全国の自治体の多くが、その土地柄に応じた「市の木・市の花」を決めているが、狛江市でも、市の木にはイチョウ、市の花にはツツジを定めている。
 これは、人口急増による宅地開発で市内の緑が減少しつつあるため、この回復を期し、市の緑のシンボルとして、昭和48年に決定したものである。同時に、4月と10月にそれぞれ「植樹週間」が、市民一人ひとりが失われつつある緑の回復に努め、植樹に協力するよう設けられた。
 市の木、花の選定にあたっては、市民で組織とする選定委員会で、狛江の気候風土に合い、当時、社会的な問題であった公害や病害虫に対する強さ、美しさなどいろいろな観点から検討された結果、選ばれたものである。
 選定の過程で有力な候補としてあげられたものには、木ではケヤキ、花ではツキミソウがあったが、市民に馴染みが深いという点で、イチョウとツツジに軍配が上がり、以来、市民に親しまれている。
 イチョウは、特に第三中学校や狛江高校、泉竜寺をはじめとする社寺などに多くあり、黄葉の時期ともなると黄金色のじゅうたんを敷き詰めたように美しく、散歩に訪れる市民の姿も多い。
 また、青年の有志で組織する「狛江つつじの会」では、廃品回収の収益を原資に、市内の公園や公共施設に、市の花であるツツジをたくさん植える運動を展開している。今までに6,000株を超える植樹を行い、ユニークなボランティア活動として、テしビなどのマスコミでもたびたび紹介されている。
 今後も市民の方々の協力をぜひお願いしたい。