1  日時 令和元年11月6日(水曜日) 午後7時~午後9時
2  場所 防災センター302・303会議室
3  出席者

委 員 若柳善朗 桑原勇進 田中映子 中山千緒里 下田禎敏 樋口豊隆 花岡藍子 重国毅 久保田郁恵(9名)

企画財政部長 髙橋良典 政策室長 田部井則人 政策室市民協働推進担当 石由貴

傍聴者 7名

4  欠席者 樋口ユミ 増川邦弘
5 議題

1.開会

(1)前回会議録の確認

2.議題

(1)条例案について

(2)条例の名称について

(3)シンポジウム(市民説明会)(仮)について

3.その他

6 提出資料

配布資料

前回会議録

資料1:(仮称)狛江市人権尊重基本条例 条例案

資料2:(仮称)狛江市人権尊重基本条例 条例名について

資料3:(仮称)狛江市人権尊重基本条例 シンポジウム(市民説明会)<案>

7 会議の結果
1.開会

-事務局より出席者、配布資料、前回会議録の確認-

-事務局より市民からの手紙について概要説明-

-事務局より部落解放同盟との面談結果について概要説明-

 

2.議題

(1)条例案について

-資料1に基づき事務局より説明-

(委員長)前文について意見等あるか。

(委員)市民の権利について、第4条と比較的後ろの方に書いてあるため「基本的人権は、全ての人が生まれながらにして持っている権利であり」というところに、「誰もが自分らしく生きる権利」という言葉を足したい。2行目「狛江市では」と書いてあると狛江市だけで通用する規定のように読めるので、「狛江市では」を外し「人権が守られるためには、自分の人権が守られること、相手の人権を大切にすること、この両方が大切です。」と書き換えたい。前文の最後の文について「やさしいまちをみんなでつくっていくために、この条例を制定します。」としたい。

(委員長)「誰もが自分らしく生きる権利」という表現について、意見等あるか。第4条に定義されているので、前文はこのままで良いと思われる。

(委員)「誰もが自分らしく生きる」と入っていても不自然ではない。

(委員)基本的人権とは何かということを解説するための一文であれば、基本的人権とは何かを更に議論する必要があり、一言で言い表せるものなのか疑問がある。その表現はなくても良いかもしれない。

(委員)「日本国憲法で定められている」とあるので、提案された表現が実際に憲法の中にあるのであれば、入れても良い。

(委員)国立市の条例の前文に「誰もが自分らしく生きる権利を保障されている」という表現があり、そこから引用した。

(委員)憲法について書き表した文ではなく、狛江ではこう考える、というように狛江の考え方を表す文として書いた方が良いのでは。

(委員)憲法の条文に書いてあるというより、憲法が保障する基本的人権の中身について書いているので、憲法の条文を再度確認してほしい。基本的人権が守られる、だけでは何が守られるのか分からない。

(事務局)「誰もが自分らしく生きる」という表現は、前文の3段落目に入れても良いのでは。例えば「誰もがより生きやすい平和なまち」を「誰もが自分らしく生きられる平和なまち」とすることもできる。

(委員)横大道教授の基調講演の中では、基本的人権とは「生まれながらに当然に認められる権利」と定義していた。第4条に市民の権利として書いてあるので、基本的人権について述べる文であれば資料1のままで良いと思う。

(委員長)資料1のままで良いという方が多数なので、このままとする。「狛江市では~」という文について、意見等あるか。

(委員)一般的には相手の人権を大切にすることを人権とは言わないので、狛江独自の考え方だろう。狛江ではこういうことを人権と言いましょうと言いたいのであれば、多少違和感はあるがこれで良いのでは。

(委員)「両方が大切です」という表現が良い。

(事務局)提案いただいた言い方であれば、「狛江市では」という表現はなくても良い。

(委員長)「人権が守られるためには、自分の人権が守られること、相手の人権を大切にすること、この両方が大切です。」という表現にする。「やさしいまちをつくっていく」という表現についてはどうか。

(委員)やさしいまちをみんなでつくっていくのだという能動的な印象になる。

(委員長)「やさしいまちをみんなでつくっていくために」という表現とする。

(委員)イソップ童話のところでは、コートは人権侵害を表しているという理解で良いか。人権侵害をなくすために、北風を吹きつけるよりも、あたたかい気持ちで人権侵害をなくしていくという解釈で良いか。

(事務局)人権侵害を取り除くために、罰則等ではなく、あたたかい気持ちでやっていこうという意味があり、委員会にてイソップ童話の例えが出てきたこともあり、この文を入れた。

(委員)コートを人権侵害と例えるなら、「北風を『旅人のコートに』吹きかけ」とすべき。寓話を引用し狛江のメッセージを入れているので、今のままの表現では次の文とのつながりが見えない。「北風と太陽の話のように」と前後の文をつなぐ言葉がほしい。

(委員)この文章でこちらの言いたいことが必ず伝わるかと言われると、そうではないと思う。

(委員)言いたいことと北風と太陽の例えとのつながりが薄れている。

(委員)「冷たい風を旅人のコートに強く吹きかける」とし、「このイソップ童話のように」といったつなぎ言葉を入れたら理解しやすくなるのでは。人権侵害は許さないが、狛江が持っているまちや市民のあたたかさを結集して人権侵害をなくしていくのだというメッセージになると思う。

(委員)コートが人権侵害だという解釈はしていなかった。

(委員)人によって解釈の違いがあることも問題である。

(委員)解釈を厳密にしようとすると更に難しくなってくる。なぜここにイソップ童話の例えを入れたかというと、人権侵害はいろいろな背景があって作られるものだが、それをなくすために司法や警察権力等の強い力でこれをシャットダウンする方法を第一に取るのではなく、人権侵害が作られる背景となるものを溶かしていくという意味合いで考えることが大切。一定の強制力をもって人権侵害をやめさせるという対応も必要になってくるとは思うが、それが最優先の方法ではないということも含んで引用したはず。それがうまく伝われば良いが、接続が良くない。

(委員)差別で苦しんでいる人に対してあたたかさだけで良いのかという問題も出てくるが、あたたかくて小さなまち狛江を生かしていこうと今まで議論してきたので、皆が理解できるように表現したい。

(委員長)無理にコートを人権侵害と読まなくても、北風と太陽の違いを言っているだけではないか。みんなでやさしい気持ちでやっていこうということがわかれば、いろいろな解釈があっても良いのでは。

(委員)「イソップ童話のように○○することが大切です。」と書き、改行して「私たちは~許しません。」としてはどうか。

(事務局)「私たちは~許しません。」という一文を今の所から抜いて、3段落目に入れ込んではどうか。

(委員)「このまちにも,~」の文の後に入れたい。

(委員長)その次の「市民一人ひとりが~」の文は前文の結論にあたる部分なので改行したい。

(委員)日本国憲法には、基本的人権が公共の福祉によって制限されるといった趣旨のことは書かれていても、どんな時も必ず守られるといったことは書いていない。「この権利が守られるべきことは日本国憲法で定められています。」という表現が良い。

(委員長)第2条(3)に「団体等」と出てくるが、前号においてすでに「団体等」が定義されている。

(事務局)事務局で書き方を整理する。

(委員長)関係団体等は全て団体を指すのか。

(委員)東京都は法人としての東京都を指しているのか。

(委員長)組織体を指している。

(委員)関係機関として個人は考えられるのか。

(事務局)個人の専門家や関係者も考えられる。

(委員長)どちらにしても、(2)で団体等と使っている限り、(3)で団体等という書き方は適切でない。「等」を消して、(2)「団体」としたい。第3条について、同和問題をより掘り下げる必要があるか。

(委員)「出身」という言葉に含まれ、言い表すことができている。

(委員)立法事実として狛江市において大きく部落差別問題が顕在化している事実があればきちんと書くべきだが、そうではないのでこのままで良い。

(委員)「いかなる理由の有無にかかわらず」という表現に違和感がある。「いかなる理由にかかわらず」ではだめなのか。

(事務局)理由があって人権侵害をするのはもってのほかだが、はっきりとした理由がなかったり、無意識であったりしても人権侵害はしてはいけないので「いかなる理由の有無にかかわらず」としている。

(委員長)日本語として通じないことはないが、あまり使わない表現である。

(委員)どんな理由があろうとなかろうと、という意味合いか。

(委員長)「いかなる理由にかかわらず」という表現でも、理由があってもなくてもという意味にはなる。

(委員)やはり違和感がある。

(委員)「無」の部分が重要であれば、「いかなる理由にかかわらず、また明確な理由がなくても」ときちんと入れないとわからないが、そこまで入れる必要もないと思う。

(委員)「理由の如何(いかん)にかかわらす」では固すぎるか。

(委員長)「いかなる」を取り、「理由の有無にかかわらず」としたい。

(委員)一般的に同和問題を指す場合には、「出身」ではなく「出自」という言葉を使う。

(委員)出自にすると範囲が狭まる。出身といえば出自も含まれる。

(委員)同和問題を明確にするためには出自と書くこともできるが、広い意味での出身に含まれている。

(委員長)解説に補足説明を書く等工夫したい。

(委員)人権尊重基本条例を策定することによって何が変わるのか、行われるようになるのか、その実効性が市民から見て明確になることが必要と考える。第5条に市の責務が書いてあるが、国立市の条例を見ると、基本方針と推進計画によって実効性の担保が具体的に書いてある。狛江の条例でも方針や計画などの規定が必要ではないか。この条文では市が果たす責務の中身としての具体性が薄い。市民の方に人権条例が出来たことにより何が変わったか説明できるような、具体的なアクションにつながるような記述がほしい。第6条、第7条は「責務」ではなく「役割」という表現の方が良い。

(委員)第14条に書いてあるのではないか。

(委員)連携会議で足りるのか。

(委員)市の既存の計画がいろいろとあるので、その中で本条例の趣旨を踏まえて今後取り組んでいくというやり方もあるだろうけれども、具体性を表す記述がほしい。今後シンポジウムやパブリックコメントを通じて検討することもできる。

(委員長)具体的な市の施策は規則として定めることになるだろう。

(事務局)実効性としての計画や方針の策定は規定していないが、相談および救済、市の支援がそれにあたる。また、連携会議の設置により柔軟に対応できる体制を作っていくことができるという認識である。大きな方針を立てるよりも、実態に即して対応していくというやり方もある。

(委員)今後引き続き検討したい。

(委員長)第6条、第7条の表現は、責務にするか、役割にするか。「~しなければならない。」という形で書いてあるため、責務の方が適しているのではないか。これについては「責務」のままとする。

(委員)第9条について、相談と救済を分けた方が良い。安心して気軽に相談できるということと救済を必要とする事例を一緒にしてしまうと、救済に結びつくような相談は受けるが、そうではない主観的に問題であると思った相談でもいろいろな意見を聞いて解決に至ることもある。まずは誰もが安心して気軽に相談できることが大切なことである。相談の結果、救済措置が必要な場合もあるだろうし、誤解や行き違いというケースもあるかもしれない。その如何にかかわらず、安心して気軽に相談し問題提起できることが、新しい問題に対応し人権尊重の取り組みを発展させていくために大切であり、その相談を受け止められる体制が必要。そのため第9条は「相談」にして「市は、市民一人ひとりが生きづらさや人権を侵害されたと感じたときに、安心して気軽に相談できるよう~」とし、第10条を「救済」として「市は人権侵害の被害に対し、適切な救済を受けられるよう~」としたい。

(委員長)このことについて意見等あるか。

(事務局)相談と救済を分けることについては、違和感はない。「生きづらさや人権を侵害されたと感じたときに相談が受けられる」と書いてしまうと、相談に来る人にとってのハードルが上がってしまうのではないか。人権が侵害されたと感じる前に相談に来ていただきたい。救済に関しては前回の委員会で議論したように、後々救済となるような施策を展開する手がかりとなるような表現にしたい。人権侵害だと感じる前にできることもあるだろうし、できることがあれば対応していきたいという市の姿勢を示したい。

(委員)事務局の考えで良い。第9条に「安心して」という言葉は入れてほしい。

(委員長)第9条については「安心して気軽に相談できる」とする。安心してという言葉にはプライバシーが守られるという意味合いもあるだろう。何でも良いから気軽にどうぞという相談体制を取りたいし、相談があったものが必ずしも人権救済にあたるとも限らない。ハードルが高いと感じることなく相談に来てほしい。文のつながりを考え、第9条は「相談及び救済」のままとする。第14条について、基本計画の策定等を盛り込むのであれば2(1)に入るのではないか。他に追加することはあるか。

(事務局)基本計画や基本方針については、まず庁内における人権に関する施策を取りまとめ、進捗を見ていくのが第一歩であると考えており「条例の進捗、人権施策の評価」と規定している。今後人権に関する方針や計画を一本化すべきだという話になれば改めて策定することになるだろう。まずは既存の施策、今後展開する施策について、本条例を念頭において進めていくことが先だと考えている。

(委員)国立市の審議会の進捗はどうか。

(事務局)審議会のメンバー構成と第1回会議の記録が掲載されているので、国立市のホームページを参照いただきたい。

 

(2)条例の名称について

-資料2に基づき事務局より説明-

(委員長)「人権を大切にしみんなが生きやすい狛江をつくる基本条例」という名称について意見等あるか。

(委員)委員が出した意見を見ると、人権を「尊重し」という言葉が一番多い。

(委員長)条文にも「尊重する」と使われているので、「人権を尊重しみんなが生きやすい狛江をつくる基本条例」としてはどうか。頭に「狛江市」をつける必要はあるか。

(事務局)必ずしもつけなくてはならないものではない。

(委員長)委員会としては条例名を「人権を尊重しみんなが生きやすい狛江をつくる基本条例」で決定する。連携会議の名称はどうか。

(事務局)「○○基本条例推進連携会議」とするのが一般的だが、決定した条例名に連携会議をつけると、名称として長すぎる印象がある。

(委員長)「人権推進連携会議」では印象として固すぎるか。

(委員)尊重という言葉は入れたい。

(委員)略称として「連携会議」では、各所から皆が集まってきて話をしているイメージがあり、「推進会議」の方がやる気が現れるイメージがある。「人権尊重推進会議」がストレートで良いのでは。

(委員長)会議名は「狛江市人権尊重推進会議」とする。略称は「推進会議」とする。

(委員)付則に、令和2年7月1日から施行すると書いてあるが、推進会議の準備期間だけが理由であれば、4月から施行し、推進会議は追って成り立たたせれば良いのではないか。

(事務局)4月1日に条例を施行すると、条文があるのに推進会議が何もない状態で始まることになる。3ヶ月程度の公募市民の募集期間等を入れ、体制が整ってからの施行としたい。

(委員長)本日をもって素案を決定する。

 

(3)シンポジウム(市民説明会)(仮)について

-資料3に基づき事務局より説明-

(委員長)質問、意見等あるか。

(委員)シンポジウムとパネルディスカッションは異なるものである。それぞれの立場から感想や意見を述べていただき、フロアからの意見を取り、交流し、オープンエンドで終わる会であれば「シンポジウム」「シンポジスト」と統一した方が良い。

(委員長)シンポジストの了承は得ているのか。

(事務局)承諾いただいており、事前にご挨拶に伺う予定。また、聴覚障がいをお持ちの方がいるので手話と要約筆記をつける予定。

(委員長)資料の通りに進めていただきたい。

 

3.その他

(事務局)

 第9回委員会は来年1月16日(木曜日)午後7時から開催する。

 

-閉会-