1 日時

令和6年2月21日(水曜日) 午後7時~午後9時

2 会場

あいとぴあセンター4階講座室

3 出席者

会長:二宮 雅也
委員:染谷 泰寿、塩谷 達昭、小澤 明子、金子 育子、鈴木 一平、内村 イセ子、占部 澄子、中里 美智子、大倉 葉子 以上10人
専門家:早借 洋一

事務局:
健康推進課長(布施 治郎)
健康推進課健康衛生係長(木下 元貴)
健康推進課健康衛生係主任(植木 さおり)
健康推進課健康衛生係主任(中山 真紀子)
健康推進課健康衛生係主事(木村 かな子)
健康推進課健康衛生係主事(関 千尋)

4 欠席者

副会長:鈴木 礼子 委員:河西 あかね、柴﨑 美紀

5 協議内容

【報告】健康こまえ21等改定に関するアンケート調査報告書(案)について

6 添付資料
  • 【資料1】健康こまえ21等の改定に関するアンケート調査報告書(案)
  • 【資料2】健康こまえ21・食育推進計画の成果指標(速報値)
  • 【資料3】計画改定スケジュール(予定)
  • 【資料4】健康教育講演会チラシ
  • 【資料5】女性の健康セミナーチラシ

7 会議の結果(要旨)

(1)健康こまえ21等改定に関するアンケート調査報告書(案)について《【資料1・2・3】に基づき、事務局より説明》

(委員)
 回答に偏りがある理由を教えてほしい。

(事務局)
 居住地で均等にしているが、年齢は無作為である。偏りという点では、各年代での回答率が下がっているところがあるように見えるが、前回と比べて80歳以上からの回答を得られるようになったためこのようになっている。

(委員)
 60歳以上という区切りでは得られる情報が少なくなる。近年、定年を65歳とする企業もあるため、もう少し細かく区切っても良いのでは。

(事務局)
 今回は10歳区切りで調査を行ったため、これ以上の区切りを設定することは不可能である。ただ、特に高齢者では、就業しているかどうかで生活が変わると考えられるため、職業クロスについても検討する。

(委員)
 問3の設問の回答のうち、「自殺を考えたことがある」の項目とどのように比較すれば良いか。

(事務局)
 自殺を考えたことがある人と考えたことがない人とを比較した場合、人間ドックを受けた割合に差があったことを示している。

(委員)
 成果指標の中のがん検診の受診率の数値はどのように集計しているか。

(事務局)
 前回同様、どれか1つでもがん検診を受診した人の割合となっている。

(委員)
 それを分かった上でお聞きするが、その集計方法だと、過剰に多く見えてしまうのでは。

(事務局)
 それぞれの数値が低いことについては課題と考えており、次期計画の際、検討する。

(委員)
 当院では市で作成しているパンフレットを見せ、乳がん検診の受診を勧めている。健康診断受診者に対しては、受診の際、がん検診の受診を勧めるのが良いと思う。健康診断を受診すれば、がん検診を受診したことになっていると誤認している人が多い。

(委員)
 健診を受けなかった理由として、時間がないといった割合が減ったことは好ましい。

(会長)
 クロス集計を見ると分かるが、40歳未満は「費用がかかる」が多く、40~59歳では「時間がなかった」や「面倒」が多い傾向は変わらない。また、女性は就労環境の影響が少ないように見える点が印象的であった。

(委員)
 イベントなどで言うと、健康増進室で運動しているような人がイベントにも参加していて、そのような人は健康を意識的に管理している。大部分の方がその理想的な状態であれば良いのだが、そのような人はごく一部で、その他大勢は健康を管理していない。一日の歩数が4000~6000歩という現状の中、市民全体が運動をしようとする習慣をつけるためには、どうすれば良いかということが問題になっている。私も日本医師会の健康スポーツ委員の活動の中で、マッピングを用いて、どこでどのような運動を、どのような指導者の下で行っているかについて、国の補助金を活用して、分析を試みている。大勢を取り込むときにどうすれば良いか、具体的に聞きたい。

(事務局)
 ウォーキングに関しては、狛江市内はどこでも歩くインフラが整っていることが良い資源になると考えているが、計画策定の過程で検討する。

(委員)
 市で何かする、というだけではなく、国の補助金を利用することなども考えていただきたい。

(委員)
 人間は直立歩行の生き物のため、腰と膝が悪くなりやすい。そのため40歳くらいから腹筋背筋をしており、腰痛予防になっている。1年くらい前に膝が痛くなったが、スクワットを行うことで改善した。今はお風呂で正座しているが、膝が強化されて意外と良い。ウイルスが目から入っても感染しないが、鼻や口から入ると汚れの中で増殖した後、身体に入って感染する。そのため寝る直前の歯磨きうがいは大事である。8時間寝て朝起きた時の口の中の状態は一番汚いので、それを落としてから朝食を食べることもがん予防等に大切。歯間ブラシの使用も大切。歯周病検診の受診率はまだまだ低いが、少しずつ向上している。今後も意識の向上を図っていきたい。近所との交流についてでは、年齢が上がると割合が高くなっているが、交流の際にお茶などをこまめに飲む習慣も身につけると、なお良いと思う。

(会長)
 かかりつけ歯科医について、男性の18~39歳と比べて女性の18~39歳は割合が高くなっているが、実感されておられるか。

(委員)
 歯科検診の受診率を見ても男性の18~39歳は低い。女性の方が都合がつきやすいのかもしれない。

(会長)
 歯に対する美意識も関係しているように思う。美容等、若い人の入り口になるコンテンツがあれば良いと思う。

(委員)
 がん検診について、これまでは市で実施している検診の受診率しか分からなかったが、今回のアンケートで職場における受診等の数値も分かるようになったことがとても良かったと思った。がん検診の受診率は50.6%となっているが、1つ1つの検診の受診率を見ると20%程度となっている。1つ1つの受診率を50%に近づけていく工夫が必要。けんこうガイドの全戸配布を行ったことは意義の大きなことであるし、健診の受診率は健康推進課の方々の努力により26市中では上位に位置しているが、その延長でがん検診の受診率向上への取り組みもセットで進めていただたい。健康診断の勧奨時にがん検診の受診を奨めるなどをしていただきたい。私は健康診断を受診される患者さんに、けんこうガイドを渡してがん検診のページを見せるようにしている。見開き1枚のパンフなどを作って、健康診断の勧奨時に配布したり、医師会の興味のある先生方に配布する等して欲しい。また、可能であればがん検診と合わせてHPV、子宮頸がんワクチンの勧奨についても行っていただきたい。健康推進課に提供してもらったデータによると、大学生の接種率は20%程度となっている。大学生は接種を受ける最後のチャンスで、この機会を逃すと公費で受けられなく、がん検診を奨めることしかできなくなる。広く浅くも大切だが、広く「浅くなく」も大切だと考えている。

(会長)
 男性から乳がん受診の回答があることについて、市としてはどのように考えているか。

(事務局)
 男性の受診も考えられるが、国等の指針を鑑み、市として男性の乳がん検診を行う予定はない。

(会長)
 男性の回答者がいたと判断するか、矛盾回答と判断するか、公表する立場としてスタンスを明確にしておいていただきたい。自殺対策の部分で何かご意見はおありか。

(専門家)
 18~39歳の女性の、「過去1年以内に自殺をしたいと考えたことがあるか」について、24.7%は高いと思った。一生の中で自殺を考えたことがある人は3割と言われている。今の社会的な背景や経済的状況の影響があると思う。ただ、自殺念慮があっても実際に実行する人はわずかであり、そこでの抑止についてはあまり大きく考える必要もないのかもしれない。主観的幸福感のところで、例えば運動習慣のある人は自殺を考えたことがある割合が低い傾向があるというのは分かるが、これをどう施策に結び付けていくのかという話になると難しいと思う。自殺対策における運動や食事や睡眠習慣は、アセスメントであって統計的に見るのは意味がないと思っている。また、いかに健康感が高くても、人のストレス耐性は3カ月くらいで落ちていくので、統計的に見ることはあまり意味がない。むしろ、自殺を考えている状況の中で、睡眠がとれない、精神症状が出て食事が取れない、運動するどころでない、という逆の流れがあるように受け止めている。若い世代を含めて、いのちの電話の認知度が高いと思った。今後狛江市が自殺対策の施策を進める上で、いのちという言葉を表に出していくべきと考える。

(会長)
 いのちの電話という表現と、こころの電話という表現は重みが違うと思う。逆に言うと内容が違うもののようにも見えてしまう。行政は総合的な窓口になりがちだが、最後の砦として捉えてもらえるようネーミングになるよう工夫する余地はあるように思う。クロス集計については因果関係があるとは言い切れないところもあるが、他の研究も参考にしながら進めていただければ。

(委員)
 お酒を飲む理由で、「やめられない」が「20~39歳」で高いことが気になった。

(会長)
 依存があるかもしれない。年代別に見ると特徴がある。調査結果ではポジティブに評価されていたが、リスク要素として見ていく必要があると思った。

(委員)
 自殺について、ここまで多くの方が自殺したいと思っていたことに驚いた。また、若者は思っていた以上に、厚生労働省や東京都の自殺防止ダイヤルを知っていると感じた。学校教育のおかげでいつの間にか頭の片隅にあって、それをアンケートで回答したものと思う。狛江市の管轄で言うと小・中学校だと思うが、この結果を教育委員会の方に積極的にお伝えして、その上で学校教育に活かしてもらうようお伝えいただきたい。

(事務局)
 狛江市の自殺対策に関する庁内検討委員会にて関係者に示し、新しく自殺対策計画を策定する上で活かしていく予定である。

(委員)
 今回からインターネットでの回答を実施したが、回答率は上がったのか。

(事務局)
 数字だけ見ると変わってはいない。市で行った他のアンケートでも令和5年度は低い結果となっている。コロナ禍明けで以前より外出するようになったことが考えられるが、我々の力不足もあるかもしれない。今回の回答率は36%となっている。

(委員)
 調査対象者以外の一般市民へ、QRコードでの回答を周知していくことも必要だと思う。

(会長)
 郵送と重複して回答する人が現れるという問題もあるが、数を稼ぐということを主眼に行っても良いと思う。

(委員)
 郵送での回答とインターネットでの回答でアンケートの結果に差は出ているか。

(事務局)
 今のところそういった分析は行っていない。

(委員)
 今回の結果を見て、若い方の回答が少ない。全体平均を見た時にバイアスがあるが、施策を考える上で考慮する必要があると思った。一般の回答者の中に若い回答者はいたか。

(事務局)
 現状集計していないが、出すことは可能だと考える。

(会長)
 体を動かすことについての部分でご意見はあるか

(委員)
 普段から歩いている方は多い。体を動かすことは運動・スポーツだけではなく、歩くことも含めて良いと思う。

(会長)
 歩く歩数を見ても、「男性40~59歳」は「6,000~8,000歩未満」の人が多い。通勤などで必然的に多くなっていると思う。歩数を少なく答えていても実際は歩いている人も多いと思う。

(委員)
 失礼だが、この設問に意味はあるのだろうか。例えば18歳から39歳の方で1,000歩も歩かない人は一人もいないと思っている。運動のために歩いているのは何歩か、と捉えて答えている可能性がある。通勤で歩くことを入れていないのかもしれない。万歩計をつけて確認したら、違いが現れるかもしれない。

(会長)
 オフィスまで車で行って、車で帰ってくる人もいて、1日1,000歩も歩かないような人もまれにいる。基本的に働いている人は先生のおっしゃるとおり通勤によって歩いていると思うが。指標の一つにはなるが目標値にするのは難しいかもしれない。

(委員)
 朝食に関しては、40代男性で「食べない」の回答が多いことに驚いた。私たちの世代がそうなので、若い世代に朝食を食べなさい、ということは難しいと思った。野菜についても普段の食事で「ほとんど食べない」の回答が多いことに驚いた。一方で、別の設問では健康のために野菜をたくさん食べると答えている人が多いのも、面白いと思った。

(会長)
 ここはアンケートの面白いところである。また、アンケートに答える人は健康意識が高い人である。健康意識の低い人はアンケートに回答しないので、この数字はもっと悪いことが考えられる。

(委員)
 自殺対策でどのようなことをすべきか。

(専門家)
 自殺対策は自殺念慮のある人にどう寄り添えるかが課題で、いくつかのポイントがある。所属感の減弱というのがあり、仲間が一人もいない、つまはじきにされている、所属感がない、天涯孤独であると感じてしまう状況を避けることである。寄り添う人は話を聞いて仲間になる、所属感を与えることである。もう一つのポイントは、自己肯定感である。自分はこの世に何の役にも立っていない、家族は自分に見向きもしない、と自己肯定感が弱まってしまうことを避けるべきである。更にその上にあるポイントが自殺遂行能力であるが、男性は女性の1.5倍自殺者数が多い。それは行動を起こすことが可能であるためである。防止のために、ビルの屋上にフェンスをつけること等がある。この3つが自殺予防の対策として言われていることである。本人へのアセスメントで切り込んでいくこともあるが、違う要素での枠組みもある。

(会長)
 自殺したいという感情を持たないための対策、手前の部分で、そのあたりが健康づくりとリンクしている部分である。ただし今回は計画が3本立てなので、その前段をしっかりさせなければならないと思う。

(委員)
 自殺念慮のある人の仲間になることはすごく難しいことかと思う。プロの方は大丈夫だと思うが、ある程度の関係を超えてしまうと、自分が影響を受けてしまうこともあると思う。話を聞くのも大事だが、プロの方に繋ぐのも大事だと思う。自己肯定感についてはどうか。

(専門家)
 自分の話を真剣に聞いてくれる人がいてくれる、と思ってもらえることが大事。

(委員)
 臨床心理士をしているが、そこまで追い込まれる前に絵を描いて視覚的に表現することで、自分のことをよく理解できる。うつ病のリハビリや依存症の治療に用いられている。

(会長)
 「ありがとう」と言われると自己肯定感が上がる。「ありがとう」と言われないことが日常となっているので、「ありがとう」と言われる関係性を作っていくことが、時間はかかるが大切だと思う。

(会長)
 クロス集計について、「その他」の内容が分からないので工夫していただきたい。年度比較を行っている設問とそうでないものにムラがあるのでご検討いただきたい。

《【資料3】に基づき、事務局より今後のスケジュールについて説明》

 

(2)健康教育講演会・女性の健康セミナーについて
《【資料4・5】に基づき、事務局より説明》
《次回の開会予定等の事務連絡等》

(会長)
 以上で令和5年度第5回狛江市健康づくり推進協議会を終了する。来年度、第1回目の本協議会は5月頃行うこととする。日程は改めて事務局より連絡する。