1 日時 令和元年7月31日(水曜日)午後2時~午後4時
2 場所 狛江市役所 特別会議室
3 出席者

会長

杉浦 浩

 

委員

吉井 博明、佐藤 淳一、岡村 しん、栗山 たけし、三角 たけひさ、田中 智子、小野寺 克己、髙山 精一郎、鈴木 一成

 

臨時委員

宮崎 彰(大澤 真一代理)、近藤 由紀夫(白銀  武郎代理)、谷田部 英雄、本橋 正美

4 欠席者 石井 恒利、田邉 学、小峰 君次、毛塚 正太郎
5 議題

(1) 調布都市計画生産緑地地区の変更について(報告)

(2) 岩戸北二丁目周辺地区地区計画の変更について(報告)

(3) 多摩川住宅地区地区計画について(報告)

(4) その他

6 提出資料

事前配布資料

  • 開催通知

 

 

当日配布資料

  • 資料1-1 調布都市計画生産緑地地区の変更について(案)
  • 資料1-2 調布都市計画生産緑地地区総括図(案)(狛江市決定)
  • 資料1-3 調布都市計画生産緑地地区の変更について(案)(スライド資料)
  • 資料2-1 岩戸北二丁目周辺地区地区計画(パンフレット)
  • 資料2-2 岩戸北二丁目周辺地区地区計画の変更について(案)(スライド資料)
  • 資料3-1 多摩川住宅地区地区計画(パンフレット)
  • 資料3-2 多摩川住宅ニ棟団地管理組合法人建替え計画検討資料
  • 資料3-3 多摩川住宅地区地区計画について(スライド資料)
  • 資料4-1 狛江市都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画策定スケジュールについて
  • 資料4-2 東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針(案)【概要版】
  • 狛江市都市計画図
  • 狛江市都市計画審議会委員 臨時委員名簿
7 会議の結果

  

事務局

 ただ今から平成31年度第1回狛江市都市計画審議会を始めさせていただきます。本日はご多忙の中、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。

 それでは、市長の松原から開会のごあいさつを申し上げます。市長、よろしくお願いいたします。

 

市長

 皆様こんにちは。本日は大変お忙しい中、平成31年度第1回都市計画審議会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。

 皆様におかれましては、色々な場面で狛江市の発展にご尽力いただいておりますことをこの場を借りてお礼申し上げます。

 本審議会に新しく狛江市議会より5名、市民の方3名、調布警察署、狛江消防署、マインズ農業協働組合、狛江市農業委員会からそれぞれ委員に就任いただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日は調布都市計画生産緑地地区の変更、岩戸北二丁目周辺地区地区計画及び多摩川住宅地区地区計画の3件の報告事項がございます。

 また、市の取組といたしまして、総合基本計画の策定に合わせて本年度から3か年で実施いたします立地適正化計画の策定及び都市計画マスタープランの改定がございます。

 私は本日、都庁にお伺いし、東京都市長会から東京都へ令和2年度の予算要望をしてきたところでございます。市長会では環境部会と建設部会に所属しておりまして、本日は建設部会として稲城市長ほか4市長が、それに携わる局、そして本部、3局1部に予算要望してきたところでございます。その予算要望は、この都市計画審議会に関わる部分も多く、農地の保全関係、道路、住宅、また耐震関係、主要道路沿道地区の耐震といったこともございまして、数々の要望をいたしました。相当な部分を要望してまいりましたので、その中でまた皆様にご報告させていただき、ご審議いただきたいと思います。

 来年度、狛江市政は50周年を迎えます。これを契機に、狛江市のさらなる発展を目指してまいります。皆様には活発なご議論をいただき、狛江市のまちづくりにお力添えをいただきますようお願い申し上げて、ごあいさつとかえさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

事務局

 今回の都市計画審議会の委員になられた方のご紹介をさせていただきます。委嘱状につきましては、それぞれみなさまの席にご用意しておりますので、ご確認ください。

 はじめに、市議会議員の方からご紹介いたします。

 本年5月17日に狛江市市議会臨時会において、狛江市議会より5名の都市計画審議会委員が選出されました。

 狛江市議会議員の岡村しん委員です。栗山たけし委員です。三角たけひさ委員です。田中智子委員です。小野寺克己委員です。

 続きまして、市民委員の方のご紹介をいたします。市民委員につきましては、平成29年度よりお務めいただきました委員の方々が令和元年5月31日をもって任期満了となりました。市民参加の裾野拡大を図り、幅広く市民のご意見を会議の議論へ反映させる目的から、無作為抽出方式によって市民委員の選任を実施し、3名の方に委員をお引き受けいただきました。市民委員の髙山精一郎委員です。鈴木一成委員です。本日はご欠席されておりますが、毛塚正太郎委員にもお引き受けいただいております。

 続いて、今年度の都市計画審議会の臨時委員になられた方のご紹介をいたします。

 狛江消防署長の白銀武郎委員です。本日は、代理といたしまして、予防課防火査察係長の近藤由紀夫委員にご出席いただいております。調布警察署長の大澤真一委員です。本日は、代理といたしまして、交通課長の宮崎彰委員にご出席いただいております。マインズ農業協同組合理事の谷田部英雄委員です。狛江市農業委員会会長の本橋正美委員です。

 委員の皆様より自己紹介をお願いいたします。

 

(委員自己紹介)

 

 委員の皆様、ありがとうございました。

 続きまして、事務局より自己紹介をさせていただきます。

 

(幹事及び事務局職員自己紹介)

 

 誠に申し訳ありませんが、市長は公務により途中退席させていただきます。

 

(市長退席)

 

会長

 狛江市都市計画審議会の会長の杉浦です。本日の議事を進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、平成31年度第1回狛江市都市計画審議会を開催いたします。

本日の都市計画審議会は、招集委員18名の内、欠席委員が4名でございます。狛江市都市計画審議会条例第7条第2項の規定に基づき、過半数以上の出席ということで本会議は成立いたします。

 次に会議録の署名者を選出いたします。狛江市都市計画審議会運営規則第13条第3項の規定により、議長と議長が指名する委員が署名することになっておりますが、本日は岡村委員にお願いいたします。会議の公開について事務局から説明をお願いします。

 

事務局

 本日の審議会に先立ちまして、広報を通じて傍聴者を募集いたしましたところ、11名の傍聴希望者がありました。狛江市都市計画審議会の会議の公開に関する取扱要綱第4条に規定する傍聴者の員数10名を超えたため、令和元年7月11日(木)に公開抽選を行い、傍聴者10名を決定いたしました。なお、報道関係等からの傍聴希望等についてはなかったことをご報告いたします。

 

会長

 それでは、傍聴人に入室いただきます。

 

(傍聴者入場)

 

会長

 それでは、これより審議に入ります。はじめに資料の案内をさせていただきます。事務局より説明をお願いします。

 

事務局

 では、本日の資料について、説明いたします。

 事前配布資料は開催通知、当日配布資料は、次第及び配布資料一覧、資料1-1 調布都市計画生産緑地地区の変更について(案)、資料1-2 調布都市計画生産緑地地区総括図(案)(狛江市決定)、資料1-3 調布都市計画生産緑地地区の変更について(案)(スライド資料)、資料2-1 岩戸北二丁目周辺地区地区計画(パンフレット)、資料2-2 岩戸北二丁目周辺地区地区計画の変更について(案)(スライド資料)、資料3-1 多摩川住宅地区地区計画(パンフレット)、資料3-2 多摩川住宅ニ棟団地管理組合法人建替え計画検討資料、資料3-3 多摩川住宅地区地区計画について(スライド資料)、資料4-1 狛江市都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画策定スケジュールについて、資料4-2 東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針(案)【概要版】、狛江市都市計画図、狛江市都市計画審議会委員 臨時委員名簿です。

 狛江市都市計画図につきましては、議事の進行に合わせて適宜ご活用ください。また、資料3-2多摩川住宅ニ棟団地管理組合法人建替え計画検討資料につきましては、計画検討段階の内容となっているため、この場限りとさせていただきたく、審議会終了後回収をいたします。

 ご質問等ある場合は、挙手をしていただきますようお願いいたします。こちらでマイクをお持ちいたします。それでは、杉浦会長お願いいたします。

 

会長

 それでは、議題1 調布都市計画生産緑地地区の変更についての報告でございます。事務局から説明をお願いします。

 

事務局

 調布都市計画生産緑地地区の変更について報告いたします。

 これより、正面のスクリーンを使用して説明をさせていただきます。

 本日お配りいたしました資料にも同様の内容を記載させていただいておりますので、併せてご覧ください。

 本日は、平成30年に行為制限解除された生産緑地地区について次回開催を予定しております第2回狛江市都市計画審議会にお諮りするため、事前に報告するものです。

 はじめに、計画書の内容を説明いたします。

 計画書第1の種類および面積の表でございますが、今回の変更により変更後の狛江市内の生産緑地地区面積は約30.01ヘクタールとなります。

 次に第2の削除のみを行う位置および区域としましては、表にございますように全部削除となる箇所が1箇所、一部削除となる箇所が4箇所となります。削除面積の合計は約4,070平方メートルとなります。また、変更の理由でございますが、所有者の方からの買取り申出にともなう行為制限の解除により、生産緑地の機能を維持することが困難となったことなどがございます。具体的には、主たる従事者の死亡によるものです。

 次に第3の追加のみ行う位置及び区域といたしましては、表にございますように、地区の一部となる追加が2箇所となります。追加の理由といたしましては、農林業との調整を図り、良好な都市環境の形成に資するため、市街化区域内において適正に管理されている農地等を指定するものです。

 続きまして新旧対照表で説明いたします。それぞれの地区数及び面積でございますが、表の左下を見ていただきますと、変更前は地区数139件、面積は約302,900平方メートルでございましたが、今回の削除面積が約4,070平方メートル、追加指定面積が約1,090平方メートル、精査による増加面積が約140平方メートルございます。変更後につきましては、地区数139件、面積は約300,060平方メートルとなります。

 それでは生産緑地地区の変更内訳について説明します。

 はじめに削除について説明いたします。

 スライド中央右寄りに地区番号26番の生産緑地地区が、和泉本町三丁目地内にございます。こちらの地区は、主たる従事者の死亡により、地区の一部約1,160平方メートルが解除となります。

 スライド中央左よりに地区番号186番の生産緑地地区が、和泉本町三丁目地内にございます。こちらの地区は、主たる従事者の死亡により、地区の一部約690平方メートルが解除となります。

 こちらは地区番号26番の解除前の現況写真になります。

 こちらは地区番号186番の解除前の現況写真になります。

 スライド中央に地区番号60番の生産緑地地区が、東野川一丁目地内にございます。こちらの地区は、公共施設等の設置として生産緑地法第8条第4項の適用を受け学童クラブを建設したため解除になります。地区の一部約900平方メートルが解除となります。なお、解除に伴い地区が分断されることから、地区東側については、地区番号191番の振り直しを行います。

 こちらは解除部分の現況写真になります。

 スライド右寄りに地区番号75番の生産緑地地区が、中和泉三丁目地内にございます。こちらの地区は、主たる従事者の死亡により、地区の一部約620平方メートルが解除となります。

 こちらは地区番号75番の解除前の現況写真になります。

 スライド中央に地区番号116番の生産緑地地区が、猪方三丁目地内にございます。こちらの地区は、主たる従事者の死亡により、地区の全部約700平方メートルが解除となります。

 こちらは地区番号116番の解除前の現況写真になります。

 続きまして変更内訳の追加についての説明いたします。

 スライド左寄り中和泉四丁目地区内に地区番号73番の生産緑地地区がございますが、現状、畑として耕作しておりますので、約960平方メートルを追加指定いたします。

 こちらは地区番号73番の追加部分の現況写真になります。

 スライド中央、猪方三丁目地区内に地区番号109番の生産緑地地区がございますが、現状、畑として耕作しておりますので、約130平方メートルを追加指定いたします。

 こちらは地区番号109番の追加部分の現況写真になります。

 生産緑地の減少につきましては、制度上の限界があり、食い止めることは大変難しいと考えております。後ほど、その他にて報告いたしますが、今年度より令和3年度にかけて都市計画マスタープランの改定を行います。その中で、都市計画公園の再配置について検討します。市内生産緑地のうち、都市計画公園の指定をすることが望ましいと考えられるものもあります。それらを公共空地として選定しておき、宅地化を防止する仕組みづくりを検討したいと考えています。

 今後の予定につきましては、本日報告いたしました内容をもとに、東京都との協議を本年9月上旬ごろ、都市計画法第17条第1項に基づく縦覧と意見書の提出期間を10月上旬に設ける予定です。

 その後、本年11月下旬に開催予定である第2回狛江市都市計画審議会へ諮問をする予定としております。

 以上で、調布都市計画生産緑地地区の変更(案)についての説明を終わります。

 

会長

 説明が終わりましたが、何かご意見、ご質問があればお聞きします。

 

委員

 従前より申し上げていることですが、生産緑地はオープンスペースとして市としてもきわめて重要な位置づけにあると認識しています。ただ、それをどう戦略的に活用していくかというプランがあまりなく、ご報告の中で都市計画公園との関係のことを少し仰っていましたが、防災上の空間として、延焼防止や避難所としても非常に有効です。国分寺市の例では地域防災計画の中でJAを通じた協力体制を構築していたり、地区防災計画における市と自治会等との協定の中で避難所としての受入れを行うなどの取組をしているところもある。このように様々な活用法があるわけで、戦略的な利用プランを、農業委員会と連携をとりながら作っていく必要があるであろうということを申し上げます。

 

会長

 ありがとうございます。都市計画公園に指定できればそれに越したことはありませんが、この中のどれくらいがその可能性があるかというと、そう多くは無いのかなと思います。委員が言われた生産緑地を守る色々な政策が必要であろうということ、それから農業政策とリンクさせて都市農業を維持、発展させていく、そういったことも都市計画の立場だけでなく全庁的に様々な施策を兼ね備えてやっていくことが必要である気がいたします。

 その他ご意見がなければ、次の議題に移ります。

 それでは、議題2 岩戸北二丁目周辺地区地区計画の変更についての報告でございます。事務局から説明をお願いします。

 

事務局

 岩戸北二丁目周辺地区地区計画の変更素案について説明いたします。     

 はじめに、これまでの取組の経緯について説明いたします。

 岩戸北二丁目周辺地区では、昨年3月に岩戸北二丁目周辺地区地区計画を都市計画決定し、地域交流地区、幹線道路沿道地区、中高層住宅地区において、まちづくりに関する具体的なルールを定めました。

 しかし、本地区においては、低層住宅地区における適切な生活道路網や調布都市計画道路3・4・4号線及び3・4・7号線の事業化を見据えたまちづくりの検討、さらに地区全体として、公園や広場が不足していることから、これらの課題についても引き続き検討を行うため、昨年度より第2段階の取組を進めてきました。

 第2段階のまちづくりの検討にあたっては、地区により特性や課題が異なることから、資料2-1の5ページに示しております緑色の部分の低層住宅地区とオレンジ色の地区整備計画区域に分けて議論を重ねてきました。

 これまでに地区別検討を2回ずつ行い、今年の2月、新たに追加するルールの内容についてとりまとめを行いました。

 ここからは、変更の内容について説明いたします。

 本地区では、都市計画道路の計画や大規模研究施設が立地することから、地区の状況の変化に応じて、段階的にルールを追加、見直ししていくこととしています。

 地区計画区域は、地域交流地区、幹線道路沿道地区、中高層住宅地区、低層住宅地区の4つに区分しております。このうち、緑色でお示ししている低層住宅地区を新たに地区整備計画区域に追加いたします。

 土地利用の方針は、各地区の土地利用の方向性を示したもので、今回追加する低層住宅地区については、一戸建て住宅や低層共同住宅が調和する安全で緑豊かなゆとりのある低層住宅地の形成を目指す、という土地利用の基本的な方向を示します。

 また、地区施設の整備方針についてもすでに、地区計画で示されていますが、低層住宅地区における生活道路基盤の整備に関して、幅員4m未満の狭あい道路の拡幅整備等により、幅員4m以上の適切な生活道路網の形成を図ること、開発行為等により整備された行き止まり道路の奥敷地において、避難経路協定の締結などにより、災害時の二方向避難経路の確保を図ること、無接道敷地において、一定の条件を満たしたものに例外的に建替えを認める建築基準法第43条第2項第2号に基づく協定通路を拡幅整備することにより、幅員4mの道路空間の確保を図ることの3点を新たに追加します。

 次に、地区施設について説明いたします。今回、低層住宅地区の区画道路を新たに地区施設として追加していきます。スライドでお示しする低層住宅地区内の幅員4m以上の区画道路を、地区施設に位置づけます。これにより、建築基準法で定められている幅員4m以上への整備を明確化し、地区内の十分な歩行空間の確保や防災性の向上を目指します。

 地区施設に位置づける幅員4m以上の区画道路のうち、図にお示しする水色の部分は、地区周辺の幹線道路に接続する主要な区画道路であると考えております。一定の幅員を確保することで、安全に歩行できる空間や緊急車両の動線を確保していくことが望ましいですが、現在は4mに満たない部分もあります。

 このため、このスライドに青色でお示しする路線については、地区内の主要な生活道路として、5mの区画道路に位置づけます。今後の土地利用転換時には道路空間を確保し、将来的に5mの道路を整備していくことで、道路沿道と一体となった快適な空間形成を図っていきます。地区内では、比較的利用者が多く、都市計画道路が整備される際には、さらに利用者が増えることが考えられます。道路の安全性及び利便性の向上のため、幅員5mに指定することが望ましいと考えています。

 続きまして、建築物等に関するルールについて説明します。今回は、1.建築物の用途の制限、2.道路境界線からの壁面位置の制限、3.壁面後退区域における工作物の設置の制限、4.隣地境界線からの壁面の位置の制限、5.建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限、6.垣又は柵の構造の制限の6つのルールについて追加を考えています。

 1つめのルールは、建築物の用途の制限です。

 地域交流地区を対象として、周辺の住宅などに配慮し、地区にふさわしい健全な土地利用を図るため、新たにマージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、ゲームセンター等の娯楽施設を制限していきます。

 2つめのルールは、道路境界線からの壁面の位置の制限です。

建物の建て詰まりの解消を主な目的とし、道路境界線から建物の外壁面を後退させるルールが必要と考えております。

 現在のこちらの地区の状況はスライドの写真のように道路境界線に沿ってブロック塀などが設置され、建物等も道路に迫るように建設されている状況です。この状況を解決するため、道路境界線からの壁面の位置の制限を行います。

 防災上の観点から、建物等の建て詰まりの解消を目的として、建物等の壁面を道路境界線から1m後退させ、道路状空間を確保していくものです。

 区画道路沿道の敷地では、道路境界線から建築物の壁又はこれに代わる柱の面までの距離は1m以上とすることで、建物等の建て詰まりを防ぎ、安全で緑豊かなゆとりのある低層住宅地区の形成を目指します。なお、壁面の後退をさせる1mの空間は、道路ではなく敷地となることから、生け垣や安全な柵等は設置可能とします。 

 3つめのルールは、壁面後退区域の工作物の設置制限です。区画道路の内、幅員5mの位置づけがされている区画道路沿道の敷地においては、工作物の設置制限をかけることで、将来的に5mの道路空間を確保していきます。幅員5mの位置づけがされている区画道路沿道では、壁面の位置の制限により道路中心線から2.5m以内の区域に門、塀、フェンス、看板等の工作物の設置を制限します。

 4つめのルールは、隣地境界線からの壁面の位置の制限です。

 これは、プライバシーや日照、採光などの住環境を保全や建物の密集を防ぐため、隣地境界線から建物の外壁面を後退させるルールです。建物を隣接する敷地との隣地境界線から0.6m下がったところから建てることで、敷地の周りに空間を確保していきます。

 建物を隣地境界線から0.6m下がったところから建てることで、敷地の周りにあるフェンス等を除き、約50㎝の有効な空間が確保されます。これにより、災害時の避難経路とすることが可能となります。

 5つめのルールは、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限です。

 これは、まち並みの調和を図るためのルールで、狛江市景観まちづくりビジョン・第2編ガイドライン編で定められている基準をルールとして位置付けていきます。具体的には、狛江市景観まちづくりビジョンでは、地域別に色彩ガイドラインを定めており、その内容にしたがい外壁基本色等について、色彩基準に適合させることとなります。

 最後は、垣又は柵の構造の制限です。緑豊かで地震に対して安全な住環境の形成を図るよう、高さの高いブロック塀を禁止し、地区特性に応じた敷地周りの緑化を誘導するルールです。

 道路に面して設ける垣又は柵の構造は、地盤面からの高さが1.8m以下とし、生け垣又はフェンスなどとすることで、ブロック塀を制限していきます。ただし、一般的なブロック塀での3段分に当たる60センチ以下であれば設置を可能としていきます。

 今後のスケジュールにつきましては、都市計画法第16条に基づく地区計画変更原案説明会を8月下旬から9月中旬ごろ、都市計画原案の縦覧及び意見書の提出期間を9月上旬から9月下旬に設けます。

 その後、都市計画法第17条に基づく都市計画案の縦覧及び意見書の提出期間を11月上旬から12月上旬に設け、年明けごろに都市計画変更決定告示を行う予定としております。説明は以上になります。

 

会長

 ご意見、ご質問があればお聞きします。

 

委員

 17ページからの提言について、私は6月28日に開催されたまちづくり懇談会に出席させていただいているのですが、この案についての説明がありました。壁面を道路境界線から1m下げる、その上で道路境界線から50センチの範囲は敷地内だが歩道状空地にする、道路境界線から50センチの範囲は生け垣や植栽のみ設置できる、という3つの案で、その中でいずれかを選ぶとしたら、という内容であったと思いますが、あまり議論はされていなかったような印象がありました。それぞれの案のメリット、デメリットについてはっきり説明してくださいとその場では申し上げましたが、翌日の会ではどのような意見が出て、本日この案に至ったのかということをご説明ください。

 

幹事

 6月29日の懇談会では、より具体的なメリット、デメリットを示したほうがよいとのアドバイスをいただいておりましたので、壁面線を1m下げる、さらに道路境界線から50センチの範囲を歩道状空地とする、道路境界線から50センチの範囲は植栽だけにする、という3案を提示した中で、メリットとデメリットをご説明しました。

 1案では建て詰まりの解消ということで住民への影響が少ない中で防災面に寄与するというご説明を行いました。2案では歩道状空地に関する管理等を地権者様に負担していただくこととなりますので、固定資産税の減免はあるのかといったご質問もあり、そういった点で地権者様へのデメリットはあるものの通行性が向上し、地域の安全性等が増し、ひいては総合的なメリットも拡大するということをご説明したところ、固定資産税の減免がなく、補修費の負担があるのであれば歩道状空地は反対である等の意見も出てまいりましたので、1案が望ましいと考えております。

 

委員

 わかりました。6月28日の懇談会ではそのあたりの意見がなく、この案に至ったということに不安に思っているところもありましたが、全体として良くなっていくという話と所有者にとっては負担してもらう部分も出てくるので、そのあたりの説明をしていくときにはメリット、デメリットをしっかりと説明していただいて進めていただければと思います。

 

幹事

 今後、そのような点に留意して懇談会等に臨みます。

 

委員

 地域の中で特に狭いところを広くしていこうという将来性を持った計画だと思います。隅切りについての設定はしないのか、あるいは現状のままなのか、そのあたりはいかがですか。

 

幹事

 建築するにあたりルールがあり、東京都には建築安全条例がありますので、最低限のルールは満たす形で隅切りは設けることになります。低層住宅地区にある多くの交差点は4mくらいの幅員ですので隅切りを設けていただく必要は生じます。そういうルールは建築する上で必要となるものですので、あえて位置を指定しての地区計画上のルールは設けておりません。ただ、幅員5mに広げる場合には隅切りを少しずらす等の交渉を地権者の方と行い、整備していただく方向で進めなければならないと考えております。

 

委員

 1点確認なのですが、低層住宅地区に関するルールということで、すぐに色々な将来の形が固まることではないと思いますが、地区計画の範囲内に都市計画道路の線が2本入っていますが、今回はほとんど言及されていません。段階的に地区計画を変更して対応していくことになるのでしょうか。道路の整備予定と地区計画とをどう関連させていくのかを教えていただけますか。

 

幹事

 地区計画の第3段階の検討課題として、調布都市計画道路3・4・4号線の整備がありますので、その時点で具体的な沿道地区の用途緩和等の検討を進めていく必要があるのではないかと考えています。

 低層住宅地区の中でも、初期の懇談会ではそのあたりの提案をしたこともあったのですが、具体的な整備スケジュールはどうなるのかといった話題に終始することになり、市が事業主体ではないということもあり、あまり議論を深めることができなかったという経緯があります。

 

会長

 状況をなるべく先取りして、早めに地区計画に合った運用をしていただきたいと思います。それでは次に議題3 多摩川住宅地区地区計画についての報告でございます。事務局から説明をお願いします。

 

事務局

 多摩川住宅地区地区計画について報告いたします。

 多摩川住宅は、築後50年余を経過し、建物や設備等の老朽化や地区内の高齢化が著しい状況ですが、建ぺい率26%、容積率60%の都市計画の指定等により、建築物の更新や施設需要の変化に対する柔軟な対応を取ることが困難な状況となっておりました。国の定める都市計画運用指針並びに東京都における一団地の住宅施設の見直し方針に基づき、良好な住環境を確保する地区計画の策定と合わせて、一団地の住宅施設を廃止する都市計画の変更を行い、多摩川住宅地区地区計画を策定しました。

 地区計画の区域は、赤枠で囲っております都市計画の一団地の住宅施設の範囲を地区計画の区域に移行しており、狛江市の西和泉一丁目二丁目、中和泉四丁目五丁目、並びに調布市の染地三丁目の2市に跨る約48.9haの区域となっています。

ここから、多摩川住宅地区の地区計画の内容について、狛江市域を中心に説明いたします。

 地区計画の目標ですが、調布市都市計画マスタープラン及び狛江市都市計画マスタープランを踏まえて、次の5項目を設定しております。第1に多摩川等周辺のスカイラインへの配慮による良好な街並みの形成、第2に良質な住宅ストックの形成と多様な世代の定住促進、第3に創出用地の活用による地域活性化と利便性の向上、第4に開放性の高い広場空間ネットワークの形成、第5に快適な歩行者空間ネットワークの形成、以上5項目を地区計画の目標としています。

 なお、本地区では街づくり提案を踏まえ、各街区の建替え等の熟度に応じて、計画的かつ段階的に地区整備計画の見直しを行っていくこととしております。

 次に、土地利用の方針について説明します。パンフレットの3ページ、4ページをご覧ください。狛江市域を赤枠で囲っていますが、今、地区計画決定されているのは、上図のようになっております。狛江市域は、クリーム色の住宅再生促進地区と公共公益地区と住宅公益複合地区となっています。

 パンフレット4ページ上段にあります方針附図は、土地利用の将来形のイメージを表しています。将来、狛江市域のイ号棟、ニ号棟は、この方針附図のように、今後、住宅再生A地区に変更し、建替えの計画を進めることとなります。

 その他当該区域の整備、開発及び保全に関する方針です。地区中央の生活拠点地区を、本地区の賑わいやコミュニティの核と位置付け、商業・生活利便施設を誘導します。さらに、地区内の道路沿道に沿って、L字型の賑わい軸の形成し、賑わい機能を誘導します。また、地区全体で積極的な緑化、既存樹木の保全に努めることを定めております。

 続いて、地区施設の整備の方針を簡単に説明します。パンフレット5ページをご覧ください。1点目の道路は、原則として既存道路を区画道路とし、区画道路1号から10号までを位置付けております。2点目の公園は、地区中央に約1万平方メートル規模の公園を位置付けております。3点目の緑地は、地区外周に適切に配置することとし、合計約1万6,000㎡を位置付けております。4点目のその他の公共空地については、スライドの(1)から(8)までの8種類を設定しております。

 地区計画への変更にあたっての地区施設の配置の方針は、現在の公園や緑地の水準を維持することとしております。さらに、地区計画で良好な空間を創出していくことを、街づくり提案等を通じて、地元住民と共有してきております。

 このことから、一団地の公園や児童公園を継承したもの、新たに防災性や居住環境の向上等に寄与する広場等を地区公園・地区広場として位置付けることとし、住宅再生A地区では、緑地と併せて、これらを敷地面積の13%以上確保することとしております。小規模なポケット公園、ポケット広場、歩行者空間ネットワークの形成のためのコミュニティ街路、通路及び歩道状空地を併せて敷地の5%以上配置し、良好な空間の創出に寄与するものとしております。

 建築物等に関する事項について説明します。今後、狛江市域での建替え等再生を目指すためには、住宅再生促進地区から住宅再生A地区に都市計画変更することになるため、住宅再生A地区の内容を中心に説明します。パンフレット7ページをご覧ください。

 用途の制限ですが、土地利用の方針を実現するため、地区計画による建築物等の用途について緩和と制限を行います。賑わい軸沿道を構成する住宅再生A地区等では、賑わい軸に面する1階部分には、店舗、飲食店等の用途に供するもので床面積1,500㎡以内のものまでの立地が可能となるよう緩和を行います。

 一方、制限する用途は、一戸建て住宅などの土地利用の方針に沿わない用途のほか、賑わい軸に面する建築物においては、住宅再生A地区等は1階部分について、原則、居住の用に供する用途を制限しています。

 続いて容積率の最高限度について説明いたします。現在の狛江市域は、住宅再生促進地区で容積率は、60%となっておりますが、土地利用の方針の実現を図るため、住宅再生A地区は160%としております。

 なお、住宅再生A地区は、良好な居住面積水準である70㎡以上の住戸を街区ごとに整備する戸数の1/2以上設けることで、160%と位置付けております。

 さらに、建築物の環境性能の向上を誘導する観点から、CASBEEのAランク以上の認証又は、低炭素建築物の認定を受けた建築物とした場合にはプラス10%とする規定を設けております。

 次に建ぺい率の最高限度について説明します。現在、住宅再生促進地区は、26%の建蔽率ですが、住宅再生A地区に変更した場合は、40%となります。

なお、住宅再生A地区、B地区は、地区公園等を敷地面積の16%以上設置していると市長が認めた場合は、プラス1%とする規定を設けております。

 次に、土地利用の方針に沿った適切な土地利用を誘導するため、建築物の敷地面積の最低限度を設定いたします。住宅再生A地区及びB地区は5,000㎡としております。

次に、快適な歩行者空間等の創出を図るため、5種類の壁面の位置の制限を設けます。パンフレット11ページ、12ページをご覧ください。

 なお、ニ棟街区の住宅再生促進地区については、住宅再生A地区へ移行する段階において、これらの壁面位置の制限をさだめることとなります。

 1号壁面は、賑わい軸沿道を構成する部分で、道路境界から7m以上壁面後退し、後退した部分には幅2m以上の歩道状空地を設けることにより、賑わい軸の空間形成を図ります。2号壁面は、道路境界から7m以上後退し、既存歩道とあわせて有効幅3.5m以上、若しくは単独で有効幅2m以上の歩道状空地を設けています。その他の区画道路に接する部分は、3号壁面を設けます。道路境界より5m以上の後退とし、既存道路とあわせ原則、有効幅3.5m以上若しくは単独で有効幅2m以上の歩道状空地を設けるものとしています。5号壁面は、地区内に設けるコミュニティ街路の両端からそれぞれ2m以上の後退距離を定めております。壁面の位置の制限をしている部分には、壁面後退区域における工作物の設置の制限を定めています。原則、工作物の設置を制限するものとしています。

 なお、公共公益上必要なもの、交通安全上必要なものなど、6項目については、適用除外を設けております。

 続きまして、高さの最高限度です。パンフレット13ページ、14ページをご覧ください。全体として、25m以下かつ8階以下のまち並みを基本としつつ、周辺のスカイラインとの調和や多摩川からの景観に配慮するため、地区北側の戸建住宅と隣接する区域並びに地区南側の多摩川沿いの区域を含む地区には、より周辺に配慮した制限を設けております。具体的には、北側では、外周道路の区画道路1号に面する敷地を含む住宅再生A地区、並びに公共公益地区で、建築物の各部分から区画道路1号の反対側の境界線までの真北方向の水平距離に0.6倍を加えたもの以下の高さとする斜線制限を設けており、25mとのいずれか低い方の高さを適用するものとしております。また、多摩川沿いに位置する住宅再生A地区のうち、調布都市計画道路3・4・4号線沿いに走る水路の北側境界線から20m超40m以下の区域については、高さ20m以下かつ6階以下とするものとしております。

 なお、良質な住宅ストックの形成を誘導する観点から、住宅再生A地区には次の緩和規定を設けております。

 建築物の高さの緩和要件の1点目は、東京都マンション環境性能表示基準の項目全てを星印3つとすること。2点目は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律第6条第1項に規定する認定を受けること。3点目は、これらと同等の良質な住宅ストックの形成に値すると認められる基準を満たすこと。この3項目のうちいずれかに該当する建築物とした場合は、一定の範囲内で25mの高さ制限を最大で37.5mまで段階的に緩和するものとしております。

 次に、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限です。住宅再生促進地区以外の各地区では、第1に、周辺の市街地と調和した彩度、明度を用いること、第2に、上層部に至るにしたがって明度を上げるなどの工夫を行うことを定めております。第3に、形態意匠については、長大な壁面を避けるなどの工夫により圧迫感や威圧感を感じさせない様にするものといたします。これらに加えて、多摩川沿いの区域を含む住宅再生A地区並びに住宅公益複合地区では、第4として、高さ20m以下かつ6階以下の高さ制限となっている範囲から、さらに20m以奥の範囲で、建築物の高さが25mを超える部分は、建物の外壁長さを一辺につきを60m以下に分節するものと定めるほか、多摩川沿いの良好な景観形成を図るための事項を定めております。

建築物の緑化率の最低限度については、住宅再生促進地区以外の各地区で、敷地面積の25%を下回らないこととしております。

 垣又は柵の構造は、住宅再生促進地区以外の各地区で、道路、公園、広場等外部に面して設置するものは、原則生垣又は透視可能なフェンス等といたします。

土地の利用に関する事項としましては、敷地内に現存するケヤキ等の保存樹木は、積極的に保全するよう努めるものとします。

 現在の多摩川住宅地区の地区計画は、原案での意見書等を踏まえ、地区計画の決定及び一団地の住宅施設の変更に係る都市計画の案の作成を行い、平成29年7月27日から2週間、都市計画法第17条に基づく縦覧及び意見書の受付を実施いたしました。縦覧者は25名、意見書数は地区計画案に対し10通、一団地の住宅施設の変更案に対し5通を受理しました。狛江市、調布市において、都市計画審議会へ付議し、平成29年9月29日に都市計画決定告示を行いました。地区計画決定までの経緯と地区計画の住宅再生A地区の内容を中心に説明させていただきましたが、地区整備計画の概要は以上でございます。

 次に、現在、狛江市とニ棟団地管理組合法人とが協議を行っている建替え計画について説明します。

 地区施設の整備の方針で説明しましたが、多摩川住宅地区地区計画では、地区公園等を13%以上、ポケット公園等を5%以上配置することとしております。ニ棟団地管理組合法人の計画では、机上の資料の6ページのように、それぞれの地区施設が配置されております。敷地の北側に、地区広場1号、2号、3号が配置されています。他に、敷地中央に地区公園1号、地区公園2号が配置され、それをつなぐようにコミュニティ街路が配置されています。

 こちらのスライドは、資料10ページにありますように、建替え計画の全体像を示したものです。地区施設のほか、建物や駐車場等の配置が示されております。

 前後して申し訳ありませんが、こちらのスライドは、資料5ページの建替え計画の鳥瞰図です。計画地の南東側上空より見た全体像を示しています。

 こちらは、資料17ページにあります、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限について、説明されているものです。根川さくら通りに面する建物の東面の立面図が示されています。狛江市との協議において、建替え計画では色彩に工夫することや植栽等で壁面の圧迫感威圧感を軽減できるという説明を受けています。狛江市としては、色彩や植栽等だけでは圧迫感威圧感を軽減することは難しいと判断し、長大な壁面の間に空間を設けることや壁面を雁行させることなどについて再検討を依頼しました。その結果、長大な壁面の間の一部をなくすことにより、遠くから見ると建物が分かれているように見えるような内容の計画を受けております。

 建替え計画については、今後まちづくり条例の手続きもすることとなります。まちづくり条例については、昨年度改正を行い、今年度4月より、地区整備計画計画区域の建築計画については、大規模構想等協議手続きが省略されることとなりました。市民が意見を出せる機会が減ること等に鑑み、また、地区施設を定めてしまうと残った敷地で建築計画の変更等検討を進めることが難しくなることから、現段階の計画について、7月11日付けにて狛江市長よりまちづくり委員会へ、現在の建物計画が地区計画の主旨に合っているのか、特に地区整備計画のルールに合致しているのかについて、諮問を行いました。

 また、建築基準法の第86条の規定に合致するか等、建築指導にも相談しております。

 今後は、まちづくり委員会の答申内容を踏まえ、引き続き協議を行ってまいります。

 次に、地区計画の変更に伴う都市計画公園の変更について説明します。

多摩川住宅地区には、昭和47年に都市計画決定を行った都市計画公園が6箇所あり、そのうち3箇所の公園は、多摩川住宅ニ棟の敷地内に所在しています。この都市計画公園については、多摩川住宅地区地区計画の変更に伴い、都市計画変更を行う必要があります。

 ニ棟内の都市計画公園は変更により廃止されても、地区計画の地区施設として定める地区公園や地区広場等が整備され、公共的な空地は維持される予定です。また、東側及び南側の根川を公園及び緑地に指定することを検討しております。特に南側の根川を蓋掛けし公園整備することで、地区広場と一体的に利用でき、南側の都道からもアクセスできることで、利便性が向上すると考えています。

 この他、都市計画マスタープラン改定作業の一環として、多摩川住宅内の都市計画公園の廃止より遅れてしまいますが、狛江市内の都市計画公園の再配置を検討し、都市計画公園空白地等へ新たな指定を行っていくことを考えています。

 都市計画公園の変更のスケジュールとしましては、地区計画の変更前もしくは同時に行う予定としております。

 

会長

 ご意見、ご質問があればお聞きします。

 

委員

 今ご説明いただきましたが、ニ棟団地管理組合法人は、いわゆる長大壁面について改善されているという主張をされており、それに対し市は長大壁面の一部をなくすことによる圧迫の改善はされていないというご見解だと思うのですが、もう少し詳しく、話し合いの経過、内容についてご報告いただけませんか。

 

幹事

 ニ棟敷地の東側について、建物の配置計画はコンサルタントを交えながら市との協議を数年にわたり行っているところでございます。これは地区計画の策定より前から続いているところでございまして、地区計画の策定にあたって住民の皆様から平成28年にご提案をいただきながら、それに沿う形で地区計画を作るにあたり、長大壁面の考え方についても地区計画に盛り込んだところです。

 住民の皆様がコンサルタントを含めて検討してきた内容について、昨年10月と記憶していますが、事業協力者としてデベロッパーの方々を交えて検討をした結果、計画の内容が大きく変わって、現在の形になっているということでございます。

 平面図でいうと、根川沿い中央に抜ける地区施設があるのですが、南側と北側に160m程度の建物がございます。これを長大壁面と解釈せざるを得ないのではないかという点から検討を重ねていく中で、住民側としても検討の努力をしていただいた結果、8階建てのうち5層分をスリットのような形で切り込みを入れ、下3層分の建物を繋ぐ形状とし、植栽等で圧迫感、威圧感の緩衝が出来るのではないかとに考えているという提案がされていますが、長大壁面の考え方については未だ折り合いがついてないというところでございます。

 

委員

 ということは、いわば市とニ棟団地管理組合法人との考え方が合致していないということですよね。先ほどのご説明で引き続き協議していくと仰ったわけですが、そのあたりは今後デベロッパーなど、直接建設に携わる方々も含めて、今後具体的にどのように協議をしていこうとしているのかお聞かせください。

 

幹事

 やはり住民の皆様としても、どこまでのことができるのかということは常に検討されているのですが、建築部門としてのコンサルタントやデベロッパーの方々からの提案というのがもう少し欲しいというところで個別に調整をしています。これからの協議については追ってご報告できればと思っているところです。

 

委員

 ニ棟については500戸1000人以上の方が住まわれ、昭和40年代に建てられたということでかなり老朽化し、地区計画の策定を含め10年以上の時間をかけてようやくここまできたというところです。現に居住しながら議論を深めているということでもあり、住民の皆様にとっては、住み続けられるかという負担に直結します。過大な負担無く帰ってこられるかということが居住者の方にとって切実な問題ですので、十分に認識していただく必要があると思います。還元率が少しでも低下すれば、今後の建替え計画について慎重になってくる方も一方ではいらっしゃると思います。そうすると事業性という点で大きな問題がでてきますので、建替えの計画であるということについてもう少し住民に寄り添った対応という観点ではいかがでしょうか。

 

幹事

 もちろん住民の皆様とも直接やりとりをさせていただき、コンサルタントやデベロッパーの方々とお話しさせていただく中で、多摩川住宅の実情等については市に直接お声をいただいているところです。それについては重々理解しているところですが、将来的な、子や孫の世代でこういうまちづくりをしていこうという地区整備計画があり、その計画に沿った形で検討を進めていく中で、住民の皆様のご事情はあるものの、それと合致しているのかという点については、行政としては追求していかなければならないことでございます。

 それぞれの考え方であるとかご事情ということは調整が難しい中ではありますが、現在の計画が地区整備計画やまちづくり条例に適合しているのかについて、第三者的な立場から専門家の方のご意見を聴きながら、よりよいまちづくりの方向性を見出していこうとしているところでございます。

 

委員

 いずれにしても、地区計画という形でこれまでの思いをまとめてきましたので、頓挫するようなことがあってはならないと思いますし、双方がボタンを掛け違えたような状態では、前に進むものもなかなか進まないということになりますし、お互いの主張があるのでしょうけれど、折り合ってより良いものにしていく必要があるかと思います。そういう点では、きちんとデベロッパーと意見交換しながら、市の意見を住民の皆様に伝えながらしっかりとやっていく必要があるのではないかなと思います。改めて、今後のスケジュールについて教えてください。

 

幹事

 これまでの経過があって、案ではありますが本日お示しした計画が進行しているところです。長大壁面をどう解決するかということをご努力されて分節などといった案が出てきているのですが、やはり地区計画の中に、長大な壁面を避ける等の形態意匠の工夫により圧迫感や威圧感を感じさせないようにするという記載がある中で、それをどのように汲み取って計画に反映していただくか、といったことを検討いただいている最中です。

 市としても、多摩川住宅の建替え計画には全面的に協力して円滑に進めていきたいと思っておりますので、時間軸としては都市計画変更、地区整備計画の変更をしたうえで、基本設計についてはさらにもう一度住民の皆様と詰めていき、都市計画変更をした後で詳細な調整をしていくことになると考えております。現段階では全体的なボリュームというところが示されていると理解しております。ただ、理念についてはお互いに共有して、長大壁面の考え方については設計を進めていく中で変化、検討がされる必要があると思いますので、共有をしながら今後も市と相談をしながら円滑に建て替えを進めていければと思っております。市はまちづくり委員会にも説明をしましたし、本日も都市計画審議会の皆様にご説明をして、都市計画変更を円滑に進められるよう努めておりますので、何卒ご理解いただければと思います。

 

委員

 今お話を伺って、ご努力が伺えました。こういう検討は、地区計画が策定された後の動きですから、それに合わせていくというのは当然なことです。地区計画以前から比べれば、この地域は倍の建ぺい率と容積率を打ち出しています。大盤振る舞いとさえ言える変更なのですが、それだけの緩和をするのなら、今問題となっている長大壁面についてはしっかりと検討をしてください。これについては文言で表されていると、解釈にかなり違いがでてくると思います。数字に現われるものではないため大変難しいことで、ここで議論をしても結論が出るものではなく、都市計画審議会は本来そういうことを議論する場ではないと思います。

 大きな緩和をしたら規制が生じるという自明のやり方の中で、幸い時間はあるのですから、もう一度コンサルタントに頑張っていただくことに期待したい。

 

委員

 私も似た意見なのですが、圧迫感、威圧感といったことは定性的なものではっきりしないところがあって、そういう意味では定量的になっていないことが今後の課題ですが、こういったところを少し具体化していくことも必要かなという気がします。1つは岩戸北二丁目地区地区計画と比較して、はっきりした数字がないから、他のところと比べてどうかという考え方があります。

 中高層住宅地区Ⅱという、岩戸北二丁目のパンフレット7ページに出てくるところですが、中高層住宅地区Ⅰの方は、色々な整理がされていますのでⅡが比較可能だと思われます。ここは1号壁面線に該当し、道路境界線からの壁面後退が恐らく4mだと思いますが、このときの高さ制限は12mです。つまり比率で言うと4対12になっている。一方で中高層住宅地区Ⅰの方を見ると、これは2号壁面線ですので道路境界線からの壁面後退が3mに対して高さ制限15m、すなわち3対15となっています。高さに着目すると、3倍なのか5倍なのかという観点があるかと思います。

 そういった実績を見てみると、3倍くらいの高さに制限するのがいいのではないか、という考え方が岩戸北二丁目の例から現れているのではないでしょうか。さらに、現在議論になっているところは、岩戸北に比べれば市街地から少し離れ、緑が豊富なところですから、そういう意味では同地区の中高層住宅地区Ⅱを参考にしながら、壁面後退とそこからの高さを決めた方がよかったのではないかなと。ただ、そこは明確には書いていないところですので、コンサルタントに頑張っていただくところでもあると思います。

 

会長

 色々な考え方があり、難しい問題だと思います。基本的には都市計画審議会の議論にも限界があります。しかし、市当局が問題の重要性に鑑みてこうした場に報告していただくというご努力を評価したいと思います。

 端的に申しますと、建替えですから、建替えが成立しないような規制は意味がない。だけれどもせっかく建替えるのだから良いものを作りたいという、その調和点が重要です。

 1点お伺いしたいのですが、まちづくり委員会はどのようなスケジュールでこの問題をご議論されているのですか。

 

幹事

 まちづくり委員会へは7月11日に諮問させていただき、検討するにあたって住民の皆様やデベロッパー、コンサルタントの皆様にお越しいただいて事業の説明をしていただきながら意見交換等をしております。

 それを踏まえて今後委員会における答申として、地区整備計画と現在の計画されている内容とでどのような合致点であるか、またさらなる検証が必要であるか等をまとめていただいて、早ければ1か月くらいで答申いただければという考えです。

 

会長

 ありがとうございます。まちづくり委員会のご意向を踏まえて、また適宜こちらにご報告いただけたらよいと思います。

 では、その他の議題に移ります。

 

事務局

 狛江市都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画の策定についてご報告いたします。

 狛江市都市計画マスタープランは、平成24年3月に改定を行い、このプランに基づき都市計画に関する施策や事業を行ってきましたが、社会経済や狛江市を取り巻く都市計画に関連する状況は大きく変化しました。このため、現行計画の目標年次の中間となる令和3年度に向け、居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等さまざまな都市機能等のまちづくりに関わる関係施策との連携を図り、総合的に検討を行います。

 また、都市計画マスタープランの検討と平行して、都市全体の観点から、居住機能や都市機能の立地、公共交通の充実に関し、まちづくりに関するさまざまな施策と連携を図りつつ、コンパクトで持続可能な都市の形成に向けた取り組みを推進するため、立地適正化計画の策定を行います。立地適正化計画とは、居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等のさまざまな都市機能の誘導による、都市全体を見渡したマスタープランとして位置づけられる都市計画マスタープランの高度化版と言えるものです。

 狛江市都市計画マスタープラン改定及び立地適正化計画の策定のスケジュールについては、今年度より3か年を予定しております。

 平成31年度は、都市計画マスタープラン及び立地適正化計画に共通して必要な作業である上位関連計画や近年の社会潮流の整理を行い、都市が抱える課題の分析及び解決すべき課題の抽出を行います。都市計画マスタープランについては、さらに、現行都市計画マスタープランの施策推進状況の評価を行い、将来都市像の検討を行います。立地適正化計画は、課題を踏まえ、まちづくりの方針の検討を行います。

 令和2年度には、将来都市像に基づきまちづくり方針や実現化方策の検討を行い、都市計画マスタープランの素案を作成します。立地適正化計画は、誘導施設及び誘導区域等について検討し、設定を行います。

 令和3年度には、都市計画マスタープラン及び立地適正化計画の案をとりまとめ、パブリックコメントを実施する予定です。詳細なスケジュールについては、資料4-1をご確認ください。

 続いて、都市再開発の方針について、報告いたします。

 都市再開発の方針とは、市街地における再開発の各種施策を長期的かつ総合的に体系付けたマスタープランです。再開発の適正な誘導と計画的な推進を図ることを目的に定めるものとなっております。本方針における再開発とは、市街地再開発事業等のほか、地区計画等の規制誘導手法によるまちづくりや都市施設の整備と一体となった土地利用の面的転換等を含むものです。 

 現在東京都では、本方針を令和2年度末の改定を目指し、手続きを進めております。これまで、狛江市域においては地区を設定しておりませんでしたが、今回の改定において、1号市街地、再開発促進地区及び誘導地区を定めていく予定でおります。詳細については、今年度第2回都市計画審議会にて、報告させていただきます。

 続いて、東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針(案)について、ご報告いたします。資料4-2をご覧ください。

 平成28年3月に東京都、特別区及び多摩地域にて策定した、東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)の中で優先整備路線として選定した都市計画道路の整備を行うと、東京都全体の未完成の都市計画道路は残り約2割となります。それらについて、必要性は確認しているものの、社会情勢の変化等を踏まえ必要な検証を適宜適切に行っていく必要があります。東京都、特別区及び多摩地域(26市2町)では、優先整備路線を除く未着手の都市計画道路の在り方について、平成28年度より概成道路における拡幅整備の有効性や立体交差の必要性等、新たに都市計画道路のつなぎ方や構造に関する検証項目を設け、協働して調査検討を行い、このたび、その基本的な考え方を基本方針(案)として取りまとめました。こちらにつきましては、令和元年7月12日に公表し、8月12日まで東京都都市整備局でパブリックコメントを実施しております。令和元年内を目途に、東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針を策定する予定です。現在、市ホームページにて周知を行い、まちづくり推進課の窓口でも閲覧しております。また、8月1日号広報でも周知を行います。

その他の報告は以上です。

 

会長

 議題は全て終了しました。その他、ご意見等ないようですので、本日の狛江市都市計画審議会はこれにて終了いたします。   


 

狛江市都市計画審議会委員・臨時委員名簿

肩書 選任の区分 氏名
会長 学識経験者 杉浦 浩
職務代理 学識経験者 吉井 博明
委員 学識経験者 石井 恒利
委員 学識経験者 佐藤 淳一
委員 学識経験者 田邉 学
委員 市議会委員 岡村 しん
委員 市議会委員 栗山 たけし        
委員 市議会委員 三角 たけひさ
委員 市議会委員 田中 智子
委員 市議会委員 小野寺 克己
委員

東京都多摩建築指導事務所

建築指導第一課長

小峰 君次
委員 狛江市の住民 髙山 精一郎
委員 狛江市の住民 鈴木 一成
委員 狛江市の住民 毛塚 正太郎
臨時委員 調布警察署長 大澤 真一
臨時委員 狛江消防署長 白銀 武郎
臨時委員 マインズ農業協同組合理事 谷田部 英雄
臨時委員 狛江市農業委員会会長 本橋 正美