1  日時 平成31年3月18日(月曜日) 午後7時~8時40分
2  場所 市役所特別会議室
3  出席者

委 員 若柳善朗、桑原勇進、田中映子、中山千緒里、花岡藍子、樋口ユミ、重国毅、久保田郁恵、増川邦弘(9名)

事務局 市長 松原俊雄、企画財政部長 高橋良典、政策室長 田部井則人、政策室協働調整担当 大脇瑶子、石由貴

傍聴者 1名

4  欠席者 下田禎敏 樋口豊隆
5 議題

1.開会

(1)前回会議録の確認

2.議題

(1)市長による講話及び質疑応答

(2)条例の骨組みついて

3.その他

6 提出資料

資料1:(仮称)狛江市人権尊重基本条例に規定する項目(案)

参考資料1:広報東京都(平成30年12月1日号)

参考資料2:公益財団法人人権教育啓発推進センター「人権について知りましょう」

参考資料3:「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例骨子案」について

前回会議録

7 会議の結果

1.開会

(委員長)本日は2名の委員が欠席。

 

2.議題

(1)市長による講話及び質疑応答

(委員長)条例を制定するにあたり、より詳しく制定に至った経緯や内容等について伺いたいと思い、この場を設けている。市長の講話の後、条例の骨組みについて話し合う。

(市長)

【人権尊重基本条例の策定のきっかけ】

  • 1つ目は、狛江市第3次基本構想に掲げられている「まちづくりの原則」の中の「平和を求め人権を尊重するまちづくり」。平和については「狛江市平和都市宣言」及び年2回の平和事業を行っており、平和の大切さを市民と共有している。人権については市として統一された基本がないことから、昨今大きな問題となっているハラスメント、いじめ、虐待等と権利を明確にしておかなければならないと考える。
  • 2つ目は、前市長によるセクシャルハラスメント問題。市職員や市民が人権について高い意識を持つと共に、人権侵害があったときの対応ができるようにする。全国的にイメージが悪くなった狛江市を、人権の尊重できる先進市とすることで、人にやさしいまち狛江の実現を目指す。

 

【条例のイメージ】

  • 理念と実効性のある条例を作りたい。
  • 定義、つまり人権を阻害するような行動、種類、区分について。例えばハラスメントやいじめ、虐待、同和問題や人種差別などの用語の意味も含めて定義する。
  • 市民には人権を尊重される権利もある。
  • 責務、義務についても定義づける必要がある。超高齢化社会ではお互いに支え合うことが重要であり、権利だけの時代ではなくなってきている。自分自身の権利ではあるものの、他人に対する行為は責務や義務でもある。
  • 実効性のある条例には、啓発活動と相談窓口の設置が必要。既存の関係機関や公共機関の活用及びこれらの連絡協議会や、条例を推進する審議会が必要となる。
  • 子どもの権利条例を作るべきだという考えがあるが、人権尊重基本条例の中に含めるような大きな条例にした方が分かりやすい。ただし、細かいところは規則などで定める方がいい。
  • その他必要なことも含めて、本検討委員会にて検討いただきたい。

 

(委員長)質問や意見等あるか。

(委員)市民参加と市民協働の推進に関する条例も委員会で作ったのか。

(市長)その通り。初めての参加と協働の条例だったので、いかに市民参加を得て条例を作りあげるかが重要だった。

(委員)前市長のセクハラ問題を曖昧にせず、ここから教訓を得て狛江市のまちづくりに生かしていくと聞いて安心した。何か起こった時に、それがすぐに是正される組織、地域なのか否かが重要であり、狛江で起こったことをきちんと整理する必要がある。

(委員)国や都においてまだ法整備されていない事柄について、市が先立って条例に盛り込むことは可能か。

(市長)法律に規定されていないことを条例に定めることは大切。

(委員)連絡協議会の話があったが、既存の協議会は机上の話で終わっており、実のある体制作りをしていきたい。

(市長)福祉の分野ではケース会議というものがある。1つのケースに対して、支援できる機関の関係者が集まり、情報を共有している。ただし、個人情報の取扱いについては慎重にしなければならない。

(委員)どの連絡協議会も高齢化の問題がある。同じ人がいくつも掛け持ちしているケースも多く、個人への負担が多い。若い人たちを巻き込んでいける仕組みがあるといい。

(市長)NPOなどの支援団体に入ってもらうと若い人が増え、市内外問わず狛江を良くしていただく方と協働すれば狛江はもっと良くなる。

(委員)セクハラ問題以外に、市全体において将来危惧されるテーマはあるか。未来性のあるテーマをうたっていかないと議論が広がらない。

(市長)社会問題になっているものは狛江においてもテーマになる。例えば自殺があるということはいじめ問題がある。子どもに限らず高齢者、障がい者への虐待は狛江だけでなく全国的な問題である。狛江特有のテーマは社会全体のテーマと同じではないか。他にもこれから問題になるだろう社会問題に対してどう対策するか定義づけが必要。

(委員)狛江で今どのような人権にかかわる問題があるかを把握することは大切。市で持っているアンケートを参考にしたり、市民の声を集めたりするのもいい。狛江は小さいので変化を作れば動きが速いだろう。

(市長)市や警察が公表している統計などは次回資料として提供したい。

(委員)すべての問題を大きく網羅するというよりは、狛江における問題を取り上げた方がいいと感じた。これから制定する人権尊重基本条例は、既存の条例等に対してどのような位置づけになるのか。

(市長)狛江のまちづくりにおいて上位的な条例は市民参加と市民協働の推進に関する条例であるが、人権条例はその上に立つものと考えている。まちづくりの根幹が人権の尊重であり、その上で市民の皆さんが参加、協働してまちづくりをしていく。そのためには理念のみではなく実効性のある条例である必要がある。

(委員)狛江市ではオレオレ詐欺の被害が多い。今後一人暮らしの高齢者が増えていくので、高齢者に対して周りができることがあるといい。

(市長)人と人の支え合いを実現するためには市民の責務が必要になる。

(委員)実効性を確保するには、人とお金が必要。必要な予算は取ってもらえるのか。

(市長)既存の組織を活用しつつ、今後必要になるものがあれば提案いただきたい。

(委員)現在様々な窓口があるが、それぞれ忙しく、たらい回しにされる現状もある。既存の窓口でうまく回るのか疑問も残る。また、例えば児童相談所など、狛江市内では完結しない問題に対して本条例で対応しきれるのか。

(市長)外部機関においても責務、義務を科すことも一つである。各窓口をつなぐコーディネート機能が必要である。

(委員)審議会が推進を評価するという話があった。ある問題に対して条例に反しているか否かが争点となった場合、誰が判断するのか。

(市長)評価については条例に規定した審議会もしくは委員会が行う。罰則規定を設けた場合、審議会において条例違反か否かを決議し、市へ答申し、市長が当該個人もしくは企業名を公表するという手段もあるが、そこまでやるかどうかは委員会において検討してほしい。条例制定時に見直し規定を設け、何年か後に実情に合っているかどうか見直す方法もある。

(委員)条例をもって解決したい狛江における問題は何か、委員の皆さんとも話し合っていきたい。市が把握している問題やデータがあれば出していただきたい。

(委員)個別の課題を解決するというより、大きな枠組みとして基本条例があることによって市民が人権について色々な角度から考え、悪い物を排除するというスタンスではなく、より良い市を作っていくための成長課題が与えられたという位置づけにしたい。人権侵害はなくしていかなければならないが、罰則規定をもってなくしていくよりは、北風と太陽の“太陽”のように、空気を変えていくための基本を作りたい。

(委員)こういう人たちが困らないようにしよう、困っている人がいたら助けられるようにしよう、という意識づくりをイメージしている。

(市長)私の市長としての理念は「人にやさしいまちづくり」であるが、人権の尊重とやさしいまちづくりは一線置くべきと考えている。人権を尊重した結果人にやさしくなれると考えたほうがいい。

(委員長)長い時間お話しいただきありがとうございました。

-市長退席-

-事務局より配布資料の確認-

 

 

(2)条例の骨組みついて

-資料1に基づき事務局から説明-

(事務局)

  • 今後骨子案を作成するにあたり、条例に規定する項目を列挙した。
  • 項目に限らず、市長の講話から、条例に盛り込むべき事項等について広く議論いただきたい。
  • 広く人権を守るということの他に、狛江市として取り組むべき重点分野等があれば共有したい。

(委員長)意見等あるか。

(委員)罰則規定による公表について、何も情報が出なければ人権問題は解決しない。何が良くて何が悪いのかの判断も難しいが、現状このような問題があるという情報開示はしていくべきである。その際には個人なり企業が特定できないよう配慮する必要がある。

(委員長)罰則規定にも公表、勧告等色々な方法がある。現状を公表すると規則に規定してもいいかもしれない。

(委員)サンクション(制裁)という言葉がある。悪い行いをした人を懲らしめることだけがサンクションではなく、いい行いをした人を誉めてあげる、表彰することもサンクションであり、そういった公表の仕方もある。東京都の条例では不当な差別を受けたという人が相談に来た際にどうするという規定があるが、逆に市民や事業者が差別をしないようにする支援があってもいい。

(委員)実際の施策の推進として連絡協議会についてはぜひ入れ込みたい。

(委員長)市長の使命、市民の責務、市の責務といったところに盛り込む形になるのでは。付帯決議のような扱いで見直し規定を書いてもいい。

(事務局)狛江市において特に取り上げるべき課題等はあるか。

(委員長)条例の前文に具体的なことを書きたい。次回の会議までに何らかの資料を出してほしい。狛江市の人権相談における相談件数はきわめて少ない。

(委員)学校の中でもいじめがないわけではないが、それが狛江市で大きく問題になっていることはないと思う。事件や火事も比較的少ない。

(委員)差別や暴力だけでなく、孤立している人をどうするかも問題。オレオレ詐欺も高齢者の一人暮らしで起こりやすく、高齢者虐待についても孤立した状況にある家族による介護の大変さによるものだと思う。孤立や貧困、生きづらさなど、困窮していることを訴えられない人達を救うため、孤立しない地域づくりが大切。

(委員)犯罪レベルの人権侵害だけでなく、生きづらさを抱えた市民がいることも人権が保障されていない事態である。困窮者を助けるための活動をする人も増えてきているが、若い人は忙しく参加が難しいのではと感じている。

(委員)生きづらさという言葉は人権問題を身近なものに感じることができる。若年層の未就労者やニートと呼ばれる人についても言及したい。

(委員)わかりやすい大きな人権問題の括りから漏れてしまうような生きづらさを抱えている人についても示すことができる条例を作りたい。小さいまちだからこそ小さな問題を救い、平和で過ごしやすい狛江をつくりたい。

(委員長)答申書を提出する際に、条文には入れ込まなかったが伝えたい事柄を書くこともできる。

(委員)条例の目指す姿として、狛江は平和なまちだが、さらに住みやすい生きやすいまちにするというのは前向きで皆に伝わりやすい。それを阻害する問題があれば何かしら対応をしていくという条例であればとても分かりやすく先進的な条例になる。

(委員長)差別禁止という負の面から言うのではなく、前向きな条文になるだろう。

 

 

3.その他

(事務局)

  • 第3回委員会は4月16日(火曜日)午後7時から、第4回委員会は5月28日(火曜日)午後7時から開催する。
  • 中間報告フォーラムについては、進捗を見ながら7月6日(土曜日)、20日(土曜日)もしくは8月3日(土曜日)の午前中のどこかで開催することとする。

 

 

-閉会-