平成28年度第3回総合教育会議会議録

日 時  平成28年2月17日(金)午後2時~3時30分

場 所  狛江市議会第一委員会室

出席者   会長 高橋 都彦(市長)

     委員 佐藤 正志,熊谷 勝仁,千葉 眞理,鈴木 晃子,有馬 守一(教育委員会)

事務局  高橋 良典(企画財政部長),田部井 則人(政策室長)

     平林 浩一(教育部長),柏原 聖子(教育部理事兼指導室長),宗像 秀樹(学校教育課長)

     安江 真人(社会教育課長)

欠席者  なし

傍聴者  2名

議 事  ○議事説明 資料1.pdf [39KB pdfファイル]  

     ○協議・調整事項

      1.2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについて  資料2.pdf [177KB pdfファイル] 資料3.pdf [267KB pdfファイル] 

      2.文化財の展示について資料4.pdf [31KB pdfファイル] 

     ○報告事項

      1.平成29年度予算について資料5.pdf [97KB pdfファイル] 

-発言要旨-

○会長
 これより,平成29年度第3回狛江市総合教育会議を開会します。
 議事に入る前に,本日の総合教育会議の議事の概要を事務局から説明致します。

○事務局
 それでは,事務局から本日の議事の概要を説明します。
 まず,「協議・調整事項1.2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについて」につきましては,企画財政部長・教育部長よりそれぞれの取組みの概要を説明し,協議・意見交換を行うものです。
 次に,「協議・調整事項2.文化財の展示について」につきましては,教育部長より文化財の保管・収蔵状況を説明し,協議・意見交換を行うものです。
 次に,「報告事項1. 平成29年度予算について」につきましては,企画財政部長より平成29年度予算の概要を説明するものです。
 なお,本日は,資料1のとおり,事務局として,市企画財政部から,高橋企画財政部長と田部井政策室長が,教育委員会教育部から平林教育部長,柏原教育部理事兼指導室長,安江社会教育課長と学校教育課長のわたくし宗像以下,学校教育課職員2名が出席しています。
 事務局からの説明は,以上です。

○会長
 事務局の説明が終わりましたので,議事を進めます。
 まず,『協議・調整事項(1)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについて』,事務局から説明をお願いします。

○事務局
 『協議・調整事項1.2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組みについて』説明いたします。
 東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた市長部局の取組としましては,まず,来年度から市民による実行委員会とともに,市と協働した事業実施を行ってまいります。市としましては,オリンピック・パラリンピックを通じて,平和の大切さや国際交流を浸透させ,市外・国外へ向けたPRやボランティアの育成,狛江の魅力発信,地域活性化を目的とした事業展開を図ってまいります。2020年の開催までに,市民の国際交流の風土やボランティア意識を醸成するとともに,市の活性化につなげていきたいと考えております。
 その一環として,まず来年度予算案において「東京2020オリンピック・パラリンピックを活かした国際交流推進事業」を計上いたしました。具体的な内容は今後市民団体と検討してまいりますが,市外・国外からの来訪者に向けたおもてなしを行いながら,狛江の魅力発信をしていくことを考えております。異文化を理解するための交流イベント等を実施し,こうしたお手伝いをしていただける人材を探し出したいと考えております。
 また,平成27年度からはじまった大会成功に向けた都の区市町村への支援事業である「スポーツ振興等事業費補助事業」を活用した取組を行っております。お手元に配付いたしました資料2の1ページ「東京都『スポーツ振興等事業費補助』を活用した市事業一覧」をご覧ください。この補助事業は平成27年度からはじまり,普及啓発等事業及び障害者スポーツ地域振興事業の2つのメニューがございます。
 市長部局における普及啓発等事業としましては,まず,オリンピック・パラリンピックに向けた気運醸成・理解促進事業として,フィギュアスケートのオリンピアン・安藤美姫さんによるトークショーを狛江市平和記念事業の一環で実施したほか,市民まつり,桜まつり,初春まつりにおける気運醸成事業がございます。
 スポーツ普及事業としては,市制施行45周年記念としてスタートした地区対抗45人リレーを企画財政部で実施し,平成28年度からは教育部所管事業として継続しています。
 また,障害者スポーツ地域振興事業では,ボッチャ・フライングディスク等体験教室による障がい者スポーツ体験・普及事業を実施しております。
このほか「外国人おもてなし語学ボランティア育成講座」を実施しております。資料「外国人おもてなし語学ボランティア育成講座・区市町村等との連携について」をご覧ください。これは,大会の開催を見据え,外国人観光客等が安心して滞在できる環境を整えることを目的として都が実施している事業で,街なかで外国人等を見かけた際に簡単な外国語で積極的に声をかけ,道案内等の手助けをするボランティアを育成するものです。各区市町村を会場として実施されており,狛江市では昨年2月の第1回目を皮切りに,6月,8月,9月,12月とこれまで5回実施いたしました。1講座,延べ11時間半にわたるカリキュラムであり,また,同じ方の参加は1回限りという制限がありながらも,毎回定員以上のご応募をいただき,好評となってございます。
 以上が,市長部局としての東京オリンピック・パラリンピックに向けた市長部局における現在,また,今後予定している取組みでございます。
 なお,来年度から「オリンピック・パラリンピック担当」を政策室に配置し,大会に向けた気運醸成及び関連施策の調整を行う予定でございます。今後はここを中心として,狛江の魅力発信や国際交流など,個々の取組みを集約・整理し,推進してまいります。様々な面から市を盛り上げ,魅力を発信し,活性化させる契機と捉え,東京オリンピック・パラリンピックに向けて幅広い観点から,一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

○事務局
 続きまして,教育部の取組みを説明いたします。
 「資料3.2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組み(教育部)」の1ページ中段をご覧ください。「東京都オリンピック・パラリンピック教育」実施方針では,基本的視点として「全ての子供が大会に関わる, 体験や活動を通じて学ぶことを重視する,計画的・継続的に教育を展開する」ことを定め,重点的に育成すべき資質として「ボランティアマインド,障害者理解,スポーツ志向,日本人としての自覚と誇り,豊かな国際感覚」の5つを定めています。狛江市内の小・中学校では,これらに基づく「オリンピック・パラリンピック教育」を実施しています。
 2ページをご覧ください。続いて,重点的に育成すべき資質に基づく取組事例を紹介いたします。
 一つ目の資質「ボランティアマインド」の取組みでは,狛江第二中学校で地域の高齢者の方々に,合奏や演奏を披露しました。
 二つ目の資質「障害者理解」の取組みでは,市内4つの小学校で,パラリンピック競技大会の正式種目「ボッチャ」を体験しました。
 三つ目の資質「スポーツ志向」の取組みでは,多くの小中学校で一流アスリートを学校に招き,指導を受けることで運動意欲の向上を図りました。
 四つ目の資質「日本人としての自覚と誇り」では,狛江第一小学校で地域の方々を招き,地域や日本の伝統文化を体験的に学びました。
 五つ目の資質「豊かな国際感覚」では,代表的な取り組みとして,狛江第三中学校でオーストラリアの高校生との交流やネイティブスピーカーとのインターネットを利用したオンライン英会話の学習を行い,狛江第四中学校で留学生をゲストティーチャーとして招へいし,国際理解についての学習を行いました。
 3・4ページをご覧ください。東京都教育委員会の「世界ともだちプロジェクト」に基づく国際交流事業として,狛江市内の小中学校では,韓国との交流や都立狛江高校の姉妹校であるオーストラリア国キラウィ高校との交流を行っています。これらの取組みは,次期学習指導要領の育成すべき資質・能力の柱の中の一つである「学びに向かう力 人間性等『どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか』」につながるものであることから,市長部局はじめ各関係機関と連携を図り東京オリンピック・パラリンピック終了後も持続可能な開発のための教育の道筋をつけることで,学校の円滑な教育活動を支援していきたいと考えています。
 次に,社会教育に関連する取組みです。5ページをご覧ください。スポーツ振興を目的として行った主な取組についてご説明いたします。昨年5月には,人口規模がほぼ同じ自治体間で15分以上継続して運動やスポーツを行った人数で競い合う「チャレンジデー」に参加し,山形県米沢市と対戦しました。この際にロンドンオリンピック銅メダリストの狩野舞子さんをお招きし,東京大会への気運醸成を図りました。
 11月に実施した「地区対抗リレー」では,オリンピックの陸上競技の花形種目であるリレーを通じて,地域の結びつき,つながり,絆を強めるとともに,様々な年齢層の皆さんにスポーツを楽しんでいただきました。
 続いて,障がい者スポーツの普及を目的にして行った主な取組みでは,「チャレンジデー」の際に,パラリンピック正式種目である「ボッチャ」をプログラムに盛り込み,多くの皆さんが実際の競技に触れられる機会を設けました。
 来年度より障がい者スポーツ事業の一部を教育委員会で担当することとなっており,総合型スポーツ・文化クラブ「狛○くらぶ」と連携し,パラスポーツの普及についても更に拡充していきたいと考えております。
 また,2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け,狛江市の歴史や文化の紹介を行う取組みにつきまして,次の協議事項とも関係し,また市長が推薦しているシティセールスプランとも密接に関連するものと思いますので,関係部署と連携して検討していきます。
 説明は,以上です。

○会長
 今説明がありましたように,狛江市には気の利いたスポーツ施設もありませんし,宿泊施設はほとんど無いに等しい状況の中です。どのような取組みが出来るのか,今説明いただいた内容でほとんど網羅的に言われていると思いますが,議論すべきこともそれほど無いかとは思いますが,この資料をもとに,質疑・意見交換を行っていきたいと思います。

○千葉委員     
 狛江市立小・中学校では,スポーツ選手に来ていただき,お話を聞くことで子どもたちもオリンピック・パラリンピックを身近に感じ始めているのではないかと思います。ひとつ教えて頂きたいのが,「世界ともだちプロジェクト」とはどのような形で世界の人たちと友達になっていくのか,内容を教えていただけますでしょうか。

○事務局
 直接的な交流と間接的な交流の2つがございます。直接的な交流として,現時点では実際に外国に行き来というのは出来ませんが,昨年の夏にスカイプ等オンラインを使ってオーストラリアの子どもたちと狛江第六小学校の子どもたちが交流をしています。それから,先ほど紹介にありましたオーストラリアのキラウィ高校が狛江高校と姉妹校で,その高校生が狛江第三中学校に来て,オーストラリアの文化には,あまり無い給食・清掃・遊ぶということを体験し,交流を持ちました。それ以外に,食育の点で「どの国はどのようなものを食べているのか」や「遊び」についても調べ学習等で体験をしています。

○千葉委員     
 そのようなことから,色々な国を知るという学習にプラスして,交流の道筋といういい機会が出てきて,実際に交流できる場面があればいいと思います。そのような機会を見つけ出すいいチャンスと捉えて欲しいと思っています。

○会長
 他にご質問等ございませんか。

○熊谷委員     
 私も仕事柄,国際交流など考えているのですが,先日も関東国際高校の先生が,ゆうゆう教室で韓国語の授業を行ってくれたというような,地道な実践が既に始まっているようです。色々な方からのアドバイスを貰いながら,オーストラリアはもちろん,他にも色々な国々の方々と交流を深めていくのが第一だと思います。狛江市には帰国生もたくさんいるので,英語を喋れたり,ドイツ語を喋れたりするお子さんもいらっしゃるので,今から養成しておくとオリンピックの頃には,ちょうど高校生ぐらいになって充分お手伝いできるのではないかと思います。そのあたりも考えてみてもいいと思います。スポーツについても,狛江市では実際,学校でマラソン大会などを一生懸命取り組んでいますので,そのあたりが基本になると思いますし,さらに高めていっていただきたいと思います。勿論,テニスで素晴らしい結果を残した生徒もいますので,そのようなことも活用していければいいと思います。

○会長
 佐藤委員はいかがでしょうか。

○佐藤委員
 スポーツ振興と国際理解ということで,大きく2つの視点があると思うのですが,音楽については,各学校の子どもたちが一斉にエコルマホール等に集って実施するような活動を行っていると思いますが,体育的な行事でそのようなものは考えられていないのでしょうか。音楽の一斉活動を見に行くと,塾などで一緒だった子と一緒になって盛り上がっていくという感じがありました。昔は合同水泳大会や合同陸上大会など,スポーツ面で盛り上がる方策があったのですが,最近はずっと下火になってしまった傾向があり,そのあたりはどのようにお考えなのでしょうか。
 また,国際理解については,工夫をしていく必要があると思います。なかよしプロジェクトという事業に関わっているので,先日都内のある区で2回ほど給食を食べる機会があったのですが,2回ともたまたま今日はインドの給食の日,今日はイランの給食の日というように,2ヶ月に1回ぐらいしか行わないような特別給食でした。そのようなことも活用していくとこのなかよしプロジェクトが,単なる調べ学習から具体的な形になっていくということもあると思います。色々なところで知恵を出していく必要があるかと思いますので,決してこのように実施しなさいということではないのですが,一例としてご紹介します。

○会長
 音楽に関わることについては,教育部長からアウトリーチの話をしていただけますでしょうか。

○事務局
 小学校5年生の全クラスを対象に,生の音で本格的な音楽に親しんで貰おうということで,10月に各校に音楽家を派遣し,クラスごとの音楽の授業中において音楽の鑑賞会を行っております。それの集大成として,明日エコルマホールで,ガラコンサートを行います。音楽室とは異なり今度はホールの響きとホールでの観賞マナーという視点で,小学校4・5・6年生の中で希望者を募りまして,今200名ぐらいが希望しているようですが,本格的な音楽を親しんでもらおうという試みをしているところです。

○会長
 私事にも及ぶ話なのですが,13年前に丸の内にある東京国際フォーラムで,私が一回目の総合プロデューサーを務めたラ・フォル・ジュルネ音楽祭がありまして,その縁で,昨年の4月に狛江市でプレイベントを行いました。2日間にわたって海外からの演奏家にも参加してもらい,2日間で1万3千人ほどの人が集まりました。市外から来られた方もいらっしゃいますし,小・中学生もいましたし,お年寄りの方々にも楽しんでもらえたような音楽祭でした。今年は続けての開催が出来なかったのですが,それに変わるものとして,9月に来年以降ラ・フォル・ジュルネ音楽祭を続けて行う,つなぎのための音楽祭なども企画しています。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭は,音楽を通じて国際交流にも役立つと思っておりますので,この場でも少しご紹介をさせていただきました。

○鈴木委員
 東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて,2013年に決まった瞬間から色々スタートしましたが,もうあと3年というところまで来ています。色々と問題もありましたが,子どもたちは大人たちがどう動いているかをずっと見ています。前回の東京オリンピックの時,私は生まれていないのですが,経済的に成長していく途中にある日本の東京で開催したオリンピックと,経済的に成熟しきった日本で,オリンピックが東京で開催するという意味が,また違うものになっていると思います。オリンピック・パラリンピック教育という流れの中で,今の小・中学生は非常に恵まれていい時期にあると思います。子どもたちがオリンピック・パラリンピックを通じて,単なる「平和」「スポーツ」だけではなく,文化や福祉,環境,おもてなしを通じて海外から日本がどう見られているのか,また改めて自分たちのいる日本,故郷東京を知るという色々な機会があると思います。子どもたちがオリパラ教育を受けることによって,将来とても大きな力を持った,私たちの想像を絶するような大人になっていくのではないかと想像しています。先ほど市長から,狛江市は狭いので宿泊施設を提供できないとお話があったように,そのような現実もありますが,狛江市には一から発信できるようなアイデアがあると思いますので,大人が知恵を絞って子どもたちに何かを提供できるよう考えていかなければいけないと思います。

○会長
 ホームステイのようなことは出来るかもしれないですね。

○鈴木委員
 そのようなことが実現できればと思っています。

○会長
 最後に,教育長からお願いします。

○教育長
 色々ご意見出されていたことで充分だとは思いますが,やはり学校としては,あまり無理のない自然な交流の機会になればいいかなと思います。先ほどの給食のお話のように,学校側が出来ることもあるのですが,地域の中に,実はこの前までトルコに仕事で住んでいたお父さんがいるとか,また,他の国から帰ってきたばかりの子どもがいるといったようなことが結構あると思います。そのあたりをうまく引き出せれば,ともだちプロジェクトで挙げられた国を知る機会として活用できると思います。子どもであれば,自分が外国に住んでいたときに,どのような日本との違いを感じたのかということをスピーチしてもらうなど,そのような活動の方がより身近に違いを実感できると思います。
 先ほど企画財政部長から,担当者を設けて組織的にという話がありましたが,教育部で掴んでいる情報は限られています。そのため,たとえば市民生活部で外国人との色々な関わりや,福祉保健部の情報を集約してもらって,これとこれを繋げれば簡便でとてもいい身近な活動が出来るのではないかということを情報提供してもらえますと,学校にとって有益なのではないかと思います。

○会長
 市長部局と教育委員会の意思疎通を密にしながら行っていかないと,なかなか繋がるものは出来てこないと思います。オリンピックの前に2年後には調布でラグビーワールドカップという大きな大会がありますし,オリンピックの会場も調布にあります。調布への小田急線からの入り口は,狛江駅ということになります。バス会社の提携で,小田急バスの停留所をそのまま京王バスに使ってもらうというように,今バス路線を一日あたり60便ぐらいに増やしてもらっています。そのような大会があるときには,さらに増便ということも考えられるのではないかと思います。
 狛江市としては,単なる調布市への通過点にはしたくはありません。せっかく小田急線からの入り口・出口であるにも関わらず,通過するだけの市にはしたくないので,そのための色々な仕掛けというものが必要なのではないかと思います。
 シティセールスプランなど念頭に置きながら作っていますが,全くの部外に置かれるということは避けたいということと,せっかくスポーツ機運が盛り上がっているのですから,小・中学生にも味わってもらいたいと思います。機運の高まりに合わせて何かを行ってもらいたいと思うので,こちらから情報提供するなり,機会を提供していくことが必要なのではないかと思います。
 今,狛江市の人口は,8万800人を越えたところですが,市内にも1千人以上の外国人がいらっしゃいます。今までそれほどは取り組んでこなかったのですが,そのような外国人の方との交流を行うにもいい機会だと思います。スポーツ施設が無い,宿泊施設も無いにしても,ボランティアの機運というものを盛り上げるいい機会でもあるかとも思うので,色々な取組みを考えていこうかと思っています。

○佐藤委員
 どちらしましても,市長部局で考えられていることと,教育部で考えていることの連携を取りながら,協力していくということでよろしいかと思います。

○事務局
 ひとつ,事務局で悩んでいることなのですが,国際理解教育というものがありまして,幅広く学習する部分と,実体験として交流する部分の2つがあります。幅広く学習する部分については色々な形で学習は出来ると思いますが,交流する部分については少し絞った方がいいのではないのかと思います。そのあたりも同じターゲットで,市長部局と協力することが可能であれば,その方が効果的かと思いますので,意識していただければと思います。

○会長
 オリンピックの競技は難しいにしても,先ほどありましたように,パラリンピックの競技であれば,障がいのある人も無い人も親しめるような競技もあると思います。
 ひとつの絞った形でのターゲットで,みんなで楽しめるようなものということも,確かに必要だと思います。今日は最初の議論ですのでこれぐらいにしますが,総合教育会議は今年度3回もやれたのですから,今日の議論を踏まえて,来年度に向けてより一層議論が出来るような素材を提供してもらいたいと思います。
 次に,『協議・調整事項(2)文化財の展示について』です。2月15日付けの広報こまえの私のコラムでも今回文化財について触れさせていただきましたが,教育委員会で指定した明静院の重要文化財についても今回の説明の中に入るのかと思いますので,事務局から説明をお願いします。

○事務局
 それでは,『協議・調整事項2.文化財の展示について』説明いたします。
 「資料4.文化財保管・収蔵の状況」をご覧ください。
 現在,民具や文書等の文化財については,市民センターの郷土資料室,旧狛江第四小学校校舎に保管をしております。
 現在行っている市史の編さん作業に伴って新たに文化財の寄贈等もあり,従来のものと合わせ,資料にあるように非常に多くの文化財が存在し,今後も増えていく傾向にあり,暫定利用となっている旧狛江第四小学校の位置づけから,今後の保管場所の確保と,市民センター改修に伴う展示場所の確保が課題であると考えております。
 また先ほど市長からもご説明いただきましたが,本年1月開催した平成29年狛江市教育委員会第1回定例会では,明静院が所蔵する木造薬師如来坐像の狛江市文化財への指定に関して審議された際に,「市民が日常的に目に触れるような方向性で,是非今後考えていただきたい」とのご意見をいただきました。
文化財の保管場所及び展示場所については,一定のスペースが必要であり,狛江市公共施設整備計画の平成28年度ローリング版においても,「適地の選定には調整が必要であり,財政状況等も勘案しながら引き続き検討します」とされておりますので,文化財の展示や保管につきまして,ご協議をお願いします。
 説明は以上です。

○会長
 それでは,この資料をもとに,質疑・意見交換を行っていきたいと思います。何か意見はございますか。

○千葉委員
 狛江市にも博物館と美術館が欲しいとずっと思っていました。市民や子どもたちにとって,歴史的なものや芸術的なもの,そして珍しいものや新しい物など本物に触れて,そしてそれに関してまた勉強するというのは,とても大切なことだと思います。また,狛江市の中にある貴重なものを後世の人たちに残していくことと,今狛江市に住んでいる人たちが,自分たちの住んでいる場所にどのようなものがあるのか,その宝を知って欲しい,大切にして欲しいという思いがあります。
 しかし,小さい街の中で,今説明を受けたように,たくさんのものを一度に展示するというのは難しいと思います。タワーでも建てないと無理なのかと思います。現実問題無理なことだと思うのですが,可能な範囲できちんと保管できる場所,そしてまたいつでも貴重なものが見られる場所というのを考えていただきたいと思います。
 また,市民センターがもし改修されるときに,出来るのであればギャラリーのようなスペースをつくり,そこでこのような文化財だけでなく,隣の世田谷区から借りてきたような素晴らしい器などを,市民みんなで勉強しながら見ることも出来るようにしていただければと思います。
 例えば,和泉式土器を2週間展示して社会教育課と協力してみんなで勉強しましょうというように,勉強したいと思っている市外の方も来るようなイベント等も出来るような場所を,大きくなくてもいいので考えていただければと思っています。
 先日明静院に行ったときに,胎内文書は日に浴びるとだめになってしまうので,展示することが出来ないと言っているのを聞きました。専門的な方にきちんと教えていただいて,適切に展示できるような光や空調など,展示場所を作る際には最初から工夫して作り上げて欲しいと思います。

○会長
 財政状況から言うと,博物館的な規模は無理だと思います。今ご提案いただきましたように,市民センターの建て替えのための市民提案に対するフィジビリティスタディ(実行可能性調査)を行っているところです。
 まだ調査結果が出ないのでスタディまで入っているとは言い難いのですが,そう遠くない将来には,市民センターの中をどのようにするかというときに,今言われたように,展示コーナー的なものは設けられるのではないか,また,設けるべきではないかと思います。それ以上の規模は期待されても無理なのですが,現在は閉校になった小学校に,色々な遺跡から掘り返されたものが置かれている状況で,保存上決していい状態にあるとは言えないので,やはり少しでも早い時期に何とかするよう,貴重なものを長期保存出来るようにする必要があると思います。

○佐藤委員
 文化財など市民が見て,このような貴重なものがあるのだと感じるのと同時に,資料に「寄贈を受けた江戸時代から近現代の農具など」とありますが,子どもたちに実際に作らせることによって,子どもたちの学びになっていくと思います。例えば小学校では5年生で,バケツや小さな水槽で米作りをしていると思います。それを脱穀するときに農具の中の千把扱き・後家殺しというのを貸し出し,唐箕などを実際に使わせることは可能だと思いますし,また3年生ぐらいだと道具作りなども行っている学校もあるのですが,大豆から石臼で引いて粉にするという作業も子どもたちにやらせてみるのも可能です。
 実際に使えるものと展示するものというのを,きちんと整理をしていただき,学校に貸し出したり,来れば使えるというようなものを子どもたちに実際に触らせるという機会を作っていただきたいと思います。

○会長
 むいから民家園に石臼など一部使えるようになっているものもありますが,実際に使ってもらい,昔はこのようなもので生活していたのだと味わえるよう工夫する必要があると思います。
 歴史の教材として必要だと思いますので,そのあたりも参考に今後の検討課題としていきたいと思います。
 それでは,本件は,これで終了します。
 次に,『報告事項(1)平成29年度予算について』,事務局から説明をお願いします。

○事務局
 『報告事項1.平成29年度予算について』説明いたします。
 「資料5.平成29年度狛江市一般会計予算の概要」をご覧ください。
 平成29年度一般会計の予算規模は266億9,000万円で前年度比,1億200万円,0.4%の増となっております。
 その他に特別会計としまして国民健康保険,後期高齢者医療,介護保険,公共下水道,駐車場事業がございまして,すべての会計を合計いたしますと462億5,157万1千円で前年度比,3億4,824万5千円,0.8%の増となっております。
 平成29年度予算は,28年9月に示されました市長の予算編成方針を基に,編成作業を行ってまいりました。
 この予算編成方針では,資料にございます4つの柱を重点分野として示されました。
 「子育てしやすいまちづくり」は,特に保育定員の確保による待機児解消の早期実現でございます。
 2つ目の「誰もが安心して暮らせるまちづくり」は市長の2期目に目指されている,障がいのある人もない人も,誰もが安心して暮らし続けられる狛江の実現でございます。
 そして3つ目の「安心で安全なまちづくり」は1期目から継続して取り組んでいるものでございますが,更なる高みを目指すものでございます。この安心安全につきましては平成28年の市内での交通事故発生件数は102件で,都内区市で最少となりました。残念ながら刑法犯認知件数は,27年は都内区市で最少でしたが,28年は482件で2位でございます。この数値からも狛江市の安心安全なまちづくりが進められていることが,ご理解いただけると思います。
 4つ目の「魅力あるまちづくり」は地域の活性化を目指すものでございます。
一般会計予算の内訳は資料の円グラフになりますが,歳入の市税は全体の45.4%を占め,譲与税・交付金を加えますと50%以上となりますが,この財源だけでは標準的な需要を満たすことができないため,地方交付税をいただいています。ちなみに28年度は26市中10市(立川・武蔵野・三鷹・府中・調布・小金井・国分寺・国立・多摩・羽村)は,自前の財源が充足されている不交付団体でございます。
 市債は市の借金ですが,29年度は17億1,200万円を見込んでおりますが,借金の元金返済が17億6,700万円ありますので,借金の残高は増やさないよう財政規律を守った予算としております。
 歳出の内訳を見ますと,民生費が135億4,100万円で全体の50.7%と半分を占めています。保育所の定員拡大や,高齢者の増加による介護保険や後期高齢者医療特別会計への繰出金が増加していることによるものでございます。
 そして教育費は23億8,200万円で全体の8.9%でございます。
 資料の2ページをご覧ください。平成29年度予算の特色でございますが,大きく2点について,説明させていただきます。
 まず,1点目の待機児対策等でございますが,予算編成方針の柱「子育てしやすいまちづくり」に該当する施策でございます。
 28年度に施設整備に対する補助をいたしまして,29年4月から新たに私立認可保育所3施設,公立の和泉保育園を建替え民間のよる運営とし,定員の拡充を図り,あわせて小規模保育1施設を開設することで,保育定員を255名拡大しております。平成28年4月の待機児は142名でしたが,待機児は低年齢児に多いことから,29年度にはさらに1施設の私立認可保育所を30年4月の開設に向けて整備してまいります。31年度には待機児解消を目指しております。
 前回の総合教育会議で議題となりました児童・生徒数の増加による普通教室の不足へも対応させていただきました。
 狛江第五小学校は隣接する用地に(仮称)東野川放課後クラブを新築するための設計を29年度に行い,30年度に工事,31年4月開設の予定でございます。
 狛江第一小学校は,児童数の増加により,給食室が手狭となることもございまして,普通教室の不足解消とあわせて対応するため,29年度に基本設計を行い,30・31年度で工事する予定としております。
 北部児童館につきましては,29年度に実施設計,30年度に工事を予定しております。北部児童館には,小学生クラブや中高生の居場所としての機能も備える予定でございます。
 次に,2点目の魅力づくりといたしましては,イベント関係としまして,まず,新たな音楽祭の開催を予定しております。これはエコルマホールと駅前の三角地を活用して実施するものでございます。
 浮世絵展の開催につきましては,篤志家のご好意により近世以降に描かれた浮世絵の特別展示会を開催するものでございます。
 平成28年4月に実施いたしました,ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン・プレフェス・ア・コマエにつきましては,30年4月の開催に向けた準備に入り,それ以降は毎年度の開催としていく予定でございます。
 市民花火大会につきましては,市政施行記念事業として5年おきに開催していましたが,クラウドファンディングの手法も取り入れ,30年度の開催に向けて準備を進めます。
 貴重な環境資源であります多摩川の利活用に向けましては,交流拠点の創出として河川敷で,駐車場とドックランの試験運用を始めます。また,国の治水対策として予定している多摩川土手の天端舗装整備にあわせ,市として環境に配慮した保水性舗装といたします。
 白井塚・亀塚・猪方小川塚につきましては,都市計画公園として事業認可を受け,今後,歴史公園として整備してまいります。29年度では用地取得等に取り組むものでございます。
 これらの取り組みにより,狛江の魅力を高め,市内外へ発信してまいるものでございます。
 資料の3ページをお願いいたします。教育費予算の概要でございます。教育費としての予算規模は,23億8,213万3千円となり,前年度比,3億9,433万3千円,14.2%の減となりました。
 減額となった主な要因といたしましては,28年度には狛江第一小学校大規模改修工事が約3億円,小・中学校校舎非構造部材対策工事が約8千万円,そして狛江第三中学校管理諸室及び特別教室空調設備整備工事が約7千万円ございましたが,これらが終了したことによるものでございます。
 平成29年度で予定しています学校関係の施設整備といたしましては,狛江第三小学校家庭科室改修工事,緑野小学校給水管改修工事,狛江第五・狛江第六小学校プール循環設備及び小荷物専用昇降機改修工事,狛江第五・和泉小学校・狛江第四中学校プール槽改修工事がございます。
 国庫補助金の関係で平成28年度予算にはなりますが、29年度に繰り越して実施する事業といたしまして、狛江第六・和泉小学校管理諸室及び特別教室空調設備整備工事と狛江第一中学校特別教室空調設備整備工事も実施いたします。
学校以外の教育関係の施設整備といたしましては,あいとぴあセンターと西河原公民館は,29・30年度の2か年かけて改修工事を行います。
 (仮称)元和泉運動ひろばは,水道局用地内にある使用していない市道の付け替えとして,無償で使用させていただくものでございます。広さは約840㎡でボール遊びができるよう,高いフェンスで囲い,自由に利用いただけるよう整備するものです。
 また,西和泉体育施設と市民グランドのトイレは,洋式化へ改修いたします。
予算としましては教育費ではございませんが,市の計画でございます公共施設整備計画を見直し,現在の教育研究所を建替え,子育て・教育支援複合施設とする方針といたしました。この複合施設は,子ども家庭支援センターと児童発達支援センター,そして教育研究所の機能を併せ持つものでございます。29年度には基本設計,31年度には工事を予定しております。
 子ども家庭支援センターは当初,岩戸児童センターから保育園の仮園舎への移転拡充を予定していましたが,保育園の仮園舎は29年度の前半で内部の改修工事を行い,後半からは,これまで分散していた福祉作業所を統合して使用することとしたことから,公共施設整備計画を見直し,複合施設とすることとしたものでございます。
 猪方学童保育所につきましては老朽化対応としての改修工事を行います。
 資料の4ページをお願いいたします。
 教育費予算における拡充事業等でございます。
 主なものについて説明させていただきます。このたび見直しました,教育広報誌「ガク☆キチ」につきましては,カラー印刷で年3回発行する予算としております。
 支援チームによる不登校支援モデル事業は,文部科学省からの委託事業でございますが,28年第3回定例会で補正予算を組み,28年度の途中から実施している事業でございますが,29年度も継続して取り組むものでございます。
 狛江第三中学校でのオンライン英会話授業の実施につきましても,28年度にベネッセと協働して取り組んだ事業でございますが,29年度も実施するための予算を確保しております。
 タブレットとして活用することもできるハイブリッドパソコンにつきましては,中学校の特別支援教室分として1校あたり4台導入いたします。
小学校給食調理につきましては,平成26年度から順次,委託化を進めてまいりましたが,29年度は狛江第三小学校を委託化いたします。これで委託化される学校は4校目となります。残り2校(和泉・緑野小学校)につきましは,正規職員の給食調理員の処遇の問題もございますので,委託化の実施時期につきましては未定でございます。
 小・中学校の楽器整備につきましては,平成27年度からの5か年計画で取り組んでおりますが,29年度も予定どおり整備してまいります。
 山村留学事業につきましては,市長公約の1つでございます。不登校対策支援として,28年度も小菅村への体験事業を実施しておりますが,この山村留学事業は,小学校高学年児童を対象に,小菅村の民家にホームステイを行うものでございます。
 29年度は周年事業がいくつかございます。狛江第三小学校は60周年,狛江第一中学校は70周年,狛江第二中学校は50周年となるため,それぞれ記念誌を作成いたします。
 そして市民センターは開館40周年を迎えます。公民館では記念特別講演を図書館では記念しおりの作成を予定しています。
 平成27年度から取り組んでおります。郷土カルタの作成につきましては,27年度に読み句を,28年度に絵札を作成いたしまして,この3月には郷土カルタとして完成いたします。29年度は郷土カルタの普及を目指し,カルタ大会の実施を予定しています。あわせて販売用のカルタも作成するものでございます。
 以上,雑駁ではございますが,平成29年度予算の説明とさせていただきます。

○会長
 来年度の一般会計の当初予算の説明がありましたが,狛江市の財政状況を大まかなところで説明します。
 狛江市の人口が現在8万800人あまりとなり,この2,3年の間に人口の大幅な入れ替えが起き,1万人ぐらいの方が転出されて,1万2千人ぐらいの方が転入されているという状況です。
 転入された人たちの中には,子育て世代の方が多く含まれています。担税力のある方が比較的多いので,個人市民税としては伸びている状況です。一方では,元々法人が少ない中で,法人企業として今週の16日にニトリがオープンし,一週間前にはヤマダ電機がオープンしました。しかし法人としての総量は少ないので,どのようなところに出ているかというと,たばこ税が年間3億5千万円,一日あたり100万円ぐらい入ってくるのですが,法人市民税というのはそれよりも少なく,2億9千万円ほどしか入ってこないという状況があります。
 従って個人市民税は伸びたとしても,地方交付税の交付団体なので,多少伸びた分は地方交付税が減額されて,総体としては伸びず,来年度予算の0.4%増というような状況にならざるを得ない財政構造になっています。限られた予算をいかに有効に使って行くかというのを工夫しなければいけない状況というのは継続している,というのが大まかなところです。そのようなことで,出来る限り知恵を使った予算にはしているつもりです。学校関係予算についても,かなり知恵を絞りました。よろしくお願いします。

○佐藤委員
 ありがとうございます。今説明を伺って,色々なところで学校関係,教育関係でご配慮いただいて,非常にありがたいと思いました。さらに充実を図っていく必要があると考えていますが,一昨日,次期学習指導要領の案が示されましたが,その中でプログラミング教育をこれから取り入れるというようなことが明示されていることから,学校図書館の充実を図っていくことが明記されています。次期の学習指導要領は3年後になりますが,それに向けて少しずつ来年から考えていく時期に入るのではないかと思います。一生懸命考えていただいているのは分かりますので,更によろしくお願いします。

○会長
 ご質問が無ければこれで終わりにしたいと思いますが,先ほど教育部長から説明がありましたように,一年間続いてきましたアウトリーチの集大成が,明日エコルマホールで行われます。お忙しいとは思いますが,なかなか実のある催し物ですので,出来る限り足を運んでいただければありがたいと思います。
 それでは,他に無ければ,次回の予定をお願いします。

○事務局
 次回の総合教育会議は,年度明けの開催を予定しています。開催にあたり,日程その他必要な事項は,改めて個別に調整をさせていただきますので,よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。

○会長
 なるべく早い時期の開催を重ねて要望いたします。それでは以上にて,平成28年度第3回狛江市総合教育会議を閉会します。