川ガキたちの歓声 狛江水辺の楽校

産卵床は魚のふわふわベッド

 「さあ、これからオイカワの産卵床を作るぞ」
 7月6日。狛江市の多摩川で、俳優の中本賢さん(69)がライフジャケットを身に着けた子どもたちに呼びかけた。
 オイカワは多摩川を代表する大衆魚。産卵床作りは、産卵期に合わせ狛江水辺の楽校がほぼ毎年続けている夏の行事だ。
 中本さんは約40年、多摩川に親しむ自称「川遊びの達人」。魚の生態にも詳しく、毎回特別講師として産卵床作りを手ほどきしている。この日は、世田谷区の私立小学校の児童を含め20人の子どもと保護者らが参加した。
 中本さんの指導で、川に落ちた時に対処法を学ぶ「川流れ」を体験した後、産卵床作りへ。河原近くの浅瀬を選び、まず大人たちが鋤簾やスコップで硬い川底を掘り起こした。広さは約2メートル四方で深さは約15センチ。
 次に堰作り。子どもたちが大人の拳より大きい石を拾い、カーブ状に並べた。この後、手分けして河原に堆積したきれいな砂を運搬道具の箕で何度も運び、掘った場所に敷き詰めた。「ふわふわの『魚のベッド』にして産卵しやすくする」(中本さん)ためだ。野鳥から身を守る柳の枝を堰に刺して仕上げた。
 河原では、子どもたちを集めた「オイカワ講座」。中本さんがこの日、投網で捕まえ、婚姻色が浮き出たオイカワの雄を見せながら生態を解説。「昔の多摩川はすごく汚れていたけど、多くの人の努力で水がきれいになって魚がすむようになってきた。次にどんな川にするかは君たち次第だ」と熱っぽく話した。
 楽校が開校して25年。市民事務局長の竹本久志さん(73)は行事が終わっても川遊びに夢中の子どもたちを見つめ、思った。「感動は言葉や図鑑では伝わらない。自然とのふれあいを通して命の尊さを感じる豊かな心をもってほしい」と。

オイカワ体長8~16センチ。梅雨の繁殖期に入ると、雄は青緑やオレンジの婚姻色を帯び、顔に「追星おいぼし 」と呼ばれるブツブツが表れる。産卵床で雄同士が激しい縄張り争いを繰り広げる。卵は3日ほどで孵化ふか し、稚魚は3~4日ほど産卵床に留まる。

佐藤清孝(元新聞記者)

 今回で「〝川ガキ〟たちの歓声」は終了します。
 次回から新しい連載が始まります。

 


野川地域センターまつり開催

日程

10月5日(日曜日)午前9時30分~午後4時
※図書室の開室・リサイクル本の配布は午前10時から

式典・芸能発表会(午前9時30分~午後3時30分)

式典、オープニング(コマエンジェル)
おはやし、歌と演奏、合唱、バレエ、ハワイアン音楽、体操、カラオケ、フラダンス、ピアノ演奏、空手団体演舞、日本民舞、新舞踊

作品展(午前10時~午後4時)

陶芸、絵手紙、野川まちづくり協議会展示発表、緑野小学校・狛江第五小学校児童作品、狛江第四中学校美術部生徒作品

販売コーナー

パン、サンドイッチ、洋菓子、地元野菜、花束、キャンディレイ、笹団子

喫茶コーナー

コーヒー、紅茶、アイスコーヒー、アイスティー

会場・問い合わせ

野川地域センター 電話(3480)2211

 


令和7年 秋の上手いもの市

日程

9月25日(木曜日)・26日(金曜日)

時間

午前11時~午後2時

会場

市役所2階ロビー

内容

市内の障がい者福祉施設が一堂に集まって、自慢の自主製作品を販売します。素材にこだわった手作りのお菓子やぬくもりのある雑貨など、他では手に入らない品々が並びます。

問い合わせ

狛江市障害者地域自立生活支援センター 電話(5438)3533

 


ミチはここから展 Vol.4

日程

10月23日(木曜日)~26日(日曜日)

時間

午前10時~午後6時(最終日は午後4時まで)

会場

泉の森会館(元和泉1-8-12)

内容

障がい福祉サービス事業所の利用者等の多様な背景を持つ方々のアート作品の展示、自主製作品の販売、顔彩がんさい アートワークショップ(10月25日(土曜日)午後2時から。日本画の顔料を原料にした固形の絵具である「顔彩」を使用して即興的に絵を描きます)

問い合わせ

わたしたちはここにいるよプロジェクト 電子メール kokoniiruyo.project@gmail.com

 


地域cafeみらいつながり

日程

10月17日(金曜日)正午~午後2時

会場

狛江駅北口ほこみちエリア

対象

認知症の方とその家族、認知症サポーター等

内容

市のチームオレンジコーディネート事業として、認知症の方を中心としたメンバーで、カフェやイベントを開催します。

費用

100~500円(カフェ飲食代)

問い合わせ

つどいの場みらい・市川 電話080(7994)9929