昭和49年6月、市の友愛訪問員制度が発足した。年老いた一人暮らしの老人が増加傾向にあったので、お年寄りたちの安否を確認したり、時には話相手となって孤独感を解消しようというものである。
 友愛訪問員制度発足後、市と友愛訪問員連絡会は、今後の友愛訪問員の活動の方向性を模索するため、49年と51年の2回、一人暮らし老人の生活実態調査を実施した。その結果、一人暮らしのために食生活に、多くの問題があることが分かった。特に男性の場合が、顕著であった。栄養の問題とともに、安否を確認することもできるので老人給食サービスが必要ということになり、友愛訪問員の積極的な協力を得て狛江市社会福祉協議会と市の3者が一体となって、この問題に取り組んだ。
 社会福祉協議会の事業として老人給食が開始されたのは、52年10月からである。65歳以上の一人暮らし老人、またはそれに準ずる世帯(老人夫婦世帯等)で食生活上に問題があり、安否の確認も必要とされる41人に対し、友愛訪問員の手によって第1回目の給食が届けられた。以後、毎週金曜日(7、8、9月は食中毒を懸念して中止している)、昼食を配食している。
 1食当たり500円(57年から600円)で、このうち160円(57年から200円)を本人負担としている。この費用負担が困難な場合には一部または全額を免除している。
 当初は、仕出し業者に調理を委託していたが、給食の中味のマンネリ化、老人の嗜好等から手作り給食に取り組むことになり、57年2月からボランティアグループ「若葉会」、料理サークル「月曜料理グループ」が参加して、月4回のうち3回が手作り給食となり、今日に至っている。
 なお、年1回、老人福祉月間に手作り会食会も行われ、一人暮らし老人に楽しんでいただいている。