び運営に関する条例第8条の規定に基づき,議事の参考人として,市児童青少年部から,松坂児童青少年部長にも出席いただいています。

 説明は,以上です。

 

○会長

 事務局の説明が終わりましたが,質問・意見等はありますか。

 特に,質問・意見等はないようですので,次に進みます。

 次に,協議・調整事項(1)狛江市総合教育会議運営規則について,事務局から説明させます。

 

○事務局

 それでは,事務局から「協議・調整事項(1)狛江市総合教育会議運営規則について」説明します。

 総合教育会議の運営規則につきましては,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4第9項により,総合教育会議の議を経て定めることとされています。

 今回,事務局より提案している運営規則(案)は,狛江市や狛江市教育委員会が行う会議と概ね同様の取扱いとなるよう内容を整理しておりますが,その中でも,特に会議録につきましては,この会議の位置付け・性格を踏まえ,速やかに作成・公表することとしております。また,狛江市長の権限に属する事務の補助執行に関する規程に既に定められているとおり,この会議の庶務は,教育委員会事務局職員をして行うこととしています。

 なお,この総合教育会議運営規則の施行は,公布の日からとしていますので,本日のこの総合教育会議の議論の後,所要の事務手続きを経て,速やかに公布・施行を行っていきたいと考えています。

 説明は,以上です。

 

○会長

 事務局の説明が終わりましたが,質問・意見等はありますか。

 

○中村委員

 法律上,この会議の構成員は,市長,教育委員,教育長となっています。これは国民や住民の皆さんも非常に分かりづらいところかと思いますので,確認の意味も含めてお聞きしますが,これまでは教育委員の一員であった教育長が新制度ではどのようになるのでしょうか。

 

○事務局

 旧制度では,まず議会の同意を得た者を市長が教育委員として任命し,その後教育委員会において,教育長を任命していましたが,このたびの制度改革により,市長は議会の同意を得て直接教育長を任命します。新制度では,教育長は,教育委員会の構成員ではあるものの,教育委員としての位置付けはなくなることになります。

 

○中村委員

 分かりました。住民の皆さんにとっては,教育委員会が教育委員4名と教育委員ではない教育長の5名により構成されるということが非常に分かりづらいと思いますので,今後,周知に努め,住民に分かりやすい教育委員会の運営を進めていただきたいと思います。

 以上,要望です。

 

○会長

 事務局には,今の中村委員の意見の趣旨を踏まえて,分かりやすい制度の説明をお願いします。それでは,本件につきましては,事務局の提案どおり了承し,次に進みます。

 次に,「協議・調整事項(2)狛江市教育大綱について」,事務局から説明させます。

 

○事務局

 それでは,事務局から『協議・調整事項(2)狛江市教育大綱について』説明いたします。

 教育の大綱につきましては,先般の教育委員会制度改革に伴う法改正により,新たに各自治体の長が策定することが義務付けられたもので,自治体における総合的な教育施策の大綱となるものです。

 今回,狛江市におきましては,教育委員会が昨年11月に策定した第2期狛江市教育振興基本計画をこの教育施策の大綱に充てることとして,事務局より提案するものです。

 この第2期教育振興基本計画は,従前の教育振興基本計画をベースに,東京オリンピック・パラリンピックの開催をはじめとした今後見込まれる社会的な動向,環境教育や地域スポーツの振興における狛江市の独自性の視点,教育における課題の多くは,教育だけでは解決できないことを前提とした他の行政機関や関係機関・地域・事業者等との連携・役割分担の視点,それを反対から見たときの市全体の総合行政における教育や教育委員会の役割を果たすための教育委員会や教育機関の取組姿勢などの基本的な考え方などを加え,平成27年度から平成31年度までの5年を計画期間として,昨年11月に策定したものです。

 また,この計画に示されている教育理念ですが,この教育理念は,教育委員会や教育機関のほか,市の関係部局や関係機関,家庭,地域,事業者,NPOなども含め,教育にかかわるすべての主体が共有する理念で,ここでは「未来を担う子どもたち一人ひとりが,人格の形成と互いの個性の尊重を基本として,地域や社会の中で自立し健康で幸福に生きていく力を身につけ,狛江で受けた教育を誇りとして,少数者の立場も尊重し,自由に意見を交わして真理を探求し,平和で心豊かな明るい相互扶助の社会を築き発展させる力を身につける教育の実現を図る」こと,「市民一人ひとりが,自己の人格を磨き,豊かな人生を送ることができるよう,その生涯にわたって,あらゆる機会において学習することができ,その成果を適切に生かすことのできる社会の実現を図る」ことの2点を定めています。

 また,教育目標は,教育委員会と教育機関が取り組む際の基本目標で,ここでは「互いの生命と人格・人権を尊重し,地域や社会に貢献する意識の醸成」,「確かな学力の定着と個々の能力や創造力を伸ばし,郷土や国を愛する心をはぐくむ学校教育の充実」,「すべての世代にわたる市民のための学習環境と運動環境の整備」の3点を定めています。

 また,個別施策は,この基本目標の達成に向けて取組む施策を整理したもので,「1.教育活動の展開『知』」から「12.教育環境の整備」までの12施策を掲げています。

 説明は,以上です。

 

○会長

 事務局の説明が終わりましたが,質問・意見等はありますか。

 

○中村委員

 私は,以前の教育振興基本計画の策定に携わっていた立場として,今の事務局の説明の補足として何点か申し上げます。

 まず,この教育理念の言葉ですが,これは当時の教育委員5人で考え,整理したもので,まず,前段の教育理念は,主に学校教育の視点で未成年者等を対象として捉え,考えたものです。また,後段の教育理念は,社会教育も含め,その他の成年者を対象として捉え,考えました。このうち,前段には「少数者の立場も尊重し」という表現がありますが,誤解のないように申し上げると,この言葉の意味は,少数者の立場を尊重するというもので,決して少数者を例外的なものとして捉えているものではありません。ここには,まさしく少数者の立場を尊重して私たちは教育の実現を図っていく,という想いが込められています。また「真理の探究」「相互扶助の社会」という言葉は,この理念の中でも私たちが特に強く要望し,含めたものです,また,その前の教育理念は,成年者の人格を形成するというニュアンスで受け取られかねない言葉でまとめられていましたので,私たちはそのような人が機会を得ることこそが大事であり,市民の皆さんが自由に人格を形成し,自己研鑽できるようなしくみ・枠組みをつくることが大事であるという思いもありました。

 

○千葉委員

 私は,狛江のまちは都会に近いけれど自然が溢れていて,小さなまちであるからこそ,人の絆が大事にされているまちであると思っています。良い環境で子育てしたいと考え,狛江市に引っ越してくる人がいることもよく聞きます。この第2期教育振興基本計画をまとめるときも,改めて教育理念を検討しましたが,この教育理念には,狛江のまちの良さが反映されていると思っています。

 

○加川委員

 私が教育委員になってから,学校訪問などを通じて狛江の学校教育を見る機会が多くありましたが,学校現場では「習熟度別」「問題解決型学習」「言語環境」の言葉がたくさん出てきます。これは,古い言葉で言えば「教育は人なり」ということであると思います。その点では,狛江の学校教育は人に対して力を入れられていると思います。教育に関する人件費は,高く付くところはありますが,狛江は市費講師をつけたり,図書館の充実など,色々な面で人に対する手当てが厚いところは,今後も続けていくようにしたいと思っています。

 

○有馬委員

 私は,この教育理念に加え,狛江の特質を生かした教育環境が特に重要であると考えており,この計画の各所にもそれは盛り込まれています。その中でも特にコンパクトシティであることにより,連携を密にすることができますし,このまちのサイズは,アイデアが実現しやすいサイズでもあります。現在でも,タブレット端末の配備やQ-Uアンケートの全学年実施,特別支援教室モデル事業など,市長部局の力も借りながら,他市と比較しても遜色のない取組みができていますし,それは教育長会で他市の教育長と話している中でも強く感じます。これまで以上に,この狛江らしさを発揮しながら推進できればと思っていますので,市の教育大綱として位置付けていただきたいと考えています。

 

○会長

 この第2期教育振興基本計画は,教育委員会が検討し,策定したもので,その意味においては,市の教育大綱に充てることに関しては異論はないと思います。これまでに出されたそれぞれの意見は,計画を推進していく際の運用に関するものであったと思いますので,本件につきましては,事務局の提案どおり,第2期教育振興基本計画を狛江市教育大綱に位置付けることで了承し,次に進みます。

 次に,「協議・調整事項(3)学校施設を利用した放課後対策について」です。本件は,狛江市総合教育会議の設置及び運営に関する条例第8条の規定に基づき,参考人として出席させている児童青少年部長から説明させます。

 

○児童青少年部長

 まず,放課後対策事業における学校施設の使用につきましては,日々,各学校の協力のもと,円滑に事業を推進できていることに対して,この場をお借りして,改めて感謝申し上げます。

 さて,狛江市における学校施設を利用した放課後対策につきましては,平成13年に開設した五小のフリープレイを皮切りに,順次各学校に広げて参りました。

 事業開始からこれまでの間,個々の運用の部分で調整が付かないところも一部見られたところはありますが,担当部としては,全般的にはまずまず順調に事業を行うことができていると考えております。

 しかし,ここのところで,子ども子育て関連3法に伴う児童福祉法の改正によって,学童クラブの対象児童が「概ね10歳未満」から「全小学生」に拡大されたこともあり,放課後対策事業に要するスペースの絶対的な不足が懸念されています。

 加えて,特に子どもの安全に関しては,より一層の配慮が求められる時代になっており,市としても重点的に取り組んでいるところでありますので,この総合教育会議において,改めて学校施設を利用する放課後対策事業の現状と今後を見据えた課題を共有し,今後の方向性の幹となる部分を協議していただきたいと考えるものです。

 まず,現状の狛江市の放課後対策におきましては,児童福祉法を根拠とする「学童保育」「小学生クラブ」「放課後クラブ」と,社会教育法を根拠とする「KoKoA(放課後子ども教室)」がありますが,このうち,「放課後クラブ」と「KoKoA」において,学校施設を利用して事業を行っています。

 また,この放課後対策事業全般の利用人数としては,直近の数字で,「放課後クラブ」の合計が170人。加えて,「KoKoA」については,平均160人余りが毎日利用しており,これらをあわせて,約330人余りの小学生に,日々,学校施設において放課後対策事業のサービスを提供することができている,ということになります。

 しかしながら,この一方で,放課後クラブも含め,この学童クラブには既に待機児童が発生しており,今年度は4月1日時点で71人が待機を余儀なくされています。

 加えて,今後の社会的な動向や市を取り巻く環境を見据えると,この放課後対策にはさらなる利用ニーズが見込まれており,昨年,市で策定した子ども・子育て支援事業計画における推定によると,平成31年度には777人分の利用ニーズが発生することが既に見込まれています。

 市としましては,この増えていく利用ニーズを吸収し,狛江市の小学生の誰もが,地域の中で安全に放課後を過ごせる環境を整えていきたいと考えていますので,今後,学校施設を利用した放課後対策事業につきましては,さらなる便宜を図っていただきますよう,お願いいたします。

 また,このこととあわせ,各学校における施設の利用につきましても,子どもが放課後を過ごすにあたり,もともとの学校ごとの施設環境の違いは踏まえつつも,通う学校によって,子どもたちが放課後を過ごす環境に大きな差が付くのは望ましいことではありませんので,特に子どもの安全確保に関する運用ルールの統一につきましても,特段のご配慮をいただきたいと思います。

 説明は,以上です。

 

○会長

 この件は,市としても大変重要な課題と考えています。今,児童青少年部長から説明がありましたが,市の放課後対策事業に対しては,学校現場はどのように捉えているのか,伺います。

 

○有馬委員

 この問題に関しては,事業の開始当初からの経緯も含めて説明しないと理解は難しいと思いますので,そこから説明します。

 この十数年来,放課後対策としては,まず学童の充実,放課後教室の施策の充実という形で展開されてきたと思いますが,その中における最も大きな課題は,責任の所在や事業の所管の問題でした。放課後対策事業の時間帯に発生した事故等の責任の所在や事業の所管に曖昧な部分があり,その状態のまま事業がスタートして,結局学校や教員に負担が掛かってしまう状況が色々なところで発生しました。それが,今回の利用の拡充や運用ルールの統一に向かって進めていく中でも,最も障害となる話であると思います。

 ただ,現在の狛江市では,放課後クラブやKoKoAの問題で教員が後処理を行わなければいけないような課題は生じていない,というのが私たちの実感であり,反対に言えば,そこまできちんと調整してきてもらっていた,ということかと思います。

 

○会長

 放課後対策事業としては,当初からは様々な改善がなされてきたけれども,まだ積み残しの問題がある,という見解と受け止めました。私も,放課後クラブとKoKoAをカーテンで区切っていたり,保健室やトイレの使用が上手くできない,というようなことを耳にすることがあります。時間帯が変わることで扱いが変わるのは,子どもにとって理解できないと思いますので,そのような問題は早急に解消していく必要があると思いますが,いかがでしょうか。

 

○有馬委員

 子どもの意識を昼間から変えられず,例えば残業で次の日の授業の準備をしていた教員が子どもの相手をせざるを得ないというような状況が出てきてしまうと,放課後対策事業として意図していたところとは別に,学校職員が過重な負担を背負ってしまうことになり,翌日の教育活動に差し支えることも想定されます。子どもの意識を変えるために,例えば,放課後対策事業用に別の階段を整備したり,トイレの使用も動線を明確にしたりして,子どもの意識を変えるための手立ては必要になります。

 

○会長

 これまでの話を聞いていると,責任の所在が重んじられるあまり,子どもが戸惑う場面もあったのではないかという気がします。学校の考え方もよく分かりますが,時間が変わると教員が言うことが変わってしまうことが,おそらく子どもは理解できないと思います。そのあたりの配慮はお願いしたいと思います。

 

○中村委員

 少し観点が違うかもしれませんが,子どもは学校・家庭・地域が三位一体となって育てていく,ということは,入学式や卒業式のときに確認することの1つです。資料には,将来の需要として777人と記載されていますが,この中には,例えば,両親が共働きで,兄弟がいなかったり少なかったり,というようなやむを得ない事情がある家庭もあると思いますが,もし親の趣味や文芸のために子どもを預けようという人がいるとすれば,それに対しては,市の放課後対策事業として,どこまで何をすべきかということは考えなくてはならないと思いますし,そのためにもニーズの実態や中身を分析し,知っておく必要があると思います。夕方5時には家に帰り,親と一緒にご飯を食べ,風呂に入り,次の日にまた学校に行く,という子どもの生活のリズムを作ることも,この制度を考えるうえでは必要な視点であると思います。また,この制度だけを見るのではなく,育休や父親の育児参加など,子育て施策全体として総合調整を図っていくなかで,この事業があるのではないかと思います。文部科学省や厚生労働省が作った制度に自治体が混乱させられているのが実態であると思いますが,学校現場や自治体からも国に意見を言って,法制度全体から見ていく必要があると思います。この制度自体が,子育てに関われる人を減らしていたという面から,将来,歴史的に悪く評価されてしまうこともあり得ないことではないと思いますので,子育て環境全体を見渡してうえで,制度を組み立て,運用していくのか。実態はどうなっているのか,把握したうえで行政も準備していただければと思っていますし,教育委員会としても協力していきたいと思っています。

 以上は,意見です。

 

○千葉委員

 私も色々な母親と話すことがありますが,まず,子どもを保育園に入れるところでも,生活するのが大変だから預けて働くという親がいる一方で,自分の親が近くに住んでおらず,子育てが不安で,保育園に預けておけば他の子と同じように育ててくれて安心なので,自分も働こうと思っているという話も聞きます。

 狛江は自然があふれ,安心で安全なまちですので,放課後に子どもを預けるというのも選択肢の一つであり,公園に行ったりして遊ぶこともできると思います。皆が子どもを預けて皆が働こうという今の社会の流れに乗るのではなく,狛江市として本当に大変な人は預かり,同時に社会教育などで母親にも地域で子どもを育てていくことを伝え,そのような雰囲気をつくっていかないといけないのではないでしょうか。

 また,児童青少年部と教育委員会の連携が悪かったのかもしれないとも感じました。例えば,校長が変わって方針が変わるようなことがあると保護者も不安になりますが,最近はKoKoAも制度が分かりやすくなってきたと思います。この総合教育会議でも,先を見据えながら少しずつ問題を解決していければと思います。都心にあるような民間の学童は便利だと思いますが,社会が子どもをみんな預けてという風潮になっているのは少し怖く感じます。狛江は小さいのですから,地域がみんなで子育てしようという流れにもっていければと思います。

 

○会長

 これまでの意見は,預ける・預けないの選択の余地がある人が前提となっているように思いますが,どうしても預けざるを得ない,という切実な要望が多く私たちには届いています。今回の児童青少年部の提案も,そのような保護者の意見を受けて出ているものです。現在のこの状況を踏まえたうえで,今後の理想的な子育て環境の醸成は,別のところで議論をお願いする類のものであると思います。

 

○加川委員

 資料に「学校施設の有効活用に関しては,学校教育に支障のない範囲内において」とありますが,まさしくその通りだと思います。子どもや保護者のニーズがこんなに多いこともよく分かりますし,学校教育に支障のない限りということで,校長への説明,聞き取りを充分していただければと思います。学校施設は,市の施設ですが,管理責任は校長にあります。学校に迷惑はかけないということで,この制度を学校の意見を聴かずに始めたところでは,結局,子どもの意識も変わらず,学校が困ることになってしまうことがありました。

 例えば,保健の先生が出張に出かけようとしたところに怪我をした子どもが来たが,今年の保健計画が作れなくなることを避けるために,担当に謝りながら出かけ,後に保護者から教員と学校がとても責められた,というようなことがありました。事前に学校と調整して,学校教育に支障のない限りということを担当課にはもっと考えて進めていただきたいと思います。

 

○熊谷委員

 私としては,総論は賛成ですが,各論になると色々な問題が出てきてしまいますので,それを解決したうえで,ぜひ進めていただきたいと思います。使っていない施設はどんどん使った方が良いと思いますので,調整を進めていただきたいと思います。ただし,制度をうまく運用していくためには,日本人の感覚としては冷たく感じてしまうかもしれませんが,やはり責任の所在はしっかりと整理しておかなければなりません。また,このような調整をしていく中では,現実として安全管理や衛生面で調整が止まってしまうことがありますが,そこはうまく調整していただきたいと思います。

 

○会長

 色々な問題を指摘いただきましたが,今,現場が抱えている問題のすべてをすぐに解決するのは難しいと思います。

 では,この一連の課題をどのように克服していくかということですが,今後の放課後対策事業の推進の必要性は私と教育委員会の双方で確認できたと思いますので,今日以降,この合意を確実に実行していくためにも,具体的に,私と教育委員会の間で,「放課後対策事業に係る協定書」を締結する方向で進めていきたいと思います。

 この協定の文言は,担当部同士で今後整理してもらいますが,あくまでも双方の基本的な姿勢として,「放課後対策事業にはお互いが協力して取り組んでいくこと」を押さえたうえで,「その中で放課後対策事業の実施主体や相互の役割を明記すること」の2点を今回の合意の内容として捉えて,協定書の文言に落とし込んでいきたいと思います。また,教育委員会としても,協定の趣旨やこの会議の内容は学校に充分説明し,学校が放課後対策事業に積極的に協力できるよう,教育長を中心に対応していってください。

 これより先,それぞれの担当課においては,学校ごとの施設環境の違いには配慮する必要はありますが,特に子どもが放課後を安全に過ごせる環境を提供するために必要なことに関しては,各学校が統一的なルールで運用できるよう,何かしらの手立てを考え,できることから速やかに実行に移してください。

 また,これらの結果は,適宜,この総合教育会議や庁議,教育委員会の会議などにも報告するようにしてください。

 それでは,次の議題に進みます。

 次に,その他について,事務局から説明させます。

 

○事務局

 この総合教育会議は,定例としては年に2回を想定しています。次回は,次年度予算に係わるところも協議していただきたいと思いますので,今年の秋頃の開催を予定しています。

 

○会長

 それでは,次回は今年の秋頃に開催するということです。

 他にないようですので,これで平成27年度第1回狛江市総合教育会議を閉会します。