1 日時 平成24年9月24日(月) 午後6時15分~8時15分
2 場所 市役所3階 301会議室
3 出席者 副委員長 菅原 昭英
委員 新井 勝紘、稲葉 和也、井上 孝、田中 英利子、谷川 章雄、坪西 由美子、冨永 春芳
事務局 浅見 文恵、宇佐美 哲也、清水 聡(市史編さん室)
4 欠席者 委員長 森 安彦
5 議題 1.市史編さん事業の基本構想、基本方針、基本計画について
2.編集専門委員、専門調査員、調査員の委嘱について
3.歴史的公文書の取扱いについて
4.その他
6 提出資料 1.狛江市市史編さん事業の基本構想(骨子案)
2.市史編集専門委員及び専門調査員・調査員の候補について
3.狛江市非現用文書取扱規程(案)
7 会議の結果

・委員長が欠席のため、副委員長が議長を務め、議事を進行。議長、開会を宣言。

議題1 市史編さん事業の基本構想、基本方針、基本計画について:資料1
・資料1について事務局から説明。資料1は、近隣自治体における市史編さんの基本構想等の骨格を参考に、第1回の委員会において各委員から出された意見等を整理し、基本構想の骨子案を事務局で作成したもの。この案をもとに基本構想等の審議をお願いしたい。
(1)「1.はじめに」に関しての意見
・委員から、新しい市史の呼称について質問がなされた。各委員からは呼称について、「新修狛江市史」「新編狛江市史」「新狛江市史」、「狛江の歴史」など、様々な意見が出されたが、いずれの呼称を採用しても一長一短があることから、改めて検討することとなった。事務局からは、「新『狛江市史』」という名称は実施計画上の呼称であり、刊行物としての市史の名称は編さん委員会で検討して欲しいこと、また呼称は「5.編さんの基本方針」にも係るため今後の課題としたいと説明をした。
(2)「2.事業の目的」に関しての意見
・各委員からは、これまで蓄積されてきた調査・研究の成果を十分に活用することだけではなく、今回の編さんの過程で行う調査の成果を盛り込むこと、さらには未発見の史料の掘り起こしに努めるという姿勢を明記すべきとの意見が出された。また、市史を新たに編さんする意義を明確に示すためにも、今回を第二次編さんとして、前回の市史編さんにおいて不足した部分、前回の市史編さんで出来なかったことを明らかにし、それらをどう補っていくのかという視点が必要であるとの意見が出された。あわせて、前回の市史編さんとは異なった問題関心・視点(たとえば環境史、災害対応と生活史など)の持ち方もあることから、これらをあわせて明文化すべきとの意見が出された。
・さらに、委員から、歴史資料館や公文書館などの施設の整備に関して「視野を含んでおく」という表現ではなく、「見通しをつける」などの表現に変えるべきとの意見が出された。あわせて、前回の市史編さん事業が15年という長い期間をかけたものの、終了後は継続的な地域史研究に継承できなかったことから、編さん事業終了後の継続性に配慮することが重要であるとの意見が出された。副委員長からは、継続性が重要である旨を基本構想に入れて、その方法として具体的な施設を整備するという流れが良いとの意見が出された。
(3)「3.事業の基本方針」に関しての意見
・委員から、編さんの過程においては、情報発信や市民参加が重要であり、例えば地域ごとに座談会を行うなど、細やかな交流・情報交換の場づくりに努めることで、地域に埋もれた史料に関する情報提供を得られることも考えられるため、講演会などの規模の大きな事業ばかりではなく、細かな地域に入り込むような事業展開が必要であるとの意見が出された。
・また、次世代へ地域の歴史を伝えていくという表現が必要であること、狛江の未来を展望するような市史編さんができれば良いとの意見も出された。委員からは、次世代へ繋げるということを編さんの過程でどのように具体化していくのか、普及版の対象が大人なのか子どもなのか、学校教育のなかにどのように生かしていくのか等についても検討すべきとの意見が出された。
・委員から、書籍としての刊行物のみではなく、映像・音などを取り入れて市史として活用すべきとの意見が出された。例えば、発掘調査現場の様子やお囃子などの映像、狛江の方言について実際のアクセントを声・音として記録するなど、新しい記録媒体を生かし、DVDなどに附編としてまとめる等の工夫が必要であるとの意見が出された。
・副委員長から、市民協働に関しては、編さん委員会や編さん室が主導するのではなく、自主的な活動を行っている人たちと連携を取り、市民と一緒に考えていくという視点が重要であるとの意見が出された。
・委員から、「狛江」という行政単位は近代以降にできたものであり、近世以前はないため、狛江という地域をどう捉えるのかが重要であるとの意見が出された。副委員長からは、行政単位を離れた地域の特色・個性について、古代の帰化人説など話題になりやすい部分もあることから、わかりやすく記述できればとの意見が出された。
(4)「4.事業の基本計画」に関しての意見
・委員からは、編さん事業の期間について、フローチャートなどを作るべきとの意見が出された。事務局からは、市史編さん事業として、平成32年度に市史本編を刊行することは決定しているが、スケジュール等については、市史本編及び付随する史料集の編集方針、刊行の過程が決定しなければ、全体の事業のスケジュールを決めることは難しいため、史料調査の方針、各刊行物編さんの基本方針を固めた上で、今回出された意見を整理して提示したいと説明した。
・副委員長から、市史研究をどういう冊子にするのか、論文のみの掲載とするのか、コラム・資料紹介等を掲載するのかなどについて、早めに考えておいた方が良いとの意見が出された。
(5)「5.編さんの基本方針」に関しての意見
・事務局から、史料の総体把握や史料の調査の方法、史料集をどういったかたちで刊行していくのか、早めに検討したいため、別途編集専門委員の方々に議論をしてもらい、その結果をもとにして次回の編さん委員会に大枠を提示したいと説明し、了承された。
・副委員長から、編集専門委員の委嘱等について質問が出された。事務局からは、現段階では、編集専門委員の委嘱が近世及び近現代の文献の方々のみとなっているが、その理由は、作業量を考えると、近世と近現代を先行して骨格を固めていかないと実務的に間に合わないためであり、文献以外の分野を省くものではないこと、あくまでも史料集作りに時間がかかる分野に関して、先行して編集専門委員会にて検討をしてもらいたいこと、文献以外の分野に関しては文化財との絡みもあるので、次回整理をして案を提示したい旨を説明した。
・副委員長から、前回の市史編さん時に刊行をした『狛江市史料集』では、断簡を含めて網羅的に古文書を収録してきたが、できればこうした形で進めてもらいたいとの意見が出された。
・委員からは、災害・地形・環境史といった自然地理学や生態史などの分野にも配慮する必要があるとの意見が出された。特に東日本大震災以降、人類史だけで歴史を叙述する姿勢が見直されてきている。したがって、史料集の作成を先行した際、そのような分野に係る史料を取りこぼさないように注意すべきこと、また、これまでの自治体史では、歴史・考古・民俗の間に壁があり、民俗を市史の付録のようなかたちにするものが多いが、そうではなく各時代史の記述に関連づけたり、考古についても広く通史的な記述に生かしていくなど、分野ごとの垣根を越えた編さんを目指すべきとの意見が出された。
・民俗や自然史の分野に関する編さん委員・編集専門委員については、編さん委員と事務局で早急に候補を絞ることになった。

議題2 編集専門委員、専門調査員、調査員の委嘱について:資料2
・事務局から近・現代を担当する市史編集専門委員1名・市史編さん専門調査員2名・市史編さん調査員1名の委嘱をしたい旨を提案し、全会一致で承認が得られた。

議題3 歴史的公文書の取扱いについて:資料3
・事務局から説明。資料3は前回提示した資料に事務局で必要な事項を加えたもの。
・事務局から、歴史的公文書の選別に関しては何らかの基準を設けない限り、保存年限を過ぎた公文書を残す根拠ができず、これまでと同じ状況が続くことになるため、まずは基準を設けて実際に文書の蓄積を始めることが肝要であること。そのため、まずは試行したいことから、選別基準について承認を頂きたい旨の説明をした。
・委員からは、市史編さんの過程において、歴史的公文書として残しておくべきものが出てきた場合に、基準を追加することもあり得るとの意見が出された。
・委員からは、文書を選別する担当部署について質問が出された。また、選別・保存・公開の手続きについて質問が出された。事務局からは、選別は主管課が行い、最終的な確認は政策室が行うこと、選別作業及び文書保管は当面政策室で行うが、平成28年度以降、歴史的公文書の保管・公開については市史編さん室が行う予定であること等を説明した。また、公開にあたっての具体的な手続きや情報公開上の考え方等については、別紙整理を行っている旨を説明した。
・歴史的公文書の取扱いについては、選別基準について、実際に抽出された文書のリスト等に基づき、必要に応じて追加・修正等、編さん委員会として確認を行っていくことなどを条件に、事務局が提示した選別基準(案)で、実際の選別作業に着手することが了承された。

議題4 その他
・今後のスケジュールについて
・第3回編さん委員会は、10月下旬~11月の編集専門委員会で編さんの基本方針等を協議した後に行いたいことから、12月中旬に開催予定をしている。

・議長、閉会を宣言。

    


狛江市市史編さん委員会委員 名簿

肩書 選任の区分 氏名
  委員長 学識経験者 森 安彦
  副委員長 学識経験者 菅原 昭英
  委員 学識経験者 新井 勝紘
  委員 学識経験者 稲葉 和也
  委員 文化財専門委員 井上 孝
委員 公募市民委員 田中 英利子
委員 学識経験者・文化財専門委員 谷川 章雄
委員 公募市民委員 坪西 由美子
委員 文化財専門委員 冨永 春芳