躍動人 特別編 市長座談会コーナー

片山隆司さん(狛江市医師会会長・かたやま内科クリニック)
平本淳さん(東京慈恵会医科大学附属第三病院副院長)

 市内の各分野で活躍されている方(躍動人)に、市長がお話を伺うコーナーです。
 今回は特別編として、新型コロナワクチンの3回目接種(追加接種)が本格的に進んでいく中で、医療現場の最前線で活躍されている立場から、身近な狛江の先生方に3回目接種に関する見解や気になる点などについてお話しを伺いました(令和3年12月28日実施)。

令和3年を振り返って

市長
 まず、令和3年を振り返っていかがでしたか。

片山
 
ワクチンという武器が手に入った中で、医師会として広く安全にしっかりとワクチン接種していくことが一つのテーマでした。狛江というスモールタウンの中で、市の周知も非常に充実していたし、市民の皆さんも毅然と接種を受けてくださいました。

平本
 
慈恵第三病院として大変だったのは、ワクチン未接種の高齢者の感染や重症者が多かった第3波のときでした。その後ワクチン接種が進み、第4・5波のときは、確かにかなりの患者数を受け入れたものの、ワクチン効果やマネジメントの知識がしっかりしてきたので、混乱なく非常に落ち着いて対処できた印象です。

市長
 
1・2回目接種では、狛江市は全国でもトップレベルの接種率を獲得できました。また「若者への接種が大事である」という先生方のご提案を「SAVE KOMAE PROJECT」という若者の接種率向上に向けたプロジェクトの立ち上げにつなげる取り組みも行ってきました。先生方のご尽力もあり、こうした結果が得られたのだと思います。

片山
 
接種率がとても高くて、本当に良かったと思います。まず、インフルエンザ等が流行する前にある程度終わらせておきたいという思いがあり、私たちと市で相談して最終目標を設定し、10月中には接種を完了したいという話をしていました。とにかく優先される高齢者の皆さんを守っていく考えから、一気に集団接種を進めました。最終的には若年層の接種率が80%を超え、中間層も88%近い接種率となりましたが、ここまでの接種率となった自治体は、ほとんどないと思います。市と風通し良く相談し、試行錯誤しながら進んだ結果、順調に進めることができたという実感です。

平本
 
接種率が高いというのは、感染者を抑えることにすごく役立っていて、第5波のときに当院に来た患者さんに狛江市民はあまり多くなかったんです。早くからしっかり接種できていたことの一つの証ではないかと思います。また、熱や倦怠感が続く方は多少いましたが、重篤な副反応が出た方はあまりいませんでした。副反応をメインで診る病院として、決して新型コロナワクチンの副反応を恐れる必要はないと思います。

3回目接種(追加接種)

市長
 
いよいよ3回目接種が始まりますが、いくつか気になる点もあります。まずは接種の効果。いろいろと報道されていますが、まだ十分に浸透していないところもあると思います。実際のところ、オミクロン株にも効果はあるのでしょうか。

片山
 
私のクリニックでも個人によりばらつきはありますが、2回目接種後6カ月ですでに抗体価が下がってる人が結構いましたので、7~8カ月という時期になると、おそらく感染に対する防御力はかなり弱まってきているのではないかと思います。オミクロン株は、従来株と比べて感染力が強いと言われています。ワクチン効果が弱まっている中で、できる限り防御力を高めておく必要があると思います。

平本
 
3回目接種が始まってからそれほど経っていないので、現段階で効果を実感することはなかなか難しいと思いますが、イスラエルなどでは3回目接種が感染予防、重症化抑制、入院回避、死亡率低下の点から明らかに良いというデータが出てきています。詳細なデータはこれから徐々に出てきますが、逆に他に何か良い手はあるかというと、特にないというのが現状です。安全性からもできる限り多くの方が早いうちに接種しておくことが大切だと思います。

市長
 
個人差はあるものの抗体価が下がってくる時期であり、1・2回目と副反応に大きな差はなく、また、オミクロン株に対抗するためにも、できる限り早く3回目接種を受けた方が良いとの見解です。ただ、市では1月29日(土曜日)から前倒しして接種を開始しますが、国からは前倒し用ワクチンとして、先にモデルナが入ってきますので、ファイザーの十分な供給は少し遅れることとなります。私は1・2回目でファイザーを接種しましたが、3回目をモデルナでとなると、いわゆる交互接種になります。市民の皆さんは1・2回目でファイザーを接種された方が多いため、交互接種に対してご心配な方もいるのではないかと思います。

片山
 
ワクチン接種の有効性の点では、間違いなく交互接種の方が抗体価は高くなります。安全性については、高齢者の皆さんはモデルナ接種の副反応はそれほど多くありません。また、3回目接種におけるモデルナの接種量は半分になります。有効性と安全性のバランスや最初にモデルナが供給されることを考えると、高齢者にモデルナで始めるのは理にかなっていると思います。

市長
 
できる限り早く接種いただき、重症化させないことが大事ですね。

平本
 
「高齢」は、重症化する大きな要素の一つですので、とにかくできる限り早く接種することが望まれます。また、高齢者はどうしても抗体の誘導、抗体価の高まりが弱いのですが、量が少なくても抗体の誘導はしっかりされますので、3回目に半量のモデルナを接種することが良い選択肢だと思います。

片山
 
患者さんには「狛江市は接種を安全かつ有効に、迅速に進めるため、一番我々が有効と思うモデルナでのスタートを予定している」「風評に惑わされてモデルナを恐がる必要はもちろんないが、どうしてもファイザーが良いという場合には、その時まで待つのも一つの手である」「一番重要なのは早く接種することであり、オミクロン株に備えるためにも早さがとにかく大事である」といったことをお伝えしています。

平本
 
まさにそのとおりです。何となくモデルナが恐くてファイザーが良いという気持ちも分からないではありませんが、そのために接種を遅らせずにモデルナを早く接種した方が、予防効果としては圧倒的に大きいと思います。患者さんから3回目接種をした方が良いかという話があったときには、できるだけ早い方が良いとお話ししています。

市長
 
異なるワクチンの接種でも特段問題なく、それよりも早く接種した方が良いということですね。

市民へのメッセージ

市長
 
本日は皆さんが安心して接種いただける心強いお話をいただけたと思います。最後に市民の皆さんにメッセージをお願いします。

片山
 
我々が自分自身を守る術としては、基本的にはワクチンしかないと思います。市民の皆さんから感染者、重症者を出さないため、今この時点でできることは何かと言われれば、確実にワクチンを接種することです。医師会も検査体制の充実とともに、発熱外来、酸素医療提供ステーションなどに人員を多く出しています。自宅療養者も守らなければなりません。ワクチン接種と医療支援体制の充実を医師会総動員でやっていこうと改めて検討しています。我々が市民の皆さんを守るというつもりで臨んでいきますので、ご協力のほどよろしくお願いします。

平本
 
3回目接種は感染や重症化の予防や死亡率を低減させる効果があることは間違いない事実です。副反応が心配になると思いますが、実際に我々が見ている中では、ワクチン接種の副反応よりも、コロナにかかった後の症状の方が断然辛いんですね。そこから考えると、予防接種の副反応を恐れるよりは、コロナにかかった後の症状を恐れた方が合理的です。ぜひ積極的に接種していただければと思います。

市長
 
市民の健康を守るため、引き続き三者で協力し合いながら進めていきます。2回目接種をされた方には、所定の期間が経過した段階でできる限り早く接種いただき、ご自身の健康を守り、そして安心をしていただきたいと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。



座談会の全文は市ホームページからご覧になれます。