昭和40年代に入って、日本人の平均寿命は70歳代に達し、急速に高齢化が進み、健康で働く意欲のある老人から就業機会を求める声が出始めた。
 48年9月、東京都は「東京都高齢者就労対策協議会」を設置して、検討の結果、49年に「東京都高齢者事業団(仮称)による就労施策要綱」をまとめ、同年6月に高齢者事業団準備会を発足させ、12月18日に設立総会を開催、東京都高齢者事業団が誕生した。同事業団を50年10月、発展的に改組して、(財団法人)東京都高齢者事業振興財団とし、今日に至っている。
 狛江市では、53年4月26日に設立総会を開催、会員数228人で都内で21番目になるが狛江市高齢者事業団を設立した。その後、55年10月に(社団法人)シルバー人材センター狛江市高齢者事業団と、平成2年7月には(社団法人)狛江市シルバー人材センターと改称している。
 当初の事務所は福祉会館内に置かれていたが、63年5月、猪方3丁目の市有地に、松坂鈴男会長の寄付により新会館が建設され、同会館にその拠点を移した。
 同事掌業団の初年度は、登録会員272人、受託事業477件、契約金額1,648万円であったが、関係者の努力により年々伸長し、63年度には登録会員350人、受託事業1,710件、契約金額7,119万円と、その実績において4倍もの伸びを示している。
 今までの事業に加え、平成2年からは教職を経験した会員による小学生を対象とする補習教室など、時代を反映した事業も取り組まれている。
 高齢者の生きがいと労働力活用の場としての高齢者事業団の重要性はますます高まっている。